so187
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第187号(29年7月)
丘虎の尾 (おかとらのお) の

(科目)サクランソウ科     (花言葉)やさしい風情、清純な恋、
北海道から九州にかけて分布し、日当たりのよい草地に生える。草丈は60cmから100cm
くらいである。葉は長い楕円形で先が尖り、互い違いに生える(互生)。開花時期は6月から7
月で、白い小さな花をたくさんつける。花は茎に近いところから咲き始め、長期間咲き続ける。

一つの終わりは一つの始まりでもある。でも意欲気力は失ってはならない。これ
さえ持っていれば、何かが始められる。もうまもなく夏本番、暑い暑いと言って過ごすのだろうか。負けたくはないが、頑張りすぎるのも危険である。時間はある。
                            (★印は英人の推奨句)



 課 題    「 力 」

この安らぎ君の力があればこそ   靖坊
やり通す力この頃弱ってる   野のはな
綱引きで力んでシリモチ赤の勝ち    ペ天使
力んでも孫にも負けた腕角力    ペ天使兄
嫁となり日々に力んで生きていた    ペ天使妹
力では負けても負けぬ口だけは    瑞希
頑張った姿に力もらう夏   ★さくら
父さんはとても力がある男    くまちゃん
バランスをとるため手加減されていた   ★橘
皿落とす握力低下のせいにして    桃華
余生とて力を入れる明日のこと    英人





  「 並 ぶ 」    くまちゃん

★ウィンブルドン列に並ぶのあきらめた



「  夏  」      野のはな

梅雨末期水があふれる暴れだす
晴れ間には洗濯散歩草むしり
あれやこれ固有名詞が出てこない
テレビから不愉快なもの流れ出す
★突然に部屋の片付けしたくなる


 
(随想)    「 夏休み 」  ペ天使兄

 七月に入って、刺すような暑さが訪れると、いつも小中学生の頃のある感情が鮮明に甦ってくる。その頃、この時期になると夏休みが強烈に待ち遠しくなったものだ。待ちこがれた夏休みが来ると、開放感に満ちあふれる。宿題はそっちのけ、まずは友だちと近くの海に駆けつけ、瀬戸内の白い浜の熱さを足裏に感じる間もなく、飛び込む水の感覚は何と表現すればいいのだろう。
 これらの感情がこの歳になっても鮮やかに思い出されるのである。そして、この時だけは、本当にその頃にもう一度帰りたい、心底そう思う。そして、一瞬の後、むなしく現実に還るのである。
 故郷のその浜は、今、埋め立てられてアスファルトの下になっている。



「夏のスタミナ」    靖坊

肌焼ける暑さの昼に肉を焼く
和牛でも鰻ほどには高くない
肉汁が飛び散った顔汗だらけ
焼肉と一緒に夏を食べている
★暑さには熱さをもって立ち向かう



「サマーフェア」   さくら

太陽の下で楽しいサマーフェア
巻き寿司と唐揚げ作り店を出す
各国の料理が揃い何食べよう?
読み上げる数字に歓声抽選会
★フェア終わり仕事納めのPTA




  「  孫  」    瑞希

★孫日記ホタルも男女いると書く
  手のひらのホタルに語る孫10
    丁寧に字を書く孫に星五つ
  季語を問う孫の俳句に負けました
    会うごとに姉の風格つける孫



 
・・・英人の20句抄・・・「第三の人生」

     心込めた送別会にただ感謝し
     送別会我が終演を認識し
     第三の人生に入るきっちりと
          第三の人生は余生と捉えてる
            余生とは余分な生と位置づける
              余分なら上積みはもう求めない
                ただ良いと思うことに行動し
                  改めて心構えを認識し
 夏休みラジオ体操の今昔
   老人もラジオ体操してみよう
     老若一緒に体操する日決め
       想定を越える参加に安堵する
               まずは成功次の企画に邁進し
               仕掛ければ人柄見えてくる仕組み
               老人は楽しく!言って励みとし
               逃げ腰でいて楽しさは見つからぬ
     四ヶ月選んだ人が悔やむころ
     持てあます時間はまだない七月
     今月も老人会で暮れた日々
     句作りが二の次になる文月



「 文 月 」       橘

密やかに黴は生え出す準備中
干すところなくても洗う梅雨晴れ間
つじつまは合わぬがおさめる時がある
知っている男ではない梅雨の闇
★紫陽花の向こうに少年の日の彼が


  「 探 す 」   ペ天使

   見つけても見ぬふりをする鬼になる
 諦めた手帳見つかる半年目
ケイタイがかくれんぼして私鬼
  ★何度でも探した場所で待つ財布
    最近は探すこと多々日が暮れる



「ぎっくり腰」   桃華

泣きたいよ肝心要の腰痛め
くせのように何度もやってしまう腰
寝ていればどうにか治まる倦怠病
★腰押さえそろそろ歩く青虫に
ゆっくりと立ち居振る舞い日本調



・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 

◎靖坊
 毎日暑い日が続きますね。梅雨が明ける前から夏バテ気味です。

◎ペ天使
 この暑さは・・・うんざりしますね。昨年も同じように感じたのでしょうか。それとも年齢のせいでしょうか。


◎橘
 川柳連れ連れ草の枇杷の写真いいですね。家も裏に20年以上前に食べた枇杷の種から育った木が3本ありますが今年は実が少なく残念でした。1本は実がなったことがほとんどないですし・・・畑も果樹も思い通りにはなかなかならないと思いながら見上げています。

◎さくら
 日本は集中豪雨や年々気温が高くなる猛暑で大変な事も多いですね。ロンドンも数十年ぶりの暑さで、日本から扇風機すら持って来なかった私は、寝苦しい夜にクーラーのある日本が恋しくなりました。日本には、かき氷、冷やし中華、ざるそばなど、夏の風物詩的な食べ物が沢山あるので、季節を感じられますね。私も日本に帰ったら、まず今流行りのふわふわかき氷を食べたいです



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・焼肉と一緒に夏を食べている(靖坊)    桃華
    すごーく元気がいいですね。羨ましい限りです。私も夏を食べてやりたいのですが、先
   日、回転寿司へ行き、モリモリ食べたのはいいですが、下痢を起こし、何回もトイレへ。
   胃腸がすでに夏に負けているのです。焼き肉も食べたいのですが、まずムリですね。
   悲しい!!


 
何度でも探した場所で待つ財布(ペ天使)   桃華
    早く見つけて!と、叫んでいる財布が浮かんできます。年齢を重ねると物忘れが多く、
   探し物も多くなります。探しても見つけれぬ持ち主が悪いのか、探してもらえぬ財布が
   悪いのか、いずれにしろ悲劇ですね。

 
ゆっくりと立ち居振る舞い日本調(桃華)   靖坊
    腰をかばってそろそろと動いている姿を、静かで品のある日本舞踊に例えた点が実に
   ユーモラスですね。幸いなことに私はまだぎっくり腰の経験はありません。一生経験せず
   に済むよう腰回りの筋肉強化と骨密度低下防止に励みたいと思います。

  頑張った姿に力もらう夏(さくら)    英人
     頑張った姿とは誰のことでしょう。子供さんや周りの人のことでしょうか。それとも昨年
    の自分のことでしょうか。夏の暑さにはつい力も衰えがち。何かを支えにしながらでも、
    頑張ってやり過ごしていかねば。もう一踏ん張りだ、頑張ろう。 

 バランスをとるため手加減されていた(橘)   英人
     橘さんの句は、課題そのもの言葉を外しながらその課題を連想される手法をよく使
    われます。想像を駆け立てられます。手加減をされていたのは力です。何事も余りに
    差があり過ぎると面白くありません。

 ・テレビから不愉快なもの流れ出す(野のはな)    英人
     最近のテレビは一体どうなってしまったのでしょう。一億総白痴化と言われた時代が
    ありますが、今はそんなものではありません(と私は思っています)。せめてNHKはと
    思っていましたが、民放と同じになってしまった。何も国民の喜ぶことばかりをする必
    要はありません。どんどん批判の言葉が激しくなってきた。野のはなさんの句に乗せ
    られた。



       投稿をお待ちしています。


    
       「川柳連れ連れ草」への投稿案内

             次の要領で川柳及び感想文を募集します。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2017年「課題」
      (1月)明ける (2月)歌 (3月)心 (4月)悲しい
      (5月)流す (6月)若い (7月)力 (8月)満たす
      (9月)あふれる (10月)大きい (11月)望み (12月)抱く

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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