so184
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第184号(29年4月)
三 叉 (みつまた) の

(科目)ジンチョウゲ科     (花言葉)強靱、永遠の愛、肉親の絆、
中国原産の落葉性の低木。枝が三つ叉に分かれるところから「ミツマタ」と言う。三椏とも書く。
和紙の原料としてよく知られる。樹高は1m~2mでよく枝分かれし、まるい樹形になる。
秋に枝の先端に花芽を作り、早春に小さな花を半球状にまとまって咲かせて芳香を放つ。

新年度に入って、老人クラブ連合会の選挙で会長に選ばれてしまった。まさに
青天の霹靂である。地区の老人会長だけのつもりであったが、とんでもないこ
とになってしまった。早々に予約していた旅行をすべてキャンセルした。どんな
1年になるのだろう。折角の機会を生かし、良かったと言える1年にしたいものだ。
                            (★印は英人の推奨句)



 課 題    「 悲しい 」

悲しみを越えていくとき強くなる     野のはな
悲しみを連れ去ったのは春一番    ★ペ天使
悲喜ともに淡くなってくる齢    ペ天使兄
悲しみが強くやさしい人作る    ペ天使妹
からくりはわかった大人になったから   橘
友が去り悲しみよりも前向きに      さくら
母さんに怒られ僕は悲しいよ    くまちゃん
重ねみる悲恋のドラマ若い日を    ★瑞希

この涙悲しいからじゃありません    靖坊
微笑んだ葬儀の写真は悲しくて    柳立
悲しみが消え去った頃バスが来る    桃華
悲しみを知ると優しさ倍加する    英人




    「 花見酒 」    靖坊

    公園に着いた頃には千鳥足
  火照り顔桜色にはほど遠い
花よりもお団子よりも花見酒
 ★飲み干して仰いだ顔に花ひとひら
    花が散るみたいに酔いが醒めていく


  


「 卯 月 」     橘

淋しいと言えず選んだのは私
人生の浮沈わかってきたところ
ダメなコトばかり数えていてはダメ
★メール消す今年の春も会えぬまま
元気出ぬ時に読む本読めぬ本




「春が来て」    柳立

春なのに鼻炎つらくて家の内
薄着して夜は暖房頼ってる
もう出たか耳をかすめた蚊の羽音
★ボゥとなり昼寝楽しい日の長さ
車から花見弁当酒は無し


 
(随想)    「 凄 い 人 」   柳立

 世の中には本当に凄いと感心する人はあちこちに居る。或る趣味の達人やそれ専門の研究者 、自己を見詰める方などその道に入るとそれはびっくりする程の人が居る。人知れず何年も掛け確立した技術や研究を突然役に立つ事があればあっさり全てを公開してしまう。また世間様には全く関係なく自己の確立修行で終わってしまう事もある。
 「和光同塵」よく人の世話をし普段はにこやかに明るく余分な事は決して口にしない、事実世の中はこういう貴重な方々のお陰でうまく回っている。凄いのに決して光ろうとしない人、 私の周りにもたくさんいらっしゃる。




「  桜  」    野のはな

咲いている姿が人を元気にす
★また会えたこの道ここの桜かな
花の時期眠い眠たい眠り姫
体重の管理厳しいマタニティ
二人分食べなさいねは大昔


    「再びのローマ」   さくら

コイン投げ誓った日から十六
  コロッセオ戦う熱気蘇る
    暑さから皆座りこむスペイン坂
 ★真実の口に我が身を問いただし
     ピザパスタ本場味わう空の下



 「カルボナーラ」    くまちゃん

★イタリアのカルボナーラは絶品だ

 
・・・英人の20句抄・・・「 会長選挙 」

         青天にひょうあられの四月入り
 仕組まれた選挙の罠にはまってる
  明らかに不正な選挙と思うけど
   問いただすほどの証拠が見当たらぬ
               簡単に受けるには荷が重すぎる
               ぼんやりと過ごすことが苦手でも
               忙しさが過ぎることも困りもの
       七割の得票数にあらがえぬ
      いさぎよく受けて混乱避けている
    承知してすぐにキャンセルする旅行
              係わりを老いも若きも避けている
              絆減って絆きずなと言う社会
              老人が増えているのに減る老人会
              老人会役員の受け手見当たらぬ
              減ったと言っても大きい老人パワー
         何事も気持ちひとつで変わるもの
       前向きに見てこそ見える楽しさも
     どのような年になるのか期待不安
    引き受けて良い一年で終わりたい
   挑む心内に秘めていざ行かん



「 見 る 」    ペ天使

★見るだけと決めブランドの売り場まで
手をつなぐ二人の姿見ぬふりし
見て聞いて覚えたはずのスマホだが
見た目にはン歳ですよと世辞を言う
摘み食い見ていた孫に弁解す



「 春爛漫 」    瑞希

友ありて人生豊か何もかも
広がるよ役引き受けて人脈が
満ちてゆく心の平和春爛漫
気も元気体も元気感謝です
★春色のマフラー巻いて若返る



    「  風  」     桃華

   やさしい風に押されて午後は桜見に
 今日だけは風にまかせて闊歩する
   四苦八苦している場所に風が吹く
     午後からの風は怒っているようだ
       ★風は気まま私も気ままサクラ散る




・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 

◎靖坊
 お花見に行ってきました。今年は飲みすぎました。反省です。

◎橘
 今年度は町内会の班長の役が回ってきました。この地域はそれほど盛んではない
のですが、パトロールや清掃などをやっていらっしゃる方がいるということに気づく
きっかけになりました。2年後の夫の定年に向けて地域活動の情報を集めようと思って
います。


 ◎野のはな
 今年の桜は待ち遠しかったですが、いろんなところの入学式に満開を合わせてくれたようで感激でした。散るときは儚いですがそれもまた風情です。

◎さくら
 ようやくロンドンも春らしい陽気になりました。4月からサマータイムになったので、
日も長くなり、嬉しいです。今は、息子が春休みなので、ローマに来ています。私の
新婚旅行がイタリアだったので、16年振りです。また、来る事が出来るなんて考えて
もいなかったので、不思議な気持ちです。




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 悲しみを連れ去ったのは春一番(ペ天使)    桃華
     寒い冬から脱出できる春一番。誰もが待ちこがれたことでしょう。でも荒れ狂って
    各地に被害をもたらした今年の春一番は困ったものです。でも心の苦しみや悲しみも
    ついでにさらって行ってくれたのなら感謝しなくては。私の腰痛や膝痛もさらってくれたら
    もっともっと感謝していたでしょうに。それはかないませんでした。

 微笑んだ葬儀の写真は悲しくて(柳立)   桃華
     遺影はどれもだいたい微笑んでいますね。生前の一番美しい顔をいつも見ていたい、
    やさしかった思い出を大切にしたい家族の深い思いなのでしょう。微笑んでいるだけに
    一層悲しみが湧き上がってきそうです。

 
飲み干して仰いだ顔に花ひとひら(靖坊)    英人
   
 私は飲むとすぐに真っ赤になりますが、その顔に花びら、こんなことはそんなにある
    ものではありません。至極の一瞬、絵画が浮かびます。こんなことを後何回体験できる
    か、そんなことを思わせる句です。


 
また会えたこの道ここの桜かな(野のはな)   英人
   
 桜が咲いて、毎年同じ人を呼び寄せるのでしょうか。この道でまた会えました。若け
    れば若いなりに、老いれば老いたなりに、楽しい出会いでしょう。今年もまた会えたと
    安堵されたことでしょう。


 ・春色のマフラー巻いて若返る(瑞希)   英人
    
着るもの、身につけるものによって気分は大きく変わります。老いてこそ若々しい
    ものを身につけて、まずは気分だけでも若くしたいものです。そうすれば体もついて
    くるでしょう。元々着るものについては無頓着な私ですが、これからは気をつけたい
    ものです。人前に立つことが多い1年ですから。

 ・悲喜ともに淡くなってくる齢(ペ天使兄)   英人
    
老いていくと日々の変化が少なくなっていく。喜びも悲しみもその度合いは小さくなって
    いく。人生淡泊になっていくのが自然でしょう。それで死も静かに迎えられるのではない
    のでしょうか。でもそれを言うにはまペ天使兄さんはだ早すぎます。


 ・どのような年になるのか期待不安(英人)    靖坊
     老人クラブ連合会会長就任、まずはおめでとうございます。まったくと言って良いほど
    人望がなく、選挙で選ばれた体験など一度もなかった私から見れば、なんとも羨ましい
    話でございますよ。誰しも「初めて」は緊張するもの。あの大国の大統領だって期待と
    不安の中で頑張っているに違いありません。平穏無事に終えられることを祈願して
    おります。


       投稿をお待ちしています。


    
       「川柳連れ連れ草」への投稿案内

             次の要領で川柳及び感想文を募集します。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2017年「課題」
      (1月)明ける (2月)歌 (3月)心 (4月)悲しい
      (5月)流す (6月)若い (7月)力 (8月)満たす
      (9月)あふれる (10月)大きい (11月)望み (12月)抱く

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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