現代川柳を味わおう
ちたの風 第256号
(平成13年7月号)
雑 詠
握手して自分の冷たさを知った 靖一
赤児抱く人間不信など消えて 幸智子
魔法瓶 清濁あわせて丸飲みに 英人
雨の中長靴履いた猫の声 恵美子
ことなかれ主義の世の中で溺れそう 美保子
訪ねれば人みな優し母の里 典子
すれ違いドラマを黙って見る夫 千津子
雨に濡れ手持ち無沙汰の象の鼻 風子
公園の外れにあった菖蒲園 白紅
小さな駅で切手を一枚買っている 愛
どの顔も輝くように梅雨晴れ間 昌利
ラベンダーの絨毯 恋でもしますか 和子
考えるときは一点だけ見つめ 八重子
湿った風を背に受けて朝を出る 和尾
東浦町文化展 出品作品
(昌利制作によるCG川柳)
(残り分については257号で紹介します)
課 題 「 手 」
肩常識とはなんだろうかと手を洗う 風子
言われた通り押さえていても叱られる 白紅
手作りと書けば商品よく売れる 典子
手相見はいつも嬉しいことを言う 千津子
空は青 手帳に書いたこと忘れ 英人
手に取ったものが小さく見えてくる 八重子
行かないで手の鳴る方に行かないで 美保子
左手の頑張り右手知っている 靖一
公園の草取りお喋り弾みます 愛
手紙には本音ちょっぴり洩れている 幸智子
ここだけの話にしてと手を合わせ 昌利
手紙より先に母から長電話 和子
手も足も出なくなっても口を出す 民夫
お手柄と褒められてから芽が枯れる 和尾
(随想) ホームページの成果 英 人 相変わらず休みにはウォーキングに出かけ、その記録を ホームページに登載するような過ごし方をしている。 その一つに昨年九月から始まった京都の宇治から福井 の永平寺まで歩く「七街道ウォーク」という五回のシリーズ ものに参加している。参加者は五百人くらいである。 先日私のホームページが主催関係者の目にとまり、大会 の冊子で紹介したい旨連絡があり、アドレスを載せるという ことで了解をしていた。ところが、六月九日会場に行って冊 子をもらうと、このシリーズの過去二回の記録が六頁に渡っ てそっくり掲載されているのである。それだけ関係者に喜ん でもらえたということで、これはホームページを作り始めて 一番の成果である。 照れくさいやら、嬉しいやら・・・・しかし、残されたコースも 参加して、ホームページを作らねばならないという責めも感 じてしまうのである。 |
共 選 「雑 詠」
1席 口で言うほどに悩んでいない眉 八重子
2席 雨粒の一つ一つの迷いごと 和尾
3席 少し苦しいから思い出らしくなる 和子
4席 むつかしい顔して漫画読んでいる 昌利