so251
     (せんりゅうつれづれそう)


         
第251号(R4年11月)
清 澄 白 山 菊
(きよすみしらやまぎく) の 

      (科目)キク科   (花言葉)高貴、高潔、高尚、
 千葉県の清澄山周辺で発見され、清澄山から付けられた名と言われる。耐寒性多年草で、日向~半日陰を好む。草丈約50cm、花期は10~11月。黒っぽい濃い色の軸と葉に、白からピンク・薄紫の小花を付ける。秋の葉の紅葉は見事。別名はキヨスミコンギク。

 妻(桃華)が10月に入院退院し、今は月に3回ばかりの通院治療中です。感染が怖く土がさわれません。これだけの生活の変化が、土地のある私には想定以上の負担です。瑞希さんはもっと大変だったでしょう。夫婦が普通に暮らせるありがたさをもう感じています。  (★印は英人の推奨句)




課 題   「 明 日 」

明日こそ優しくなれるかもしれぬ   橘
明日こそは良い日になるか鰯雲   ★靖坊
ポケットに隠し持ってる明日の事    瑞希
寝る前に明日と気がつく小テスト   くまちゃん
明日から頑張りますと今日も言う   ペ天使
今やろう明日のことは分からない   奈っ葉
認知症明日は我が身と覚悟する   ペ天使兄
明日がある明日があるとて今日楽し  ペ天使妹 
夕焼けに明日行く先を聞いてみる  ★さくら
水たまり避けて通ってまた明日   桃華

老いてなお希望の明日が欲しくなる   英人



  「  旅  」    天使兄

晴れ続き今日一変の雨旅行
  目的地に着いて雨止むありがたさ
    来てみれば期待を越えて感激す
 クーポンの3000円をどう使おう
   ★帰り道バスは無口の人乗せて

 

「 片付け 」    菜っ葉

今やろう思うばかりで重い腰
出したけどまだまだ着れるまた仕舞う
★思い出は心に残しさようなら


「夫との思い出」    瑞希

亡き夫がわがまま妻を共にした
財産は健康だけと言った人
指切りで来世も一緒誓った日
初めての手つなぎした日覚えてる
★五十年過ぎた昔に今がある



 (随想) 「くじけないで」  瑞希
                  
 
 夫が亡くなってから来年は十三回忌です。
 すでにそれぞれが家庭を持って独立していた長女と長男ではありますが、一人暮らしの私の事が気がかりであり、心配の種は今でも続いている事でしょう。あれから長女はほとんど毎日パートに行く途中安否の確認に朝寄ってくれます。長男は月一度は帰省し家事その他を気遣ってくれます。ありがたい事です。
 当時うつの一歩手前であった私に、長男が当時100才近くの詩人である柴田トヨさんの「くじけないで」の詩集をプレゼントしてくれました。母さんが「くじけないで楽しく生きてくれるのが僕たちの一番の幸せ」と言っての一冊です。
 悲しみにくれていた私に一灯を与えてくれた私の宝物です。




  「立冬の日向ぼこ」   靖坊

    立冬の日差し暖か昼下がり
  眠るでも起きるでもなくごろ寝酒
暖かいただそれだけで満たされる
  ★幸福はどこにでもある日向ぼこ
    陽だまりのような心で過ごしたい




「 霜 月 」      橘

「憂鬱」と書けたら生きていけそうな
勘違い人違いならお手のもの
男には男の理屈帰り道
★案外と人は優しい病んで知る
子らの見るものは明日より先の未来



 
・・・英人の20句抄・・・「事態見つめる」

       妻退院日常が少し戻りつつ
        通院の送り迎えが月に数度
          不調を訴える妻もあるけれど
            原因は抗がん剤のせいにする
             感染を恐れて土に触れない
            野菜の採取もしてもらえない
           この事態妻の助力の大きさ知る
    突然に委員長の辞任告げ
    疲れたと辞任理由は一言のみ
    唖然として誰も何の声も出ず
            肩の荷を降ろしてスッキリよく眠る
          辞任して自分を見つめる機会とし
         コロナ禍の中で心身疲れてた
        七十七歳老化と無縁はないでしょう
       自分だけ別格なんてありえない
             生活の優先順位見直そう
             第一に妻に寄り添う自分たれ
             友歩会も老人会も落とせない
             今のもの整理するだけで良いかも
             熟慮して先を見据えて歩きだそう



  「歯を大切に」    さくら

  コロナ禍で少し間が空き検診に
  受付で少し気まずい笑み浮かべ
★手を握りひたすら祈る虫歯ゼロ
  ひそやかな願い虚しく通院に
  ワンランク上のブラシに買い換える


 


「放課後」   くまちゃん

★放課後の練習実る音楽会


「 入院中 」   桃華

遠方の山から元気もらっている
秋晴れを病室から見る恨めしさ
夕焼けが消えるよ夜が寂しすぎ
点滴を眺めつ夜長過ごしてる
★眠れない夜は楽しい旅思う



・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 今日は立冬。朝晩はずいぶん寒くなりましたが日中はまだまだ心地良い暖かさがありますね。


◎橘
 夫のパーキンソン病は薬が効かなかったため、別な病気の可能性もあるとのことで、今検査入院しています。65才未満ですが、地域包括支援センターの方に頼り、支援を受けることになりました。


◎さくら
 紅白歌合戦の出場者発表、余り知らない外国のグループや初めて名前を聞いた歌手もいました。私もよい歳なので、大晦日の紅白はもう少し中高年向けの方が嬉しいと思いました。


◎瑞希
 長男の長男は夫亡き後に生まれた孫四人の中でただ一人の男の子です。この子がお姉ちゃん達は写真のおじいちゃんに抱っこしてもらっているのに僕だけが抱っこしてもらっていないのが悲しいと、かわいい事を言ってくれて、皆を涙ぐましてくれます。




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 
暖かいただそれだけで満たされる(靖坊)   桃華
  
“満たされる”という言葉に十分幸せな気分になる。散歩中、川面に浮かぶカモを見たり、空飛ぶ鳥たちを見たりすると、みんな生きているんだと切実に感じる。自分が病に侵されたせいかもしれないが、すべて心地よく私を包んでくれる。暖かい日の散歩は最高!!

手を握りひたすら祈る虫歯ゼロ(さくら)   桃華
  定期検診に行く日は心なしか落ち着かない。虫歯などないはず、治療は不要のはずと思いながら受診する。異常ないので3ヶ月後に来院して下さい、と言われるとホッとする。しかし、ちょっと虫歯がありますね、なんて言われるとエエッ?! ガックリこの上ない。作者の気持ち、身に沁みて分かります。

帰り道バスは無口の人乗せて(ペ天使兄)  英人
  旅は楽しいが疲れるもの。本当にバスの中はよく眠られる。そしてほとんどの人が寝ている。感心するのは添乗員である。気を使ってもっと疲れるだろうに、頑張って起きている。やはり仕事と思うからだろうか。気持ちの問題だろうか。

指切りで来世も一緒誓った日(瑞希)   英人
  瑞希さんにはこんな思い出もあるのですね。どんな日だったのでしょう。元気な時?それとも悪くなってから?私にはまだありません。そんなことを思わねばならぬ日が来るのでしょうか?

案外と人は優しい病んで知る(橘)    英人
  
病気に罹ると周りの人の態度も変わってくる。橘さんは人が優しいと言うことに気がつかれた。実は私も感じています。冷たい娘たちだな、と今までは思っていましたが、妻が病気になり、何かと気を使ってくれて、優しさを感じています。これで良いのだ、と思っています。

眠れない夜は楽しい旅思う(桃華)   靖坊
  心が弱っている時は楽しいことを考えるのが一番ですよね。私の場合はやっぱり食べ物。あの店の料理が美味しかったとか、来週は焼肉食べに行こうとかそんなことばかり考えて眠ります。考えすぎてお腹が空いて逆に眠れなくなることもありますけどね。


投稿をお待ちしています。


    
       「川柳連れ連れ草」への投稿案内

             次の要領で川柳及び感想文を募集します。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2022年「課題」
    (1月)吹く (2月)飛ぶ (3月)命 (4月)いつも
    (5月)月 (6月)知る (7月)手 (8月)破れる
    (9月)作る (10月)笑顔 (11月)明日 
    (12月)燃える

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
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4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
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