so225
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第225号(R2年9月)
小海老草
(こえびそう)の

        (科目)キツネノマゴ科     (花言葉)おてんば、機知に富む、
 メキシコ原産の常緑低木。苞とよばれる赤褐色の葉が鱗状に重なり合い湾曲し、エビの胴体のような格好になり、この名がある。花は苞の下からのぞき白で筒状、目だ立たない。花は季節に関係なく15℃以上の気温があれば咲く。樹高は30cmから2m。

 あれほど暑かった夏も、涼しさを感じるようになりました。まだ日本には四季があるようです。コロナ禍も少し治まりを見せ、活動も少しずつ戻りつつあります。まだ紆余曲折はあるでしょうが、止まない雨はないようです。未来を信じましょう。でもそれぞれの未来は確実に年々歳々短くなっていく。
                            (★印は英人の推奨句)



課 題   「 苦しむ 」

苦しんだけれど階段上がってる   野のはな
寝苦しい夜も虫の子守り歌    瑞希
苦しんで手に入れたのはごくわずか   靖坊
欲深くなるから苦しみ深くなる     橘
バスケ部のダッシュ苦しい夏休み    くまちゃん
 産声が苦しみの中聞こえたよ    ペ天使
日が経てば苦しみ癒えて思い出に   ★ペ天使兄
 苦しみを隠した笑顔ゆがんでる   ペ天使妹
苦しみも微笑みがえし秋の空   ★さくら
苦しんだ先に必ずある小道    桃華
歳経ても苦しみ減らぬ不可解さ    英人


 



   「草むしり」  靖坊

暑すぎて庭の手入れはサボリ気味
伸びすぎだもはや放ってはおけぬ
ジャングルを進む気分で草を抜く
さっぱりとしたのは滅入っていた心
★むきだしの土にカマキリの一匹


 


「 来 年 」   くまちゃん

★来年は絶対やりたい文化祭


「旅行に行きたい」  さく

Go toで行き先だけは検討し
周りの目気になり遠出自粛して
コロナ禍でステイホームの夏休み
楽しみは全国各地のお取り寄せ
来年は旅行をしたい好きなだけ



 (随想)  「夜のウォーク」  桃華
 
 夜のウォークを始めて30年弱になろうか。最初は6人で歩いていたが、今は3人である。週1回休みの日を作り、雨降りや都合の悪い日は休む。平坦な道をしゃべりながら歩くので運動にはほど遠いが「継続は力なり」のお陰か、それなりに強くなったようである。付き合ってくれる2人に感謝である。
 でも寄る年波には勝てぬもの、腰痛が段々ひどくなり、今はリハビリ通院中。腰痛ベルトを着けながら歩いている。歩くことは楽しい。おしゃべりも楽しい。楽しいことを見つけながら日々暮らしていこうと思うこの頃である。
 主人も歩いているが、そのスピードにとてもついて行けぬのは残念である。




「 長 月 」      橘

災害で覚える知らない土地の名を
★やってくるハズの昨日と同じ今日
台風の晩には子どもの頃の夢
あの夏と言っても三十年も前
俯瞰する術を身につけたい五十路



「  居 候  」    ペ天使

この家のペースに添って生活す
義弟のこころ配りにただ感謝
三食は私の為に膳ゆたか
久々に枕をならべる妹と
★その続き聞いてはいないもう寝息



 「 九 月 」   野のはな

夢ひとつ消さずにいようこんな年
  今持っている力で出来ること探す
     四季がある今はそれだけでも嬉し
  ★うんうんと聞いて流せる人になる
     ストレスを溜めないという呼吸法


 


 
・・・英人の20句抄・・・「コロナと75歳」

       コロナ禍の自粛自粛は限界に
       引きこもりに疲れた人から動き出す
       ソロソロと動き始める新学期
       進め方簡素化して再開し
 再開の講演会に価値を知る
  OB会も講も復活気が晴れる
    日帰りの近場ならばと妻は言う
      半年ぶり日帰りツアーに行くことに
        行ってみてやはりいいものバスの旅
          涼しくなって畑仕事が増えてきた
            畑仕事精出すことが鬱に勝つ
              七十五歳扱いがどっと変わる鬱
              七十五歳俺が俺がともう言えぬ
              控えめと口では言ってみるけれど
              内心は最後の意欲貯めている
              ほどほどの頑張りみせて生き抜こう
        コロナ禍の終焉にまだ遠い日々
       コロナ禍で知ること多い世の流れ
     大幅に狂いを見せた近未来
    酷暑過ぎ日本に四季をまだ覚え



「立秋過ぎて」    瑞希

夜長月なぜか寂しく心揺れ
老いてゆく確かな証拠あちこちに
鱗雲明日は雨のようですね
★里芋の味噌汁つくり母忍ぶ
秋風に部屋のしつらえ変えました



「コロナ禍」    桃華


★コロナ禍で安全な橋渡っている
蜜を避け一人畑で草を取る
久しぶりツアー旅行を満喫し
海眺め静かに過ごす時間帯
虫が鳴く短い秋を楽しんで




・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 朝晩は涼しさを感じられるようになってきましたね。そろそろ夏も終わりでしょうか。(9/8受け)


◎橘
 ご夫婦で仲良く歩んで来られた年月、もう金婚式なのですね。こちらは昨年定年になった夫との距離感をまだつかみかねています。


◎瑞希
 ことのほか今年の夏は酷暑でした。いつになったら秋はくるのかと汗を拭きながらの毎日でした。それでも忘れず秋は来てくれました。秋風に揺れるすすきに頬を擦り付ける爽やかな風にほっとする昨今です。


◎さくら
 コロナ自粛は、人々の気力や体力、未来まで奪ってしまうのでしょうか?そんなのは嫌です。早く収まって、青空の下で、マスク無しで過ごして、もっと笑いたいです。


◎ペ天使
 八月のお盆に長男の迎えで上京して妹夫婦宅に居候。早や、ひと月過ぎました。居心地良くて帰名のこころ未だに動かず、市川の秋を楽しんでいます。




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・来年は絶対やりたい文化祭(くまちゃん)  ぺ天使兄
    率直な思いが直に伝わってきます。次の文化祭がより良いものになるよう、前向き
   に準備怠りなく! 陰ながら応援してます。

 ・苦しんで手に入れたのはごくわずか(靖坊)  ぺ天使兄
    たとえ少しだとしても苦労して手にしたものは、掛替えなく貴重なもので、じわじわと
   役に立ってくるではないでしょうか。

 ・今持っている力で出来ること探す(野のはな)  ぺ天使兄
    齢を取ってくると次第に出来ることが少なくなってきます。今出来ることに感謝する
   よう心掛けています。些細な事でも、その気で探せば今でも結構あるのでは!?

 日が経てば苦しみ癒えて思い出に(ペ天使兄)    靖坊
    「もうこんなに苦しいことは二度とゴメンだ」と当時は思っていても振り返ってみれば
   懐かしく、その上「もう一度あの苦しみを味わってみようかな」なんて考えたりするの
   ですから、人間とは本当に「喉元過ぎれば熱さを忘れる」存在だな あと思います。
   苦しみを乗り越えると自信になりますしね。

 
・さっぱりとしたのは滅入っていた心(靖坊)   桃華
   
草取りは最初はいやいや始めるけれど、やっているうちに無心になっていく不思議
   な仕事。何も考えず草を取る。あたりが綺麗になっていくのが楽 しい。むしゃくしゃ
   した心もどこかへ吹っ飛んで、気持ちよくなる。私にとって、決していやな仕事では
   ありません。


 
うんうんと聞いて流せる人になる(野のはな)   桃華
    「人の噂も75日」との諺があるが、若い頃はいつまでも根に持っていたような気が
   する。しかし、最近はそうかそうかとうなずいてみせる余裕も出てきた。これも年齢を
   重ねたせいかなと思う。年齢を重ねるといいことも悪いことも増えるが、できればいい
   ことのみを増やしていきたいと、思う今日この頃である。

 
海眺め静かに過ごす時間帯(桃華)    靖坊
    夕陽に染まる海もなかなかいいものですが、私は晴れ渡った空の下に広がる青い
   海が一番好きです。あの広大さの前では自分の悩み事など本当にちっぽけなもの
   に感じられます。逆に台風接近中の大荒れの海は見ているだけで不安な気持ちに
   なります。海も人と同じく様々な顔を持っていますね。

  苦しみも微笑みがえし秋の空(さくら)    英人
     微笑みがえしとは、味な言葉ですね。どんなことにも、どんな人にも微笑みで返え
    されて、悪い気はしないもの。秋の空のように爽やかになるでしょう。いい句と思い
    ます。

 
やってくるハズの昨日と同じ今日(橘)    英人
     
このハズが怪しいもの。ハズがハズでないのが今の世の中。コロナ禍などその
    最たるもの。高齢になればこのハズも怪しい。ハズがハズであれば喜ばしいこと。
    平穏な日々には感謝です。

 
老いてゆく確かな証拠あちこちに(瑞希)   英人
     老いていくは衰えていくと同語。そしてこれをいろいろなことに感じるのは辛いもの
    です。でも、今の時代、若い現役の人は大変です。現役を退いていて、ありがたい
    なと思うことも度々です。衰えてまだまだできることはあります。できることを数えて
    過ごしたいものです。

 産声が苦しみの中聞こえたよ(ペ天使)   英人
     5年くらい前の連続テレビドラマのようですが、最近、アマゾンビデオで「コウノドリ」
    というドラマを見ました。お産のドラマです。ドラマですが、いろいろな事例を見まし
    た。出産は奇跡と感じました。誰もがこの奇跡があって今があることを知りました。



       投稿をお待ちしています。


    
       「川柳連れ連れ草」への投稿案内

             次の要領で川柳及び感想文を募集します。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2020年「課題」
     (1月)誰 (2月)言う (3月)互い (4月)誓う
     (5月)忘れる (6月)夢 (7月)一筋 (8月)君
     (9月)苦しむ (10月)別れ (11月)待つ (12月)命

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


              川柳投稿 


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