so190
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第190号(29年10月)
甘 臭 木 (あまくさぎ) の

(科目)クマツヅラ科     (花言葉)運命、治療、
クサギの変種で、九州南部以南の林縁等に見られる落葉小高木。高さ8m程度。葉はクサギ
より厚く、表面はほぼ無毛で光沢がある。クサギ同様に葉や茎など独特の臭いがあるのでこの
名前が付けられている。夏になると、花が一斉に開花する。初秋の雑木林を代表する樹木。

屋久島、種子島へ出かけた。この甘臭木を見つけたことはよかったが、帰りの飛
行機が濃霧で飛ばないのには閉口した。新幹線で帰ったが、飛行機の早さを改
めて感じた。体験は広い知恵を与えてくれる。いつまでも体験をむさぼりたい。
                            (★印は英人の推奨句)



 課 題    「 大きい 」

思いたい私の心大きいと     瑞希
繰り返す嘘が大きくなっていく     橘
母の声むかしは大きかったのに     靖坊
どうせなら大きくみよう夢だけは     さくら
つりぼりで大きい魚つりたいな   くまちゃん
大きめを皆狙ってるみかん籠     ペ天使
大きな荷背負いきた道愛おしい  ★ペ天使兄
柿赤む大きい方に名を書く子    ペ天使妹
きっと私も大きい葛選ぶだろ   ★野のはな
大風船いつかはじける空の青    桃華
大きめの夢抱いたままただ老いる    英人



  「  秋  」   野のはな

暑かった夏を乗り越えたる自信
  やり遂げた娘の顔は母の顔
     夜中にも授乳うつらうつらして
        誰だって裸で生まれたんだなと
      ★満月を見上げ命の不思議など




「秋の日々」    瑞希

亡き夫も月の如くに今もなお
柳行李今も聞こえる母の声
誕生日バトン渡して古希となる
ありのまま生きて見ようと思う日々
全て良し思う心に安らぎが


 
(随想1)   「 郷 愁 」   瑞希

 匂い懐かしい稲刈り後の、藁焼きに遠い昔を思い出します。当事、我が家の農耕は全て手作業でした。猫の手も借りたい田植えと稲刈りの季節はそれこそたいへんでした。学校から帰ると待っていたのは、どこそこの田んぼに来て下さいのメモ書きと鎌と長靴でした。勉強どころではありませんでした。一日の稲刈りを終え夕日が落ちる頃、藁を焼く匂いが何処からか漂い、また苅った後の稲の匂いに暮れゆく秋を幼心にも感じていました。
 時は移ろい、全て機械化され田んぼは全て営農組合に任せ、嫁いでからは田んぼ仕事とはほとんど縁切れとなりました。夜のウオーキング時、空には満月が刈り終えた田んぼを照らします。昔懐かしい秋の匂いを感じる時、何とも言えない郷愁を感じます。



「 月見酒 」    靖坊

十月の月見秋風肌寒い
★一人酒月を相手に酌み交わす
熱燗を飲めば月光まで温い
ぐい呑みに映る月影一気飲み
月見酒丸い気分の酔い心地


 「バイオリン」   くまちゃん

★新しいバイオリン来てうれしいな




「  薬  」    ペ天使

食前にすでに満腹粉ぐすり
口開けて目薬をさす作法なり
効くのかな疑って飲む白い玉
★今週も一服余る美人薬
山盛りのカゴの薬はお守りで



 
・・・英人の20句抄・・・「衰える足」

       不確かな気候の中にいる私
       体調を保つ苦悩が多い夏
   西東旅に出て学ぶこと多し
    二か月に七度旅に出る愚かさ
      忙しさを倍加させていた旅行
           久々に二十キロを歩いた日
           足裏に痛さ覚えて仰天し
           五十キロ歩いたことも今は昔
                 衰えの早さに驚く足がある
                 衰えを自覚したのは昨日今日
                 仕事辞め動きは自然落ちていた
                 忙しさにかまけていたと反省し
                 この多忙狂わなければ不自然
        尿漏れがやはり行動押さえてる
      気づくのがまだ早めで良しとする
     今なら取りかえしがかなう足
           余生よと言って愚かさ照れ隠し
           勝っている間に負けている裏面
               不順でも夏は過ぎて秋迎え
               挑戦を続ける足を愛おしむ



「ちいさい秋、みいつけた!」
              さくら

     何もかも美味しく見えて買い過ぎる
  ロンドンの木の葉の道は夕陽色
イシグロの本で景色を思い出し
  濃い紅茶ミルクを入れて振り返る
    ★久々の日本の秋を楽しもう


「 神無月 」     橘

子は育ち隣も隣も二人世帯
好きなのは自分に似ていたからだった
つかまっていないと消去されそうだ
銀婚式好きの嫌いなど卒業
★人生がへたくそ空に羊雲



「離島にて」    桃華

何年も生き続けてる紀元杉
★生命の強さを測る杉も人も
雨に濡れやっとの思いで登る坂
島民の笑顔にほっとする夕餉
離島から帰宅不能のトラブルが



・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 

◎瑞希
 咲き始めました。三浦綾子さんの小説を読み、天上の青とはどんな花なの作り始めて15年目です。鮮やかなブルーの何とも言えない美しい花です。是非お読み下さい、きっとこの花が好きになります。


◎ペ天使
やっと涼しくなりましたが、川柳の下書きを見失い、見つけるまでのイライラとした時間!こんなことで今日一日が暮れました。

◎靖坊
 何を食べても美味しい秋。食べ過ぎ、太り過ぎには注意したいと思います。

◎橘
私も未だにガラケーを使っています。夫もガラケーで、娘だけスマホ。使いこなす自信がないのと、画面が小さいので見づらいこと、熱中し過ぎるのがこわいなあ・・・なんていろいろ理由はありますが、面倒なだけかもしれません。確かに旅行先や交通機関の情報を調べたいときなど、あったら便利だろうなとは思うのですが・・・


◎さくら
 この前迄、暑いと思っていたのに、先週末から急に寒くなりましたね。しばらく雨の日が続くとの予想で、気分が滅入りますが、今後秋晴れの中、紅葉見物をするのが今から楽しみです。




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・子は育ち隣も隣も二人世帯(橘)    桃華
    
子の巣立ちを一番望んでいるのは親なのに、いざ、子が巣立ってしまうと淋しさだけ
    が残る。気がつけばお隣さんも二人住まい。そしてだんだん歳を取り、そのうち一人
    暮らし。我が家の周りも皆そんな年齢になっている。寂しい限りである。

 母の声むかしは大きかったのに(靖坊)   桃華
     子供の頃はよく叱られたなあ。その声は爆発的に大きかった。子供だったから大人
    の声はより大きく聞こえたのかもしれないが、やはり怖かった。なつかしいような、また
    怒鳴って欲しいような母の声。もう聞くことはできなくなったのに・・・。

 
満月を見上げ命の不思議など(野のはな)     英人
     月を見上げると不思議ですね・・・・何か神秘的な気持ちになり、いつもは思わない
    ことなど考えてしまう。今生かされていること、そして将来のこと、命のことなど・・・。
    時に夜空を見上げてみるのも良いことです。

 
ありのまま生きて見ようと思う日々(瑞希)     英人
     若い頃は成長しよう、成長しようと上を見る、片意地を張る。そして、この歳となると
    自分を繕わず、見栄を張らず、ありのままに生きてみたいと思うようになる。これも
    自然でしょう。でもこの歳とはいくつでしょう。人によって違うと思いますが、私はもう
    完全にその歳です。でもこれがなかなか難しい。

 
今週も一服余る美人薬(ペ天使)    英人
     一服余してはよくないですね・・・キチンと飲みましょう、折角の美人薬ですから。いや、
    ペ天使さんにはこれくらいで良いかもしれません。元々顔かたちの整ったペ天使さん
    ですから。薬などに頼らなくても十分です。

 
久々の日本の秋を楽しもう(さくら)     英人
     秋らしくなりました。楽しんでいますか?日本の秋を!紅葉に、祭りに、食べ物に・・・。
    久々も良いものでしょう。改めて日本を見直す。今までの体験を生かし、これからいろ
    いろな日本を楽しんで下さい。

 
島民の笑顔にほっとする夕餉(桃華)    靖坊
   
 雰囲気って大切ですよね。一緒に食卓を囲んでいるのが口うるさい上司だったり、気取り
   屋の女性だったり、頑固なお爺さんだったりすると、どんなに豪勢な食事を出されてもちっ
   とも美味しくありません。笑顔に囲まれていれば、たとえ夕食が簡素なお握りでも、お腹も
   心も満たされるというものですね。



       投稿をお待ちしています。


    
       「川柳連れ連れ草」への投稿案内

             次の要領で川柳及び感想文を募集します。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2017年「課題」
      (1月)明ける (2月)歌 (3月)心 (4月)悲しい
      (5月)流す (6月)若い (7月)力 (8月)満たす
      (9月)あふれる (10月)大きい (11月)望み (12月)抱く

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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