zu032gl グラウンドワーク・第5話
大江川の水に親しむ
グラウンドワーク・第4話で記したように、(財)河川環境管理財団の河川整備基金助成の活動について、大半の企画が終了したので顛末を紹介します。 |
地域住民、企業、行政がパートナーシップを組んで地域環境改善活動を進めているグラウンドワーク東海は、昨年(平成15年)9月に、特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を取得した。この取得を機会に活動を広げようということになるが、広げるには何よりも財源が必要となる。各種の助成制度が拾い上げられ、担当が割り振られた。私には(財)河川環境管理財団の河川整備基金助成申請をつくってほしいという依頼であった。事業内容も考えてくれという依頼にはいささか面食らったが、多くの人の知恵や協力で今年2月13日付けの申請に漕ぎつけた。各種申請が不採択になる中であまり期待もできなかったが、6月に入って採択されたという情報を得た。そして、5月28日付けの決定通知書が届いた。助成金の限度額いっぱいの500万円の申請に対して200万円の決定であったが、その後いろいろ聞くところによるとかなり幸運であったようだ。快哉を叫びたいが、理事長の活動を始めとし、今までの活動も評価されたのではないかと私は推量している。
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ペットボトルを利用して採取器の制作 |
採取器を大江川に流して生物採取 |
水質検査 |
児童館でのお話し |
さてこの助成事業の総まとめ的な実行日を11月20日に決めた。この日は一宮グラウンドワーク実行委員会が開催する「第6回大江川クリーン作戦」の日である。午前はこのクリーン作戦に参加してもらい、午後はフォーラムに参加してもらおうというわけである。 そして、11月20日は絶好の日和となった。クリーン作戦は午前8時30分より大江川河畔の大乗公園に集合して始まった。私はそちらのほうに参加できなかったが、報告によると、例年通り800人ばかりの人が集まり、河川内、堤防上と清掃が行われた。(参考に第4回目の状況は大江川クリーン作戦をご覧ください) 私はフォーラムの会場である一宮スポーツ文化センターに朝から詰めた。午後からの来場者のためにグラウンド活動の紹介パネルを展示するためである。パネル作製及び搬出入経費に1団体あたり2万5千円の補助を出すことにしたら10団体より参加申し込みがあった。午前中、この展示会場の責任者として準備に当たった。パネル作製を補助することによって、今回のグラウンドワーク東海の事業に協力してもらうと共に、今後の活動にも活用してもらおうという趣旨である。 午後のフォーラムは「大江川 水土里(みどり)フォーラム」と名付け、副題を「水はたからもの」とした。最初に「秋のおしゃべりコンサート」というアトラクションで気分を和らげていただいた後、中日新聞論説委員の飯尾歩氏の「水はたからもの」という基調講演である。そして、「子どもたちによる大江川に関する取り組み」として、小学生3団体の活動報告、最後に「大江川の歴史と潤いのある地域づくり」と題したパネルディスカッションである。会場の入りが気になったが、何と300席の会場に400名以上の人が押しかけ、大盛況の中で始まった。 私の期待は何といっても一宮市内3小学校による活動発表である。最初に行った美和町、稲沢市の小学生はすでに何回も経験があるようで慣れたものである、素晴らしい。最後に一宮市となったが、3小学校が「大江川の今」「大江川の歴史」「未来の姿」とテーマ分けして発表した。Iさんから11月7日の後の状況を聞いたとき、今の小学生は達者だ、活発だと聞いていたが、全くそうであった。カウンセラーの方の指導もあろうが、美和町、稲沢市に劣らない堂々とした発表である。寸劇には会場全体が爆笑で包まれた。 |
フォーラム(パネルディスカッション) |
フォーラム(小学生活動発表) |
展示会場風景
こうして、フォーラムも盛況のうちに終わった。展示会場も結構にぎわっていた。後はビデオテープの納入を待ち、会計をまとめ、河川環境管理財団への報告を今年度中にするという作業が残っているが、記憶が薄れないうちにと思ってこの文を書き始めた。次にこれまでの感想を書いてみる。 最後に、フォーラムの主催者である新濃尾農地事業所からいただいたお礼状から一部を紹介してこの文を終えたい。 |
『私たちは、このフォーラムを通して、3つの“すごい”を見つけることができました。 ◎一つは、大江川の改修事業に携わる私たちの仕事が、1000年の歴史の 流れの中から、現在、そして未来に向けて、さまざまな人々や子どもたちの 大江川に対する思いや希望が一つに連なった大きなベクトル(方向性)を持った “すごい”ものであることを、自覚することができました。 ◎二つ目は、子どもたちの“すごい”です。水・土・里について大人以上に 一生懸命に考え、なんとかしよう!なにかしなければならない!と、 力強く訴え、会場の大人たちに新鮮で“すごい”感動を与えてくれました。 ◎三つ目、最後の“すごい”は、会場に来てくれた大勢の皆さんの“すごい” 熱気でした。私たちは、今回、一宮市、水土里ネット宮田用水(土地改良区)、 グラウンドワーク一宮実行委員会やグラウンドワーク東海と協働して準備を 進めてきました。そして、会場の皆さんは、私たちに、環境を守り、潤いのある 地域作りを進めるためのこのような取り組みに、さらに勇気を与えてくれました。』 |
(平成16年12月21日)