1988年10月に、愛知県知事、名古屋市長、中部財界人が万博開催構想に合意してから約17年、2005年3月25日に愛知万博は開会式を迎えた。
大事業 紆余曲折はその証し
合意する知恵を学んで今日迎え
リニモでき道路もできて人を待つ
無人の運転席が気にかかる
夜中から約10km歩いて、開会式に向かうイベントが催された。愛知県ウォーキング協会も参加することになったが、私は平日でもあり参加しなかった。ところが何とこの時期に雪が降った。開会式も雪が舞った。
歓迎の雪とは知らずただ歩く
予定外の雪が演出 開会式
人間の叡智が生きて始まりぬ
始まって出足は鈍い。それもあって、私は早々の3月28日に雨の日であったが一人で出かけた。並ぶこともなく、荷物検査を受けてすぐに入る。
出足不調 様子眺めの名古屋人
物知り顔したく早めに出かけてる
荷物開け警告程度の検査です
調べてきたものの、さっぱり要領を得ない。まずは待ち時間の少ない企業パビリオンに入ってみる。それでもさすが万博という感じで、普通には見られない仕掛けに満足である。その後外国館巡りもしてみる。
グローバルの言葉が踊る右ひだり
カタカナ語嫌いですまぬここは万博
三キロで世界一周木のリング
マンモスと一分間の逢瀬かな
第1回目は雨の日でもあり、6時間ほど過ごして帰る。その後、妻と出かけたり、孫と出かけたり、1日の勤務を終えて出かけたりした。現在(8月16日)までに12回出かけたので、おおむね回ったが、まだ行っていない人気パビリオンもあるし、見てみたいイベントもある。
並ぶ気がないから無理な人気館
今朝もダメ インターネット予約に惑わされ
ロボットと仲良くなったはいいけれど
前売り券人に渡して悔やむ妻
この万博のテーマは「自然の叡智」です。しかしどこに自然の叡智があり、環境万博といえるのかという意見もある。
“会場の設営や運営には環境に配慮し、省エネの技術などが生かされている。しかし、各国政府や企業パビリオンには1カ国を除いて「自然の叡智」が感じられない。
雑な表現をすれば発展途上国は観光案内と特産物の展示販売所、先進国や日本の企業は最先端テクノロジーの宣伝会場になっている。
1カ国とはフランスである。巨大映像で「地球の未来に将来はあるか」との命題が出る。大量採取、大量廃棄物による地球環境の危機的状況を映し出す。地球を救うために何をすべきかを考えさせられる演出だ。ところが、残念なことに途中から退出する人が目立つ。
「自然の叡智」はお題目で、見せる方も、見る方も「珍しいもの」を望んでいるよう。残り少ない会期中に、関係者は入場者が「自然の叡智」に関心を向けるように、「人間の叡智」を絞るべきである。”(7月25日付け朝日新聞)
愛知県日進市の岡田さん(72)の投稿文である。この意見には全く同感で、ほぼ全文を書き出してみた。
どこにある自然の叡智は奥ゆかし
観光と特産物がテーマです
ロボットが我がもの顔で行く舞台
ディズニーランドの縮小版と批判する
しかし同感ではあるが、これはこれとして認めたいのである。専門家でもない一般の人相手のイベントで、環境という難しいテーマでよくやっていると思う。投稿者も言われているように、環境というテーマに真正面から取り組めば入場者は激減するであろう。まだそういう時代であるということである。ともかく来てもらって、何か記憶に残り、それが将来考えるきっかけになることを期待したい。その中で瀬戸会場や地球市民村は、フランス館以上に環境に真面目に取り組んでいると思う。
対話劇場客の少なさもったいない
愛知館経緯の辛さもさらけ出し
日本館古き日本の良さ見せて
みんなして明日も生きよう地球村
万博のボランティアにも応募し出かけている。入場入り口やグローバルループで入場者の案内をした。皆自主的に応募し参加しているだけに積極的である。
生かしたい一生一度の機会です
間違った道を教えて悔い残る
ペットボトルだめだと言えば皆鬼に
急病人初めて押した車いす
五時間を終えて疲れどっと来る
残り期間も少なくなってきた。入場者は想定を上回るようである。あと何回出かけられるか分からないが、もう少し万博を味わいたいと思う。
(平成17年8月29日)
川柳&ウォーク |
|