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名古屋番割観音観音講

いろいろな偶然の中で名古屋番割観音とその観音講があることを知りました。
この観音講は毎月(8月を除く)第3日曜日の午前8時に一番割観音堂(熱田・白鳥
公園南西)に集合し33番観音堂まで巡拝すると言うことで、平成24年5月20日(日)、
小学1年の孫と参加しました。訪れた順に番割観音と観音講の様子を紹介します。

 
            熱田新田と番割観音

 熱田新田は江戸時代の初期、尾張藩主・徳川義直の命により、熱田の堀川から庄内川に至る海岸線(約4Km)を、南北は百曲街道(ほぼ現在の国道1号線)と東海通に挟まれた範囲(約1Km)を干拓したもの。正保4年(1647)に着工し、慶安4年(1651)に検地が行われ、3841石の石高があった。
 新田開発のような大規模な土木事業は、多くの犠牲を伴うことがあるので、作業の無事を祈り当時盛んに信仰されていた西国三十三所観音にちなんで新田を33か所に区割し、それを「番割」と呼び観音堂を祀った。中川、熱田、港区の一番町〜十―番町は現在もその名残りの地名として残っている。
 この三十三の観音はその後の災害等による消滅の危機を乗り越え複数を同じ観音堂に集めたりして現在も受け継がれている。
          (はっけん・たんけん・中川区まちの魅力発信隊
          平成19年3月発行の資料より)



この日の同行者は約20名、全員で読経(般若心経、御詠歌など)をしたの後、
お菓子、お茶の接待を受けていきます。東から西へ、約11kmのウォークになります。
ご詠歌は西国三十三観世音(青岸渡寺〜華厳寺)のものを用いています。


◎一番割観音堂
       境内には交通安全身代わり地蔵も建ててあり、この前でもご詠歌を唱えました。

 
観音堂前で受け付け(300円の参加費) 
 

交通安全身代わり地蔵

袈裟をかけて出発


◎二・三番割観音堂
     慈教寺の中にあり、観音像は拝観できなく、前を素通りしました。

   


◎四・五番割観音堂

   
   


◎六・七番割り観音

   


◎八・九番割観音堂

   


◎十・十一番割観音堂
     境内には大きな弘法大師像と十一面観音像が建っていました。

   

弘法大師像と十一面観音像 
 


◎十二・十三番割観音堂
     民家風の建物に十二番割観音像と十三番割観音像が別部屋に安置してありました。

 
十二番割観音像 


◎白龍大権現
十七番割観音堂へ向かう途中、路傍に祠があり、白龍神が
祀られているということで、ここでもご詠歌を唱えました。

   


◎十七番割観音堂

   


◎十四・十五・十六番割観音堂
天年寺というお寺さんの中に祀られていました。般若心経、
ご詠歌を唱えた後、ここを借りて昼食をとりました。

   
   
昼食風景


◎十八・十九番割観音堂
    脇に地蔵堂が建っていました。


地蔵堂 
 
5体の地蔵様


◎二十番割観音堂
    神明社と同じ敷地内に立っていました。

 
   


◎二十一・二十二・二十三番割観音堂
    お堂の前の公園に大きな藤棚がありました。


◎ 空 雲 寺
    熱田新田を築造したのは鬼頭景義であり、景義は晩年仏門に入り空雲寺を開きました。
    空雲寺には景義の墓碑と木造があります。墓碑の前で御詠歌を唱えました。

   


◎二十五番割観音堂
   
 脇に役行者像があり、役行者の御詠歌を唱えました。

 
役行者像
 


◎二十六・二十七・二十八番割観音堂
平成23年12月18日に訪れ、ここで観音講の話を聞き、今回参加する
きっかけになった観音堂です。左隣には地蔵堂が建っています。

   
 
地蔵堂 


◎二十四番割観音堂


◎二十九・三十・三十一・三十二・三十三番割観音堂
     5体の仏像が安置されている。ここに百曲街道の案内板があり、
     ここら辺りが一番曲がりくねり百曲街道の面影を残している。

   


曲がりくねった道を歩くと庄内川に出る。人道橋の正徳橋を渡ると下之一色である。
三十三番割観音は天明年間に庄内川川筋を変えた折り、下之一色に移された。


百曲街道 

正徳橋を渡って庄内川右岸へ出る 


三十三番割観音堂
     新川左岸堤防にあり、みよどめ観音とも呼ばれる。
  

 

名古屋番割観音講発行の御詠歌集 
 


午後3時に終わり、ちょうど7時間かかりました。観音堂は今では17箇所になっていますが、
観世音菩薩は皆健在で、約400年、よく守られてきたものだと感慨の感があります。
そして観音講はいつから行われてきたのでしょうか。観音堂をお世話なさる方、
観音講を維持される方、この時代に大変な苦労があると推察します。しかし、
本来宗教でしょうが、日本の文化としても存続されることを願ってやみません。
良い体験になりました。拙いホームページですが、興味を持たれる人が1人でも増える
ことを願って作りました。下記のページもご覧いただけるとありがたく思います。
あおなみ線part5  花 桃

川柳&ウォーク