so206
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第206号(31年2月)
立坪菫(たちつぼすみれ)の

      (科目)スミレ科     (花言葉)慎ましい幸福、誠実、
早春、日本全国の野原や畦などでみかける可憐な耐寒性多年草。 「立ち」は花後に茎が立ち
上がることから、「坪」は庭のこと。 草丈は低く、花は直径1~2cmの薄紫色。葉色は緑、葉形
はハート形、葉縁に鋸歯がある。夏に付ける蕾は閉鎖花と言い、蕾の中で受粉し、結実する。

義弟が急逝した。生涯独身で妻の実家で1人住まい。喪主を務め、家屋の処分ま
で済まさねばならない。父母とは違った人の死が及ぼす影響を知る。人の生涯に
ついても、考えるほどに謙虚になる。人の能力の凄さもあるが、その儚さもある。
                        (★印は英人の推奨句)



課 題   「 知 る 」

お誘いのなかった会が今夜ある   ★橘
幸せは幾山越えて知るのです    瑞希
横顔で君の気持ちを知る夕べ    ★さくら
都道府県ぼくは全部知ってるよ    くまちゃん
知りたくて質問ぜめのティールーム   ペ天使
知ってよし知らないもよし他人事    ペ天使兄
知るごとに彼女の真意垣間見え    ペ天使妹
知りたくはなかったことの二つ三つ   野のはな
 
知れば知るほどに知らないことが増え   靖坊
夫のこと知り尽くすまで生きていく     桃華
人の死を知るほど持つ謙虚さ    英人



   「 二 月 」   野のはな

逃げ腰の鬼は退散する我が家
  俳句熱家族巻き込まれています
    ★日本語のなんと優しい響きだろ
 凡人と名人こうも違うもの
   夕暮れがだんだん赤い明日も晴れ


 


「笑む10歳」   ペ天使

遠慮がち笑んで選んだ大きい方
「トップです」答案戻って小躍りし
目隠しでニヤニヤ受け取るプレゼント
★ハグをして迷惑顔と笑む顔と
好物が食卓に出て笑む十歳



 
(随想1)  「どうなっての?」   ペ天使兄

 最近今更ながら、人間の能力の底知れぬ凄さを思い知らされる。医学の進歩、宇宙の究明、素材の開発、AI知能の発展、どんなに頑張っても私のできないものばかり。人間の脳はどうなってるんだろう。織物、工芸、絵画等の美術品、気の遠くなる様な作業、どうしてこんな事が出来るのか。若者というより子供が将棋、囲碁、多くのスポーツでとてつもない活躍をする。
 人間に驚かされることはまだまだ枚挙にいとまがない。人間の元をたどればC、H、O、P、Na、Fe・・・などの元素。誰がやったか知らないが、人間はこれらを組み合わせただけのものなのだ。他の動物も、植物も、鉱物も、言ってしまえば組み合わせが違うだけだ。
 私が死んで元素になった後、そのひとつが花の一部になるかも知れない。天才の一部にもなるかも知れない。どんな縁に結ばれるやら・・・。




「 如 月 」    橘

知られてはいけないことがこんなにも
ほんとうは私を嫌っていたあなた
おっくうな今が潮時かもしれぬ
正解はないから間違いとは言えず
★迷ったらやらないことにする勇気


「食べて健康 日本茶体験」
               さくら


お茶体験友に誘われ駅前へ
茶の種類知らず過ごした静岡人
★懐かしい故郷の香りほっとする
健康を願いカテキン飲み干して
ドーナツや蕎麦にと見事な七変化



 
・・・英人の20句抄・・・「義弟の死」

   突然に不運というものやってくる
    最大の不運はやはり死であろう
      義弟の急逝に電話鳴り響く
       死は時を選ばないと言うけれど
         選りに選って運転中に死が来るなんて
           追突もブレーキ後で軽くすむ
    独り身で通した果ての後始末
     適任は義兄と言われ喪主務め
       喪主なればこの死について考える
         父母の死と義弟の死の違い思う
           死に方の上手下手の差の大きさ
             考えるほど上手な最期と思え
                   人生を終う手続きその多さ
                 煩雑な手続きにドッと来る疲れ
          梵鐘は寂しさ誘う身に沁みる
        死を前に傲慢さは消えていく
       老いるほど大切となる謙虚さ
            供養とはその人思い生かすこと
            その人の分まで生きて供養とし
            人生は無常明日ある不確かさ



「バレンタイン」   くまちゃん

★バレンタイン今年は収穫ゼロだった



  「立春昼寝」   靖坊

  冬日でもこたつの中は春うらら
すっぽりと肩まで春に包まれて
  幸せな思い出ばかりよみがえる
くしゃみして覚めるうつつの世の寒さ
  ★本当の春は寒さの中にある


 
    (随想2)    「 命 」    桃華

 信じられぬことであるが弟が急逝した。病名は心室細動。つい先ほどまで元気で動いていた人間が、一瞬にして命が止まってしまうなんて・・・。人間の命ってあっけないものである。
 弟は車を運転中、赤信号のため減速した。それはカメラに写っていた。しかし、前の車にコツンと当たり、車を運転していた人が降りて弟の車をのぞき込んだ。そしたら倒れていた。すぐに119番に電話、医療センターに運ばれて手当を受けたが、ダメであった。
 まことにあっけない死であった。しかし残念ではあったが、残された人に大きな迷惑をかけることも無く、負の遺産もなく、遺族としては救われた最後であった。
 今、私は命って何かと考える。いつまでもない、いつなくなるか分からないもの・・・・今あることの幸せを思って生きていこうと思う。


  

「春の予感」     瑞希

夜明け前春の兆しが見え隠れ
蕾つけ咲く日を待ってる胡蝶蘭
★母のよな日射し柔らか眠くなる
春予感藪の葉擦れの音さえも
青芹で春の香りを食卓で



 


・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 暦の上では春なのにまだまだ寒いですね。早く暖かくなって欲しいものです。


◎瑞希
 先日真宗大谷派僧侶及びアナウンサーでもある川村妙慶さんの法話を聞く機会を得ました。ご自身も苦労されたからこそ、ほとばしる慈愛に満ちた言葉の数々に聞き入りました。


◎橘
 私は去年の11月からメルカリに挑戦しています。今まで、わからないからと敬遠していたのですが、わからないままに思いきってやってみると、案外できることがあるとよくわかりました。メルカリでは思いがけないものが売れたりしておもしろいです。


◎さくら
 年度末が近付き、学校と子供会の役員の仕事も終わりつつあります。1年が瞬く間に過ぎて行きます。新年の随想に書いたのに、まだ今年ははじめの一歩を踏み出せていないので、そろそろ踏み出したいなと思います。




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・
(随想1)「どうなっての?」(ペ天使兄)   英人
     人間社会はもうこれくらいだろうと一時思っていましたが、最近の動きは全く凄い。
    今までは何とかついてきたつもりだが、もうとてもついていけない。物も人間の進
    化も凄い。でも人に対する思いやりは逆比例している気がするのは悲観的すぎる
    だろうか。

 迷ったらやらないことにする勇気(橘)   英人
    迷ったらやるのかやらないのか・・・どちらに決断するのか、いずれも勇気が要り
    ます。事によりますが、私は迷ったらする勇気をできるだけ持ちたいと思っています。
    やらないで後悔するより、やって後悔した方がいい。人生、やってなんぼです。

 
・本当の春は寒さの中にある(靖坊)     英人
    
含蓄がありますね。寒い中にふと暖かさを覚える、春だなあと感じる。全く暖かく
    なれば、春という感慨も少ない。全く豊かであると、豊さを感じない。同じでしょう。

 幸せは幾山越えて知るのです(瑞希)   英人
     たくさんの困難を知り、それを乗り越えて幸せを知るものです。いつも幸せの中に
    あっては、それが当たり前で、幸せと思いません。靖坊さんの句と通じるものがあり
    ます。

 横顔で君の気持ちを知る夕べ(さくら)   英人
     正面の顔は作り笑顔も泣き顔もできます。でも横顔はごまかすことができない
    のでしょうか。ふと横顔に本音が覗く。鋭い観察眼です。

 知りたくはなかったことの二つ三つ(野のはな)   英人
     隠し事はして欲しくないものですが、でも話してくれなかった方がよかったと思う
    こともあるのでしょう。隠し事をするのは辛いものです。人生とは微妙なものです。
    この微妙さが人間たるところでしょう。温和に過ごしたいものです。

 ・お誘いのなかった会が今夜ある(橘)   桃華
   
 どうして誘ってくれなかったのか、仲間はずれにされたのかと悪い方へばかり
    考えてしまう私。でも気まずい人がいて、私のことをかばってくれたかも知れない、
    といい方に考えて今夜はゆっくり休むことにしましょう。

 
・ ドーナツや蕎麦にと見事な七変化(さくら)    桃華
     お茶はカテキンが入っていて身体にいい健康食品です。お茶好きの私は手元に
    置きしょっちゅう飲んでいます。茶だし後の茶葉まで食べれると聞き、干して使って
    いますが、長続きしないのが私。でも、美味しいお茶が大好きな私です。

 
独り身で通した果ての後始末(英人)    靖坊
     私も未婚で一人暮らしですので他人事では済まされない問題です。「自分が死ん
    だ後なんかどうなろうと関係ないさ」などという考えは捨てて、後始末をしてくださる
    方々の負担を少しでも軽減できるよう、終活に励んでいきたいと思います。



       投稿をお待ちしています。


    
       「川柳連れ連れ草」への投稿案内

             次の要領で川柳及び感想文を募集します。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2019年「課題」
      (1月)名 (2月)知る (3月)遠い (4月)実
      (5月)ひとつ (6月)ふるさと (7月)岸 (8月)茂る
      (9月)旅 (10月)胸 (11月)取る (12月)思う

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


              川柳投稿 


川柳&ウォーク