so174
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第174号(28年6月)

胡 瓜 (きゅうり) の

(科目)ウリ科     (花言葉)洒落、
つる性一年草。かつては熟した実を食用とした事もあったが、甘みが薄いためにあまり好まれ
ず、現在では未熟な実を食用とするようになった。日本では平安時代から栽培される。きゅう
りの旬は6~8月。95パーセントは水分。体を冷やす作用があり、夏場の水分補給に効果的。

わが家では苗を買ってくる野菜もあるが、種を採って蒔く野菜も多い。種からだ
と何本もできる。キュウリもズッと種からである。今はもう毎日食べきれない位
なる。今年はカボチャも種からにした。処分に奔走する妻の困惑顔が浮かぶ。
                            (★印は英人の推奨句)




 課 題    「 心 」


心まで奪うあなたの背を見つめ    ★さくら
奪われたはずの心は今どこに   ★靖坊
はきだしたため息まとわりついている    橘
車座で心開いた愚痴の会    ペ天使
あじさいに今の心情聞いてみる    ペ天使兄
腹みせてこころ開いたブルドッグ    ペ天使妹
おかあさん心の中からやさしいな    くまちゃん
偽りの心で笑う日もあった     野の花

その心時に厳しく思いやる    柳立
幸せは心安らぐ日々にある    瑞希
エックス線私の心まで撮らぬ    桃華
心して迎えた年もすでに半ば     英人




  「 野 」     野のはな

★チクタクとこの秒針の早すぎる
野にあれば愚痴の一つはちっぽけな
瀬戸物のハートとハート割れやすい
ため息の中で寝返りうっている
ここにきてこの寂しさをどうしよう


「日々雑感」      瑞希

ドクダミの花咲き梅雨を告げている
緑濃く葉ずれの風が夏を呼ぶ
雨上がり花も草木も背が伸びる
草むしり今日も一日過ぎました
山椒の実摘んでみんなにおすそ分け

 
(随想1)   「 祈りの旅 」  瑞希

 7年前一人で始めた西国33ヵ所、番外5ヵ所合計38ヵ所巡りを満願し、自分の生きた証を残そうと掛け軸にして四年の月日が経ちました。
 元上司であった方ですが、退職後全国の観音様を訪ねておられる事は数年前の年賀状で知っていました。そして昨年の秋、今回は滋賀県にある108の霊場巡りをされて、そのなかに我地区にも二ヶ所あるということで連絡をいただきました。灯台下暮らしとはこの事、なんとその観音様はご近所さんでした。案内をしながらいろいろなお話をしているうちに、職場では知り得なかった人生観がある事を知り深い感銘を受けました。そして観音様が引き合わせてくれた数十年ぶりの再会に感謝しました。
 再会を機会に自分もあやかりたいと思い、今年から再び祈りの旅を始めました。人との縁そして数々の本の縁、どれもなくてはならない私の大切な宝です。今後の人生も色々な影響を受けながら心豊かに過ごしたいと思っています。そしていつまでも元気で祈りの旅が出来る事を念じています。



「リーズ城を訪れて」    さくら

世界一可愛い城に花あふれ
静かなる湖畔に野鳥羽休め
カルガモの子達が散歩イチ•ニ•サン
★黒鳥が城の歴史と共に生き
今の世の姿このまま永遠に



  「リーズ城」    くまちゃん

★リーズ城めいろの中でまよったよ


「 水無月 」       橘

★若い頃言えずにいたのはこの話
平凡がどんなに幸せかと思う
エステだと思って歯医者に行くんです
耳元で囁く歯医者にダマされて
歯科治療慣れればうたた寝さえできる


 
(随筆2)   「 宿 坊 」  橘   

 高校時代の友人と京都に行ってきました。かつて京都の大学に通っていた友人は ガイドブックに載らないようなお店や見どころをよく知っていて新しい発見のある旅になりました。
 宿泊も「今回は変わった所に泊まろう」ということで、宿坊に泊まってみました。宿坊と言っても、宿泊する建物、設備はホテルと変わりませんが、宿泊者は翌朝のお勤めと庭園、国宝の障壁画の見学ができるのです。早朝の30人程のお坊さんの読経、護摩法要はなかなか見る機会のないものなので貴重な経験となり、また庭園、障壁画は日中の混雑もなく、解説付きで堪能することができました。




   「チャンス」   ペ天使

  バーゲンの広告入って今日チャンス
見逃したチャンス再び八月に
  左右見て渡るチャンスだ手をつなぐ
     ★また会おうチャンスあればと軽く言う
   友からの誘いもなくて作句の日



「トラブル」       靖坊

夕立ちのようなトラブル降って来た
被った本人だけが大騒ぎ
独力の解決目指し無理をする
差し伸べてくれた人の手温かい
★トラブルも過ぎてしまえば懐かしい



 
・・・英人の20句抄・・・ 「準備良し」

 皆集う機会ができた七回忌
 七回忌終えて悟れぬ母のこと
      顔ぶれはいつも同じの同窓会
      同窓会出られる人の幸福度
      高齢化の善悪を問う偽善者
      長生きがしたいと顔に書いてある
      結局は悟れぬままに飲むビール
              次世代を思い花の種買いに
              種蒔いて苗植えて次待ちましょう
              する程に心配の種増えていく
         ほどほどに降ること知らぬ夏の雨
         水無月の空に漂う不信感
         突然の真夏日に狂う予定表
         雨上がる心の用意できぬまま
                 横になるすぐに始まる妄想劇
                 うたた寝と思うまもなく出る本音
    じれるほどゆったり走る路面電車
    急ぐとき路面電車で行く気持ち
    五ヶ月を過ぎ次に飛ぶ用意する
    水田に水引き次の準備良し



「 梅雨空 」    柳立

梅雨空もポンと一発乾燥機
活躍は靴を乾かす乾燥機
梅雨空の如きニュースの多いこと
★雨を得てすっかり大人の若葉達
何日も顔を出さない伊吹山



「 七回忌 」   桃華

六年も前のことだが鮮明に
★ざわめいた日もあり許した日もあって
晩年は穏やかな顔美しい
七回忌久しぶりの顔並ぶ
読経にみんなの背骨曲がっている



・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎瑞希
 今年も蛍の季節が来ました。近所の川辺に乱舞です。幼い頃より蛍には色々な幸せな想い出が沢山あります。私達の長女の誕生を今か今かと心待ちしたのも、又、年を経て長男の子供が誕生したのも乱舞の日でした。忙しい日々の合間に、幼い私達姉弟の手を引いて蛍を採りに連れて行ってくれた亡き母の思い出もやはり蛍でした。来年の再会を約束した夜でした。


◎橘
 ウォークでは大垣に行かれたのですね。去年高校生の娘が遠足で行きました。枡、水まんじゅう、大垣せんべいといった名物、水の街というイメージが思い浮 かびます。行ってみたい土地の一つです。


◎野のはな
 来年の皇居歌会始のお題は「野」です。川柳にあと七七を足すだけです・・・とは簡単にいきません。でも寺さんもみなさんも挑戦をなさいませんか・・・


◎さくら
 先日はメールを頂きありがとうございました。息子に、「話•話」コーナーに載せてもらったよ」と見せたところ、「くまちゃんと書いてないけど、僕のことなの?」と不思議に思いつつ、喜んでいました。息子はおばあちゃんに会いたいようで、まず「おばあちゃん」が入る川柳が頭の中に浮かぶようです。この夏に3年ぶりに一時帰国の予定なので、楽しみにしています。




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

  心まで奪うあなたの背を見つめ(さくら)   桃華
     どうしてあなたはこんなにも私の心を奪ってしまうのでしょう、と苦々しく背を見つめ
    ている光景が浮かびます。心を奪ってしまう人はだあ~れ? ご主人かな?くまちゃん
    かな? それとも・・・・?想像するのも楽しい句。

 
夕立ちのようなトラブル降って来た(靖坊)    桃華
    突然に発生するトラブル! 構えていないだけにパニックに陥ることもある。どう対処
   したらいいのか分からず、ただオロオロする私。まさに夕立がザッと来て洗濯物がベタ
   ベタって感じかな。靖坊さんは助けてくれる人がいてよかったね。

 ・チクタクとこの秒針の早すぎる(野のはな)    英人
    秒針は狂っていない限り一定です。早すぎると感じるのは心ですね。老いるほど秒針
   が早くなるのはどうも普遍らしい。なぜでしょう。残りは少なくなってきた。

 草むしり今日も一日過ぎました(瑞希)     英人
    暑くなりました。草むしりも2~3時間もすればもうくたくたです。後はもう何もする気も
   なし。これで1日は終わりです。私のそんな日曜日でした。

 
・平凡がどんなに幸せかと思う(橘)    英人
    若い時に平凡の幸せはなかなか分からないものです。平凡に不満を言っていて結局
   何もできず、平凡にもなりません。凡人は精一杯生きて平凡です。そのことに早く気づ
   きたいものです。


 エックス線私の心まで撮らぬ(桃華)    靖坊
    心が撮影できるマシンがあれば面白いでしょうねえ。心の病気もすぐに原因が分かり
   治療できるようになるとか。騙し騙される事もなくなって詐欺もなくなるとか。しかしいつ
   でも本音丸見えってのは辛いです。人には建前が必要ですからね。やっぱり心は見え
   ない方がいいのでしょうね。


   
 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2016年「課題」
      (1月)匂う (2月)優しい (3月)濡れる (4月)瞳
      (5月)想う (6月)心 (7月)ほのか (8月)せせらぎ
      (9月)星 (10月)数える (11月)君 (12月)秘める
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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