zu108  老人クラブ(その2)

 老人クラブについて平成26年10月に書いていて、それ以来随分たちますが、まずそれを振り返ってみます。
 前回に、いつかもう一度地元の会長(クラブ長)が回ってくるだろうと書きました。それは「すでにクラブ長をされた人ももう一度やって欲しい」と、自分達がお願いしたからです。お願いした手前、自分が頼まれたら、その時は潔く引き受けようと思っていたのです。その予想通り、今年に入ってまもなく打診がありました。前回務めてまだ5年しかたっていませんが、それでも潔く引き受けました。前回は6人のクラブ長の中の副代表でしたが、この間に3クラブに減り、今回は3人の中の代表会長です。


 引き受けたときは何も思わなかったのですが、その後少しずつ気になってきました。私の連区には16町内39クラブ(会員約2400名)があります。そしてその長、つまり老人クラブ連合会長がいます。その連合会長はどのようにして選ぶのか知らなかったのですが、各地区の代表会長の中から選挙で選ぶと知ったのです。16分の1の確率になります。以前は私を知る人はほとんどいなかったと思うのですが、市議会議員の事務長を務めるようになって少しずつ知られてきています。連合会長はいろいろな行事でよく見かけます。それだけ多忙です。どうなるのだろう。
 4月4日に新しいメンバーで初会合を持たれました。新しいクラブ長39名と各地区1名の女性部長16名の名簿が渡されました。この全員55名が連合会長の選挙権者であり、被選挙権者は代表会長の16名です。名簿を見てもほとんどの人が分かりません。これで選挙をし、連合会長を選ぶのです。すぐに投票が始まり、結果が発表されました。何と私が36票、次点は3票です。その3票は私たち3人が入れたものです。その他は1票や棄権です。これはどう考えても下工作がされた不正な選挙です。選挙結果が出ると、すぐに代表会長16名が別室に集められました。ここで、私に副会長以下6名の本部役員と旅行審議委員8人を指名せよというのです。指名せよと言っても誰も知らないのですから、これで指名するならくじ引きでも同じです。1年間大変な時間と労力を要する役員です。しばらくいろいろな意見を言ってもらって、今日は決めないことにしました。但し、女性3名の本部役員(女性部長)と女性4名の旅行審議委員はすでに内諾が得られていました。これは女性部長が留任だからできたことです。私が本当に指名しなければならないのは残る7名です。
 私としてもごねたいところですが、例え不正な選挙でも選挙で選ばれたものがごねて免れられるものでもありません。嫌な思いをして無駄に時間を長引かすだけのことです。潔く引き受けることにしました。こうして私の老人クラブ連合会長は始まったのです。


 まずせねばならぬことは、残る7名の役員の選出です。翌日から情報収集を始めます。知っていそうな人に聞いて回りますが、それ程確かな情報はありません。それでもその言葉を頼りに決断をしていきます。1週間ばかりの間に本人の了解を取り付けました。そして驚いたことに、指名した7名の内誰一人拒否をしなかったのです。各地区の代表会長を引き受けているのですから、それなりの覚悟はあったのでしょうか。まずはホッとしました。
 そして驚いたことに、連合会主催のゲートボール大会が4月15日に設定され、その打合会が7日に行われることになっていたのです。役員が決まるか決まらない内に行うのです。分かっている人が実質やってくれるようですが、自分が総責任者です。聞くことは聞き、正すところは正しましたが、それでも不安です。しかしながら当日は天気も良く、ともかく予定通り終えることができました。来年度は「この時期のことまでは前年度の役員が行うことにする」と表明しておきました。それでなければ気の毒です。
 ウロウロ、オロオロしながら日はたっていきます。そして、気がつきました。老い先短いこの歳になれば1年毎が大切な1年です。この1年を行かさない法はありません。楽しく過ごしたいものです。モットーを「老人は楽しく!」としよう。若い人には悩み苦しみ耐えてもらっても、老人にはもうそんな時間はありません。ともかく楽しく!。それにはイヤイヤやっていては楽しくなりません。やらされていると思ってやっていても楽しくなれません。自分から積極的にやることです。挑戦を楽しむことです。そして成果を喜ぶのです。失敗も成果です。もう失っても大したものはありません。気がついてから挨拶の中でいつも話しています。もう聞き飽きたという人が現れているかも知れません。でも言い続けます。皆さんにもそうなって欲しいのです。皆でやれば、一人ではできないこともできます。名刺の中にも刷り込みました。そして裏には、今の私が座右の銘としている「明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい」も書き込みました。


 会長になるといろいろな人がいろいろなことを言ってきます。その一つが、世代間交流事業として行っているゲートボール大会とグラウンドゴルフ大会のことです。老人と主に小学生で行っているこの二つのスポーツ大会を中止にして欲しいというのです。小学生を集めるのに全く苦労しているというのです。私にもゲートボールやグラウンドゴルフに子供らの興味があるとは思えません。それを更に夏休みの8月に行っているのです。これには私もおかしいと思いました。早速事情を聞き、意見を述べ、結局中止としました。多分前の役員の人達もおかしいと思いながらも、前例にならってやってこられたのでしょう。中止するだけで済むなら簡単なことかも知れませんが、替わりのものをしなけれならないと思うでしょう。新たなことを始めることは大変なことです。だから止められないのです。もう一つカラオケ大会も行っていたのですが、これはもっとひどい状況で、これも止めにしてしまいました。私は3つやっていた世代間交流事業をすべて中止にしてしまったのです。この決定は、大会開催に苦労してきた人には私の評価を大きく上げたようですが、一方大きな話題になっているようです。連合会長はすべて止めてどうするつもりだろう、とうわさが上がっているとのことです。心配と興味半分でしょう。私は絆の薄くなってきた現在、世代間交流事業は大切な事業だと思っています。ですから私に何のもくろみもない中で決定した訳ではありません。もう少しずつ仕掛けています。これが私の主要な事業になるかも知れません。どうなっていくのかは、追々話しましょう。
 連合会長になってあて職の多さにびっくりしています。そして各種会合へ出ます。4月から5月にかけては、各種の会の役員交代、役員会や総会が開かれます。5月に出席した主なものに、地域づくり協議会、学校運営委員会、公民館役員総会、諸団体役員総会、見守りネットワーク推進委員会等があり、こどもフェスティバルや戦没者慰霊祭などにも出席しました。町会長(自治会長)の長である連区長、民生児童委員会会長、公民館長等といつもセットの出席です。ところがこの人達は市などの委嘱を受けていますが、老人クラブ連合会長は誰からの委嘱も受けていません。老人クラブ連合会長は単なる趣味の会の会長です。知らない人にはよく分からないと思いますが、これが大きな違いです。更にこれらの人達には、市の職員など補助をする人がいるのですが、老人クラブ連合会長にはありません。すべて一人で走り回るのです。知っている人は老人クラブ連合会長が一番大変だと言います。そうかも知れません。3ヶ月近くたちました。いろいろ分かってきました。ヒョッとして今の時代、権限はなくても老人会が一番力があるのかも知れないと思えてきました。老人には何と言っても経験があります。時間もあります。老人会に参加するような人は、老いたと言っても元気です。この力をいかに結集し、発揮させるか。私に出来るとは思いませんが、やり方によっては可能です。残念ながら、老人人口は増えているのですが、老人会は衰退の一途です。クラブ数も会員数も減り続けています。10年前の組織率は45%でしたが、今は25%位です。もう10年もするとほとんど死に体でしょう。次世代を担う若い人が入ってこないのです。会員増加運動がされています。しかし、それ程の成果を上げているとは思えません。入れ!、入れ!と言っても魅力がなくては入りません。魅力ある老人会にすることが先決です。


 私は連合会長である前に、地元の老人クラブの代表会長です。3クラブ250人くらいの会員がいます。先にも書きましたが、5年前には6クラブ350人ほどの会員がいました。世間と同じように減り続けています。魅力もないのに入ってくれと言っても仕方がありません。だから私は当分言わないことにしました。その魅力作りに年度当初の役員会で、3つの提案をしました。一つは健康体操クラブの発足で、5月から月1回ですが教室が始まっています。私も先回参加しました。25名くらいが集まっていました。次はサロンの開催です。試行的に6月から月1回、3回行うことで始めています。機会ある毎に話し、くどいほどに文書を回覧しました。第1回目は6月20日です。この日の午後1時半から3時半の間に、喫茶店に行くつもりで、100円をもっておいで下さいというものです。200円程度の飲食物を出します。さあ、何人の人が集まってくれるか、今の私の最大関心事です。この文章を提出する頃にはもう1回目は終わっています。どうなっているのでしょう。この結果も追々話します。そしてもう一つは、小学生が行っている夏休み早朝ラジオ体操に老人も参加することです。私は平成25年に町会長を務めたときから毎年参加しています。これを老人会に呼びかけるつもりです。この結果は次回に紹介できるでしょう。
 このようにもういろいろ仕掛けてきました。今の私に老人会のことが頭から離れることはほとんどありません。そして毎日のように何か用事があり、動き回っています。会社は6月末で完全退職です。そのこともあって今は最高に忙しくしています。
                                   (平成29年6月18日)

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