so145
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第145号(26年1月)

犬 柘 植 (いぬつげ) の 

 (科目)モチノキ科    (花言葉)魅惑、堅固、冷静、
雌雄異株の常緑低木。萌芽力が強いので、しばしば生け垣や庭木などに利用されている。
花は、径5~7mmほどと小さく、黄白色の4弁花。しばしば、単に「ツゲ」と呼ばれるが
「ツゲ」は「ツゲ科」で全く別種。犬柘植の葉は互生。本州以西~朝鮮半島南部に分布する。

わが家にある木ながら先月は犬槇、今月は犬柘植と犬が並んだが、犬が
つくかつかないかで全く違うもの。調べて見て分かった。今はインターネットで
調べるのは容易な時代。疑問なことはすぐ調べる、この姿勢で今後を生き
抜いていきたいものだ。今月号から登場した若い世代に笑われないように。
                           (★印は英人の推奨句)



課 題   「 窓 」

窓開けて今年の夢を誓う朝     さくら
あさおきてまどをみたらねきれいだよ     くまちゃん
窓開けて午の鳴き声確かめる    ペ天使
我が窓も初日あふれて午の年    ペ天使兄
それぞれの家族を映し窓並ぶ    ★ペ天使妹
月明かり窓からさしてお茶すする    悠澪
開けた窓猫のまぶたに陽が当たり     柳立
皆帰る前に明かりを灯す役     橘
新年の窓に見えるは雪ばかり     瑞希
叩かれた窓の外には誰もいない     靖坊
曇る窓君の似顔絵描いてみる    ★美智優

窓磨くきっといい景色のはずだ    野のはな
窓を拭く あの頃の顔浮かんでくる    桃華
年明けて叩く窓を選んでる    英人



  「寒の頃」    柳立

  朝一は暖房コーヒーストレッチ
初雪の今日はお出かけ重ね着し
   寒風の耳だけ防寒忘れてた
     寒雀庭に椿もほほえんで
 ★朝焼けの雲と私が凛として



「 正 月 」    悠澪

★抱負など語らいながら雑煮食う
おせち見て世界遺産と孫が言う
外からはコトンと賀状届く音
娘が巣立ち百人一首しなくなり
ワイワイと家族そろって三社参り




「 睦 月 」      橘

新年の目標背伸びはしない知恵
大それた願いじなゃないのに叶わない
★言いだせぬまま別れて来た今日も
あいまいなまま終わってもよしとする
考えぬようにしている泣けるから




(随想1)   「♪50年も生きてきたのにね」    橘
 
  昭和39年、東京オリンピック、新幹線開通の年に生まれました。輝かしい未来の象徴のような新幹線と同じ年というのをなんとなく誇らしく思ってきました。高度成長期に小学生、就職したころにバブル景気という、他の世代の人から見れば、いいとこどりの世代です。

 ところが最近頻繁に新幹線をはじめあの頃作られた高速道路、トンネルなどの老朽化問題を見聞きするようになり、わが身をふりかえると今年で50歳になることに気づきました。生まれてもう半世紀も経ってしまったとは。

 昨年「あまちゃん」で話題になった同い年の薬師丸ひろ子さんが「涙の止め方も知らない 20年も生きてきたのにね・・・」と歌っていたのはついこの前の気がするのですが、自分の娘が今年成人式を迎えるのですから、この前と言うことはないですね。



「 寒い朝 」    美智優

目が覚めるあゝ布団から出たくない
★勇気出し布団出れば身が引き締まる
あったかいごはん味噌汁ほっとする
夫送り掃除洗濯気合入る
寒い朝空気がぴんと張っている



 

「ポルトガル旅行」   さくら

懐かしい薫り漂うポルトガル
★哀愁を感じる坂道多い街
街中の迷路駆け抜け市電行く
紺碧の海と空とが交わって
大陸を目指し旅した冒険家


「 2014 」    くまちゃん

★ことしはねたのしいことがあるのかな


   (随想2)    「ロンドン便り(その2)」     さくら

 年末にポルトガルのリスボンに旅行しました。ロンドンは日照時間も短く、お天気もどんよりなので、「暖かいところが良いね~。」と言う事で決まった行先で、実際何があるのだろう…と思っていましたが、見どころが満載でした。
 私の印象に残っているのは、リスボンの市街地から市電で20~30分のベレン地区にあるジェロニモス修道院、発見のモニュメント、ベレンの塔です。
 この中で特に印象に残っているのは、発見のモニュメントです。これは1960年に建てられた高さ52メートルの帆船をモチーフにしたモニュメントで、帆船の上には大航海時代に活躍した勇壮な人々が並んでいます。この白いモニュメントが青い空と川とマッチして眩いものでした。
 もう一つ印象に残っているのはユーラシア大陸最西端にあるというロカ岬です。俳優の高倉健さんが今まで訪れた旅先で一番印象に残っていると挙げたとか…。灯台と小さなお店があるだけの所ですが、ここは岬から270度ぐらい海が見えて、モニュメントに「ここに地果て、海始まる」と書かれたとおりの場所で、昔この海の向こうに何があるのだろうと冒険家達が希望に胸を膨らませ出発した場所にぴったりでした。

 


「ひとり新年会」  靖坊

年明けて毎日ひとり新年会
左手も右手もお餅太りそう
四日目も残りお節で盛り上がる
★今年こそと意気込むほどの抱負なし
一年中宴会してるひとりもの


  「 陶 芸 」   瑞希

雪舞の庭に椋鳥ご挨拶
  冬空の北斗七星孫と見る
     下手でよい自作の陶器自慢です
  無になれる陶芸は支えです
★土こねる手は汗ばんで外吹雪




「 家 族 」    野のはな

集まってまた捌けてった家族たち
可愛がった順にばらけていきました
荒れた手に指輪が華をそえている
明日から明日からってもう何度
★三寒四温今日は散歩に行きましょう



 
・・英人の句抄・・ 「 2014年の課題 」

     窓開けて君の行方をじっと見る
   手を振れば近づいてくる人がいる
 買ってバレンタインデー迎えよう
     日記書く明るい明日を願いつつ
       このなら今年は良いことあるだろう
         我が道を行き続けて古稀となる
           この疲れの時期に癒される
               孫の声響いて家が生きている
       バスに乗るボクの座席が空いてない
    乗り越えるライバルがあって今がある
  古稀迎え叶わぬを持ち続け
 歌いつつ喜寿米寿を目指さんと



「 おせち 」   ペ天使

好物の大エビ最後に食べる孫
★三段重若いセンスで詰めていく
つまみ食う役得あって手伝う娘
「作ろうか」迷ったおせち大好評
残り物数の子だけを持ち帰る



「 母 」     桃華

わたくしと母をつないだ血が流れ
戦後っ子母の背中を見て育ち
母が好き母もわたしが好きだった
★母のこと思えばいくつも出る後悔
働いて働いて最後は幸せだったかな




・・・ お 便 り 欄 ・・・
句と共にいろいろなお便りを頂くので、皆さんに紹介したほうが良いと
思われるものについてはここに紹介していきます。ご承知下さい。

 
◎靖坊
 正月気分が抜けず、まだ餅を食べています。少し買いすぎました。餅を食べ尽くしたら、正月気分も抜けそうです。

◎悠澪
 今年も一年川柳が続けられますように、自分に祈っています。


◎さくら
 今回、うちの息子(今年6歳)が私のマネをして川柳を作りました。できは…子供だなと言う感じですが、一緒に送らせていただきます。


◎瑞希
 年末からの大雪に帰省した孫達は大喜びでした。滑り台に、かまくら作りにパパも童心に返りビール飲み飲み楽しんでいました。キャーキャーと孫達のはしゃぐ声にいつも静かな我が家は久々に活気づきました。家の中は我が家とは思えない散らかりように思わず、うわーって感じでしたが、幼い子供の元気な姿とかわいい笑顔は希望を与えてくれました。


◎ペ天使
 テレビで皇居の歌会始の様子を拝見し、改めて川柳の風刺、滑稽の難しさを感じました。クスッと笑う句をめざして今年も頑張ります。



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・新年の目標背伸びはしない知恵(橘)    悠澪
     目標はついつい高くしてしまいがちですが、あまり高いと達成は難しくなりますよね。
    背伸びしないで、身の丈に合った目標にするのがいいのかもしれません。

 
・今年こそと意気込むほどの抱負なし(靖坊)     悠澪
     私もそうなんです。ただ最近作句が苦痛で、出不精であまり外出しないのでテーマ
    が見つかりません。でもほかに趣味もありませんし、川柳をやめたら何もなくなって
    しまうので、なんとか続けたいと思っています。

 
好物の大エビ最後に食べる孫(ペ天使)    美智優
    次女は好物を最後に食べる派で、子供の頃、大事にとっている好物を「これ食べん
   のなら頂戴」と言うと同時に長女の口の中へ、食事のたびに泣いていました。そんな
   ことを懐かしく思い出しました。

 
大それた願いじなゃないのに叶わない(橘)    美智優
    願い事といったら、家内安全・家族の健康・孫の高校合格など、ほんとに大それた
   願いじゃないんですけど、叶わないのですかね? 面白い句だと思いました。

 
おせち見て世界遺産と孫が言う(悠澪)     靖防
    おせち大好きです。子供の頃は大して美味しく感じなかったのに、年を取るにつれて、
   おせちが魅力的に見えてきました。ただ、自分では一品も満足に作れないのが辛い
   ところ。日本の和食を守るために、これからは自作に挑戦してみようかな、なんて
   ちょっとだけ思いました。

 それぞれの家族を映し窓並ぶ(ペ天使妹)    桃華
    影絵のような家族を映す団地の窓。一昔前までは賑やかで子どもらが遊ぶ姿も映
   していたが、今はどこか寂しげで動きがにすいように思う。時代の流れか?高齢者が
   多くなったせいか?それでもその窓にはその家族の歴史があり、ほのぼのとした灯り
   がなつかしく感じられる。

 
抱負など語らいながら雑煮食う(悠澪)    桃華
    「一年の計は元旦にあり」を守って雑煮を食べたのは子供が小さい時だけかな?
   夫婦二人だけの雑煮は黙って食う、あ~あ、寂しくなったなあ~!

 
朝一は暖房コーヒーストレッチ(柳立)     英人
    マア、私も似たようなものです。私は妻より1時間くらい早く起きますので、自分で
   インスタントコーヒーを入れ、ファンヒーターのスイッチを入れる。ここからが少し違い
   ます。まず新聞を読み、日記を書き、メールを読み、また書く。そうすると6時半になり
   ラジオ体操をします。この手順が狂うと何か手落ちができます。

 
土こねる手は汗ばんで外吹雪(瑞希)    英人
     外の吹雪を見ながら汗ばむほどに無心で土をこねる。これは至福の時間です。
    こういう時間があるのは羨ましい。そしてこういう句が作れるのも至福の輪が大きく
    なります。大切にして下さい。

 
三寒四温今日は散歩に行きましょう(野のはな)  英人
     あれほど寒かった冬も三寒四温を感じる時期となりました。暖かい日は散歩に行く、
    いいですね。芽吹いた草花も見つけるでしょう。更に暖かくなります。自然を感じる
    時間を大切にしたいものです。


 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2014年「課題」
      (1月)窓 (2月)振る (3月)花 (4月)明るい
      (5月)空 (6月)行く (7月)緑 (8月)響く
      (9月)バス (10月)越える (11月)夢 (12月)歌う
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿


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