so136
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第136号(25年4月)

紫丁香花(ムラサキハシドイ)

 (科目)モクセイ科    (花言葉)友情、純血、初恋、青春の思い出、
ムラサキハシドイは日本名で英語名でライラック、フランス名はリラである。明治の中ごろに
日本に渡ってきた。育てやすい木で、花は密生して咲き、全体は大きな円錐状となる。
花色は紫色、ピンク色系が多く、最近は白もある。香りがよく香水の原料ともされる。

外国名の方が馴染み深い紫丁香花。邦楽より洋楽、歌舞伎よりオペラ、
カタカナ語もめったやたらに多くなった。日本を忘れがちである。我々は
羨ましがられても羨む国はない。そんな日本をもっと大切にしたいと思う。
                    (★印は英人の推奨句)




課 題   「 来 る 」

戸の向こう近づく音は春ですか    ★まつぼっくり
来る来ない占った日も遠くなり    野のはな
花びらで占いながら来る来ない     三毛猫
来る来ない幼女の指先愛らしく    美智優
新しい気持ち携え四月来る     靖坊
合格を両手に提げて孫が来る     ペ天使
巡り来る春あと幾度花盛り     ペ天使兄
来る人を見分け吠え声変えている    ペ天使妹

幸せは気の持ちようでやって来る     悠澪
向こうから来るのが待ちきれないんです    橘

反抗期我が子にも来た春と共に      さくら
暗きもの突然戸が開きやって来る    ★柳立
客が来る初夏の匂い携えて     桃華

来るものは拒まず重い荷を背負う     英人




  「  桜  」     野のはな

   ふつふつと力が湧いてくる四月
幸せになれと四つ葉のクローバー
 ★桜舞う時計を少し狂わせて
終わってはいない大地がまた揺れる
    遠回りしたけどここにいる安堵


 「 桜散る 」    美智優

桜散る春に三日の晴れ間なし
★満開になると決まって春嵐
買い物に桜絨毯踏んでゆく
強風に桜吹雪が舞い上がる
桜サクラ風雨に耐える力なし



「買い物で」     三毛猫

買い物であれもこれもと買いすぎた
★バーゲンで煽られながら買っちゃった
買い忘れスーパーに行きまた買った
買いすぎて賞味期限解らない
メモをして買って帰ってまた忘れ


               「 新学期 」    さくら

              言う事が生意気過ぎて口つぐむ
           気がつけば箸も上手に豆食べる
             下の子に手を差し延べる余裕出て
                  早過ぎて子の成長に付いてけず
             ★じっくりと見守り親も育ってる



 


(随想)   「矢を切る」   ペ天使兄

 東京柴又から渡しに乗って着いたところが矢切。このすぐ近くに住んで十数年になります。最近、「矢切」の地名由来の一つを聞きました。この地が里見軍と北条軍の戦いに明け暮れた時、「弓矢の必要がない平和な世の中を願って」地元民が名付けたというものです。
 大昔から多くの対立があり、対立からはよい結果が得られぬことは十分学習してきたはずですが、未だに「矢」が「切れない」ことが多いですね。どうしようもない人間の業でしょうか。




「過去現在そして未来」  
            まつぼっくり

がむしゃらでどろどろだったな10代は
1年のそれぞれの重み20代
結婚と子育て楽し30代
★子どもから教わるばかり40代
子が巣立ち川柳と会う50代


   「机の上」     靖坊

  雑然と机の上の小物たち
   もう書けぬペンと知りつつ捨てられぬ
     片付ける気持ちはあるがそのまんま
  ★片隅に渡せぬままの贈り物
    思い出の上に埃が降り積もる



「 朧 気 」    柳立

白内障今度は俺と友見舞う
桜散る三寒四温に毛布着て
夜更かしの月は朧に朝千金
★物忘れ歳を隠して朧月
眠気さし録画ビデオを巻き戻す



 
・・英人の20句抄  「町会長1ヶ月」

         これ以上拒むと春は遠ざかる
         当面の終着駅と見極める
         望まれて役に就くもまたよろし
         覚悟決め町会長を引き受ける
 選挙終えすぐに準備をせかされる
   来客が多くなって妻戸惑いぬ
     来客がいつあってもいい服を着る
       電話取る役目もいつか僕になる
                 何気なく見ていたものが気にかかる
                 ゴミ置き場見て回るのも役目です
                 切れている防犯灯はありませんか
             前例に従うつもりで話聞く
           改変をする意志ないが変えている
         つもりはつもり行動は別物で
        陳情に昔の顔が生きている
             思っていた以上に多忙で日が暮れる
              早々の一ヵ月に疲れてる
               したいこと見つかって夢描いてる
                 この先を楽しんで行く余裕でき
                   一年後どんな言葉で語るだろう


「真ん中」    ペ天使

★真ん中の席はあなたに空けておく
ごちそうが真ん中に出る丸テーブル
真ん中が美味いとかじるクリームパン
真ん中で自己主張する同窓会
車座で真ん中はない老人会



   「兄嫁の思い」    悠澪

     姑に仕えるうちに嫁が来た
  姑に仕え嫁には支配され
我が時代来ぬまま終わる不満あり
  ★仕えても我が時代ない寂しさよ
    七十路に膝腰痛むようになり


 

「卯月・・・奈良」    橘

★変わらない仏像 変わったのは私
せいぜいが100円どまりの信仰心
縋りつく資格はあるか? 堂を出る
古寺巡るコースにカフェも組み込んで
最後にはかけ足になるスケジュール



「 掃 除 」     桃華

変わりばえしない日常 掃除する
友に会え午後は元気に拭き掃除
隅っこをつつく見えないものも見え
★窓磨く心の汚れ落ちるほど
傷ついた床を磨いてお茶を飲む



 


    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 合格を両手に提げて孫が来る(ペ天使)     
まつぼっくり
     なんて素敵な春なのでしょう!おめでとうございます♪心配に心配を重ねていた
    日々に合格は何よりのご褒美!これから輝く日々の始まりですね。楽しいことばか
    りじゃないかもしれないけれど、きっとお孫さんは持ち前のパワーで乗り切られて
    ゆくでしょうね。

 
下の子に手を差し延べる余裕出て(さくら)   まつぼっくり
     もしかしたら、さくらさんは第2子がご誕生でしょうか?だとしたら本当におめでとう
    ございます!上の子は下の子を思いやり、下の子は上の子を慕って大きくなって
    ゆく。きっと仲のよいごきょうだいになられますね。子どもは一人ひとり違いますから
    楽しい子育てになることでしょうね。大いに楽しんでくださいね。

 
早過ぎて子の成長に付いてけず(さくら)      美智優
     子供の成長ってほんとに早いですね。1歳と2歳の孫は会うたびに身長が伸びて
    言葉も増えて、目を見張るものがあります。

 
片付ける気持ちはあるがそのまんま(靖坊)     美智優
     私も片づけなきゃ、片づけなきゃと思いつつなかなか腰が上がりません。私の場
    合、歳を取ってから動くのがおっくになったようです。

 
終わってはいない大地がまた揺れる(野のはな)     悠澪
     ほんとに国内外でよく地震が起こりますね。南海トラフも気になりますし。終わり
    はないようですね。天災は怖いです。

 
メモをして買って帰ってまた忘れ(三毛猫)     悠澪
     私も時々あります。メモを持って行きながら、探しているうちに他の物が目に留ま
    ってそのまま買い忘れて帰ること・・・。

 
買い物に桜絨毯踏んでゆく(美智優)     靖坊
     通い慣れたいつもの道でも桜絨毯が敷かれていれば、ただそれだけで嬉しくなる
    ってもんですね。我が家では仕舞うのが面倒で、真夏でも電気カーペットが敷きっ
    放しです。桜絨毯みたいに自然になくなれば便利なんですけどね。


 暗きもの突然戸が開きやって来る(柳立)     桃華
     平凡な日々の中に突然やってくるものの多いこと。嬉しいことも楽しいこともいっ
    ぱいあるが、悲しいこと、悔しいことも多い。暗きもの・・・何だろうと想像するがいい
    ことではなさそうだ。それでも人はそれに耐え、乗り越えていく。平凡な日々を取り
    戻す為に・・・・私はそういう人を応援したい。

 
変わらない仏像 変わったのは私(橘)     英人
     仏像は何年経とうとも何も変わらない、変わるのはそれを見る私たちの目や気持
    ちです。私たちは刻一刻と変わっていきます。どうせ変わるなら良い方に変わって
    いきたい、仏像に恥ずかしくないように生きたいものです。

 ・戸の向こう近づく音は春ですか(まつぼっくり)     英人
     そうです、春なのです。寒い冬に耐え、頑張ってやってきたのだからもう春です。
    春の足音は軽やかです。体も気持ちも軽やかに野に出かけ、句を作り春を楽しもう。

 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。

  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
  2)2013年「課題」
      (1月)包む (2月)明日 (3月)幸せ (4月)来る
      (5月)星 (6月)輝く (7月)胸 (8月)燃える
      (9月)染める (10月)色 (11月)二人 (12月)変わる
  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。
  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。

             川柳投稿


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