so164
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第164号(27年8月)

桧 扇 (ひおうぎ) の 

      (科目)アヤメ科       (花言葉)誠意、個性美、
本州~沖縄の日当たりのよい山地に生える多年草。葉は長さ30~50cmで扇状に出る。上部
で枝を分けて数個の苞をつけ、中から2~3個の花を出す。花は直径3~4cm、橙色で内面に
暗赤色の斑点が多数ある。種子は直径5mm、球形で黒く光沢がある。 花期は8~9月である。

今年の夏は猛暑日が何日も続き、身体にも気力にも堪える。そんな中、川柳
連れ連れ草の皆さんの句は出そろった。感心した。私の治療法はまだ模索中
である。新たな挑戦に気後れしてはならない。まもなく過ごしやすい秋だ。

                           (★印は英人の推奨句)



 課 題    「 ガラス 」

割れるのがこわくてしまいこんだまま     橘
ガラス越し色んなドラマ映ってる    さくら
ひかりの中かがやくガラスまぶしいよ    くまちゃん
閉め切ればガヤガヤ八月ガラス越し    柳立
窓ガラス越しの雷怖くない   ★野のはな
ぶつかって気付くガラスの透明度   靖坊
ガラス窓磨いて盆の孫を待つ    瑞希
隣から声さえ聞こえぬすりガラス     ペ天使
街角のガラスに我の老いを見る    ★ペ天使兄
あの頃はガラスのこころ我なりし    ペ天使妹
ガラス越しの合図 夫婦で分かり合い   桃華
曇ってきたガラスに不安増していく    英人


   「 若 い 」   ペ天使

    写真見て「ホントにばあば?」と疑う目
  若様は一年生で「オレ」と言う
口癖は「若い頃は~」で聞き飽きた
    若返るクリームと言われまとめ買い
       ★若ぶってわざと渋色履いてみる


 

「 葉 月 」     橘

じりじりと熱波の八月人を恋う
切り落とす烏賊の目私をじっと見る
夏だから素麺当たり前に茹で
花火なら早めに淋しくならぬうち
★もう一度着たら捨てると思いつつ

  

 
(随想1)    「 怪 談 」    橘

 子どもの時から怖がりのくせに、怖い話、怪談が好きです。テレビでよくやっている肝試し的な派手な話ではなく、親戚の集まりで聞いた「おじさんが若い頃…」とか「小学校の時・・・」といった地味なくらいの身近な話に心惹かれます。
 たくさん読んだり聞いているうちに自分の怖さのツボに気づいたり、怖さのツボは人それぞれ、また国や文化によっても違うということに気づいたりしてなかなか奥深いものがありそうです。
 テレビで鬱病の治療のひとつにお手玉療法というのがあると聞きました。短時間心を無にしてお手玉に集中し、ふっと緩めるのがつい考えこんでしまう症状によいのだとか。そう考えると怪談も似たようなものかもしれません。確かに家のこと、子どものこと・・・いろいろな問題からちょっと離れて読み終え、「ああ怖かった!」とスッキリしている気がします。



「猛暑対策」    柳立

戦中派エヤコン嫌いの扇風機
エヤコンは全て閉め切るこれが嫌
★汗を拭き負けてたまるか痩せ我慢
それがダメ息子の一言納得し
密室の節電エヤコン友となり


「夏の日々」     瑞希

幸せの種を探しに旅に出る
夏野菜毎日これで生き延びる
リフォームの麻のブラウス自慢です
★立秋の便りが届く真夏日に
夜明け前今のうちにと草を抜く



(随想2)  「 清 涼 剤 」   瑞希 

 今年の夏は例年にない暑さです。もうエアコン代のなんのって言っておれません。朝から晩までスイッチONです。この暑さの中.今日は老人会の墓掃除でした。汗だくというよりシャワーを浴びて来たような私も含め皆さんの姿でした。
 今は墓地もキレイに整備され、各家庭で良く管理されているので短時間で終わりました。そんな中早くも、つくつくぼうしが鳴き出しました。立秋を目の前にしてもう昆虫は秋を感じているのでしようか。一服の清涼剤の感じがしました。




「暑さに負けた」    靖坊

ただ耐える室温35の中
エアコンの無い部屋だから諦める
サウナだと思えば気持ちいいもんだ
外に出て風吹くここは天国か
★気が付けば店でアイスを食べていた



「 八 月 」     野のはな

千羽鶴飛ぶ長崎のあちこちに
11時2分想像して祈る
★祈りの日「もう二度と」と歌う
つかの間の帰省長崎皿うどん
カステラを持たせラッシュへ送り出す


 
・・英人の20句抄・・ 「夏休み」

   夏休み老いても風を楽しまん
      子供らとラジオ体操する夏で
      お寺さんに集う子らは良い子です
      一二三 声あげて夏乗り切ろう
      老人が一人混じって保護者顔
             ガンですよ告げられたその瞬間に
             寿命を身近に覚えるガン宣告
             検査するその都度不安舞い込んで
             人間の愚かさ暴く検査です
 暑いと言っても動じぬ温度計
 何もかも放棄したくなる猛暑日
 猛暑日の日数だけ負けている
 猛暑の日は沈黙を続けます
           夏休み孫の世話に妻取られ
           忙しさに不平と嬉しさ半ばして
           孫らの声が聞こえる終戦日
                涼風に身を横たえ明日思う
                ざわざわと緑が揺れて明日憂う
                人並みに生き人並みに老いていく
                明日来る古稀に新たな覚悟する



「夏休み(前半)」    さくら

親も子も期待膨らむ夏が来た
メリハリを付けた生活心掛け
ゲームより外に陽を浴び公園へ
★日に焼けて少し笑顔が大人びて
時々は自由が欲しいと望む母



  「ネッシー」    くまちゃん

★スコットランドネス湖でネッシーさがしたい



「 猛 暑 」     桃華

何もせぬ訳にはいかぬ猛暑でも
★昨年も一昨年も暑い夏
年毎に夜のウォーク足重く
元気いい子供の声とせみの声
やっと雨 土も私も生き返る


 


・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 暑いですねえ。今年は食欲がなくて夏バテ気味です。今日は立秋ですから、これから少しは涼しくなりますかね。(8/8受)

◎橘
 夏休みはお孫さんはいらっしゃいますか? こちらは子どもたちはもう親より友達とのつきあいの方が優先のようです。


◎ペ天使
 本日は迎え盆「ご先祖様、どうぞ家を間違えないで」と、住所をお知らせしながら今朝のお参りをしました。(8/13受)



◎さくら
 日本は、毎日、ものすごく暑いと聞いていますが、ロンドンは朝晩は涼しい日が多くなり、秋の気配さえ感じるようになりました。過ごしやすい季節が終わってしまうと思うとなんだか寂しくなってきます。


◎野のはな
 盆の間パソコンの調子がずっと悪く 途中毎回シャットダウンしてしまい遅れました。 盆の多忙を言い訳に今月はパスしたいという弱さに負けそうでした。



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ぶつかって気付くガラスの透明度(靖坊)   桃華
    最近のお店はガラスが良く磨かれており、うっかりぶつかってしまいますね。私もそ
   そっかしく、ついやってしまいます。それだけお店は清潔に心がけていると言うことで
   すね。それに比べ、わが家のガラスは・・・・?。

 ・立秋の便りが届く真夏日に(瑞希)     桃華
    どちらからの便りでしょうか・・・毎日の猛暑に秋便り、心が涼しくなりますね。今夏は
   本当に暑く、私も少々バテ気味になりました。年齢のせいかとも思ったり、いやいや、
   夏の暑さのせいと思ってみたりして・・・。それでも9月に近づくと秋の気配が感じられ、
   虫の音を楽しんでいます。

 切り落とす烏賊の目私をじっと見る(橘)   ペ天使妹
    ン十年前のこと、魚を1匹買ってきて2枚おろしに挑戦! 頭を切り落とすとき、何か
   訴えているような気がして「ごめんなさ~い」とつぶやきながら、目を見ないで切ったこと
   を思い出しました。私の栄養になってくれてありがとう・・・・。

 ・外に出て風吹くここは天国か(靖坊)     ペ天使妹
    暑い暑いという言葉しか出て来ない今年の夏でした。住宅地を抜け、坂を登り切った
   所で立ち止まると風が・・・・思わず「あ~涼しい」と声が出た。こういうひとときの繰り返
   しで、人は何事も乗り越えられるのかと思う。

 
何もせぬ訳にはいかぬ猛暑でも(桃華)    靖坊
    今年は暑い暑いと毎日ぼやいてばかりの夏でしたが、イランで七月末に体感温度
   74
度を記録したと聞いて、まだまだ私たちは恵まれているなあと感じた次第。どんなに
   暑くても、休むことなく働き続けている肺と心臓にも感謝です。


 ・あの頃はガラスのこころ我なりし(ペ天使妹)    靖坊
    確かに年と共に図太くなっているなあと感じますね。失敗したり恥をかいたりしたら、
   数日は立ち直れなかったような事も、今は平気でどこ吹く風ですからね。辛いことに
   鈍感になるのはいいけれど、楽しいことにはいつでも敏感でいたいものです。


 
メリハリを付けた生活心掛け(さくら)    英人
    同じパターンは楽で間違いも少ないかも知れないが、精気が薄くなります。メリハリを
   付け、生き生きと取り組むのが生活を楽しくしてくれるでしょう。いい心がけです。

 窓ガラス越しの雷怖くない(野のはな)    英人
    雷が鳴る外と自分がいる内側と、何か遮るものがあると恐さも減ります。安心感もあり
   ます。ガラスで怖くない人なら蚊帳の中に入るともっと減ります。落ちる雷に本当はあま
   り効果はないでしょうが・・・・気の持ちようですね。

 
もう一度着たら捨てると思いつつ(橘)     英人
   
物は本当になかなか処分できないものです。思い出の衣服などは特に無理でしょう。
   断捨離が叫ばれていますが、もったいないで育った昔人間にはほとんど無理です。私は
   気持ちに抵抗することなく、どんどんため込んでいます。

 
エヤコンは全て閉め切るこれが嫌(柳立)    英人
   
エアコンは部屋を閉め切らなければいけない、これが嫌なのは私も全く同じです。これ
   が嫌でなかなか使わない。そんな私ですが、エアコンを使わない高齢者の熱中症事故
   の報道で、今年は結構使いました。秋風が吹き始めました。もう使わないでしょう。



   
 
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       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2015年「課題」
      (1月)広い (2月)野 (3月)咲く (4月)花束
      (5月)星 (6月)残す (7月)輝く (8月)ガラス
      (9月)青い (10月)世界 (11月)手紙 (12月)書く
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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