so287
     (せんりゅうつれづれそう)


         
第287号(R7年11月)
アベリアホープレイズ


 (科目)スイカズラ科   (花言葉)強運、気品、幸せ、

 半常緑低木で温暖な地域では年中常緑。寒冷地では冬は落葉して葉数が少なくなる。常緑葉には光沢があり、葉を縁取るように入る覆輪斑は黄色から白色に変化していって一年中楽しめる。矮性のため大きくならないため放置しても最終的な木の高さは2m以下。地面に沿って横に広がって旺盛に伸び、春から秋の長期にわたり白や薄ピンク色の小さな花が次々と咲き続ける。

 今月の随想にヘブンリーブルーの話があります。アサガオの1種です。この章の付け方は、今まで比較的大きな分類でつけてきましたが、なかなか花を見つけるのが難しくなりました。そこでもう少し下位分類でもつけていくことにしました。今月はアベリアの下位分類です。(★印は英人推奨句) 




課 題   「 背 中 」


もう消えてしまった背中の羽の痕   橘
言葉より背中が語るさびしさを   ★瑞希
憧れの背中に光る未来見え    さくら
背を押されシブシブ歌う同窓会   ペ天使
今もまだ夢の背中を追っている    靖坊
負うた子に今背負われる世の定め   ペ天使兄
子の温み背中にありて秋の暮   ペ天使妹
受験生小さな背中に背負う期待   ★くまちゃん
逆境の笑顔の孫の背中押す   奈っ葉
背中見て育ってくれると期待して   桃華
背中から知らず知らず漏れる愚痴   英人




 「新語・流行語大賞2025」
             さくら


★大阪でミャクミャク紡ぐ良い未来
  国宝を観て興味出る歌舞伎界
    物価高好物の値二度見する
  照れ隠しチャッピー呼びの人は居ず
働いてリカバリーウェアで癒す夜




「 晩 秋 」    瑞希

逝く秋を楽しむ余裕まだあるよ
晩秋の風情は軒の吊し柿
干し草の煙りたなびく秋の道
窓の外落ち葉ハラハラさびしげに
★人生も季節もすでに晩秋だ


 


(随想)   「天上の青」  瑞 希

 30年数年前、三浦綾子の「天上の青」と言う本を読みました。この本にすっかり魅了されてしまい、このアサガオを育ててみたいと、思うようになりました。なかなか種を売っているお店が見つかりませんでした。あきらめずに探し回り、ある花屋さんに尋ねると三浦綾子さんの小説に出てくるアサガオですね、とおっしゃり、種を差し出してくれました。
 西洋アサガオでヘブンリーブルー、別名天上の青です。それ依頼30年間、かかさずにこのアサガオを育てています。
 今年は気候のせいか時期になっても、葉ばかり繁り花芽がひとつも出て来なくてがっかりしていたところ、なんと2ヶ月近く遅れで花芽がぎっしり、今は毎日50あまりの鮮やかな青色の花を咲かせてくれています。初秋から霜が降りる晩秋まで、私を楽しませてくれます。




「新さつまいも」    靖坊

さつまいも安い三本五十円
数十年ぶりの焼きいも甘美なり
★思い出す祖父の焚火の焦げたいも
新米は今年も買わぬ口にせぬ
野暮ったいいもがお似合い我が人生



 「 霜 月 」     橘

★背中しか見せない人が好きでした
遠ざかる背ばかりを追ってきた果てに
情けない夢だ時計は午前二時
目標を次々鬱になるまいぞ
少しでも自分を好きでいるために


 
(随想2)  「十一面観音」   橘


 先日、滋賀県の福林寺で44年ぶりの開帳になった十一面観音を見にいきました。夫が歩行器を使うようになって、あまり遠出はしていなかったのですが、次の機会はないと思い2時間ほどのドライブです。
 普段は訪れる人もあまりいないような小さなお寺でしたが、観光バスも停まり、にぎわっていました。
 観音像はそれほど大きくはないものの、穏やかで静謐な姿でした。岡部伊都子の随筆にあった「おんまなざしのもとに私はいる」という一節が思い出され、満足して帰路につきました。



  「 二 期 」    ぺ天使兄

  冷房を切って直ちに暖房に
 短パンを脱いで直ちに股引に
着る物が部屋に溢れて片付かぬ
 束の間の秋の青空いとおしい
  ★突然に来た冬空に柿たわわ

 

  

「 パン教室 」    奈 っ 葉

  今日だけは体重気にせずパン教室
  ★手作りのパンを届けに友の家



 
・・英人の20句抄・・  「同窓会」

      八十歳区切りの年と同窓会
      小学から中高大とすべてあり
      人間の思いは同じ面白し
 小学の参加可能は十二名
 昨年末母校に桜植えました
 少し咲いた桜の前で記念写真
    中学は毎年のことで二十七回目
    参加者は二割を切り二十一名
    いつもの顔が少しずつ欠けていく
        高校は十年に一度の同窓会
        今回が最後という案内来る
        参加者は九十余名とまずはよし
        誰ですか分からぬ人も多々ありぬ
        高校は思い出薄い時代です
           大学は近年最多の十六名
           四名が亡くなっていた驚きぬ
           大学も今後世話人務めます
     小中は永年世話人であり続け
     世話人も健在であればこそできる
     もう幾年健在維持に務めよう

 



「努力の数」  くまちゃん

★色褪せたノートが示す努力の数



「 晩 秋 」   ぺ天使妹

晴天に心せかれて紅葉狩り
★拾われてついの輝きもみじの葉
柿落ち葉神のしわざか色模様

「 交差点 」    桃華

友に会いそして別れた交差点
足音が冬になりゆく交差点
どうすればいいのか迷う交差点
幸せな話をしようおしゃべり会
★夢はまだふくらんでくるゴム風船



・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 
涼しさとともに食欲も回復し秋の味覚を楽しんでいます。さりとて油断するとすぐ体重が増えるのでほどほどにしています。

◎さくら
 年も残すところ1ヶ月半ですね。そして毎年恒例の「新語・流行語大賞」の候補となる30のノミネート語が発表されました。毎年、初めて聞いたような言葉もあり、調べるのも楽しいです。昨年の大賞は「ふてほど」でしたが、今年の大賞は何が選ばれるでしょうか?


 




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 
国宝を観て興味出る歌舞伎界(さくら)   桃華
  「国宝」の売り上げは相当なものとのニュース。世界からも絶賛されているとか、嬉しいことです。昔はよく歌舞伎を見に行っていました。イヤホンガイド付きだったけど。筋もよく分かり、楽しい。役者の所作や衣装の豪華さは魅力。また劇場に行ってみたいし、映画「国宝」も鑑賞したいと思っています。

受験生小さな背中に背負う期待(くまちゃん)   桃華
  また受験シーズンが近づいてきた。どの子もみんな必死だろう。親の期待、教師の期待、周りの人々の期待など背中は重いだろうなあ。みんなみんな通ってきた道だけど。昔の私たちは誰も期待せず、自分との戦いだったから気楽だったなぁ、と今にして思う。

思い出す祖父の焚火の焦げたいも(靖坊)   英人
  焚き火で焼き芋、懐かしい風景ですね。私の家でもよくやっていました。特に私の家では五右衛門風呂を沸かす時、そのかまどで焼くのです。煙突の下に置いておきます。こういう情緒を感じる機会が少なくなったのは、本当に文明の進化でしょうか。

言葉より背中が語るさびしさを(瑞希)  英人
  言葉より背中がものを言う。言葉は何かと繕うことができるが、背中は繕うことができない。その分より寂しさを感じる。何かと寂しいこの頃ですが、これは時代の流れでしょうか、それとも歳のせいでしょうか。

もう消えてしまった背中の羽の痕(橘)   英人
  背中に羽があった。夢、希望を果たすために世界中を駆け巡る、そのための羽だったのでしょうか。今はもうその痕跡しかない。でも羽はあったのだ。もう少し夢をみていましょう。

手作りのパンを届けに友の家(奈っ葉)    英人
  手作りのパン、いただくのは何よりでしょう。そして、訪れた機会に話の花が咲く。届けたのはこれが目的だったかもしれません。話しながら手作りのパンを食べる、至福の時間です。

突然に来た冬空に柿たわわ(ペ天使兄)    英人
  急に寒くなりました。柿の葉もほとんど落ちてしまいました。そして、熟した柿だけが目立つようになりました。鳥に食べられる前にと、急いで収穫しました。まさにわが家の先日の風景です。

子の温み背中にありて秋の暮(ペ天使妹)   瑞希
  子育ての思い出はおんぶしながらの家事仕事でした。あの頃の背中の温かさは、今も私の背中にもはっきり残っています。その子供たちも今は親となりました。現在ではおんぶしている姿は全く見なくなりました。背中で大きくなった事を子供たちは覚えているのかな。一度聞いてみたいです

いつもの顔が少しずつ欠けていく(英人)   靖坊
  これは同窓会に限りませんね。年の瀬が迫り今年逝去された著名人の一覧などを見ていると、時の流れを感じずにはいられなくなります。特に自分より若い方の場合は本当に寂しい気持ちになります。けれども新年に悲しさは似合いません。今年も多くの人と一緒に無事に年を越せる幸せを噛みしめて新年を迎えたいものです。


投稿をお待ちしています。


    
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  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2025年「課題」
    (1月)苦労 (2月)幸せ (3月)読む (4月)いつも
    (5月)笑顔 (6月)来る (7月)雨 (8月)寄せる
    (9月)肩 (10月)うわさ (11月)背中 (12月)明日

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
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