so173
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第173号(28年5月)

山 吹 (やまぶき) の

      (科目)バラ科     (花言葉)気品、崇高、待ちかねる、
日本や中国を原産とする落葉低木で、樹高は1~2mほど。葉は卵型で縁にギザギザがあり、
全体に毛が生えている。4~5月には、鮮やかな黄色の花をたくさん咲かせる。花の直径は2
~3cmと小さく、花びらは一重もしくは八重。谷底に落とした金貨が山吹の花になったという言
い伝えや、積み重なるようにたくさんの黄色の花を咲かせる姿から「金運」という花言葉もある。

山吹という身近な花を使っていないことに気づき、なぜか嬉し悲しである。嬉し
はさっと用意できたこと、悲しは見落としていたこと。最近は度々失敗らしきこと
が多い。危険一歩手前である。笑って過ごせる程度にとどめておきたいものだ。
                            (★印は英人の推奨句)




 課 題    「 想 う 」

九州の想いは一つ力瘤     野のはな
花咲いた私の想い届いたか    ★瑞希
想い人現れ胸が弾む朝    さくら
いまいずこ過去の彼女をまだ想う    柳立
おもい人やさしいやさしいおばあちゃん  くまちゃん
想うとき君はいつでも笑ってる    ★ペ天使
想う人ボール追いかけコートにいる   ペ天使兄
想うこと半分できて自画自賛    ペ天使妹
想ってはいないし想われてもいない    橘
想い人想った日々を想う日々      靖坊

母想う爪が似てると言われた日    桃華
十年先想う吉凶入り混じる    英人



「 五 月 」    野のはな

まだ余震続く祈りを続けねば
  熊本のお城にもはや無力感
    熊本を支えるクマの赤い頬
     ★まず何ができるだろうか自分には
  熊本の真夏の路面電車かな



「 初 夏 」   柳立

昼と夜温度が曲者風邪をひき
初鰹分厚く切って眉が垂れ
見る人もおおやまれんげ清々し
★新緑が眼には薬と花巡り
独り身の着た切り雀衣替え




「 五 月 」     橘

★歳とって増える秘密と減る秘密
似てないと言われた顔が母に似て
この雨も明日は上がるかもしれず
親切にされると私ダメになる
許せずにいたこと今なら許せそう


 
(随想1)   「 転 機 」  橘

 先月の句に感想をいただきありがとうございました。運命・・・という程でなくても、後になってから「あの時!」と思いだすことがしばしばあります。最近の大きなものというと、猫と出会った時でしょうか。
 実家で猫を飼っていたこともあり、結婚してからもずっと猫がほしかったのですが、夫が犬派でなかなか果たせずにいました。昨年の11月、買い物のついでにふと思いつき(「見るだけ!」ということで)、ボランティアで地域で暮らす猫の保護活動をしている団体の里親探し・譲渡会に立ち寄ったところ、意外にも夫が一匹の猫を気にいり、引き取ることになったのです。
 これで半年ほどになりますが、猫は去年の夏ごろ保護されるまでは野良だったので、猫にとっても私たちにとっても一年前には考えられなかった暮らしをしていることになります。
 今までの経験から考えると、転機というのは案外その時はあっさりと気づかないくらいの瞬間で、振り返ってみた時にこそ鮮やかに浮かび上がる気がしています。




「 眠 気 」   ペ天使

朝陽うけ昼間でもたぬ睡魔来る
春うらら午睡邪魔して鳴る電話
腕の中眠気知らせる大欠伸
★眠れないあなたの病気知ったから
この眠気薬のせいか気の緩み




  「ゴールデンウィーク」    靖坊

    一日中ごろ寝するだけ昭和の日
  憲法の日に拳法の映画観る
★新緑の雑草を抜くみどりの日
   子供ではないけど食べる柏餅
      日曜はいつもの日曜早く寝る



 
(随筆2)   「 不 思 議 」  ぺ天使妹

 知らぬ間に爪が欠けていた。
衣類に引っかけて爪を浮かしてしまった。
親指である。これだけで、何をするにも痛みが走り、
力が入らない。不自由なものだ。
ぎりぎりまで切った爪が一週間たらずで伸びて、
痛みが薄らぎ力が入るようになった。
人間の身体って考えてみると、なんとも不思議なものだ。
自分の意識しないところで、狂いなく働いてくれている。
ありがたいことだ。




 「午後のひととき」   さくら

 穏やかな日差しに笑顔輝いて
新しいカップを並べ友を待つ
 ★新緑が爽やかな風連れてくる
目を閉じて紅茶の薫り楽しんで
 語らえば気持ちも晴れる摩訶不思議


「夏休み」    くまちゃん

★夏休み何でもできるやっていい

 
・・英人の20句抄・・ 「まだ曇り」

       思うことあって鶴を折る雨上がり
       鶴折って平和を願う人集う
       様々な願い託され千羽鶴
       身勝手な願いに鶴は飛べません
 御遠忌に出かけ信者らしくなる
  読経聞く素直な気持ち宿るかな
    所属する会があって時間生きている
             尿漏れに慣れたといえど不便です
             尿漏れはやはり足かせ重い足
             足かせとしないつもりに無理がある
          連休も出かける予定立たぬ足
        農作業で明け暮れるゴールデンウィーク
      始めるといくらも出てくる畑仕事
    例年になく綺麗になった花畑
  見覚えのある花が芽を吹く五月
             五月晴れ不平言うには碧すぎる
             手術後初めての旅は妻がいる
             自信つけ次の旅行予約する
             持てるものなくなる前に始めねば
             忍従の期間が過ぎてまだ曇り



「リュック持ち」    瑞希

芭蕉道歩く頬にも初夏の風
偶然に出合った祭り胸弾む
焼きそばにイカ焼き匂う祭り道
病み上がり案じた人は元気です
★生きている生かされている人生だ



「旅と日常」    桃華

起床後のラジオ体操揺れる骨
孫のように私にアタックしてくる蚊
友から友へ近況報告駆けめぐる
★久しぶり旅人になる鳥になる
押し寄せる不安の波が旅で消え




・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 立夏も過ぎて暑いくらいですね。そろそろコタツをしまおうかと思案中。
(5/10受け)

◎瑞希
 緑豊かなこの季節、カエルの合唱も賑やかになって来ました。夫を亡くして早くも丸五年目を迎えました。夫に恥じない生き方を模索しながらの年月でした。孫もそれぞれに元気に成長しありがたい事だと思っています。

◎さくら
 ロンドンも5月に入り、夏のような日差しが照りつける日が多くなって来ました。待ちに待っていた爽やかな季節の到来です。日本では、昨日、地震があったようで、心配しています。(5/17受け)

◎さくら
 「話・話」第2277話の「祖父と川柳」の紹介ありがとうございました。拝見いたしました。息子がくまちゃんとして川柳に参加させて頂いてから、二年半にもなるのですね。月日の早さに驚いてしまいました。変わらず「くまちゃん」はくまのぬいぐるみなどは好きですが、小学三年生の男子なので可愛いもの好きは人前では封印して、サッカーをしたり鬼ごっこをしたり、いかにも男子的な生活を送っています。川柳も、お題を提供すると、パッとひらめくようで、子供だな~という川柳ですが、時々感心する事もあります。これからも親子共々続けていきますのでよろしくお願いします。(6/1受け)




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 想うとき君はいつでも笑ってる(ペ天使)    桃華
    君とはご主人のことでしょうか?亡くなられて久しいでしょうに、その君はいつでも
   笑ってあなたを見ていてくれるのでしょうね。私の中の亡母もいつも笑っているように
   思います。いい思い出だけが残り、嬉しいことです。

 
新緑が眼には薬と花巡り(柳立)    桃華
     久しぶりに旅に出て新緑の美しさに気づきました。緑は目に優しいと言うことで、
   思い切り森林浴を楽しみリラックスできました。まわりに調子の悪い人がいると、四季を
   味わう余裕も出ませんね。常に健康には留意したいものです。

 想うこと半分できて自画自賛(ペ天使妹)    英人
     どれだけできようとできまいと、高齢者に自画自賛は大切でしょう。悲観すること
    ばかりで、これでは日々が暗くなります。自分を褒めて褒めて日々明るく生きたい
    ものです。半分は大いに褒めるべきです。

 
・似てないと言われた顔が母に似て(橘)     英人
     当人がどう思おうと、他人から見れば親子とは本当によく似ているものです。顔
    かたち、仕草、性格、本当に親子は争えないものです。仕草、性格は親を反面教師
    として直せても顔かたちは何とも致し方がありません。好きになることです。

 
病み上がり案じた人は元気です(瑞希)    英人
      案じていた人があったのですね。想像していた以上に元気だったようでよかった
    ですね。これから案じ、案じられることも多くなるでしょう。励まし合って行きたいもの
    です。

 
新緑の雑草を抜くみどりの日(靖坊)    英人
    
雑草という名の草はないと言った人がありましたが、人間が自分の都合で雑草と
    名付けているだけのこと。雑草も十分に緑です。でも雑草は抜きます。みどりの日
    ばかりでなく、休みの日は雑草を取っている日々です。雑草は強い。抜かれても抜
    かれて生えてくる。これからはこの強さも持ちたいものです。失敗しても失敗しても
    立ち上がる。

 十年先想う吉凶入り混じる(英人)   靖坊
     この句を読んで十年前は何をしていたかなあと考えてみたのですが、まるで思い
    出せませんでした。十年ひと昔とはよく言ったものです。住んでいる場所も、している
    事も変わってしまっているなんて、当時は考えもしていなかったはずです。十年後は
    どうですかねえ。たぶん今の生活とほとんど変わらないんじゃないかなあ。まあ、
    生きていればの話ですけどね。


   
 
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             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2016年「課題」
      (1月)匂う (2月)優しい (3月)濡れる (4月)瞳
      (5月)想う (6月)心 (7月)ほのか (8月)せせらぎ
      (9月)星 (10月)数える (11月)君 (12月)秘める
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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