so154
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第154号(26年10月)

杜鵑草 (ほととぎす)の 

 (科目ユリ科    (花言葉)秘めた思い、永遠にあなたのもの、
 山野の林下や林縁、崖や傾斜地などの、日当たりの弱いところに自生する多年草。葉は互生
し、楕円形で長い。花期は初夏から秋にかけてで、雌雄同花で上向きに咲き、花弁が 6枚で
2~4日程度咲くことが多い。花や葉に斑点があるためこの名前(ホトトギス)が付いている。

秋には秋思う、今月の句は秋がオンパレードです。人間自然と共に生きる、
まさに実感します。自然とは上手に大切につき合っていかねばなりません。
川柳を作る人はそれを知っています。そして豊かな人生ができていくのです。
                           (★印は英人の推奨句)



 課 題    「 越える 」

超えて来た夫亡き後の山坂を    ★瑞希
越えるべき壁はどこにも見当たらぬ     靖坊
スポーツは自分を越えてまた越えて    柳立
越えられぬ山があるから頑張れる    さくら
もうぼくは7さいこえて大きいよ    くまちゃん
背丈越え我を見下ろすパリジェンヌ    ペ天使
山谷を越え来て今日の日向ぼこ    ★ペ天使兄
越えたきた峰振り返る歳となり   ペ天使妹
辿りつく果てにあなたにいてほしい    橘
この山を越えたところに幸せが    野のはな
跳び越える力が欲しい水たまり    桃華
越えるもの越えてここまで来たけれど    英人

 



   「秋の日々」      瑞希

十三夜少しいびつが良い感じ
    刈りあとの野焼きの匂い季節知る
       良い歳を重ねて行こうこれからも
    ★味噌汁の湯気がうれしい今日の朝
       ひこばえの水穂を求めコハクチョウ


「ジャパン祭」     さくら

★日本を思い出させる屋台村
ゆるキャラのショーを見たくて急ぎ足
くまモンと握手が出来て夢のよう
ふるさとの家康くんも大奮闘
世界にもジャパンカルチャー愛される



「ゲーム」     くまちゃん

★ゲームってとってもとってもたのしいよ



(随想)   「 久しぶりの再会 」   桃華 

 高齢者になってもその感覚が今イチない私。しかし、いつ動けなくなるか分からぬ恐れは抱いている。そこで今のうちに久しく会っていない友に連絡をする。

 先日、中学校時代の友と会った。彼女は小学校5年の時転校してきた。以来友となり、中学校卒業まで彼女の家に行ったりした。高校から互いに行く道が違い、少しずつ疎遠になり、年賀状で近況報告するくらいになった。そんな彼女に何年ぶりかで出会い、会話がはずむ。子供の頃を知っているだけに互いに本音で語りあえ、貴重な時間となった。
 私は子供の頃、彼女に精神的に救われていた。彼女はそんなこと知らずにつき合ってくれていたであろうが・・・・。年齢を重ねるとその有り難さが身に沁みる。ありがとう、やさしくしてくれて!ありがとう、友でいてくれて!!・・・感謝だけが残った。



「 秋 色 」     柳立

晴れ晴れに禿げた頭は秋が映え
★台風の一過を耐えた穂を愛でる
月蝕にぼんやり赤き地球見る
月冴えて秋はやっぱり露天風呂
松茸を先ずはちょっぴりお初物



    「 神無月 」    橘

    喉のここ ここのところに風邪がいる
 悩みごと人に話せるのも技術
いい人と言われる程度におつきあい
   ★放物線だったね 二度とは出会わない
      遅刻する度量があればいいと思う


「 花 」    ペ天使

バラの香にハート盗られて深呼吸
花のある女性になってと言った母
入園料払って摘んだ花五本
月見草闇夜の庭で揺れている
★朝咲いて夕方しぼむ宿命で



 
・・英人の20句抄・・ 「 秋 様々 」

     様々な秋を楽しむ余裕持つ
       ご無沙汰の友の電話はよく響く
            月ながめ余命のことを考える
             満ち欠けがあって満月の価値を知る
               星空に今日の悔いは吸い込まれ
 台風が気になる朝の目玉焼き
 台風は通り過ぎたと立ち話
   大雨に稲穂の頭さらに垂れ
     汗流し作った野菜が捨てられぬ
       悟ることあって料理は野菜づくし
         誘惑の秋の匂いは屋台から
           食欲の秋に狂った体重計
    迂闊さを責めて迂闊さ指摘され
    責めるのを止めて優しい風が吹く
             コオロギが住み着く家でワビを知る
             見てくれと激しく燃える彼岸花
             色づいた柿を見上げて明日思う
       葉を落とし身軽になって冬備え
     暑いから寒いに移るその早さ
    幸運を願う青い空白い雲


「皆既月食」    靖坊

欠けている途中はただの欠けた月
月光が消えて星々光増す
これもまた名月なのか赤い月
赤黒い地球の闇が月を食う
★何事もなかったように丸い月


「 四 季 」   野のはな

ほっとするまだこの土地に四季がある
週半ば今日は外食しましょうか
秋晴れが続く元気を出していく
傾向と対策老いが来る前に
★どうやって夢をみるのだったかな



 

  「秋台風」    桃華

台風が来るぞあちこち防御する
  五十年記憶しっかり残っている
    秋台風予定すべてキャンセルし
  ★秋台風迷い迷ってわが家まで
まどろんでいるうち台風通り過ぎ



・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 昨晩は雲が多く出ていましたが、そこそこ月食を楽しめました。連休は台風で楽しめそうにないですねえ。


◎橘
 川柳は短時間に次々とできる時もあれば、なかなかできずようやく数だけかき集めるような時もあります。また読みなおしてみると発想が同じものを前にも作ったなあと思える時もあり、苦しみます。そこがおもしろいですが、まだまだ勉強ですね。


◎野のはな
 もともと現実主義者の私・・・なんだか夢を持ちたいと思うのですが、まず自分にはなにが夢なのかそこからです。


◎さくら
 日本は10月になっても台風が毎週来て大変ですね。イギリスには台風がないので、その点では良かったなと思います。日本は体育の日の三連休が台風の影響を受けたようですが、イギリスは祝日がとても少ないので、祝日の多い日本が羨ましいです。


◎ペ天使
 台風一過、大した被害もなく、ホッとしています。お宅はいかがでしたでしょうか。



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

  もうぼくは7さいこえて大きいよ(くまちゃん)   桃華
     7歳を超えくまちゃんは小学1年生かな?もう大きいんだよと素直に叫べるクマちゃん
    ・・・エライね! 海外在学中にいろんなもの見たり聞いたりして、たくさん体験してき
    て下さいね。

 月光が消えて星々光増す(靖坊)    桃華
     皆既月食よく見えました。赤い月も味わえました。素晴らしい天空ショーでしたね。
    先日ニュージーランドへ行き、星空観測ツァーに参加。驚くほど星が身近に迫り、
    圧倒されました。天の川がはっきり見え、その中に光るあこがれの南十字星にも出
    合え、感動しきりでした。

 味噌汁の湯気がうれしい今日の朝(瑞希)     英人
     これぞ庶民(失礼!)の幸福感ですね。今朝も昨日と変わらない穏やかな朝が来た。
    湯気は何とも暖かい。さあ、今日も良い1日を生きよう。

 ・遅刻する度量があればいいと思う(橘)    英人
     遅刻する、几帳面な善人にはなかなか難しいことです。そのお陰で自分をいろいろ
    苦しめる。それがこの句であろうが、遅刻の多くはずぼらであり、人に迷惑をかける
    ことを苦にしない人である。善人は迷惑をかけると思うとまた苦しむことになる。マア、
    自然体が良い。

 何事もなかったように丸い月(靖坊)    英人
     昨日までは丸くなかった。欠けたり、時には隠れてしまったり、その間にいろいろ
    な事や苦労があったかも知れない。でも、それを見せることもなく、今日は一点の欠け
    もなく、堂々と輝いている。立派なものだ。立派な句だ。

  この山を越えたところに幸せが(野のはな)   英人
     そうです、その山を越えると幸せがあるのです。頑張ってその山を越えましょう。
    そうやって今日までやってきたのです。明日からもその気持ちでやっていきましょう。
    それをやらなければ幸せは掴めません。やっても掴めないかも知れないが、それは
    それで心静かに受け入れましょう。

 越えるもの越えてここまで来たけれど(英人)   靖坊
     「けれど」で終わるのが憎いですね。そこには心底喜べない何かが待っていたのか、
    逆に何もなかったのか、更に越えねばならない何かがあったのか
……結局、越えよ
    うと努力している時が、一番充実しているってことなのでしょうね。


 まどろんでいるうち台風通り過ぎ(桃華)     靖坊
     気象観測技術の発達とデータの蓄積によって、台風がやって来る前から様々な警
    告が伝えられる現代ですが、それでも「なんだ、大した台風じゃなかったなあ」なんて
    ことは多々あります。まどろんでいられたのだから、むしろ良かったなと思うべきなの
    でしょうね。

 
 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2014年「課題」
      (1月)窓 (2月)振る (3月)花 (4月)明るい
      (5月)空 (6月)行く (7月)緑 (8月)響く
      (9月)バス (10月)越える (11月)夢 (12月)歌う
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿


川柳&ウォーク