so172
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第172号(28年4月)

花 蛍 (はなほたる) の

      (科目)キク科     (花言葉)はかない恋、恋の苦しみ、
春から夏にかけて、ロゼットの中から細長い花茎を伸ばして、径1センチあまりの球状の黄色
の釦のような花を咲かせる。草丈は5cm位。あまりにもか細い姿からハナホタルの名で呼ばれ
る。水はけのよい土に植え、日当たりのよい場所で栽培する。耐寒性は強く屋外で越冬する。

この花蛍も昨秋、苗を頂いて育ててきた。そしてこのように見事に咲きそろった。
2年前に種を蒔いたアスパラガスが今年初めて収穫できている。着手したから
成果があるのである。人間幾つになっても挑戦である。これから何を始めるか。
                            (★印は英人の推奨句)




 課 題    「 瞳 」

やつあたりしている私を猫が見る     橘
まつげ付け目から瞳に変身ね    ペ天使
郷里の海瞳に沈め上京す    ★ペ天使兄
下向かず瞳を広く青空に    ペ天使妹
清らかな瞳の奥の暗い闇     靖坊
猫ブーム魅惑の瞳にいやされて    柳立
お世辞でも瞳輝く誉め言葉    瑞希
まっすぐな瞳に宿る強い意志    さくら
お母さん瞳の力すごすぎる    ★くまちゃん
汚れなき瞳を決して汚すまい     野のはな
輝いた瞳の奥にある試練    桃華
瞳から溢れるものを受け止める    英人




   「 卯 月 」    橘

   帰らない子どもが好きなみそおでん
  思い出の中にも私いなさそう
運命が動いたのはそうあの時だ
  ★桜舞う果てには父母の墓がある
    ため息がつもって足が踏み出せず



「天変地異」    柳立

またも来た髭のナマズのコンチクショウ
救出のテレビ画面につい涙
寒空に毛布一枚ガンバレガンバレ
日本中不安を胸にただ呆然
★復旧をみんなの力底力


「  桜  」    野のはな

桜見るための四月で桜見る
桜折る人に天罰あれとさえ
桜咲くこの一年も速かった
窓の外霞む2・5の数値
★祝い事らららハイヒールで行こう



 
(随想)   「今何してるの?」  野のはな

 昨年は還暦の年だった。高校の同窓会が執り行われ懐かしい顔が集まった。自分を含めてみんないいおじさんとおばさんになっていた。
 今心のすみにひっかかっている言葉がある。「今何してるの?」女子同士でこの言葉は出ない。男子はこの台詞がまず出る。この質問に私は「えっうーん・・・」となり今の自分って何をしている人なのだろうと 自問自答した。たぶん男子たちは自分の所属している会社名や仕事内容をまずお互いに説明してからしか話を始められないのだなと思った。勿論 会社勤めもしたがもう過去、結婚子育てもしたがそれも終盤、親の介護?いやまだ介護ではない、今なにをしているのか? そういえばテーブルごとの近況報告の時も自分のことではなく、息子は高校の先生をしていて~などと息子の自慢にすり替えたっけ・・・誰かの妻、誰かのお母さん、それ以外の自分を持ちたいとあれから考えている。




 「古都歩く」     瑞希

花吹雪手のひら受けて古都歩く
  大仏は歳も重ねず穏やかに
    ★だらだらの坂道歩き老いを知る
 鹿が寄るごめんなさいと手を見せる
   観光地どこに行っても多国語だ





「自然豊かなウェールズを旅して」
             さくら


晴天に飛ばす車も弾んでる
カナーヴォン城の彼方に歴史見え
世界一長い名前の駅に降り
★ティールーム私ひとりが夢の中
散歩するカモメ上手に波よける


「お城探検」    くまちゃん

★ウェールズにお城探検行って来た



 
・・英人の20句抄・・ 「暇増えて」

             歯が痛む春の兆候覚えてる
            早く咲く桜に焦る予定表
           終末の雨にサクラも人も負け
         花筏 幸も不幸も乗せていく
 天地から恵みを受けて草ボウボウ
  名を知らぬ花にカメラが躊躇する
   名を知って嬉しさ募る帰り道
            四月馬鹿ここから始める新年度
              世の中に平和が来ると四月馬鹿
                年度明け人事異動の泣き笑い
                  旧友の履歴が残る住所録
      ピアノ引く孫の姿に目を見張る
      少しだけ祖父らしくする日曜日
 お華束と読経がうまくなる講組
  欠伸して午後の疲れが取れるのか
   尿漏れも改善の兆しに安堵する
    億劫な体で暇が増えていく
     暇増えて戸惑う足がもつれてる
              訃報欄 年齢が気にかかる癖
              長生きがよいという口にためらい



「エイプリルフール」  靖坊

嘘だらけだった昨夜の夢の中
嘘をつく相手がいない金曜日
店員の愛想笑いに騙される
嘘ならば良いなと思う空財布
★自分にはいつでも嘘をついている

 
「 学 生 」   ペ天使

通学路耐える背中とランドセル
今日からは二年一組三番で
★合格を祈った次は無事卒業
大学の入学式にババも行く
学業とオシャレ 両立望むババ



「  桜  」    桃華

墓参り桜咲いたと報告し
★じょう舌になって桜を見て回る
桜舞う喜び悲しみ織りまぜて
友に会うサクラが終わった後だけど
新緑もそれなりにいい友もでき




・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎橘
 さわやかな季節がやってきます。ウォーキングにもよい季節ですね。来月末に友人と京都に行く計画を立てています。智積院の宿坊に泊まる予定なのですが、朝のお勤めに参加できたり、長谷川等伯の壁画が見られるそうで、今から楽しみにしています。


◎瑞希
 最近よく旅に出かけます。もちろん国内です。暇を見つけて読む本に出てくるヒロインが過ごし、また歩いた地名や社寺仏閣に興味がわき、思い立つとすぐに実行です。一人暮らしの気まま旅です。一人旅もしますが行動を共にしてくれる友人達がいてくれる事もありがたい事です。旅には新しい発見があり感動があります。これからも時間の許す限り自分流の旅を楽しみたいと思っています。


◎靖坊
 すっかり春ですね。今日も花見です。こちらの桜は散り始めていますが、あと数日は楽しめそうです。(4月10日受け)


◎さくら
 まさか熊本でこんなに大きな地震が起こるとは思ってもみませんでした。被災者の方々の事を思うと、とても心が痛みます。いつ何時何が起こるのかわからないので、家族仲良く楽しく暮らしたいと改めて思いました。(4月16日受け)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

  清らかな瞳の奥の暗い闇(靖坊)    桃華
    
私の句「輝いた瞳の奥にある試練、靖坊さんの句を見た訳じゃないのに、同じ
    ような句ができてしまったことにびっくり!考え方が似ているのかな? 日々のことを句
    にしていると、似たような句ができあがるのかも?!いろいろな視点でものを見る力
    を身につけたいものだ。

 
観光地どこに行っても多国語だ(瑞希)    桃華
     最近は海外からのお客さんが多くなった、それだけ来やすくなったのだろう。日本は
    安全で住みやすい国の評判が大きく功を奏しているのかも。私もちょくちょく海外へ出
    かけたが、日本が一番安心で落ち着く。いい国だと思う。これからは国内をゆっくり旅
    したい。

 輝いた瞳の奥にある試練(桃華)    靖坊
     似てしまうのは「瞳の奥」という表現がありふれているからなのでしょうね。ネットで
    検索すると歌詞や映画の題名なんかにも使われています。見慣れた言葉、使い慣れ
    た言葉は安易に使ってはいけないなあと思いました。ちなみに二句送ったうちのもう
    一方は「我が瞳濁れば好意さえ見えず」こちらを採用してくれれば似なかったんです
    けどねえ。

 郷里の海瞳に沈め上京す(ペ天使兄)    英人
     大好きなそして思い出のあるふるさとの海、それを忘れないように瞳の中に焼き付
    け、いざ東京へ旅立たん!。青春時代を思い出しての句でしょうか? そして見事花咲
    いたのでしょうか? まさか今のことではないでしょうね。


  お母さん瞳の力すごすぎる(くまちゃん)   英人
     お母さんの瞳はどんな力でしょうか。にらまれると怖いのか、何をしてもすぐ分かって
    しまうのか、お母さんという人はそんな人なのです。くまちゃんをよく観察してすべて
    わっかているのです。あまり逆らわないのがいいと思いますよ。

 
運命が動いたのはそうあの時だ(橘)    英人
    
今思い出してみると、あの時が人生分かれ目だったと思うことが一つ二つはある
    ものです。そして語って欲しいのは、あの時とはどんな時だったのか? それを句に
    入れて欲しいところです。興味があるなー。

 桜咲くこの一年も速かった(野のはな)    英人
    
桜を見たのはついこの前だった気がするのに、もう今年の桜が咲いている。この間
    365日、本当に365日あったのだろうか。何をしていたのだろう。でも毎月
6句の句を
    作り送ってきた。この事実は残っている。老いてなおさら目に残る形で残しておくことが
    必要であろう。

   
 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2016年「課題」
      (1月)匂う (2月)優しい (3月)濡れる (4月)瞳
      (5月)想う (6月)心 (7月)ほのか (8月)せせらぎ
      (9月)星 (10月)数える (11月)君 (12月)秘める
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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