so211
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第211号(R1年7月)
小坊主弟切草(こぼうずおとぎりそう)の

   (科目)オトギリソウ科     (花言葉)煌めき、うらみ、秘密、
ヨーロッパ西部〜南部原産の半常緑小低木。高さは30cm〜1m位。葉は卵形又は卵状楕円形で葉柄はなく対生する。花は集散花序につき、直径約2cmの黄色い花が咲く。茎は直立し、よく
分枝する。花期は6〜8月。実は赤から黒に変わっていき「小坊主」の名はこの形を例えたもの。

昨年は暑い日が続き、今年は雨続きと大違いである。人の思うようにならぬのが
自然というもの。いや、世の流れも自分自身も思うようにならないもの。できること
は冷静に受けとめ、最善の努力をすることのみである。結果はまた別である。
                        (★印は英人の推奨句)




課 題   「 岸 」

対岸でいつも見ているだけの我     靖坊
対岸の火の粉かからぬ位置はここ    橘
川岸に大きな亀が日向ぼっこ    くまちゃん
岸辺にて水きりをする小さな手     さくら
この岸辺遠い昔のストーリー    ★瑞希
向こう岸優しい顔を思い出す    野のはな
岸までボートの揺れを二人して    ペ天使
彼岸への持ち込み一切禁止です    ペ天使兄
遠い岸目覚めたあとの疲労感    ★ペ天使妹
その橋を渡って対岸までの旅    桃華
対岸に渡る日のこと考える    英人


 



   「 迷 う 」   ペ天使

友と会う洋服を決めかねる
  洋食か和食か迷うレストラン
    ★彼女なら迷わずこちら選ぶはず
 迷ったらジャンケンポンあいこでしょ
   迷ったがまだ間に合うと朝市へ



「日々雑感」     瑞希

白髪染め髪だけですよ若いのは
アルバムが断捨離できずもう5年
★頑固です譲れないもの私にも
梅雨入りしセンチメンタル旅の窓
眉月が雲の間に間に顔を出す


 
(随想1)  「雨の日の思い出」  瑞希

 うっとしい梅雨も私にはうれしかった幼い日。
 学校から帰って来るといつも家は空っぽでした。四歳から父を知らずに育った私達姉弟。母と祖母は田畑を耕しお蚕を飼いながら私達姉弟を育ててくれました。
 雨が降ると母が家にいてくれる。それだけで嬉しかった雨の日。夕食は母の手作りのご馳走が並びました。60ワットの電灯の下で、雨音を聞きながら、母が話してくれた物語の数々は、私の本好きのルーツなのかもしれません。
 古稀を超えた今もなお、母と祖母と姉弟の、貧しくも心あったかだった雨の日の幸せは心に残る私の宝物です。



「 七 夕 酒 」   靖坊

七夕を理由に酒を飲む夕べ
七夕の酒のつまみはそうめんで
一年に一度の逢瀬憧れる
七夕に飲むひとり酒ほろ苦い
★短冊の願いは今も叶わぬまま


「 水 無 月 」   橘

思春期のコジレ10年別人に
約束を破り破られ生きていく
★心配は『あなたには無理」という呪い
期待せぬかわりに一人を受け入れる
抜け殻の隣に並んで寝てみます



 
(随想2)  「病は気から?」  ペ天使妹

 健康に関する番組は多い。知識を得ることは大切だし、そのことにより大事に至らぬ場合もある。処方も丁寧に説明され、、実行するのみであろう。また、それを見たり聞いたりするだけで、安心している感もあり、一人笑っている。
 しかし、生活面に配慮していても病気になるのはなぜだろう。先人が「病は気から」の言葉を残しているように、精神面、考え方が大きく関係するのでは・・・と思う。心理学者、脳科学者の見解はいかがであろうか。


    「足りない」   野のはな

     雨降れば困り晴れればまた弱り
  今の自分に足りないものははい笑顔
その次に足りないものは持久力
  最初から足りないものは瞬発力
    ★同じ場所同じ歩幅でぐーるぐる


 
・・・英人の20句抄・・・「ラジオ体操」

      いつからかラジオ体操妻がする
      その時間パソコンに向かう僕がいる
      運動に気遣う年と知りながら
      とある時僕も一緒にする気分
           夏から始めていつか冬となる
             冬になると肩が痛む僕がいた
             その年は肩の痛みを知らぬまま
                 冬になると足が冷える僕がいた
                 その年は足の冷えを知らぬまま
 半年の体操の効果驚きぬ
   それ以来ラジオ体操の信奉者
     ある毎に体操の効果話し続け
                  夏休みラジオ体操する子供
                 寺院の好意で体操二十日間
                体操会僕も参加し七年目
               二年前老人会も参加決め
              この夏の参加者の多さ驚きぬ
            年毎に参加する風強まって
                種蒔いた僕を密かに褒めている
                良い種をあといくつ蒔ける余生かな



「ランチビュッフェ」     さくら

朝ごはん軽めに食べていざ出陣
オープンに並ぶ列には笑顔あり
まず最初ひととおり見て吟味する
★不思議です好みが違う友の皿
食べながら次なに取ろうと笑みこぼれ



    「夏祭り」    くまちゃん

   ★夏祭りハズレは絶対うまい棒


「 友 よ 」     桃華

会いたいと言われなくても行く見舞い
動かせぬ身体でほほえみ返す友
★切り換えの上手な友とおしゃべりを
病室の窓から見える赤電車
大切な友にまたまた会いに行く



 


・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 今年の梅雨は長引きそうですね。夏空が恋しくなってきました。


◎橘
 今年はいつもより、涼しく楽ですね。半袖の袖や背中から、ひやひやして寒いように
さえ感じます。
 「話・話」にサツマイモの話題がありましたが、家のサツマイモは今年は例年の勢い
がなく、ちょっと心配しています。


◎ペ天使
 家の前を通る中学生がお昼頃帰っていきます。給食期間が終わって夏休みに入る
のだなぁ~。





    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 対岸の火の粉かからぬ位置はここ(橘)   桃華
     
物事を冷静に見、判断できる能力は素敵です。私はパッと行動に移すのはいい
   のですが、どうも失敗が多い。最近は特に忘れ物が多く、アレッ?と迷うことばかり。
   年齢のせいにしたくないけれど、情けなさを味わっています。

 
雨降れば困り晴れればまた弱り(野のはな)  桃華
    今年は長い梅雨が続き、洗濯物にはほとほと困りましたね。家の中は洗濯物干し
   場になり、邪魔なこと。やっと梅雨が明けたと思ったら、このうだるような暑さ。身体が
   ついていかず、動きの悪いこと限りなし。ほとほと困った日々を過ごしています。

 ・
(随想1)「雨の日の思い出」(瑞希)   ぺ天使妹
    日照りも雨もなくてはならぬのは十分に分かっているが、雨の日が長く続くと「もう止
   んでほしい」と思う。瑞希さんは雨の日を心待ちにされていた子供の頃に思いをはせ
   られた。これからも雨の日には、子供のころを思い出しほのぼのさを味あわれるの
   だろう。この広い世の中で雨も晴れも楽しみながら生きている人があると思うと、
   愚痴など言っておられない。

 
短冊の願いは今も叶わぬまま(靖坊)   英人
    
簡単に叶う願いもあるし、生涯叶わぬ願いもあろう。ここは両者を上手に使い分け
   ることであろう。作者は短冊にかなり高度な願いを書かれたのであろう。短冊に書か
   れたというのだから子供の頃であろうか。懐かしさを持っているだけでもいいもので
   ある。

 
不思議です好みが違う友の皿(さくら)   英人
    着るものも食べるものも人の好みは分からぬもの・・・誰もが同じだったら困るもの、   だからこれでいいのだが。それにしても面白いくらいである。これが家族だと自然に
   似てくるのだからこれも面白い。それにしても今の日本の飽食は、どこまで、いつま
   で続くのだろうか。

 
彼女なら迷わずこちら選ぶはず(ぺ天使)   英人
    よくわかり合った仲なのでしょう。彼女は迷わないが、自分は迷う。この際、あっと
   思われるものを選んだらいかがでしょう。いろいろ試すのも若返りの一つでしょう。
   私もここらで挑戦しないと後がない。

  対岸に渡る日のこと考える(英人)    靖坊
     自分はいつ対岸に渡るのか、その日がわからないから人生頑張れるような気が
    します。船が此岸を離れる瞬間まで奮闘し続けたいものです。私の場合、きっとお
    見送りは一人もいないでしょうが、船に乗ってしまえば誰もが一人。やり遂げたと
    いう満足感とともに対岸へ渡れたらいいなあと思います。



       投稿をお待ちしています。


    
       「川柳連れ連れ草」への投稿案内

             次の要領で川柳及び感想文を募集します。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2019年「課題」
      (1月)名 (2月)知る (3月)遠い (4月)実
      (5月)ひとつ (6月)ふるさと (7月)岸 (8月)茂る
      (9月)旅 (10月)胸 (11月)取る (12月)思う

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

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