so153
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第153号(26年9月)

科の木(しなのき)の 

 (科目)シナノキ科    (花言葉)夫婦愛、
 北海道・本州・九州に分布する落葉高木。花は6月から7月にかけて咲き、黄色。果実は
稔っても柄から離れず、花序ごと落ちる。総苞は果実が稔る頃には長さ10cmほどになり、果
実の散布に役立っている。樹皮は強靱で、繊維を取ってロープや布をつくるのに使われた。

今月も旅の句が寄せられた。旅はどんなささやかな旅も最高の贅沢と
思っている。ウォーキングもあまり知らぬ土地なら旅である。旅の機会を
パンフレットと予定表を見ながら探している。これも健康があってこそである。
この科の木の写真は松本市の大名町通りで撮ってきたものである。
                           (★印は英人の推奨句)



 課 題    「 バ ス 」

終点まで乗って会社を休もうか     ★橘
乗り合わすあの子可愛い路線バス     野のはな
乗り遅れ手を振りバスを追いかける    ペ天使
冷え過ぎのバスに生足露出過多     ペ天使兄
バスが来た嬉々と乗り込む通園児    ペ天使妹
バスの旅飲んで騒いで眠るだけ      瑞希
見送ったバスが小さくなり涙     さくら
赤いバスとってもとってもきれいだな      くまちゃん
今日も行くグルメ優先バス仲間     柳立
行き先のわからぬバスに乗っている   ★靖坊
バス動く心残りのもの落とし    桃華
老いの身はバスに任すもいいだろう    英人


 



 「食事前」    ペ天使

ダイエット食事前には水を飲む
  夕食を控え目で行くモーニング
    約束のランチタイムが待ち遠しい
      ★仏様待って下さい摘み食い
   スーパーであれこれカゴにレジを待つ

 

「 長 月 」      橘

蒸す夜は夢も堂々めぐりする
うなされてしまった 誕生日の夜に
タバスコがすぐ減る ストレス過多かしら
あっけない別れが案外後をひく
★言い訳を考えなければ動けない




(随想1)   「 時の流れ 」   橘 

 最近中日ドラゴンズは故障者続出で元気がありませんが、久しぶりにプロ野球を見ています。
 30年程前、学生の頃は、夜テレビ中継を見、プロ野球ニュースをチェックし、ドラゴンズが勝った翌朝は駅の売店で中日スポーツを買うという野球少女でしたが、就職、結婚、子育てなど人生が忙しくなり,すっかり離れてしまっていました。久しぶりに見ると当時選手だった人は監督や解説者になっています。見る方の自分も、勉強しながらラジオが聞けてありありと様子が思い浮かんだものが今はアナウンサーの実況に耳がついていきません。忘れてしまってあとから試合経過も説明できない上、選手の背番号もちっとも覚わらず情けない限りです。(41番谷沢、5番大島、2番田尾・・・という時代でした。昔の背番号はまだ覚えているのに・・・)10代から見ると選手たちは皆おじさんに見えましたが、2040代前半だったのにも驚きです。自分の方がよほど年上になってしまいました。話題の山本昌投手さえ1つ下です。
 実は今日誕生日で、50歳になったものですから時の流れを改めて感じた次第です。




「 生きる 」   野のはな

縁あって生かされている生きている
名月へ何か祈ってみたくなり
流されてばかり右やら左やら
★50代踏ん張りどころばかりあり
秒針の刻みが少し疎ましい


「北欧への旅
                  …ノルウェー」   さくら


オスロからフィヨルド目指し長い旅
車窓から山に輝く氷河見え
渓谷の滝のしぶきに息をのむ
複雑な海岸抜けてゆくフェリー
★想像を超える景色に涙ぐむ



 
(随想2)   「ロンドン便り(その6)」  さくら

 夏休みにデンマークとノルウェーに行きました。
 デンマークでは世界三大がっかりなモニュメントに挙げられる「人魚」の像を見ました。この人魚の像は運河のほとり…川の中に建てられていますが、石伝えに近くまで行けます。憂いを含んだ情感のある人魚の像で観る価値はあるものだと思いました。
 そして飛行機でノルウェーのオスロに行き、国立美術館のムンクの「叫び」を鑑賞しました。絵画の前には警備員がいて、ちかづくとセンサーが感知するようになっていました。その後、オスロ郊外にある、「叫び」の絵の構図になったと言われる坂に行き、叫びのポーズのマネをして写真を撮りました。
 そして、今回私の一番の楽しみだったフィヨルド。オスロから列車で4時間位すると周りの景色が緑の木々から、岩と草地ばかりの荒れたような景色に変わり、山の頂に氷河が見えたりします。そしてフロム鉄道に乗り換えると、急勾配のなかを列車はぐんぐん下り、途中、列車が滝を観るために停まってくれたりして、さらに渓谷を下ります。そして終点のフロムの街でベルゲン行のフェリーに乗り換えて、フィヨルドの中を通りながらベルゲンに向かいます。
 フェリーから見える氷河に削られた山々が作り出す風景は、日が当たると緑色に輝き、所々雪解け水が滝を作って流れていたりします。フェリーが進むと山と山が屏風のように左右に開いて、フェリーはどんどん吸い込まれるように進んで行きます。このような風景が4時間ぐらい続き、終点のベルゲンに近づくと入り組んだ海岸線の丘に家々が立ち並んでいるのが見えるようになります。そしてベルゲンに着き、長い船旅は終わりです。フィヨルドを観て、やはり大自然のすごさを感じました。何百万年も前に氷河の浸食で出来たフィヨルドは、本当に奇跡だと思いました。


 


 「ノルウェー」    くまちゃん

  ★とってもね楽しい楽しいフィヨルドだ



「台湾旅行」     柳立

日本より空気の重さムッと来る
親日で讃岐うどんも街に住み
喰っちゃダメ名物夜市に釘刺され
★待ちに待ち故宮の白菜チラと見て
名月を101の上に愛で


「夏の終わり」    靖坊

★冷たさを感じ始めた手の小石
日焼けしたすだれに薄ら寒い風
顔の汗心地よしまだ歩けそう
ひぐらしとコオロギが鳴く帰り道
夏を連れ白露の夕日沈みゆく



 

 
・・英人の20句抄・・ 「テーマパーク」

       バスに乗って行くスペインがある日本
       テーマパークに踊る気持ちはいつ以来
       六月に行ったスペインここに見る
       スペインの雰囲気伝える仕掛け見る
 行ったから理解が早いそのしくみ
   正門のドン・キホーテ像になつかしさ
    白壁に花を吊してスペイン風
     パエーリャの匂いで人を集めてる
      撮りそこねたコロンブス像ここで撮る
        割り切れば模造品とて価値はある
         展示見て知らないことが多すぎる
           八日間の旅行も象の足と知る
               テーマパーク学びと遊び共に満ち
               遊園地楽しむ我を発見し
               興味ない範疇にしてあった遊具
               時折は道を変えるとある発見
         悔やむことしないと決めた古稀でした
       気づいた時が何事も始まりよ
      テーマパークの楽しさ知って帰る夜
    発見を求める旅を続けよう



  「 初 秋 」    瑞希

   季節知り秋の花々咲き出した
  スーパームーン縁側から一人観る
 白鷺が群れ飛ぶ秋の鮎漁り
     ★空気澄み心も澄むといいんだが
       虫達が競っているよ我が声を




「 風 邪 」   桃華

名月と遊んでいる間に風邪を引く
名月が哀れむように雲をかけ
★時間止まる私が風邪である間
疲れ切ってぐっすり眠る朝はくる
回復期遠くで虫の声がする




・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
靖坊
 今夜は中秋の名月、明夜は満月。少々雲が多いですが、とりあえず月見饅頭は食べるつもりです。


◎野のはな
 あと3か月で今年が終わるのですね。また今年も何も進歩がなかった・・・・・。家庭を恙無く守るってことは自負しながらもそれは誰もがやっていること、、流されているだけの私です・・・。


◎瑞希
 今年引き受けた福祉委員の会計、頑張っています。陶芸も楽しみに参加して仲間内の雰囲気もよくありがたいことと感謝しながら励みにしています。


◎ペ天使
 日差しが秋めいて参りましたが、少々バテ気味です。でも孫の運動会には今年も出場するつもりです。


◎さくら
 9月に入り、ロンドンは急に寒くなってきました。日も一気に沈むのが早くなり、今月末にはサマータイムが終わるので、さらに昼間の時間が短くなりそうです。




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

  行き先のわからぬバスに乗っている(靖坊)    桃華
     私はよくミステリーツアーを利用する。行き先が分からないからあちらかな?こちら
    かな?と想像する楽しみがある。的中することは少ないが、当たると痛快である。
    人生も行き先が分からぬからまた面白いかも・・・・想像の枠を拡げ、死ぬまで生き
    よう!!。

 ・喰っちゃダメ名物夜市に釘刺され(柳立)     桃華
     
私も台湾へ行ったとき、ガイドにしっかり釘を刺された。夜市はおいしいものが
    一杯並び、家族連れの人が沢山いて、いろいろ買いながら食べ歩いていた。いい
    匂いがしてきてもグッとこらえ、見物してきたことを思い出す。

 時間止まる私が風邪である間(桃華)    靖坊
     具合が悪くなると全ての物事に対する意欲が減退。予定していた事柄はもちろん、
    日常茶飯事まで放ったらかしになってしまい、まさに失われた一日って感じになりま
    す。まあ、単なる怠惰で失ってしまう一日も多いんですけどね。


 乗り遅れ手を振りバスを追いかける(ペ天使)    英人
     さあ、バスは止まってくれたでしょうか? 最近は少し融通が利くというか、少し親切に
    なった気がする。でも、これは乗っている人には迷惑なことであるし、走れば危険でも
    ある。年老いるほどに時間に余裕を持ちたいものだ。それが身のためでもある。 

 終点まで乗って会社を休もうか(橘)    英人
     家は出たものの、会社に行く足が重い。何か鬱々したまま、決断がつかず終点ま
    で乗ってしまう。もうこれで会社は休みだ。私にも体験があります。でもそうして乗り
    越え、今がある。時には狡も有効である。作者はこれはいつ頃のことを言ってみえ
    るのだろうか。

 名月へ何か祈ってみたくなり(野のはな)    英人
     月はいろいろな感情を生み出す。周りは暗く、その中にぽっかり浮かぶ月に神々し
    さを感じることがある。つい祈ってみたくなることもあろう。月をめでる時間を持ちたい
    ものだ。名月については「話・話」の9月27日付け第2006話で取り上げたばかりで
    すので、そちらも読んでみて下さい。

 ・空気澄み心も澄むといいんだが(瑞希)    英人
    空気が澄んできましたね。当然気持ちも良くなる。心配しなくても心も澄んできます。
   空気澄む秋を満喫してください。私は満喫したく、予定を入れすぎているようです。
   これはよくありません。心が澄むには余裕も必要です。


 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2014年「課題」
      (1月)窓 (2月)振る (3月)花 (4月)明るい
      (5月)空 (6月)行く (7月)緑 (8月)響く
      (9月)バス (10月)越える (11月)夢 (12月)歌う
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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