so276
     (せんりゅうつれづれそう)


        
 第276号(R6年12月)
ネ リ ネ 
の 


 (科目)ヒガンバナ科   (花言葉)箱入り娘、また会う日を楽しみに、忍耐、

 南アフリカ原産の多年草。花期は10月下旬~11月秋になると花芽を真っ直ぐに伸ばし、茎の頂部に散形花序を付ける。花径4㎝程度で花序の外側に向いて咲き、花弁は細長く反り返り、長い雄しべが突出する。花弁は光が当たると細かいラメを散りばめたようにキラキラと輝き、その美しさから「ダイヤモンドリリー」の別名を持つ。花は1か月ほど楽しむことができ、花持ちの良さと美しい花姿から切り花として利用される。

 余命から考えると、年を経るほど1年の重みは大きくなります。その1年がまもなく過ぎていきます。満足の程度は、悔いの程度はどんなものだったでしょう。よく振り返って次の年に向かいたい、と思います。 (★印は英人推奨句) 




課 題   「 燃やす 」

燃え盛る想いを封じ雪だるま    さくら
わずかでも子の灯火になり得たか    橘
主なき庭に紅葉の燃え盛る   奈っ葉
顧みて燃え尽きたことあったかな    ★ペ天使兄
遠山の一山燃してもみじ染む    ペ天使妹
沈みゆく夕陽に燃える秋の山    くまちゃん
燃やすものいっぱいあるが決めかねる   ★ 瑞希
夕陽燃え今日の記憶は消えていく    靖坊
介護録燃やせば母を失いそう    桃華
燃やすものもやして先に進むのみ   英人




  「傷ありリンゴ」    靖坊

傷ありのリンゴ五キロで千円なり
  捨てられる運命ならば食べてやろう
    傷のあるリンゴのほうがうまいんだ
  傷だらけの人生だから味がある
    ★古傷も愛おしくなる年の暮れ



「 鵯(ひよ) 」  ぺ天使妹

餌まけど鵯は南天食い荒らす
色付いて鵯の群れ来るまゆみの実
★熟れを待つ蜜柑の味見は鵯が先




(随想1) 「歳々年々(その12)」   英 人

 この随想を書くために、今年と近年を少し振り返ってみました。 日本や世界の騒々しさはいかがばかりでしょう、世の中混沌とし、終焉を思わせるような動きです。そして近年は我が夫婦ともに入院があり、いろいろな治療を受けていました。が、今年はその面では、定期的な検診以外特に何もありませんでした。
 そして私のやっていることも、コロナ禍を脱し、ほぼ従来の動きになってきました。やはり老人会関係が一番多く、意外に多かったのがグラウンドゴルフの参加でした。私の会の参加者は急激に減って来ています。それに危機感を覚えたからでしょうか、8月頃から参加が増えていました。老人会では私は若手です。頑張るざるを得ません。また、ドライブをしない私には、出かければほとんどがバスツアーです。いろいろ含めれば50日を超えていました。ありがたいことです。これも健康で体力があればこそです。
 一宮友歩会では、2月に例会100回を迎え、中日新聞で記事に取り上げられました。また、FM一宮に出演したりミニコミ誌で記事にしてもらったこともありましたし、中日新聞の発言欄に投稿した文が掲載されたこともあります。また、新たなことを始めたこともありますし、この川柳連れ連れ草のように続けられてきたこともあります。嬉しいことです。
 もちろんいいことばかりではありません。初めて交通違反切符を切られたし、挫折して止めたこともあります。80歳です、年々の衰えは否めません。でも1年でも、1日でも長く今の状態を続けたいと思っています。これからもよろしくお願い致します。



  「初冬の日々」   瑞希

    冬が来た頭上の風が声かける
  輝いて夜空の星は休みなし
枯れ草が黄金色になる夕日
  吸い込んだ朝の空気に冬を見る
    ★もう師走先の事など考えず




「冬の朝」   くまちゃん

★昨年のコートがきつい冬の朝


「 師 走 」    橘

ファンではないけど生きた同時代
非常ベル握りしめ寝る師走の夜
私には無理だとわかってくる年に
あんな夜もこんな夜も過去クリスマス
★還暦を過ぎて優しくなれたかな


 
(随想2)   「 明 治 村 」   橘

 次女が結婚し、先週明治村でウェディングフォトを撮ってきました。
 明治村は、ちたの風の頃、英人さんにお骨折りいただいて吟行旅行に行きましたね。当時は上の子も入園前で、下の子はいませんでした。30年くらい経っています。
 展示の建物は少し増えたものの、全体のたたずまいは変わらず、人生が移り変わっていくことをしみじみ感じた一日となりました。




「2024年を振り返って」 
  さくら


金色に街がきらめくパリ五輪
★表裏自分信じる時代来る
米不足元気の源感謝する
来年は終わりを願う物価高
憧れのスターの笑顔永遠に


「 年の瀬 」   菜っ葉

★消せぬままやることリスト年を越す



 
・・・英人の20句抄・・・「 桜 寄 贈 」

 四年ぶり開く小学の同窓会
  参加者は十二名と減少し
   母校に桜寄贈の話でる
     桜寄贈傘寿記念にふさわしい
      賛同の声に基金をすぐ募る
         提案者動き回って段取りし
         植え付けはクリスマスイブの日となりぬ
         植え付けの立ち合い人を依頼され
         先生と庭師と話し位置決める
         校門の近くの植え付けは最良で
       来年の入学式に咲くという
      校門の前で桜と撮る姿
     想像が膨らみ今からワクワクし
    同窓会開花に合わせ準備しよう
           桜は成長吾は衰える
           成長を見ていくことを励みにし
           この対比を楽しみながら見ていこう
            イブの日は大学の役も引き受ける
           来るものは拒まずできることはする
          いろいろし傘寿の年も乗り越える


 

「 落 葉 」    ぺ天使兄

 空青く紅葉の赤と銀杏の黄
  銀杏葉の黄金敷く道宮参り
   道を掃く背になお降りてくる落葉
 ★輝いて終わる紅葉は羨まし



「 風 邪 」    桃華

ああ悲し弱い私が風邪引いた
移された私の方が深刻に
何もかもできないままの日々続き
★最後までへばりついてる柿ひとつ
元気だと踏ん張りどころ見せる脚



 


・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 気が付けば師走。元日の地震がつい最近のことに思えるくらいあっという間の一年でした。少々早いですがよいお年を!

◎橘
 私は年賀状を作るのももらうのも好きなので、今のところは続けようと思っていますが、郵便料金の値上げが痛く、ラインなどメールでつながっている人には年賀状の写真を送ることにしました。


◎さくら
 清水寺で発表される「今年の漢字」は「金」でした。オリンピック開催年は、「金」になる事が多いようです。金メダルの「金」は良いイメージですが、来年も明るい良いイメージの漢字が選ばれる良い年になって欲しいと思います。


◎ペ天使兄
 紅葉が色褪せ、銀杏の枝が露になって来ました。近くのお宮の境内は銀杏落葉で黄金の広場です。

 




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 
輝いて夜空の星は休みなし(瑞希)   桃華
  
休みなくズッと光り輝いている星もいれば、私のように体調を崩し、寝込んでばかりいる老女もいる。この世は不思議なものばかりなのかな?できればいい夢をみていたいものだな。

昨年のコートがきつい冬の朝(くまちゃん)   桃華
  季節が変わる毎に服は変わる。成長してきつくなったくまちゃん、オメデトウ!そしてだらだら過ごしてウェストが太くなったしまった私・・・反省です。着る服がなくて大弱りの一年でした。

古傷も愛おしくなる年の暮れ(靖坊)   英人
  年の暮れになりました。古傷が愛おしくなる、と言われるので、直ったのでしょう。愛おしくなる傷と言われるので、思い出が積もった傷だったのでしょう。何事も体験、致命傷にならなければ、これも良しとしましょう。

熟れを待つ蜜柑の味見は鵯が先(ペ天使妹)   英人
  今年は蜜柑が鈴なりでした。人にもたくさんあげられるな、と思っていた矢先に、カラスにみごとにやられました。数日のことです。人にあげるどころでなくなりました。熊騒動がありますが、鳥も凄いです。

還暦を過ぎて優しくなれたかな(橘)   英人
  歳を取れば穏やかになる、そうありたいものです。いつまでも勝った負けたではないでしょう。優しくなって周りを受け入れる。老後はいろいろな執着から離れ、自然そうなっていくものです。もちろん心がけも必要です。

表裏自分信じる時代来る(さくら)   英人
  いろいろ体験していけば自分がよく分かる。自分の裏表も分かる。そして自分を信じて、自信を持って先に進む。これもやはりある程度の歳が必要でしょう。更に歳を取り高齢になると、今度は不安が生まれる。自分に自信が持てる時期は少ないかもしれない。そんな時代は特に大切にしたいものです。

輝いて終わる紅葉は羨まし(ペ天使兄)   英人
  紅葉は人の目に美しい、輝いているようにみえる。それは最終の時期である。人間はどこの時期が一番美しいのかは人様々である。「話・話」 でも書いたが、死に間際が一番輝く人もある。人間は死ぬまで分からない。人生は全うしなければいけない。

燃やすものもやして先に進むのみ(英人)   靖坊
  人生の旅路を歩いていると、知らぬ間に背負っている荷物が増えてきて歩くのが大変になってしまいます。不要な荷物は燃やしてしまうのが一番。身軽になって足取り軽く先に進みましょう。たまに燃えない荷物が出てきて、どこに捨てようかと迷うこともありますけどね。

投稿をお待ちしています。


    
       「川柳連れ連れ草」への投稿案内

             次の要領で川柳及び感想文を募集します。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2025年「課題」
    (1月)苦労 (2月)幸せ (3月)読む (4月)いつも
    (5月)笑顔 (6月)来る (7月)雨 (8月)寄せる
    (9月)肩 (10月)うわさ (11月)背中 (12月)明日

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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