so168
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第168号(27年12月)

蒲 染 (がまずみ) の 

      (科目)スイカズラ科     (花言葉)結合、愛は強し、恋のあせり、
莢蒾、鎌酸実とも書く。全国山地に生える落葉低木。5~6月に白い小さい花を多数つける。
秋には赤く熟し、実は甘酸っぱく生食ができ、果実酒としても利用される。丈夫でよく分枝する
ため、庭木として観賞用に植樹されることもある。何らかの染色に利用したとの見方がある。

時は絶え間なく淡々と流れる。しかし、人は区切りを付ける。特に12月は1
年を振り返り、喜び反省する。歳々年人同じからず。皆さんの句が自然その
ようになっている。そこに句を書く意味もある。続ける、自分史ができていく。
                           (★印は英人の推奨句)



 課 題    「 書 く 」

文字にしている間に気持ちおさめます    ★橘
手作りのはがきに書いた冬便り    ★瑞希
一日を日記に書いて星を見る   ペ天使
人生の一区切りとて遺書を書く    ペ天使兄
戦争を漫画に描いて大家逝く    ペ天使妹
年賀状手書きの文字に愛こもる    さくら
書きとりをまいにちきちんとやってるよ   くまちゃん
書かれずに打たれる文字の寂しさよ   靖坊
鉛筆で書く愛すべき日本語    野のはな
親指で電光石火のメール書く    柳立
追伸の文字にうっすらしみの跡   桃華
果てるまで書き続ける決意する    英人




   「 今 年 」      野のはな

   いいことがたくさんあった未年
 きな臭い話題も避けて通れない
★生んでない息子が一人できました
   台所奮闘してるのが浮かぶ
     新所帯幸多かれと祈るのみ



「 暖 冬 」   柳立

ストーブを横目見るだけ着火せず
十二月下着は半袖このままで
お隣にお化け大根頂いて
★年末に春物見えるウィンドウ
日だまりは羽毛上着の前を開け



 
(随想1)   「歳々年々(3)」  英人

 大晦日の夜に「わが家の重大ニュース」を拾い上げることをもう何十年と続けている。ふと今年を思い浮かべてみる。4月から地域代表として十八日講という団体に参加することになった。親しい同級生が市会議員に初当選した。いずれも私の生活に大きな影響を与えた。週2日の勤務となったが、余裕ができたとはとても思えない。6月にはガンが見つかった。病院に行く回数が増えた。「歳々年々人同じからず」を今年は例年以上に感じる年となったようだ。
 「人同じからず」は程度の差はあれ、どの人も同じである。自分自身が変わる場合もあるし、周りが変わって自分が影響を受けることもある。これも縁、宿命とポジティブに受け入れる。それによって安穏と前進が生まれる。
 川柳連れ連れ草は14年が過ぎた。不可能になるまで書き続ける決意をしたい。それには皆さんの応援、支援が必要である。共に歩んでいきたい。



「スッキリ」     靖坊

年末だ不要な物は捨ててやる
探し物見つけた時は要らぬ時
使わない役立たないのに捨てられない
捨てられぬ想いを捨てて打ち捨てる
★部屋サッパリ心スッキリ年の暮れ




    「 師 走 」    橘

さよならと私が言うのを待っている
   ★月が出る 人と別れて来たばかり
     せっかくの別れをとことん活かしましょう
 頼ってた私が頼りにされている
    経験は力に 自分に言い聞かせ




(随想2)  「家族の形(2)」   橘   

 11月から猫と暮らし始めました。地域で野良猫の保護活動をしているNPO団体から譲り受けたものです。推定二歳の雌で、アメリカンショートヘアの雑種のようです。
 NHKの朝ドラ「あさがきた」から「あさ」という名前になりました。八月までは野良だったのに人慣れしていて、なでてもらうのを好みます。アルミホイルを丸めた球でサッカーをしたり、娘の髪ゴムで遊んだりと新しい暮らしに馴染んでいく様子もかわいらしく、家族4人、猫の話で盛り上がっています。猫はマイペースですが、人間たちの方が暮らしに楽しみをもらいました。




「 反 省 」   ペ天使

下駄箱は夫の何倍あるだろうか
去る夏に袖を通さぬ服の山
捜すより買った方が早いから
これ以上バックも靴も増やせない
★かこつけて今夜パスした皿洗い



  「年の暮れ」    瑞希

もう冬至カボチャが出番待っている
どか食いの師走の夜の忘年会
この辺で止めてくれよと言う胃です
★電車旅写る景色も年の暮れ
あんな事こんな事あり年の暮れ



 
・・英人の20句抄・・ 「振り返る一年」

      振り返る一年があり師走来る
    選挙の騒動曲で年が明け
   突然の話が多く白い手帳
  予定が立たない日々で陽が落ちる
             すき間を狙って旅に出かける日
             巡礼の旅に気持ちを静めてる
             読経の響く方から良い香り
             孫連れたウォークで人が寄ってくる
             留守の日に限って人が来る喜劇
        放り出すもの放り出す選挙期間
       当選の知らせに疲れ失せている
      選挙終え外国旅行も気兼ねなし
          吉の次凶が来るのは世の習い
            ガンですよアッサリ言われ言葉なし
              治療より検査が続く半年間
                検査結果聞かず出かける北欧へ
        予定外のことが続いた七十歳
        戸惑いと感謝で終えた羊年
        老いという文字見つからぬキーボード
        夢抱き明日へ走る師走です



「メリークリスマス2015」 
             さくら


★クリスマス皆の心に火が灯る
二回り大きなツリー新調し
飾り付けセンスの無さを嘆きつつ
プレゼント決まらぬ孫にヤキモキし
日本のおもちゃは技術力高し



 「サンタ」    くまちゃん

★学校のサンタはとしょの先生だ



「 大掃除 」    桃華

華やかに銀杏散って年も暮れ
知らぬ間に師走の風が吹いていた
困ったことに掃除の最中電話鳴る
高い場所残して終わる大掃除
★掃除機のごみも片づけ新年を




・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎ペ天使
 もういくつ寝るとお正月~♪。楽しんでいたおせち料理作りがこのところ億劫になってきました。子や孫に「おいしいね」と騙されて作ります。


◎橘
 暖かいと言われながらも、朝晩はさすがに寒くなってきました。年末に向け、あわただしいことと思いますが、お身体第一に過ごされますよう。


◎瑞希
 今年は夫亡きあと我が家を支えてくれた、義理の兄との別れがありました。福祉のサロンも月一回それに伴う雑用などに追われあっというまの1年でした。その間協力的に活動してくださった委員の方々とのふれあいは、今後も忘れられない私の財産です。哀しみもありましたがそれを上回る幸せに感謝の1年でした。


◎さくら
 息子の学校も、今週いっぱいで終わりです。来週から冬休みになりますが、実感がわきません。ロンドンはクリスマスが終わり、新年を祝うと、もう1月4日から学校が始まります。(12月16日受け)




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・探し物見つけた時は要らぬ時(靖坊)   桃華
     最近探し物が多くなった私。探し回るときはなかなか見つからぬものだが、あきら
    めていい加減忘れた頃にヒョコッと出てくる。でもその時はもう不要・・・何てことが多い。
    この句、私のことを言っているかと思うほどピタリ!っと当てはまる。あ~あ、歳には
    かなわぬものらしい。

  年賀状手書きの文字に愛こもる(さくら)    桃華
     今年も年賀状をたくさん書きましたか? 私の賀状は、裏はパソコンで作りコメントを
    手書きで付け加えています。表はもちろん手書きです。手書きの方が何となくやさしい
    賀状になる気がして、ズッと続けています。“文字に愛こもる”いいこと言ってもらいま
    した。そうです!これからも続けます。

 
知らぬ間に師走の風が吹いていた(桃華)    靖坊
     「時間の心理的長さは年齢の逆数に比例します」とフランス人のジャネさんが言って
    いるように、年々、一年間が短くなっていく気がしますねえ。「こないだ大掃除したば
    かりなのにまた大掃除だよ」と思うとうんざりしますが、「こないだお節料理を食べた
    のにまたお節料理を食べられる」と思うと嬉しくなるので、まあ一長一短というところ
    ですね。


 いいことがたくさんあった未年(野のはな)   英人
   
 作者にとって昨年は本当に良い年でしたのでしょう、おめでとうございます。素直に
    こう言えるのは本当にいい。さて今年もそれを引きつないで、良い年になることでしょう。
    まずは前向きな姿勢です。私も良い年になるように精進します。

 
経験は力に 自分に言い聞かせ(橘)    英人
    
言い聞かせるも何も、経験は力になります。成功はもとより失敗も力になります。
    いろいろ経験して力をつけていきましょう。経験することが人生でもあります。私も
    昨年は新た体験がいくつもありました。今年はどんな体験が待っているのでしょう。

 
手作りのはがきに書いた冬便り(瑞希)   英人
    手作りのはがきですか? いいですね。こんなはがきに手書きの文字。もらった人は
    嬉しいことでしょう。今年も年賀状が届きましたが、益々印刷だけの物が多くなった
    気がします。でもこの歳になると、それだけでも大切です。年々来る枚数が減ってい
    ます。

 人生の一区切りとて遺書を書く(ペ天使兄)   英人
    
環境にもよりますが、残された人に財産分与は非常に難しい物です。これで仲違い
    になる例も多いと聞きます。そうならないためにもキチンと書いておいた方がいいで
    しょう。書いて一区切りを付ける。私も書き始めて中途になっています。キチンと仕上
    げないと一区切りが尽きません。

 親指で電光石火のメール書く(柳立)   英人
    
携帯電話やスマートフォンなどの扱っている人を見ると、その指の動きの速さに圧倒
    されます。まさに電光石火という言葉がふさわしい。慣れとは、若いとはそんなもので
    しょうか。孫に敵うものが少なくなってきました。

 一日を日記に書いて星を見る(ペ天使)   英人
     一日を振り返り日記を書く。非常に大切な日課です。日記を書く、書かないは大きな
    違いです。書いて星を見る、良い日だった、反省の多い日であった。いずれにしろ
    感慨深い一日になるでしょう。長く続けていきたいものです。私ももう何十年と続けて
    います。今年はどんなことを書く年になるのでしょう。


   
 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2016年「課題」
      (1月)匂う (2月)優しい (3月)濡れる (4月)瞳
      (5月)想う (6月)心 (7月)ほのか (8月)せせらぎ
      (9月)星 (10月)数える (11月)君 (12月)秘める
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿


川柳&ウォーク