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グラウンドワーク・第6話
グラウンドワーク活動
高校の同窓会報誌に投稿を依頼され、思案の末グラウンドワーク 活動について書いた。平成17年6月に送付し、 9月中旬に発行された。その全文をここに掲載します。 |
グラウンドワーク活動とは、1980年代にイギリスで始まった、環境再生のための実践活動。住民・企業・行政がパートナーシップ(協働)を組んで、地域の身近な環境(グラウンド)を整備・改善(ワーク)する運動のことを言う。 最初にグラウンドワーク活動の説明を書きましたが、ご存じでしたでしょうか。 私がグラウンドワーク活動に関わるようになったのは、グラウンドワーク東海のK理事長(本年6月より顧問)と知り合いになったことによります。平成11年ごろ、K理事長はある建設企業団体の役員をされており、たびたびお話をする機会ができるようになりました。そのうちお互いが一宮市民としての親しみか、会う度にグラウンドワーク活動について熱心に話をされるようになりました。 私は仕事以外の活動として、ウォーキングと川柳を長年やってきました。これらは全く仕事と関わりのない世界です。そのころ定年後も頭に描きながら、仕事上得た知識や人間関係を生かせる活動を持ってもいいのではないか、と考え始めていました。グラウンドワーク活動の話を聞くうちに、これはそれに値するのではないかという気がしてきて、勧められるままに、いろいろな行事に参加し、平成14年7月にグラウンドワーク東海の協力会員となりました。平成15年6月には個人正会員になると共に、推進委員の委嘱を受けました。グラウンドワークとは何かもまだよくわからないうちの推進委員受託というのは、いささか無責任でありますが、頼まれれば引き受けるという軽率な性格がなせる技です。現にこの投稿文を引き受け、書いているのもその軽率さがゆえでしょう。 グラウンドワーク東海は、平成8年5月に東海3県の有志によって「グラウンドワーク東海地域連絡協議会」として設立し、7年間、任意団体として事業を展開してきました。その後、平成15年9月「特定非営利活動(NPO)法人グラウンドワーク東海」として、設立登記を行いました。 このNPO法人取得を機会に、各種の助成事業に申請し、事業拡大が図られることになりました。私には(財)河川環境管理財団への助成申請書を作成して欲しいという要請が舞い込みました。作成だけならまだしも、事業内容も考えて欲しいという要請には面食らいましたが、それでも多くの人の協力を得て、平成16年2月に申請ができました。そして、幸いにも採択され、200万円の助成金がおりました。その後の活動は、同じ推進委員で、一宮市建設部のWさんの力に負うことが多く、内容は、一宮市の大志・向山・貴船の3小学校生徒による大江川観察、フォーラム開催、グラウンドワーク活動のビデオ作成等でありました。企画立案に一宮市が手を挙げてくれたことは嬉しく大変助かりました。結果、現在までの私のグラウンドワーク活動として最大のものとなりました。多くの人の協力をいただきましたが、その中にはこの会報が届いている人があるかもしれません。 NPO法人グラウンドワーク東海の定款には「グラウンドワークを普及・啓発するとともに、グラウンドワーク活動団体を支援する諸事業を行うことにより、広く一般市民に対して、豊かな環境の実現や地域社会の発展などに寄与することを目的とする」と書かれてあります。地域環境の整備や改善といった第一線での実践活動ではなく、グラウンドワークの普及・啓発、活動団体の支援となっているところに当団体の難しさがあります。しかし、こういった中間支援団体も必要なのであります。 これからの社会は行政まかせでは成り立ちません。行政もNPOや住民の活動に大きな期待を寄せています。愛知県では「NPOと行政の協働促進に向けて」として「あいち協働ルールブック2004」を昨年5月に作成しています。このルールブックは、NPOと行政が対等の立場で、協議、合意した事項をとりまとめたもので、協働の意義及び原則、双方が守るべき基本姿勢を明確にしています。このグラウンド活動はまさしく協働の活動であり、環境をキーワードとすることから今後の社会に大いに期待される活動だと確信しています。 私がこうした投稿依頼を受けたとき、まず頭に浮かぶのは、先にも触れましたが、25年近く続けている川柳活動と、10数年になるウォーキング活動です。「川柳&ウォーク」という稚拙なホームページ(http://terasan.web.infoseek.co.jp/)も開いています。それをあえて、まだ経験も浅く、知識も疎いグラウンドワーク活動について書いたのは、この活動について、皆さん方の大きな理解と協力をいただきたいと思うからです。先ほどのホームページの「付録」というページにグラウンドワーク活動について書いた駄文を5編ほど載せています。ここに書いたことをさらに詳しく書いていますので、ご覧いただければ嬉しく思います。 |
この文中に紹介したK理事長は、平成17年8月25日、57歳の 若さで急逝されました。私には残念でなりません。そして、 この同窓会報誌の発行も見ていただくことができませんでした。 残念です。ご冥福を祈るのみです。(平成17年9月26日) |