so254
(せんりゅうつれづれそう)
第254号(R5年2月)
ス ト ッ ク の 章
(科目)アブラナ科 (花言葉)永遠の美、愛情の絆、求愛、 |
高さ75cmほどになる多年草であるが、日本では夏~秋播きの一年草として扱われる。茎の基部が木質化し、全体に灰色のやわらかい毛がはえる。枝先に総状花序を出し、開花は春先。華やかな花姿とバリエーション豊かな色、甘くてよい香りがあり、花嫁さんが持つブーケの花材や、プレゼントの花束としても非常に人気がある。
今月号は送って頂いたメール文に、私が読むだけではもったいない気がして、随想を3編載せました。人生いろいろあります。人の話を聞き、自分の話聞いてもらい、心安らかに過ごしたいものです。 (★印は英人推奨句) |
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課 題 「 瞳 」
一度でも彼の瞳に映ったか 橘
キラキラと輝く瞳いつまでも 瑞希
年ごとに瞳に映るものが減り 靖坊
こぼれそう瞳の奥の希望たち さくら
夜更かしをするほど冴える我が瞳 くまちゃん
梅の香に瞳を閉じて母想う ★奈っ葉
この瞳綺麗なままでいて欲しい 満政
瞳からキラキラ涙嬉し泣き ペ天使
子の瞳どんどん吸い込む新世界 ★ペ天使兄
幼子の無垢な瞳になに写る ペ天使妹
信じると君の瞳が訴える 桃華
まっすぐに瞳向けられ二歩下がり 英人
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「 富士山 」 ぺ天使妹
川向こう鎮座気高く雪の富士
遠富士に一日の無事祈りたり
富士を見に三々五々の常連さん
富士眺め口は利かずに別れたり
★夕富士に明日またねと手を合わす
「燃えあがる」 くまちゃん
★寒空にドッジボールで燃えあがる
「 炬 燵 」 奈っ葉
あと五分もう五分抜け出せぬ
愛犬もチャッカリ中で高いびき
掘り炬燵父のあぐらのぬくもりよ
★団らんに夫と二人蜜柑むく
誰の足炬燵の中で押し合いに
(随想1) 「今日この頃」 奈っ葉
初めて「随想」に投稿させていただきます。昨年春頃から「川柳連れ連れ草」に参加させていただいております奈っ葉です。
我が家は現在、子供達も皆巣立ち、定年退職した夫と昨年から家族になった愛犬、そして時々預かる孫達との生活です。小さい孫達に、ご飯を食べさせて、一緒に楽しく遊んでいますが、親が迎えに来るともう、まっしぐらに親の元に駆けて行きます。嬉しいような寂しいような今日この頃です。
俵万智さんの「うまれてバンザイ」という歌集の中の
「振り向かぬ 子を見送れリ 振り向いた
時に振る手を 用意しながら」
の気持ちがピッタリな今日この頃です。どんな人に対しても同じかな~なんて。
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「 話好き 」 ぺ天使
話好き二度も三度も聞かされる
★話好き彼女の家族が透けて見え
あの人に負けないくらい話好き
夕飯の仕度さて置き長電話
良い話電話の向こうで笑い声
「 如 月 」 橘
ふた足を延ばして山を見る散歩
庭に出て息つく濃厚接触者
失敗と後悔糧となるのなら
★親にふと言われた言葉に支えられ
励まして励まし合って世を渡る
(随想2) 「おひな様」 橘
おひな様を出しました。50年以上前の自分のものです。ここ数年あちこちで見る福寄せ雛を参考にして、座卓に広げた毛氈の上に人形を並べました。
100円均一でミニチュアのショッピングカートや自転車、箒とちりとり、道路工事のスコップなどを使っているように置いてみると、古ぼけた人形たちが生き生きと見えました。
ひな壇を組み立てるのも億劫になっていたので私も楽ができ、また久しぶりの人形遊びのようで楽しいひとときでした。 |
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「 豆まき 」 ぺ天使兄
★豆撒きがくればわが歳気に掛かる
貰い来し塗り絵の鬼に目を入れる
升の豆ちょいと摘まんで福はうち
窓少し開けて小声で鬼はそと
豆まきの豆見つけたり靴の中
「遠い祖父」 瑞希
奥深い私の名前をつけた祖父
感謝です顔を知らない人忍ぶ
成れたかな祖父の願いの名のように
祖父に似た父に似ていると人は言う
★祖父がいて今の私の命なり
(随想3) 「祖父のこと」 瑞希
私の名付け親は父の父、つまり父方の祖父でした。初孫の誕生をことのほか喜び、自筆で今の私の名前を書いて、わが家に持ってきてくれ、神棚に置いた祖父でした。初孫である私は父方と母方の愛情を一人占めして育ちました。しかし、母の元に縁あって婿入りしてくれた父でしたが、私が4歳の時、母の元を去りました。
私の名付け親である祖父をおぼろげながら覚えているのは、父の実家で私に浴衣を着せて祭りに連れて行ってくれたことです。果たして私は、祖父の願いがこもった意味ある名前に恥じない人間になれたのでしょうか。
長い間封印していた祖父のことを、喜寿を迎えた私が初めて記す思い出です。 |
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「 蔵開き 」 靖坊
胸弾む三年ぶりの蔵開き
酒蔵の雰囲気だけで酔い心地
★当たり前の風景にただ感謝する
じわじわと戻り始めている日常
この年で二日酔いとは情けない
「久しぶりの帰省」 さくら
東京の駅はお菓子のパラダイス
雪帽子かぶり澄ました冬の富士
はこばれた母の料理の温かさ
帰り際涙こらえて手を振って
★寒さ耐え笑顔に会える春を待つ
・・・英人の20句抄・・・「新芽出る」
我ながら詰めも詰めたり予定表 |
年明けて寺社の門くぐり願うこと |
後五年後十年と願い込め |
豊作と老後を願う祈年祭 |
カレッジの最終講義は川柳なり |
川柳はだじゃれ風刺と言うばかり |
新しい川柳もありと伝えない |
川柳を話す機会を見つけてる |
話せば川柳歴を語ってる |
四十年川柳続け今の僕 |
歩いた道ふり返りわれ若返る |
葉が落ちて昨年のことは忘却に |
福寿草見つけてドッと春気分 |
新芽出る新たな抱負蓄えて |
寒椿ポトリと落ちて知る無情 |
墓参り花がないから遠ざかり |
花言葉に左右される好き嫌い |
疲れたら散歩しながら花探す |
風吹いて一歩一歩春を感じてる |
語る友見つけて気持ち上向いて |
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「 老いて 」 満政
今朝もまた高齢者事故報じられ
運転ミスせぬよう祈る初詣
頑張った書道稽古の筆を置く
あれこれとこの老体にサプリ足す
★若者を理解したいが過去が邪魔
「春なのに」 桃華
月一の病院通い春なのに
心拍数多くて歩きにくい脚
春なのに私の身体冬あらし
★訪問者春の香りを置いていく
窓開ければやっぱり春は来ていたよ
・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。
◎橘
まだ寒い日があるものの、日差しが明るくなってきました。公園の梅の木にはつぼみがついています。
◎靖坊
醸造所の蔵開きに行ってきました。調子に乗って飲み過ぎました。反省です。
◎ペ天使兄
梅がほぼ満開になりました。もう二月半、ふと、思いました、「いつものように、今年もすぐに終わるのかな」と。
◎さくら
最近感じていることは、スマホが無いと、完全に生活が成り立たない時代になりそうだなという事です。銀行や買い物、乗り物に乗るなど。便利なんですけどね!進歩についていけるのか今から心配です…。
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(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・
・話好き彼女の家族が透けて見え(ペ天使) 桃華
おしゃべりな人はまわりの人をなごませる力があり、グループに一人そんな人がいると、楽しい時間が持てる。しかし、すぐ話しを自分中心に持って行かれると困ることも多い。えてして、そんな人はついポロッと家族のことも話し、つなぎ合わせれば家族のことがすべて分かってしまうこともある。きっと善人だと思う。
・子の瞳どんどん吸い込む新世界(ペ天使兄) 桃華
赤子の時からどんどん新しい世界を見続けて、いいことも悪いこともみんな吸収していく子どもの瞳。その澄んだ瞳が濁らぬよう大人である私たちが温かく見守り、正しい方向に導くことが必要ではと思う。
・一度でも彼の瞳に映ったか(橘) 英人
憧れる彼は、私に一度でも目を向けてくれたことがあるのだろうか?切ない思いが感じられる。この歳で?と言っても私は橘さんの本当の年齢は知らない。でも、20代、30代ではない。こういう句は何歳に作ってもいい。若返りの否決は恋をすることだという。片思いでいいのだ。
・こぼれそう瞳の奥の希望たち(さくら) 英人
希望が多くて、瞳から溢れそうである。子どもの瞳であろうか。羨ましい限りである。そう言った時代が懐かしく思われるが、ここはまた臨みようである。子どもの姿を見るだけでも違ってくる。私は時折、児童の登下校の見守りをしている。好奇心であろう、道草ばかりである。
・年ごとに瞳に映るものが減り(靖坊) 英人
これは上の2句と違って困ったことである。年ごとに好奇心が薄れていくのである。若さを保つのは好奇心という。なんでもまず関心を持って見る。そして、どうするか考える。まだまだ先は長い。
・若者を理解したいが過去が邪魔(満政) 英人
過去の経験が邪魔することは多い。特に高齢者は気をつける必要がある。私も若い人と接するときは、過去や、特に仕事には触れないようにしている。そしてもう遊んでもらう気持ちで臨んでいる。考えを切りかえれば学ぶことも多い。
・我ながら詰めも詰めたり予定表(英人) 靖坊
尊敬! この一言に尽きます。私も毎月予定を立てているのですがスカスカです。二月の予定は蔵開き訪問だけでしたし、三月の予定は今のところ花見だけです。職を辞してから続いている食って寝るだけの毎日を見直して、もう少し予定表を埋める努力をしなくてはいけませんね。
・祖父がいて今の私の命なり(瑞希) 英人
人は旺盛なとき、自分で生まれ、育ち生きている気になってしまう。ところが人は父母がいて、祖父母がいて、またその先祖がいて、連綿と命をついないで、今の自分があるのである。そう思うと尊い命である。疎かにしてはならない。
・団らんに夫と二人蜜柑むく(奈っ葉) 英人
炬燵に入って、家族して蜜柑の皮を剥く、昔は普通の風景だったと思うが、今はもう少なくなったのではなかろうか。でもいい風景である。せめて老いた夫婦だけでもこの風景を保っていきたいものだ。私は今年も保った。
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投稿をお待ちしています。
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「川柳連れ連れ草」への投稿案内
次の要領で川柳及び感想文を募集します。
1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
ください。課題の題は2)の通りです。
2)2023年「課題」
(1月)白い (2月)瞳 (3月)明るい (4月)心
(5月)二人 (6月)飾る (7月)抱く (8月)ノート
(9月)貸す (10月)辛い (11月)泣く
(12月)励ます
3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
(150字以内)も募集いたします。
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
います。感想文もその句のページに随時掲載します。
掲載方法は一任してください。
5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。
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