“スーパーの出口付近で親子らしきり男性と男児の姿が目に留まった。男性はしゃがんで男児の両手を自身の手で包み込んでいた。「お父さんがさっき怒った訳はね・・・。落ち着いた声で話し掛け、男児は神妙に聞いていた。男性はいつもこんな調子で子どもに接しているのだろう。怒鳴ったり殴ったりしなくても子どもは最後は理解してくれることを知っているのだ。
明治生まれの義母の教えを思い出した。「小さい子がぐずって手に負えなくなったら外へ連れ出しなさい。風に吹かれ、空を見れば機嫌はすぐに直ります」と。私たち夫婦は長女と長男を授かった。企業戦士が美徳とされた昭和の世で夫は仕事に忙しく、一人で育児を担った私は義母の教えに何度も救われた。
昨今、子どもへの虐待が相次いで報道されている。密室での育児が問題の背景にあるようだが、子どもについ手を上げてしまいそうになったら、ぜひ親子で風に吹かれてみてほしい。”(5月12日付け中日新聞)
岐阜市の主婦・国島さん(74)の投稿文です。「風に吹かれよう」けだし名言と感じた。一概には言えないかも知れないが、外に出れば気分は全く違ってくる。内にいるとつい内に向きがちで、狭い心になってしまう。逆に外へ出れば、気分も外に向かう。広々とした気分になる。国島さんのお母さんの教えでは、赤子でさえそうであるという。そうなるとこれはもう理屈ではない。自然のなせる技である。本来そうできているのである。ボクは元来外に出たがる性分である。じっとしていても外の方がいい。草取りも嫌いではない。家にいてボクの至福の時間は、藤棚の下でサマーベットに寝転がることである。これからこんな時間が多くなろう。そんなボクだから国島さんの投稿文に納得である。親子で風に吹かれよう。