so148
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第148号(26年4月)

藤  (ふ じ)  の  

 (科目)マメ科    (花言葉)陶酔する恋、決して離れない、
州・四国・九州の原産のつる性の落葉低木。その優美な花姿から古典に頻繁に登場し、
また平安時代に藤原氏の姓や家紋にも使われ、日本文化に影響を与えた樹木。4~6月
頃に蝶形で薄青紫や桃、白、黄などの美しい花房を垂らす。穂は長く、20~90㎝にもなる。


わが家にはもう何十年と咲き匂う藤の木がある。川柳連れ連れ草のタイトルに
使われていないことにびっくりする。春に咲く花は多いから忘れられたのか・・・
それにしても灯台もと暗し、宝の持ち腐れ。身近をおろそかにしてはいけない。
                           (★印は英人の推奨句)



課 題   「 明るい 」

春の雨明るい色の傘をさす    野のはな
誘われて出てみた 春になっていた   橘
明るさを振りまきながら生きる日々   ★瑞希
諺に明るい叔父は口うるさい    美智優
西の空明るい東の空暗い    靖坊
入学の子より明るい晴れ着ママ    柳立
子等が来てパッと明るい部屋になる    ペ天使
明るさを演じてあとの空しさよ   ★ペ天使兄
明るめのスカーフ選んで友と会う   ペ天使妹
鳥たちのさえずり聞こえ夜が明ける    さくら
明るくて青い空にはわたあめだ    くまちゃん
受かったよ孫の明るい声響く    悠澪

闇に月 生きていることありがたい    桃華
明るさを保って似合う赤い服    英人


 



「膝の上」    靖坊

正座して今日の桜を仰ぎ見る
ひとひらの花びら落ちる膝の上
散る花に膝枕して差し上げる
春風がさらっていった膝の上
★休むものなき膝の上拳置く




  「 制 服 」     悠澪

 試着室はにかむ顔に浮かぶ笑み
  ほどいては結びリボンの練習し
    祖父母にも制服姿写メ送る
  ★家中の鏡に見せてにっこにこ
ワクワクし入学式が待ち遠しい


「 昼 寝 」    ペ天使

うちへ来て子供預けてパパ昼寝
昼食後昼寝の癖が抜けきれぬ
最高は温かめの炬燵でウトウトと
★夢の中セールス電話で起こされる
昼寝して夜はさっぱり眠られぬ


 


(随想1)   「ラッキーカラー」  ペ天使

いつの頃からか、私はラッキーカラーが緑と知り、
意識して緑色の品を求めるようになった。

周りの人に何気なく話したのだろうか。
緑色のビーズのブレスレット、セーター、財布、
毛布などを友や妹からプレゼントされる。

そんな緑の中で幸せに暮らしている。

 


「 春 」     美智優

桜散りつつじの蕾出番待つ
★カーテンを花柄に変え春らしく
真新しいスーツ姿があちこちに
式終わり涙を拭いて別れ告げ
制服を見せ合いこする乙女たち


「 卯 月 」      橘

最悪のことにはならず済んできた
いつも会う猫本日は知らん顔
★決断ができない 花が散っていく
いったんは離れて巡り合ったひと
幸せな顔であなたに会いたくて




(随想2)     「アクシデント」    橘 

 春休みに京都に行ってきました。歴史好きな次女とだったので、新島襄の家や新撰組の宿舎など幕末維新の旧跡を巡り、また女二人ということでスイーツも・・・という盛沢山の楽しい旅になりました。
 そこまではよかったのですが、旅の後半に思わぬアクシデントに見舞われてしまいました。四条大宮の駅前で転んでしまったのです。信号が間に合わないと、ちょっとずるをして手前の横断歩道ではないところを走って突っ切ろうとした罰が当たったのでしょう。縁石に躓いて派手に転んでしまいました。膝を擦りむき、足の甲を痛めながらも恥ずかしく走って逃げました。
 半月経ちましたが、まだあざは消えず、多少軽くなったものの痛みが消えません。足腰の衰えを少しでも防ごうと、ステッパーやラジオ体操を毎日してはいたのですが・・・。そもそも時間を惜しんで無理をするなという教訓として心にとどめることにしようと思います。




  「 春 」     瑞希

   ★ヒロインになりたくなって本を読む
  カエル鳴く一人暮らしの応援歌
花冷えの夜道を照らす月明かり
   桜咲き心の中もほころんだ
     何事もすべてを受けて小鳥鳴く



「 鬱 」    野のはな

そういえばブランコに酔う体質で
★花冷えに春のお洒落がまだできぬ
快晴へ毛布一枚ずつ洗う
少し鬱少し頑張りすぎたかも
頑張ろう少し頭が痛いけど



 

 
・・英人の20句抄・・ 「寺葬体験」

        檀那寺の住職亡くなり皆騒ぐ
       葬儀時の檀家総代その辛さ
      任期中にないこと祈っていたのだが
 電話鳴り予定はすべてくつがえる
  五十回目に初めて下見不参加です
            寺葬という重みも知らず決めていく
              葬儀屋の話を聞いて見えてくる
  門徒衆の配置決めから手をつける
  リーダーの器量不足が恨めしい
  年齢に応じ役割決まるもの
  いつの間に実務をすべて負っている
          段取りの不備を責められ謝りに
          世間とは小さな不備を責めるもの
                 不安の中で通夜式迎えてる
                   白髪を会葬者に下げ続け
                     時流れ葬儀式も終演に
     未体験をここまでこなし誇りたい
    面白い人生は苦に比例する
   したくてもできない体験吉とする
  早々に貴重な体験今年も良し


 「ダッフィー」    くまちゃん

★ダッフィーがみずいろ空にかがやくよ


 

「パリ旅行」      さくら

ドーバーをフェリーで渡りフランスへ
黄金の菜の花畑眩しくて
★人ごみの中でモナリザ微笑んで
芸術の迷路次々あらわれる
セーヌ川のどかな流れに時忘れ



(随想3)   「ロンドン便り(その3)」   さくら  

  ロンドンもここ最近は暖かくお天気が良い日が続いていて、気分もすがすがしい毎日です。サマータイムに変わったこともあり、夜は遅くまで明るいので一日が長く感じられます。日本に居る時は、紫外線がお肌に気になる…と思っていましたが、改めて太陽の光に感謝です。
 先週末、フェリーでドーバー海峡を渡り、車でパリに行って来ました。ロンドンからドーバー海峡まで車で2時間、フェリー1時間半、そしてパリまで車で3時間。かなりの長旅でしたが、運転してくれた主人に感謝です。
 パリではルーブル美術館、凱旋門、コンコルド広場からエッフェル塔を観ました。実は10年ほど前にもパリに行きましたが、秋で天候も悪くエッフェル塔の上部がガスって見えませんでした。今回はすっきりとした晴天でとてもきれいにエッフェル塔が見えました。その姿は東京タワーにも似ていて、日本を懐かしく思いました。

 


「 桜咲く 」     柳立

花よ咲けイベント日程ヤキモキし
ホット来て花の咲き初めお昼ころ
半日で全ての蕾一気咲き
★ぼんぼりの桜巡りは二人連れ
無残にも花に試練の風雨あり


「  旅  」     桃華

現実と少し離れて旅に出る
桜好き 北上しては会うサクラ
★花吹雪散った先にも友がいる
地平線近くに見えて遠いもの
据え膳はいいねまだまだ旅続く



・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎瑞希
 夫が逝き三回目の春を迎えた。しかし、夫は私が生きている限り私の胸の中で生きていてくれる。いつも応援してくれている。これからも自分を見失う事なく次なる目的に向かって、まずは健康第一で、明るく六十路を闊歩して行きたいと願っている。

◎野のはな
 めまいが少しありまして、ちょっと辛いです。本が読めないのがなんたって辛いです。暖かくなった今 だからこそ歩けばいいのよと寺さんなら仰るでしょう。


◎悠澪
 孫の、昨日は高校の、今日は中学校の入学式でした。(記・4月9日)



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 明るさを演じてあとの空しさよ(ペ天使兄)    悠澪
     わかるような気がします。場を盛り上げようとして、あるいは、どなたかを慰めようと
    して一生懸命に明るく振るまったあとでひとりになった時、空しさを感じますよね。

 明るくて青い空にはわたあめだ(くまちゃん)   美智優
     かわいい句ですね。青い空に綿飴が似合いそうです。綿飴を持って嬉しそうに微
    笑んでいる男の子の姿が見えるようです。

 
散る花に膝枕して差し上げる(靖坊)    桃華
     やさしい人ですね。散る花も安心してあなたの膝枕で横たわれることでしょう!
    さらさらと散るサクラが靖坊さんの膝に振りつもる様が絵のように浮かびます。

  明るくて青い空にはわたあめだ(くまちゃん)    桃華
     青い空にぽっかりと綿あめが浮かんでいるなんて・・・なんてかわいいんでしょう!
    私もしばし、雲と遊んでいたくなりました。

 
人ごみの中でモナリザ微笑んで(さくら)    桃華
     あこがれのパリへの旅行、羨ましい限りです。ダ・ヴィンチのモナリザの微笑みは
    心の中にズキーンと入り込み、私もこんな微笑みを人に与えたくなります。ところで
    モナリザを見せてくれたご主人の微笑みはモナリザ以上ではなかったでしょうか?
   
 
桜好き 北上しては会うサクラ(桃華)    靖坊
     沖縄の桜まつりは一月下旬、北海道紋別では五月下旬。桜前線と一緒に北上
    していけば、四ヶ月に渡って桜が楽しめるわけですね。距離三千kmとして一日に
    二十五km進むだけですから、自転車なら楽勝!……いや、だからって、やったり
    しませんけどね。

 
カーテンを花柄に変え春らしく(美智優)     英人
     何事にも相応しいと言うことがある。人には人の、場所には場所の、そして春には
    春の相応しい繕いがある。それを美智優さんはカーテンを花柄にされた。春は花で
    ある。花は良い、春は良い。

 
決断ができない 花が散っていく(橘)     英人
     決断には時がある。でも、稚拙な決断は元も子もない。散る花を見ながら決断
    することもあるでしょう。時はすべてを解決する。橘さんの悩みはどんな悩みだった
    のでしょう。
    
 明るさを振りまきながら生きる日々(瑞希)    英人
     本当に明るくて明るさを振りまくのは何のことはないが、本当は明るくないのに
    明るく振る舞って生きるのは大変である。でも、明るく振る舞っている内に本当に
    明るくなるものである。あまり無理をする必要はないが、これは生きていく知恵で
    ある。瑞希さんはどちらだろうか。多分、明るくて明るいのだ。


 
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       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2014年「課題」
      (1月)窓 (2月)振る (3月)花 (4月)明るい
      (5月)空 (6月)行く (7月)緑 (8月)響く
      (9月)バス (10月)越える (11月)夢 (12月)歌う
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

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