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多摩川100キロウォーク


 平成17年9月23日から25日の3日間、川崎ウォーキング協会主催の
「多摩川100キロウォーク」に初めて参加した。ウォーキングと自然の風景等を十分に
満喫してきたので、従来と少し趣を変えて、随想風のページにして紹介します。


 今年は今までのところ、泊まりがけのウォークにほとんど出かけていないし、長距離ウォークも1月
の「熱田伊勢125キロウォーク」以後参加していない。畑仕事等気がかりも少なくなっていたので、
9月23日からの連休にどこか適当な大会はないかと探した。そして、この大会を見つけ、参加する
ことにした。まず、妻の了解を得、インターネットで交通機関やホテルの予約をした。
 9月22日、勤務を終えて帰宅、少しくつろいだ後、午後10時半に家を出た。名古屋駅から新宿へ
向かう夜行バスを予約しておいた。今まで夜行で東京へ向かうときはJRの「ムーンライトながら」で
あったが、今回初めて夜行バスを利用することにした。一度体験して「ながら」と比較してみたかった
のである。予定通り午後12時JR名古屋駅西口を出発する。ほぼ満席、ほとんどが若者である。
途中2回、トイレ休憩をしながら新宿駅に4時45分到着する。横3列の座席で余裕があり、また座席を
かなり倒すことができ楽である。振動も予想より少なく、これならJRの青春18切符が使えないときは、
夜行バスの方が料金も安くいいと思う。

 このまま集合場所の奥多摩湖へ向かうのは早すぎるかと思ったが、初めてのことで不安もあり、
そのまま向かうことにする。新宿駅を5時18分のJRに乗り、立川駅で乗り換え、さらに青梅駅で乗り
換えて奥多摩駅まで来る。そこからはバスで、奥多摩湖に着いたのは8時少し前である。新宿から
3時間近くもかかるのだから遠いところである。
 立川駅で乗り換えた電車に、胸に「KAWASAKI」とネームの入ったジャケットを着た人を見かけ、
川崎ウォーキング協会の人だろうと思って声をかけたら案の定であった。それから奥多摩湖まで
いろいろな話を聞くことができ、不安がやわらいだ。
 集合時間まで奥多摩湖の周辺を散歩して過ごした。

                        奥多摩湖・小河内ダム


 9時半頃受付が始まった。3日間の参加費は1,400円である。地図、バッチ等をもらう。10時から
出発式である。参加者は160名ほどである。電話で問い合わせたとき、200名くらいと聞いていたので、
今年はやや少なめか。上天気、ウォーク日和である。出発式後、団体歩行で進み、中山トンネルを通り、
「奥多摩むかし道」と呼ばれる旧青梅街道合流点から自由歩行となる。片側は崖がそそり立ち、もう
一方は深い谷である。紅葉のころはさぞきれいであろう。奥多摩駅からであろうか、上ってくる人も多い。
真新しい説明板もよく立っている。
 奥多摩駅近くまでは左岸を歩き、昭和橋を渡って右岸を歩くことになる。数馬峡谷に入るとアップ
ダウンを繰り返す。白丸湖ではカヌーの練習をしている人も多い。渓谷は素晴らしい。ここから鳩ノ巣
渓谷までが最もいい見所であった。
 雲仙橋を渡って左岸へ、寸庭橋を渡って右岸へ、そんなことを繰り返しながらだんだん下っていく。
軍畑大橋からは青梅街道を歩く。ゴールの青梅駅近くの七兵衛公園に着いたのは、出発して5時間
20分後の午後3時半であった。時折立ち止まり、写真を撮るくらいで、ほとんど休憩することもなく
歩いてしまった。
 今夜の宿は、青梅駅から2駅目の河辺駅前のビジネスホテルである。夜行バスで来て、30km
歩いてさすがに疲れた。


 2日目24日は35km歩くのである。朝目を覚ましたら大変な雨の降りようである。何しろ台風17号が
関東に近づいているのである。突然の台風襲来予報に、出てくるときから不安を抱いて来たが、いよいよ
影響か・・・。今回のウォークは荷物預かりがなく、先へ先へと進むので、コインロッカーなどに預けると
取りに戻らねばならない。そこで、できるだけ荷物を減らして、すべて持ち運ぶようにしてきた。持って
いるもので雨対策をしてホテルを出た。靴の上からレジ袋を履いたのは初めての試みだ。河辺駅から
再び青梅駅に戻る。昼食はまた抜きになるだろうから、駅前で遅めの朝食を取る。
 集合は、駅近くの住江町運動広場に9時である。出発時に参加者をざっと数えたら何と40名ほどで
ある。朝方の雨におののいてしまったのだろうか。お世話をしていただくウォーキング協会の人が30名
くらいと聞いているので、全く申し訳ない気持ちになる。

 出発するときには、幸い雨はほとんどやんでいた。約6km先の阿蘇神社までは、道が分かりにくいと
言うことで団体歩行である。そこを過ぎ自由歩行になると、40人ばかりであるので、すぐにバラバラに
なってしまう。前にポツリポツリ、後にポツリポツリである。左岸堤防下の河川敷を歩くことが多くなる。
ほとんど舗装されていて歩きやすい。水鳥公園、拝島自然公園、大神公園などと次々公園名が続く。
一時止んでいた雨も昼頃から再び降り出す。路面にチョークで書かれた案内の矢印が消えかかる。
立川橋から少し街中に入り、根川緑道を歩く。素晴らしい緑道であるが、このころはかなりの大降りに
なっていて、楽しむ余裕はない。今日は写真もほとんど撮ることもなく、ただひたすら歩くのみである。
 まもなく雨は小降りになる。緑道を過ぎるとほとんど堤防天端を歩く。堤防天端は歩行者及び自転車
専用になっていて、自動車は堤防下を走るようになっている。愛知県では木曽川などの大きな川でも
堤防天端を自動車が走っており、歩行者の道が独自に設けられているのは一部である。安心して歩け
羨ましい限りである。
 立派な是政橋を渡ると、この橋の下がゴールである。5時間45分、午後3時前のゴールであった。
まだ10人もゴールしていなかった。ジュースをいただいて一休みし、JR南多摩駅へ向かう。ここで函館
から来た人に出会う。私よりもっと遠くから来た人がいたのだ。

 今夜は京王府中駅近くのホテルである。インターネット予約ということで、通常料金より700円も安い。
夕食はメーリングリストの友人と約束がしてあった。入浴をすませ、少し休んでいると電話がかかってきた。



 台風情報によると、関東地方は25日の午前中に最も近づくようである。風が強くて傘がさせないようなら、
途中リタイアも考えねばならないだろう。そんな気持ちで起きだし、外を見ると、風はありそうだが雨は降って
いないようだ。何とかなるだろうか。

 昨日のゴール地点の是政橋に向かう。今日は60人ほどの参加者である。9時10分出発する。今日は
35km、最初から自由歩行である。昨日知り合った国分寺市のSさんと行動を共にすることにする。本格的に
ウォーキングを始めてまだ半年と言われるが、まだ50歳前の若さだからか、歩きは軽快である。遊びの名刺
を渡したこともあって、その内容についていろいろ聞かれ、問われるままに話しながら歩く。こうして歩くと、
一人黙々と歩くより格段に楽であるし、楽しい。今日は昨日と逆に多摩川右岸の堤防天端、または堤防下の
河川敷を歩く。
 歩き始めて1時間半ほどでせせらぎ館へ来た。折角なので少し見学に寄り、10分ほど過ごしていると、もう
多くの人が前を歩いている。出発時はかなり先頭を歩いていたが、皆さんそれほどに早いのである。
 雲も次第に切れ、もう雨の心配はなさそうである。風はやや追い風で歩くのには好都合である。川幅も
広がりのどかな気分になる。河川敷は運動施設が連続する。田んぼのようなぬかるみでサッカーをしている
人、ゴルフをする人、ニュースポーツのような競技をしている人、格好な空地、施設である。そして、道路橋、
鉄道橋、水管橋とめったやたらに橋が多くなる。この橋が位置を確認するのにいい目安である。
 午後2時25分に殿町第二公園に着く。一応のゴールである。完歩証とジュースをもらい少し休む。そして、
そこにリュックを預け、本当のゴールである河口元標へ向かう。羽田空港から飛び立つ飛行機や水鳥が
遊ぶ河口風景を楽しみながら、残り1.5kmをゆっくり歩く。そして、元標である。100km完歩である。感激で
標柱を何度もなでる。Sさんと一緒に写真を撮ってもらう。

 第二公園へ戻り、リュックを受け取り、京急小島新田駅へ向かう。ここから川崎、品川を経て、東京駅へ
行く。新幹線の混雑を心配したが、午後4時20分発の「のぞみ」にあっさり座れ、自宅には午後7時前に
無事帰り着いた。



多摩川河口・羽田空港

河口元標



寺さんのウォーク・トーク

・多摩川100キロウォークは今回でもう18回目である。それほどウォークが盛んではない
時代にもう始められていたのだ。さすが東京圏というべきか、羨ましい。
・多摩川を奥多摩湖から河口元標まで歩くという、非常に主旨がわかりやすく、
達成感がよく味わえるのもいい。 「ボクは多摩川を100km、歩いたぞ!」と。

・歩数計は3日間で144,000歩を示した。費用は38,000円であった。
久しぶりに精一杯歩く満足感を持てた。
・川崎ウォーキング協会の人には、3日間100kmのコ−スをよくお世話していただいた。
受付をし、表示を付け、雨の中コース誘導に立つ。一口に3日間というが、
私も役員をやっているからそのご苦労はよくわかる。
 ありがとうございました。

                                        (平成17年9月29日)


川柳&ウォーク