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大黒屋光太夫ふるさと散策


平成21年6月27日(土)、3歳の孫と近鉄の伊勢若松駅に降り立つ。
近鉄発行のてくてくマップに従ってのウォークである。

(コースのあらまし)18世紀後半、当時のロシアを初めて紹介した大黒屋光太夫。その幾多の苦難とロシアヘの漂流から帰国までの軌跡を偲びながら歩く約8キロ。まずは伊勢若松駅を起点に、のどかな住宅街を抜ける。塩浜街道沿いをしばらく行くと、左手に伊勢湾、千代崎海岸が見えてくる。コースの中盤から後半にかけて、海岸沿いの道をてくてくと。防風林の松並木が皆同じ方向に傾いているのが、いかにも海岸線の風景といったところ。コース5キロ過ぎあたりに江島若宮八幡神社が。境内には多数の絵馬が奉納されていて、内71面が“絵馬群”として三重県の民俗資料文化財に指定されている。また江戸時代にこの付近が白子港だったことから参道入り口に“江戸両組″の大常夜燈が立っている。コースの終盤にある白子港緑地は光太夫が船出した記念の地。記念のモニュメントと光太夫の波乱に富んだ人生を作品にし、映画化もされた「おろしや国酔夢譚」の作者、井上靖氏の碑が緑地内に。海に突き出た堤防には魚釣りを楽しむ人の姿が目立つ。白子港緑地をあとに、伊勢参宮街道にふさわしい古い民家が並ぶ通りを抜けて、終点の白子駅へ向かう。(「てくてくマップ」より)


駅前には「大黒屋光太夫のふるさと若松へようこそ」の幟旗が林立する。
そして、光太夫の像も建っている。光太夫に対する想いの大きさを早々に実感する。


近鉄・伊勢若松駅前の光太夫像
 大 黒 屋 光 太 夫 (1751〜1828)
伊勢国南若松(現鈴鹿市)の生まれ、回船の船頭。1782年、伊勢から江戸への航海中に台風に遭い、
乗員17名と共に遭難。約8ヶ月の漂流後、ロシアのアリューシャン列島のアムチトカ島に漂着しロシア人に
救助される。4年後にロシア人の協力のもと船を建造して島を脱出、世界で最も厳しいシベリアの寒さと
戦いながらカムチャツカ、イルクーツクを経て旅を続け、途中知り合ったラックスマンの助力により首都
ペテルブルクで女帝エカテリーナ2世に謁見した。日本に開国を迫るためラックスマンを長とする使節団に
同行して根室に帰国した。ロシア行の記録は桂川甫周によって『北槎聞略』としてまとめられた。


駅で地図をもらって、それに従って歩く。詳しくて分かりやすい。
見朝寺や若松小学校にも寄る。小学校には光太夫の座像が建っている。


見  朝  寺

大黒屋光太夫座像(若松小学校内)


小学校前には大黒屋光太夫記念館がある。開館していたので入館する。


大黒屋光太夫記念館
江戸時代に例外的な海外体験をし、その情報を日本にもたらした大黒屋
光太夫を紹介する場として、平成17年に開館した鈴鹿市の施設。


すぐに小川神社である。茅の輪がみえたので寄ってみる。役員の方が
6月30日の夏越大祓の茅の輪くぐりの準備されていた。くぐらせてもらう。


小川神社

茅の輪

力くらべ石


墓地に来る。光太夫らの供養碑が立っていた。


市指定史跡・17名乗組員の供養碑


金沢川の河口になる千代崎港に来る。一周するように歩き、千代崎海水浴場に向かう。


千代崎港

ブイの上で休む海鵜


千代崎海水浴場では海開き前であろうが、もう多くの人がたわむれていた。
堤防では釣りを楽しむ人がみえる。そして、ここにも光太夫関連の碑が立っていた。


千代崎海水浴場

防風林の松並木が続く

大黒屋光太夫顕彰碑(千代崎海岸)


千代崎海岸を2.3km程歩くと江島公園に着く。5基の風見鶏が迎えてくれる。
ここまでで約5km、かなり疲れを見せていた孫も遊具を見つけると走っていった。


公園の隣の江島若宮八幡神社にも寄る。


伊勢街道の松並木の面影を見ながら、白子漁港に来る。


伊勢街道の松並木

白子漁港


堀切川を渡ると白子港緑地である。ここにも光太夫のモニュメントがあった。


白子港緑地

「大黒屋光太夫船出の地」説明板

大黒屋光太夫モニュメント

モニュメント上部で見張る鳩


白子港緑地の南には鼓ヶ浦海水浴場が続く。ここでも海で遊ぶ人が見かけられる。


鼓ヶ浦海水浴場


Uターンするように白子の町に戻る。いろいろな史跡を見ながら白子駅に向かう。


白子代官所跡(鈴鹿市立白子小学校内)

旧河藝郡役所跡(東町児童公園内)

紀州候別邸跡

高札場跡(白子公民館内)


勝速日神社にも寄り、白子駅である。実質約10kmのウォークを約4時間で無事終える。


勝速日神社

白子の街



寺さんのウォーク・トーク

◎3歳の孫にしてみれば、6月7日の名鉄ウォークで、6km強で終えてしまった
ウォークのリベンジである。私としても1度、10km程度を歩かせたくて、誘った。


◎名鉄ウォークでは、歩道いっぱいの沢山の人で気ままに歩けなかったが、
今回は2人だけであるので気ままである。しかし、付き添う私は全く疲れた。
興味がいたるところに向くのである。草や貝を取る分ならいいが、虫を捕り、
持って帰るというのには閉口した。時折放して動くか観察している。
これでは進まない。空き缶を見つけてその中に入れ、リュックに入れた。

◎こんな風だから、10kmに4時間もかかってしまった。でも3歳8ヶ月で
10kmは良く歩く方であろう。それも10kmの半分以上は走っていた。
時折疲れたとぐずるが、すぐ回復する。子供の能力は思う以上だ。


◎このコースを選んだのは、白子の町は行ったことはあるがゆっくり見た
ことがないし、大黒屋光太夫像の写真を撮りたかったのである。
そして思っていた以上に素晴らしいコースだった。光太夫に対する
熱い想いにびっくりし、史跡もあり、海岸線もいい。地図も詳しい。
近鉄沿線はあまり行ったことがないので、これから活用しよう。

◎本当にまいったのは、帰りの電車である。すぐにも眠るのかと思いきや、
何に興奮したのかハイテンションになり、電車の中でも大騒ぎである。
結局最後まで静かにさせることができなかった。汗顔赤面の至りである。

◎子供は本当にいろいろなことに興味が湧く。ささやかなことでも
良く覚えている。見ていないようでも見ている。
今回も多くを体験しただろう。ついて来てくれる期間は短い。
この期間を大切にしたい。そして、 私のウォークは会の例会や
大会ばかりだったが、こういうウォ−クを楽しむのもいい。


川柳&ウォーク