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昭和日常博物館
(師勝町歴史民族資料館)
一宮歩の平成16年1月例会のゴールは「師勝町歴史民俗資料館」であった。
この資料館は「昭和日常博物館」と呼んだ方がよく通じるほどになっている。
主に、忘れられ、捨てられていく昭和の日用品・生活用品の
小品にスポットを当て、展示、記録、保存しているからである。
近代的な建物 |
3階の扉を開けると復元された店先 |
駄菓子屋の店先 |
手汲みポンプの井戸と流し場 |
く ど |
居 間 |
近代的な建物の中に、昭和前期の建物が復元され、
細かな日常品が所狭しと展示されている。
ヒロ・アキニレさんから、以前この博物館を訪ねられた時に
書かれた感想文の提供を受けたので、ここに掲載します。
雰囲気が良く分かっていただけるでしょう。
「少女のように」 ヒロ・アキニレ 待ちこがれた春がやっと訪れ、心が自然に浮き立ってくる。春の季に抱か れて木々の芽や、花々が咲き始める様に、人の身体にもどこか芽ぶくもの があるのではないかしら。 そんな風に思える温かな春の日、私より少しお年上のYさんをお誘いして、 ドライブした。行き先の師勝町歴史民俗資料館を、頼りのカーナビに入れて。 『リボンのにあう昭和少女モノ語り=昭和三十年代・少女があこがれ、夢 見たセカイ』と題され昭和三十年代の玩具、人形、文房具、教科書とさまざま なものがビッシリと展示されていた。どれを見ても懐かしく、何度二人で 「わぁー、わぁー」と歓声を挙げたことか。 可愛いいフランス人形や着せ替え人形コケシやキューピーさん、ブリキの 玩具にお手玉など等、そして懐かしい当時の少女雑誌、当時使われていた 家庭用品や電気製品どれもこれもレトロなものばかり。昭和三十年代の生活 やその折々の思いが鮮やかに甦ってきた。 私の少女時代は昭和二十年代、これよりももっと素朴な時代であった。 近所の仕立て屋さんから、たしか一グラム一円で、布の端切れを買ってきて、 人形と着せ替えの服やスカートを自分で作った。空き箱を並べて部屋を作り、 お人形さんごっこをしたものである。また紙の着せ替え人形を姉に作ってもら ったけど、近所の二つ年上の子に取られてしまった。口惜しかったけど、その 子はたしか、二年程で蒲郡の方へ越して行ってしまった。大人達があの子は もらわれっ子だったと言っていたけど、今幸せな人生を送って居るだろうかと、 ふと淋しげな面影が目に浮かんだ。 Yさんもいろいろ思い出を話された。二人してすっかり少女の頃にタイムス リップしてしまった。資料館を出て一瞬のうちに現実に戻ったことが、恨めしく 思えた程、こころよいひと時であった。 (後略) 平成十五年三月 記 |