so186
(せんりゅうつれづれそう)
第186号(29年6月)
枇 杷 ( び わ ) の 章
(科目)バラ科 (花言葉)温和、内気、密かな告白、 常緑高木。西日本に自生し、また中国から果樹として渡来した。葉は長楕円形で革質。初冬、 枝頂に白色の小花を多数つける。果実は卵球形で大きな種子があり、初夏、橙黄色に熟する。 果実を食用、葉をあせも・暑気あたりに薬用し、別名大薬王樹とも言う。材は櫛や木刀を作る。 足かけ50年に及ぶ勤務生活最後の日が刻々と近づいている。家族への責任は すでに免れた今、社会の責任からも免れる、フトそんな思いがよぎった。これから はすべて個人である。今年は老人クラブ連合会長の役に大いに励み、楽しもう。 (★印は英人の推奨句) |
課 題 「 若 い 」 気づかずにいたあの人が好きだった 老練な言葉が滑る若い人 ペ天使兄 若い日は追いかけて今追われてる ペ天使妹 若いねと言われて歳を実感し まだ若いそんな気持ちで歩いたが 桃華 まだ若いと鼓舞して歩む老いの道 英人 |
(随想1) 「 眼 鏡 」 靖坊
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「 安 心 」 ペ天使
★兄妹の顔見て心安らかに
安心は私だけの薬かも
無添加の食品信じて安心し
治ったと連絡がありもう安心
無事帰国メールが入り安眠し
「ロンドンの今」
★来た頃と違う景色が広がって
街中に出掛ける足が鈍ってく
ビッグベン深い悲しみ堪え立つ
変革の時代はいつも混沌と
ロンドンは大好きな街今もなお
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「 初 夏 」 瑞希
★孫だけが光って見える運動会
夕焼けが絵画のように田に映る
母と來たこの道孫とホタル見る
老いた事感じる段差つまずいて
深呼吸みどりの風を肺いっぱい
「 水無月 」 橘
打算ではないから隠れて泣いている
抵抗はできぬが耳目は塞がない
★ゆったりと群れと離れるしゃぼん玉
いっぱしの主婦の顔して梅仕事
世渡りが下手でも続けているうちに
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「 最 近 は 」
脚がつり膝は痛いが旨い飯
★診察の長い待合い慣れっこで
テレビ欄好みのヒロイン丸を付け
十一時ぐっすり寝ても三時起き
生きがいは犬の顔舐め尻尾振り
・・・英人の20句抄・・・「 勤め終え 」
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「 名 前 」
あれこれと孫の名前を模索する
★実際に○○ちゃんと呼んでみる
これがいいこれにしなよとお節介
ここからは安産無事を祈るのみ
昔から子供は社会のたからもの
「 暑 さ 」 くまちゃん
★六月の暑さがぼくを苦しめる
「 旅 」 桃華
空梅雨や女二人は旅の宿
疲れ切って私はすぐに露天風呂
星の探検非日常の世界観
★逃げ込める場所が私でいいですか
空梅雨に悲鳴をあげるヒキガエル
・・・ お 便 り 欄 ・・・ 句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと 思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。
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(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ ・孫だけが光って見える運動会(瑞希) 桃華 大勢の子供の中で孫を探すのは大変なこと。でも一旦見つけるといつも目で追い、孫 しか見えぬもの。一挙手一投足が誰よりも輝いて見える。どのじいちゃん、ばあちゃん も感じることだろう。ガンバレ、ガンバレと声援が大きくなる。 ・お母さん若く見えるも若くない(くまちゃん) 桃華 子供の視点にはドキッとさせられます。お母さんはよそのお母さんと比べ、若くて きれいがいいに決まっている。それが少し自慢なのだ。でも実際の歳はボクがチャンと 知ってるんだ!くまちゃん、痛いところ突くわね。 ・親指に残ったままのレモン味(靖坊) 英人 レモンを手で搾れば当然レモンの味は指先に残る。このように解釈するだけでは何 の面白みもない。さてこの句は何を言いたいのか。なぜレモンで、なぜ小指でなく親指 なのか。レモンの味の歌があった。青春への懐古であろうか。親指は親であろうか。 推理し始めると切りがない。句の良し悪しは読み手によることも大きい。 ・ゆったりと群れと離れるしゃぼん玉(橘) 英人 シャボン玉は何なのか、この句も考えると面白い。一つだけ離れて飛ぶシャボン玉。 これは作者なのか。ゆったりとあるから、焦ってはいないようだ。悠々我が道を行くの だろうか。川柳は人間を詠むのである。人間を何かに託しているのだ。読み手が物語 を作るのも、一つの読み方である。 ・兄妹の顔見て心安らかに(ペ天使) 英人 人間、平生は強がりを言っていてもいざとなると弱いものである。そんな時に安心を 与えてくれる人があるのは嬉しいこと、ありがたいことである。これは平生からの付き 合いが大切である。人間、一人では生きられない。 ・スマートフォンこれも挑戦買っている(英人) 靖坊 調べてみたらスマートフォンの普及率は七割を超え、六十代でも約四割の所有率だ とか。スマートフォンはもちろん携帯電話すら持っていない私ですが、こんな話を聞いて いると考えを改めた方がいいのかなという気になってしまいます。取り敢えず、気軽に 電話で話し合える友人を作ることから始めたいと思います。 ・実際に○○ちゃんと呼んでみる(野のはな) 英人 この試みは全く恋人に対するものですね。若い時を思い出されての句でしょうか。 幾つになっても若い時の気持ちを持ち続けることはいいことでしょう。若いっていい ものだ。先日の退職送別の宴で、この言葉を使いました。 ・来た頃と違う景色が広がって(さくら) 英人 世の中は絶えず動いています。動いていないようでも長い目で見てみれば動いて いることに気づきます。イギリスは近頃激変ですね。この激変がいい方に向いてくれ ればいいのですが、どうでしょうか。会社で11年、ここもかなり変わったことを皆の前で よく言いました。 投稿をお待ちしています。 |
「川柳連れ連れ草」への投稿案内 次の要領で川柳及び感想文を募集します。 1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度 メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて ください。課題の題は2)の通りです。 2)2017年「課題」 (1月)明ける (2月)歌 (3月)心 (4月)悲しい (5月)流す (6月)若い (7月)力 (8月)満たす (9月)あふれる (10月)大きい (11月)望み (12月)抱く 3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文 (150字以内)も募集いたします。 4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行 います。感想文もその句のページに随時掲載します。 掲載方法は一任してください。 5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。 川柳投稿 |