zu109  老人クラブ(その3)

  老人クラブ連合会長も5ヶ月が過ぎます。この間本当によく走ってきたと思います。これだけよく走ったのは久しぶりの気がします。何以来であろうか。一宮第九を歌う会や一宮友歩会を作ろうとした時以来かもしれない。でもそれとは質も立場も違います。連合会長はかなり公職的なものです。いろいろな人が見ています。発言が他に及ぼすこともあります。でも「盲蛇に怖じず」でやってきた感じです。
 内部の細かなことはいろいろありますが、まず前回でも触れました世代間交流事業について書きます。ゲートボール、グラウンドゴルフ、カラオケ大会を中止にして新たに始めようとしたことは、ラジオ体操とウォーキング大会、童謡に親しむ会の3つです。ラジオ体操についてはもう終えていますので、まずそのことを紹介します。

 その2で、子ども達が行っている夏休み早朝ラジオ体操に地元の老人クラブ(以後「白寿会」と書きます)も参加することを計画していると書きました。これはまさに世代間交流事業だ、白寿会でやろうとしたことを連合会でもやればいいのだ、と気がつきました。それまでは世代間交流事業という意識が全くなかったのです。6月8日の役員会で自分の考えを話し、調査を依頼しました。今子ども達の夏休みのラジオ体操はどうなっているのか、また主催者は誰なのか、それを6月20日までに調べてもらうことにしました。
 その結果、16町内の内子ども会主催が9町内、寺院主催が2町内、全くやっていないところが5町内という結果です。寺院主催の一町内は私の村で20日間、もう一町内は隣村の40日間、子ども会が主催している町内はすべて2〜3日間です。聞きに回った人達の小学生の頃は夏休み中だったと思いますので、驚かれたと思います。そして、主催者に老人会が参加することについて同意を得てもらいました。いずれも好意的だったようです。この結果を見て、私なりに考え、7月10日の役員会で方針を伝えました。
・原則として7月24日(雨天は25日)を「早朝ラジオ体操千秋町老人クラブ一斉実施日」とし、6時30分のNHKラジオに併せてラジオ体操をする。
・世代間交流事業として行うので、年齢を問わず誘って参加する。
・実施方法については各町内調整し、事情に合わせて行う。
 そしてこの結果を7月30日までに出してもらうことにしました。
 出てきた結果をまとめると、参加者数は約800人、その内訳は児童463人、保護者等117人、高齢者212人、総数792人となりました。子供達がやっている行事に老人会が乗り込んだだけという行事です。児童、保護者等の以前の参加者数は分かりませんが、少なくとも高齢者はほとんどゼロだったと思います。私の紙1枚の指示でこれだけの結果が残せたのです。更に驚いたのは、やっていなかった5町内がすべて行ったことです。私は「子ども会がやっていないのなら老人会でやったら」と冗談交じりにけしかけていました。まさにそれが本当になったのです。それもほとんどが町内会、子ども会を巻き込んで行ったのです。指示から実施まで2週間と言う短さです。私は8月の役員会の冒頭でまずこのことに対する感謝の言葉を述べました。老人クラブは単なる趣味の会で、何の後ろ盾もありません。でも老人には時間があります。今まで得た知識、体験、そして人脈もあります。老いたと言っても老人クラブ役員になるような人は元気です。私は機会ある毎にこんなことを言っています。まさにそれが発揮されたと思わざるを得ません。来年はこれをどう発展させるのか、その可能性はまだまだ大きい気がします。それがもう気になりますが、それは次の人に譲りましょう。私はこの一つで自分の責任が果たせたような気分です。

 でもそうは言っておられません。これは序の口で本番はこれからです。まずウォーキング大会です。「皆で歩こう会」として11月19日に予定しました。他の行事や集合場所となる県営グラウンドの使用状況などからの判断です。この日は家庭の日となっていて、親子で触れあうのに好都合な日です。「千秋歩こう会」というウォーキングの会が老人クラブ連合会の傘下にあります。この会の活用とこの会の売り出しも考えたのです。会社を今年6月に完全退職した今「私の本職はウォーキングです」と言っています。私がウォーキング大会の行事を始めることに、私を知っている人なら皆頷くでしょう。私もいい機会を得たと思っています。7月の役員会で実行委員会のメンバーを指名し、7月29日に第1回の委員会を開きました。私の考えていることを話しました。私の頭の中ではほとんどがまとまっています。コースも1人で何回も回ってみました。これからは皆の意見を聞きながら修正し、理解してもらい、協力をしてもらうことです。8月末には案内のチラシをまとめるつもりです。私は参加者目標を500人と言っています。これを内輪の数字とも言っています。多分、聞いている人は誰も本気にしていないでしょう。今までのいろいろな行事から見て、こんな数字は絵空事です。行事内容に不足はないものの、これからどうやって本気にさせるか、私の熱意だけでは無理でしょう。いい知恵はないものだろうか。

 そしてもう一つは12月17日に「童謡に親しむ会」を計画しました。中学校の体育館を借りて行う予定です。この発想も老人クラブ連合会の傘下に「童謡を歌う会」と言う会があり、その活用と売り出しを考えてのことです。童謡をよく歌った世代が、余り歌わなくなった世代と一緒に童謡に親しもうというものです。童謡の発表会ではなく、皆で練習する会と考えています。実行委員も7月の役員会で指名しました。第1回実行委員会を8月7日にする予定でしたが、台風の影響で延期し、8月28日となってしまいました。「皆で歩こう会」よりはたやすいと思っています。こちらの目標は300人と言っています。これも誰も本気とは思っていないでしょう。目標を達成できなかったら「言い出した責任を取って連合会長を辞任する」と言ってみたい、こんなことが頭に浮かんでしまいました。今の言いたい放題言っている状況からみると、いつ口から滑るか、自分でも分かりません。


 6月に完全退職して、何か気持ちが吹っ切れた気がします。自分でも不思議なくらいです。私がどうなっても影響を及ぼす職場はもうありません。家庭がありますが、娘家族はもう十分に自分達でやっています。もう親の責任を問われることはありません。妻には私が元気でいることが一番です。「亭主元気で留守がいい」です。もうこれからは本当に自分だけを見つめていけばいい。6月30日に会社で送別会を開いてくれました。送別会会場には「長い間ありがとうございました」という言葉の次に「第三の人生を頑張って下さい」と書かれた横断幕が掲げられていました。今はもらってきて、自宅の座敷に掲げています。私が「これからは第三の人生」と言っていたことを社員も覚えていたのでしょう。ところが先日「第三の人生ってありますか」と言う言葉を目にしました。第三の人生って、普通には言わないのか・・・・。でも、私にはまさに第三の人生の気分です。第三の人生というのは余生、余分な人生、余禄です。今更損得も名誉も何もないし、要りません。自分が良いと思うように生きる。それは求める場合もあるし、与えられる場合もある。先ほど上げた千秋歩こう会に入会し、グラウンドゴルフも勧められて始めました。勧められたと言えども、自分で決めたことです。それに比べ老人クラブ連合会長は与えられたものです。でも、するからには納得してやりたい。いろいろな経緯があって今があるのでしょうが、私には納得できないことも多いのです。そこで自然に変えることが多くなってしまったこの数ヶ月です。考えてもらう意味も含めています。好き勝手なことを言っていますが、嘘を言っているつもりはありません。第三の人生についてはもう少しゆっくり考えようと思っていますが「奉仕を楽しむ」と言う言葉が浮かんできました。


 地元の老人クラブ「白寿会」についても書いておかねばなりません。その2でサロンの開催について紹介しました。「サロン羽根邨」と称して6月20日の午後、第1回目を開催しました。開始の1時半前から続々と集まってきました。結局45名の参加がありました。ただおしゃべりだけで45名の参加は驚く数字です。大成功と言っていいでしょう。「いいことを開いてもらった」という感謝の言葉をたくさんの人からもらいました。女性は全くよくしゃべりうるさいくらいです。問題は男性です。数人が片隅でぼそぼそ話しています。予想されたことではありますが、大きな問題です。これでは次回はもっと少なくなるでしょう。女性の会になってしまいかねない。アンケートを書いてもらいましたが、書いた人は全員が次回以降も参加するとありました。2回目は7月19日で37名でした。男性は更に少なくなりました。第3回は8月10日で28名です。この日はもう盆の帰省客もあり、少なさは予想されたことです。この3回の試行で今後どうするか、判断することになっていましたが、私として当然継続です。そして、皆に了承してもらいました。ここで止めたらもう2度と開かれることはないでしょう。続けていればいろいろな知恵が生まれ、いろいろな出来事も起こります。第3回目では一来場者から20分ばかり話をしてもらうということが生まれました。隣の人を車に乗せて参加してくれた人もあります。これからますます高齢化します。若い人だけに頼っている訳にはいきません。生きている限り少しでも長く心身とも健康であらねばなりません。高齢者同士が助け合わねばなりません。それにはまずよく顔を合わせることです。サロンは最適です。これで今年度中は続くでしょうが、問題は来年以降です。私にはすでに腹案がありますが、どれだけの人が理解納得、協力してくれるかです。「奉仕を楽しむ」この精神が広まればと本当に思えてきました。

                                   (平成29年8月23日)
 

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