so149
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第149号(26年5月)

水 芭 蕉 (みずばしょう) の  

 (科目)サトイモ科    (花言葉)美しい思い出、変わらぬ美しさ、
湿地に自生し発芽直後の葉間中央から純白の仏炎苞と呼ばれる苞を開く。これは葉の変形
したもので仏炎苞の中央にある円柱状の部分が小さな花が多数集まった花序。葉が芭蕉に
似ていて、かつ、水辺に生えるのでこの名前になった。 葉は花の後に出て、根出状に出る。

5月である。新緑がいい花もいい、空も風も。そんな気持ちが今月は溢れて
いる。いろいろ苦悩する人もいたが、時間が解決するであろう。精気を保つ
のは挑戦である。人それぞれの挑戦がある。続けていくのも挑戦である。
                           (★印は英人の推奨句)



 課 題    「  空  」

空みあげきれいなくものさかなたち    くまちゃん
風向きが変わった 私の番ですね    ★橘
屋根の上寝ころび空を独り占め    悠澪
空と海溶け合う夏にあと少し    さくら
ブランドの太陽・月・星 空にある   ペ天使
空財布忘れて骨董値切ってる    ペ天使兄
心経の空とはなんぞ空回り    ペ天使妹
青空が映る琵琶湖も青色に     瑞希
真青な空に恥じてる嘘ひとつ    ★美智優
(くう)とは?空に浮かんだちぎれ雲    柳立
本当は何色なんだ大空よ     靖坊

風薫る空はそれほど青くない     野のはな
青空に負けるものかと闊歩する    桃華
古稀の身に英気養う青い空    英人

 



  「五月の風」    柳立

 爽やかな新緑五月に風邪もよう
  見上げればなんじゃもんじゃに白い雲
     ★環境の癒やし求めて水芭蕉
  玄関も記録写真の水芭蕉
    風薫る犬の鼻先せわしなく


 


「きっとそれ」     野のはな

きっとそれ五月の病かもしれぬ
★きっとそれ君の眼鏡が曇ってる
きっとそれ今日三度目のため息だ
きっとそれあまり重たくない重石
きっとそれ使わない気がする言葉


 


(随想1)   「 五 月 」  野のはな

  宮崎アニメの代表作に「となりのトトロ」があったが あのかわいい二人の姉妹の名前が「さつき」と「めい」 だった。 どちらも五月だ。五月の青々とした芽吹きのなかのお話だった。飽きるほど観たから忘れない。
 自分の誕生月ではないがこの月が好きだ。でも世間では五月病なるものも蔓延しているらしい。人それぞれだろうが幼稚園の子でも大学生でも新入社員でも 自分の山は自分で乗り越えなければ先へ進まない。対処法がなくもないらしい。脳内のセロトニンとやらを高めること。バナナ、乳製品、卵黄、大豆、ナッツ、赤魚などに含まれているらしい。
 今の若い人は食事をおろそかにしている傾向があるので心配だ。私たち団塊の世代が口を酸っぱくして教えてあげないといけないと思う。

 


「頭に花」    靖坊

★まぶしいな今日の気分は日本晴れ
花摘んで枯れた頭髪飾りましょう
浮かれ出すオツムの中はお花畑
てふてふが頭の周り乱れ飛ぶ
目覚めれば昼寝の夢の可笑しさよ



   「  窓  」     ペ天使

     ★笑っても泣いても映る窓ガラス
  窓たたく嵐は去って陽が昇る
しかる声聞こえてピシャッと閉まる窓
   いつまでも開かない窓で気にかかる
     窓が開くいつもの声が笑ってる




「イースター旅行」    さくら

イースター祝いもせずにドライブへ
地の果てはランズ・エンドと名付けられ
壮大な大海原に思い馳せ
★哀愁は観光地化され影潜め
潮引いて現る島に渡る道




(随想2)  「ロンドン便り(その4)」  さくら 

 イギリスをはじめとするヨーロッパではキリストの復活祭にちなんでイースターホリデーという連休があります。この連休にコンウォール地方にあるイギリス本土の最西端に位置する岬の「ランズ・エンド」とセント・マイケルズ・マウントと言うイギリス版モンサンミッシェルに旅行しました。
 連休と言う事もあり高速道路は大渋滞でした。
 セント・マイケルズ・マウントという島は、沖合に浮かぶ小島ですが、潮が引くと小島と本土を結ぶ道が現れ、徒歩で渡る事が出来ます。私達も徒歩でこの小島へ渡りました。島にはお城があるのですが、12~15世紀まで島はモンサンミッシェル修道院の管理下に置かれていました。その後所有者が変わり要塞になった事もありましたが、今現在は住居として改装されています。
 潮が引いて現れた道を歩いていると波に置き去りにされた小さいカニや貝を鳥がつついて食べている光景を目にしたり、また潮が満ちて来て海が迫ってくる緊張感と神秘的な感じがミックスしてとても不思議な気持ちになりました。
 そして最西端の岬「ランズ・エンド」ですが、断崖絶壁の海岸に強風が吹きつけてまさに「地の果て」を思わせる風景でした。




      「 皐 月 」    橘

    自分さえままならぬのに子ならなお
 話すこと途切れて天気の話など
芝居だと思ってつきあえば楽に
   このような結末私に合っていた
     ★気がつくと肩に力を入れている

 

 「二本の飛行機雲」   悠澪

雲ふたつ競い合ってるその長さ
あの線路どんな列車が走るのか
あのレールどこへ続くかあの世かな
★あの列車乗れば亡き祖母逢えるかな
あの列車乗れば天国行けるかな


 

 
・・英人の20句抄・・ 「痛い風」

      押し寄せる役目終え妻と旅に出る
     旅に出て痛くなる足笑えない
    少しずつ不安高まり冷やす足
  痛風の予感し旅のビール止め
 一晩寝てその先に来るものを問う
            痛み止め飲んで期待は期待のまま
              痛む足床から浮かせ思案する
                松葉杖代わりになるもの求めてる
     雨の中車椅子に乗る妻が押す
     車椅子乗って見る世界乙なもの
     妻と来た旅で良かったこの痛み
           帰宅して安らぐ足は痛いまま
             症状を医師に告げそっと見る口元
               尿酸値予想通りの値を示し
      医師が飲む薬なら我飲むもよし
     手放せない薬が二つ三つと増え
   少しずつ薬に頼るこれも古稀
            老いの意気痛風程度で揺れません
            日毎に痛みが取れて精気出る
            自縛解け次の旅を企てる


  「なめくじ」    くまちゃん

  ★なめくじがほんとにしおでとけました



    
「 五 月 」     瑞希

子供の日兜かぶって孫が泣く
月映す田んぼの水は輝いて
★好きなのよ命溢れるこの季節
連休は悲喜こもごもで過ぎました
紫陽花が蕾をつけた梅雨近い


(随想3)   「世話人に感謝」   瑞希  

 連休も終わりホッとする間もなく、日赤奉仕団活動や福祉委員の一員として結構忙しく動いています。全て健康ならばこそです。今月は80才以上の方々のミニ旅行です。彦根のかんぽの宿にてランチと天寧寺の500羅漢見学です。ご高齢なので怪我のないように、また来てよかったと喜んでいただけるように、なんども委員会議を開き、明日に備えています。会計係の私は少ない予算の中で、いかに皆さんに満足していただけるか毎日頭を悩ましながら苦戦しています。いつか自分もお世話になる日も見えない先ではありません。世話人として働くことに感謝しながら三年間頑張ります。
 


    「 猫 舌」    美智優

  猫舌もぬるいコーヒーまずいです
どうしても熱いスープは音が出る
熱いものうっかり口にやけどする
母娘して競い合ってる猫舌度
  ★熱いもの熱いうちには食べられぬ



「アウトドア」    桃華

アウトドア孫に誘われ疲れ出る
いつまでも走り続ける縄電車
★なぜなぜと尋ねる子らに青い空
想像の翼広がる老いに向け
夏ですね右折の車数珠つなぎ

 



・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎ペ天使
 英人さんの痛風はその後いかがでしょうか?。私はインフルエンザの後がはっきりせず、咳がひどく困っています。その上、家のロッキングチェアーの足に躓き、ねんざをしました。一時は歩けないほど痛みましたが、今はほとんど直りました。


◎悠澪
 今日(5月13日)は末娘の娘二人が保育園デビューしました。

◎靖坊
 不掲載について、わざわざメールをありがとうございます。実は、わざと知らせぬままにして、「いつ気がつくかなあ~」と、毎日ワクワクしておりました。次号までに気がついてもらえてよかったです。

◎野のはな
 いい季節のはずですが鼻ぐしゅだったり、喉がらがらだったり、気持ちもなんだか晴れず・・・です。




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 しかる声聞こえてピシャッと閉まる窓(ペ天使)    桃華
     子供を叱るときはつい声が大きくなり、自制心を失う。他人に聞かれるのを恐れ、
    ピシャッと窓を閉める。・・・昔、私もよくやったなあ。どうしてあんなに子供を叱った
    のか、親として力が入りすぎていたのかな? 今思うと反省しきり。

  風向きが変わった 私の番ですね(橘)   桃華
     いい風が吹いてきたとき、キャッチする。タイミングが難しいけれど、ものにしたい
    ものです。どんな風が吹いてきたのかしら。

 真青な空に恥じてる嘘ひとつ(美智優)    英人
     真青な空というのは何とも気持ちがいいものです。気持ちもすがすがしくなる。清い
    気持ちにもなる。そんな時に嘘を抱いてると何とも気分が損なわれる。あんなこと
    言わなければよかったと悔いるのである。外へ出よう。青い空を保とう。

 
好きなのよ命溢れるこの季節(瑞希)     英人
     この季節とは春であろう。木々が新芽を出す。命の溢れを感じる。そんな風景に
    それを見る自分も命の溢れを覚える。この命、どう使おうか。瑞希さんはその命を
    有意義に使っておられる。感心するばかりである。

 
きっとそれ君の眼鏡が曇ってる(野のはな)    英人
     眼鏡はよく曇るものである。しかし、曇っていることに気がつかないままにものを
    見ている。私をどんな眼鏡で見ているのですか? しっかり拭いてみて下さい。


 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2014年「課題」
      (1月)窓 (2月)振る (3月)花 (4月)明るい
      (5月)空 (6月)行く (7月)緑 (8月)響く
      (9月)バス (10月)越える (11月)夢 (12月)歌う
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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