so180
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第180号(28年12月)
柾  (まさき)  の 

(科目)ニシキギ科     (花言葉)厚遇、
正木とも書く。日本各地の沿岸部に自生し、高さは2~5m位になる常緑小高木。6月から7月
に緑白色の花をつけ、秋に7、8mm位の実をつける。実は熟すと縦に裂け中から赤い種が現れ
る。葉は短い葉柄をもって対生し、厚く革質で強いつやがある。葉も実も美しいので生垣になる。

180号近くになって、名前を知っていて漢字で書ける花や木を身近で見つけるの
にかなり苦労している。今月号は協力者を仰いだ。助かる。これでこのこだわりで
当分行けるだろう。「話・話」でも時折ストックがなくなり、あわやとなるときがある。
それが不思議とすり抜けられる。どこかに助ける神がいるらしい。人生は面白い。
                            (★印は英人の推奨句)



 課 題    「 秘める 」

心には溢れるほどの秘めごとが   瑞希
秘めごとはせめて片手の指の数     ★ペ天使
歳古りてなお秘めている若い傷    ペ天使兄
たわいない秘め事してた五歳頃   ペ天使妹
あどけない顔に秘めたるでかい夢     野のはな
自分にはまだ秘められた謎がある     ★靖坊
このシワに秘めるもの有り老人力    柳立

家族には言えない話をここでする      橘
誰にでも心に秘めた夢がある     さくら
サンタさんひみつの家はどこですか  くまちゃん

秘めた恋すべて昔のこととなり    桃華
明日に向け新たな決意秘めていく    英人



  「 遠 く 」   ペ天使

★転勤は父母も故郷も遠くにし
  遠くても見えて聞こえて噂され
    風に乗り授業始まるチャイム聞く
 海わたりカード届けるクリスマス
   耳遠くワンテンポずれ笑い出す

 


「 師 走 」     瑞希

★年の瀬に旅するゆとりできました
柚子味噌のふろふき大根つつく夜
骨董の着物買い受け胸踊る
茶の花をひとひら浮かべお茶を飲む
来年の暦広げて運だめし



 
(随想1)  「歳々年々(4)」  英人

 1月12月はやはり特別の月ですね。皆さんの句やお便りに1年の早さと師走の言葉が並びます。振り返り新たな決意をする。区切りのない時間の流れに区切りを設ける、人間の知恵が生きています。
 私にとって今年はやはり大変な年になりました。1月に前立腺がん手術、そしてその後の不具は続いています。来年6月には完全退職の予定です。そして、これから次々と不調の波が寄せてくるでしょう。後退の一途です。その後退をいかに遅らせるか。それには克服する気持ちと受け入れる気持ちが肝要と思っています。幸い私にはいろいろすることがあります。体力年齢も体(内)年齢も50代を保っています(ある器具による)。しっかり前を見て生きていきたいと思っています。
 川柳連れ連れ草を通して皆さんと交流できることも嬉しいことです。脳内年齢を保ってくれるでしょう。丸15年続きました。これからも続けましょう。できれば新たな挑戦もしよう。しなくていいこともしよう(もちろん良いことで)。




「師走猫たち」    靖坊

寒ければ猫も互いに身を寄せる
寒くてもひとりで過ごす一人者
忙しくないから猫は走らない
忙しくないのに走る慌て者
★猫も人も眠り今年は去っていく



「クリスマス★フェア」  さくら

★暖かい笑顔を飾るモミの枝
飾り付けしながら心浮かれ出し
サンタ帽かぶって気持ち高まって
コーラスが冷たい風と響き合う
大人気イギリス人はココア好き



  

 
(随想2) 「 なりたい自分 」  さくら

 最近思う事は、やりたい事があるのに、忙しさや面倒くささ、ちょっとの自信の無さ、最後には人のせいにして、なりたい自分に自分から近づいて行かない自分って、どうなんだろう?という事です。
 今までも時々は勇気を出して来たけれど、直ぐには勇気がアクセル全開にならないんですよね。ここでいう勇気は、もっと英語の勉強をして、外国人の方に、英語でバンバン話しかけ、ミーティングでどんどん発言して、違うと思ったら勇気を出して自分の意見をいう事なんですけどね。もちろんこのような事は、日本にいても起こる事で、やっぱり自信や度胸が無いと出来ませんね。あと恥かいても良いわ~との緩さもあれば良いな。
 分析は出来ているので、来年はもっとなりたい自分に近づきたいなと思います。



「 師 走 」       橘

志望校変えずに向かい風の中
信頼はしている 好きではないけれど
殴ろうと振り上げた手が冷たくて
片づけてしまえば忘れてしまえます
★木枯らしの誘いに乗ってみようかと




「師走に思う」    柳立

★目が醒めて今日から師走覚悟して
猿年もただ忙しく遣り繰りし
尾張版つい目をやる死亡記事
役を降り長老様の飾り物
一里塚もう少しで年男



 
・・・英人の20句抄・・・「振り返る月」

 一年を振り返ること幾十回
   師走入りまた振り返るときが来た
    振り返り備えることを探し出す
          尿漏れに終始したこの一年で
          片隅に弱気の虫が生きていた
          大らかに苦手の虫を受け入れる
          南から北まで旅をしたけれど
          しなければならないことはしたけれど
          尿漏れにすべての成果隠される
               放棄地の整理がついて減る憂い
                 退職の期日が決まり安堵する
                  あと半年勤め五十年の幕を引く
    今日からその後のシナリオ考える
    避けてきた老後の道が伸びてくる
    迷わない内に見つめたい老後道
    老後のことは気持ちの整理から
    執着を捨てれば苦悩ない老後
           少しずつ整理を進め迎春へ
             百点もゼロ点もあって除夜の鐘
               酉年の生まれで酉年迎えてる



「何くれる?」    くまちゃん

★サンタさん今年は何をくれるかな



「 師 走 」    野のはな

★いいことを数えて今年締めくくる
いい顔の並んだ写真が物語る
一年の重みずっしり振り返る
もう少し頑張れたかもやれたかも
多分とかもしもをやめて生きていく


「 南 国 へ」    桃華

南国へ行ってきました夏模様
コバルトの海に魅せられ橋渡る
★君といる星の砂浜きらめいて
サンゴ礁拾い集めておみやげに
帰ったらしっかり冬になっていた



・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 

◎ペ天使
 もう18寝るとお正月。今年は特に何もする気力がありません。息子家族が集まるというのに・・・・。「大丈夫?」「いいえ、大丈夫ではありません!」   (12/14受)


◎瑞希
 庭の山茶花も咲きだしました。年の瀬を迎えても一年の過ぎていくスピードについて行けず、なるようになるさケセラセラと開きなおっている現在です。それでもお正月は来てくれます。


◎靖坊
 今年も残り三週間、早いものですね。気分を新たにして新年を迎えたいと思います。
(12/10受け)

◎橘
 テレビで「プレバト」という番組があるのをご存じでしょうか。最近「毒舌先生」として人気のある夏井いつきさんという俳人が芸能人の俳句を評価、添削するもので、何と言うことのない句が少し変えただけでよい句になり、魔法を見ているような楽しさに熱心に見ています。


◎さくら
 早いもので12月。今年もあと少しで終わりですね。一年一年、あっと言う間に過ぎて行ってしまいます。皆さんにとりましての、この一年は如何でしたか?




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 
いいことを数えて今年締めくくる(野のはな)    桃華
     いいことがいっぱいあった1年なんて羨ましいです。わが家は?・・・どちらかというと
    悪いことの方が頭に浮かびます。来年は口角が緩む笑顔をいっぱい作りたいと思い
    ます。

 
忙しくないのに走る慌て者(靖坊)    桃華
    
まさに私かな? 忙しくないのに。忙しそうに動くから躓くことが多い。パッと動いて
    ものを取りに行くのはいいが、何を取りに来たのか忘れてしまう。 ついに来たのか?
    認知症の兆候が・・・。ひどくならないように気をつけねば。

  帰ったらしっかり冬になっていた(桃華)    靖坊
     私にとって沖縄はまだ未踏の地。夏の暑さはこちらで存分に味わえますから、行くと
    なるとやはり冬ですかねえ。半袖で除夜の鐘を聞きながら沖縄そばを食べる大晦日
    とか体験してみたいものです。

 心には溢れるほどの秘めごとが(瑞希)
  秘めごとはせめて片手の指の数(ペ天使)    英人

    
生きていれば人に言えないことが生まれてくる、増えていく。それが自然であろう。
    瑞希さんは心に溢れるほどという、ペ天使さんは片手の指の数という。表現からは
    大きな差があるように思えるが、実際は分からない。とらえ方が違うだけかも知れない。
    言葉使いの面白さである。見方によっては秘め事が多い方が豊かな人生かも知れ
    ない。うきうきする秘め事を作るのも一つの生き方であろう。

 
サンタ帽かぶって気持ち高まって(さくら)     英人
    
気持ちが高まってどうされましたか? きっと楽しいクリスマスの日を送られたので
    しょう。イギリスでは日本の単なる娯楽とは違うのでしょうね。話を聞きたいものです。
     わが家の案山子もクリスマス前後にはサンタ衣装に替えました。サンタ帽もかぶせ
    ました。気持ちを高ぶらせて通りの人を楽しませてくれたでしょうか。

 家族には言えない話をここでする(橘)   英人
     いいですね、家族にも言えない話をここでされるとは。特に家族に注文をつけたい
    ことを家族に面と向かっては言いにくいですからね。どうぞ、どうぞここで言って気分を
    晴らして下さい。それが橘さんとご家族のためになるなら。川柳連れ連れ草がこんな
    ことに役立つとは思ってもいなかった。

 いいことを数えて今年締めくくる(野のはな)    英人
   
 いいことを数えて1年を締めくくれるなんて良かったですね。こう言えるなんて特に
    良かった年でしょう。句にもそれが現れていましたね。良い正月を迎えられるでしょう。
     いつも良いことを数え上げる私ですが、今年の私は歯がゆい1年でしたので、良い
    ことを数え上げるのは難しいようです。

       投稿をお待ちしています。


    
       「川柳連れ連れ草」への投稿案内

             次の要領で川柳及び感想文を募集します。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  
2)2017年「課題」
      (1月)明ける (2月)歌 (3月)心 (4月)悲しい
      (5月)流す (6月)若い (7月)力 (8月)満たす
      (9月)あふれる (10月)大きい (11月)望み (12月)抱く

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


              川柳投稿 


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