so262
(せんりゅうつれづれそう)
第262号(R5年10月)
紫 苑 (しおん) の 章
(科目)キク科 (花言葉)追憶、君を忘れない、思い出、 |
冬に地上部の茎葉が枯れつつも、春になると芽吹いて秋に花を咲かせる宿根草。9~10月が開花の時期で薄紫色で花径約3cmの一重の花を咲かせる。草丈は180cmほどまで成長し、主に観賞用として栽培される。根や根茎には、咳止め・痰の除去・利尿作用があり、漢方に使われる。
課題の「辛い」、これを「つらい」と読むか「からい」と読むか、興味があったが、皆さんすべてが「つらい」であった。1人の方は両方使われた。「美しい十代」の歌詞から取った言葉と分かってみえたろうか。そして人生つらいことが多いのであろうか。(★印は英人推奨句) |
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課 題 「 辛 い 」
お幸せそうねと言われている私 ★橘
黄金期懐古し辛い令和の世 さくら
夜更かしが続いて辛いテスト前 くまちゃん
辛い夏過ぎてしまえば鰯雲 奈っ葉
辛いのか友の電話の低い声 ペ天使
とめどなく紛争を聞く辛さかな ペ天使兄
あの辛さ乗り越えたから今がある ★ペ天使妹
人生は辛さがあって気も座る 瑞希
辛いので辛いカレーを食べました 靖坊
辛いのは最初の一歩出すところ 桃華
辛さ避け歩いた道に悔い残る 英人
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「 神無月 」 瑞希
時雨来て冬は目の前秋超えて
追い付かない気候の変化我が体
★人も皆満ち欠けあって満月に
さつまいも蒸かす匂いに母感じ
ビリで良い初の国体孫娘
「 公民館の文化祭 」 ぺ天使兄
★これほどの書をかく人がご近所に
趣味越えた逸品並ぶ展示室
子と親の興味が違い揉めており
突然に料理教室食堂に
「ふるさと」をみんなで歌いエンディング
「 教科書 」 ぺ天使
教科書に書かれた名前父の文字
★教科書にはさまれ届いたラブレター
教科書を枕にしたら満点に
教科書を丸暗記したテスト前
一夜漬け教科書まるごと脳に詰め
(随想) 「2泊3日の旅」 桃華
コロナと大病のせいで久しく旅行をしていなかったが、体調が少しいいので2泊3日のツァー旅行を申し込んだ。
初日、集合場所で腹痛となる。ところが最初のあるところまで列車であったので、トイレがあって助かった。まず最初のラッキー。
そして夕食は何事もなく食べられて次のラッキー。
3つ目のラッキーは晴天に恵まれたこと。真っ青な空、紅葉も始まっていた。そびえ立つ城や世界遺産の見学、どれも満足であった。
自分の身体を心配しての旅であったが、少し自信が持てた。一緒に行った夫と妹にも感謝である。
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「昼のお月見」 靖坊
★秋晴れの公園の空欠けた月
見てくれる人もおらぬに昇るのか
満月には決してなれぬ昼の月
燃え尽きた灰より白く光なく
我もまた輝けぬまま沈むのみ
「 神無月 」 橘
辛いって先に言われて言い出せず
★病人が諦めてもまだ諦めず
起きるたび傷ふさがっている術後
期待ほど効かぬ薬が今日も出る
我慢強い?いいえ勇気がないだけで
「 くすり 」 ぺ天使妹
毎食後くすりの山と奮闘す
食減らしくすりでお腹満たしてる
胃の中でくすり仲良くしてるかな
★一つずつ薬の減るを楽しみに
・・・英人の20句抄・・・「 高 血 圧 」
いつの間に血圧上がって降圧剤 |
十余年降圧剤を飲み続け |
血圧を朝晩測る面倒さ |
測ること止めいつの間に幾数年 |
病院の定期診察で安心し |
会話中めまい覚えた喫茶店 |
帰宅して血圧測れと妻が言う |
血圧が二百を超えて仰天し |
診察を待つ間に異変起き |
ベット上で発汗おう吐繰り返し |
もうこれで終わるのかと不安持つ |
点滴で血圧下がる時を待つ |
検査受け異常なしに安心し |
当分の外出予定は取りやめる |
数日で従前に戻り安堵する |
あの異常何であったのと首ひねる |
散々に忠告言われ言葉なし |
身を以て知る精進の必要性 |
確かにと改善計る計画し |
人間の不可解また一つ知る |
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「 秋 」 菜っ葉
金木犀香に立ち止まる散歩道
日の出待つ愛犬散歩肌寒し
★夕暮れの長い影を追いかけて
「 文化祭 」 さくら
コロナ明け活気溢れて笑みこぼれ
校門をくぐった先は青い春
熱量が心に迫る演劇部
遠くから頑張る姿見守って
★一瞬の輝く刻は宝物
「 秋晴れ 」 桃華
秋晴れのカーブに魅了いろは坂
秋晴れに颯爽と踊る若い靴
好きなだけ傍にいたいと思う人
★秋晴れやこんないい日に友が逝く
大病は山道に捨て前歩く
・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。
◎靖坊
ようやく昼の日差しが心地よく感じられるようになってきました。公園のベンチに座っているとウトウトしてきます。
◎橘
レモンの木があります。ところがこの夏はアゲハチョウをよく見ると思ったら、卵を産みつけられ、気づいた時にはずいぶん葉を食われ、今は毎日箸を持って退治の日々です。とりあえず実は落ちていないので、色づくのを期待して見守っています。
◎さくら
井端さんが侍JAPANの監督に就任されましたね。中日時代に出場されたWBCで活躍されましたが、その井端さんが監督になり、中日ファンとして嬉しいです。ご活躍を期待したいと思います。
◎ペ天使兄
あの酷暑から一転し朝夕冷え込む日々です。お変わりございませんでしょうか?気温差にはくれぐれもお気を付け下さいます様に。
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(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・
・辛いので辛いカレーを食べました(靖坊) 桃華
ユーモアのある句ですね。私も“つらい”のか“からい”のか、一瞬迷いました。辞書を調べ、両方あるのを確認した次第。つらい時、何か変わったことをするとスッキリすることがあるのですね。からいカレーは舌がさぞビックリしたことでしょう。その間だけでもつらいこと忘れられ、よかった、よかった!!。
・辛いって先に言われて言い出せず(橘) 桃華
先に言われてしまうと、次の言葉が出ないこと多々ありますね。グッと胸の奥にしまうしかない経験、幾度もありました。しかし、言わないでよかったと思うことも多々ありました。人はこんなことを繰り返しながら、少しずつ成長するのでしょうね。
・辛いのは最初の一歩出すところ(桃華) 靖坊
毎月一日になると「ああ今月の川柳書かなくちゃ」と思うのですが、そう思うだけで頭も手も全然動いてくれないんですよね。その後、苦労してなんとか核となる句をひとつ作ると、そこから派生して残りの句がスラスラ書けてしまう、そんな感じで毎月作句に励んでいます。はじめの一歩さえ踏み出せば後はなんとかなるものですね。
・人も皆満ち欠けあって満月に(瑞希) 英人
人と月を重ね合わせる、こういう発想は面白い。そして、最後を満月にとしたことがいい。三日月や新月であってもいい。でも満月としたことで、最後は万々歳である。ここに瑞希さんの今の気持ちが表れている。
・これほどの書をかく人がご近所に(ペ天使兄) 英人
何かの折にご近所さんの思わぬことを知りビックリすることがある。作者はそれが展覧会であった。その書のうまさにビックリした。見方が一挙に変わる。そして、誇らしい気分になる。こういう発見はいいものである。
・教科書にはさまれ届いたラブレター(ペ天使) 英人
人生にはこんなこともあったのだ、忘れられない思い出であろう。そんな思い出を大切にされている。そして、気分明るく過ごしている。サア、もう一踏ん張りしよう。
・一瞬の輝く刻は宝物(さくら) 英人
今という一瞬は戻らない、もう2度とない。その一瞬が輝いていた、これはもう宝物である。作者はこんなところに気がつかれた。そして人生は一瞬の積み重ねである。輝く刻はどのくらい持てるのか、これが人生に妙味であろうか。
・夕暮れの長い影を追いかけて(奈っ葉) 英人
太陽が低くなれば影は長くなる。夕暮れ時、長い影を追いかけてどこへ行くのでしょう。母親を追いかける子どもの頃の思い出でしょうか。何か懐かしい風景を見ている気がします。
・一つずつ薬の減るを楽しみに(ペ天使妹) 英人
高齢になると薬局でもらう薬も多くなる。多くなってはいけないのだ。精進して作者のように減るのが楽しみにならなくては。先日、私は高血圧で倒れた。薬が増えるだろうな、と思っていたが、そのままだった。これでよかったのだろうか。
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投稿をお待ちしています。
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「川柳連れ連れ草」への投稿案内
次の要領で川柳及び感想文を募集します。
1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
ください。課題の題は2)の通りです。
2)2023年「課題」
(1月)白い (2月)瞳 (3月)明るい (4月)心
(5月)二人 (6月)飾る (7月)抱く (8月)ノート
(9月)貸す (10月)辛い (11月)泣く
(12月)励ます
3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
(150字以内)も募集いたします。
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
います。感想文もその句のページに随時掲載します。
掲載方法は一任してください。
5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。
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