so131
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第131号(24年11月)

初 雪 草  の 

 (科目)トウダイグサ科    (花言葉)祝福、好奇心
北アメリカ原産の一年草で、夏に色づく葉っぱを鑑賞する。花を楽しむというより葉を楽しむ。
切り花の素材でもよく利用される。一度植えると、毎年のようにこぼれ種で芽が出てくる。

初雪草とは今の時期に相応しい名称であるが、見時は7月〜10月である。
この写真も8月に撮ったものである。よく見かけるが名前が分からなかった。
それが今日(11月19日)思いがけなく知った。そしてすぐに活用となった。
「念ずれば通ず」と言う言葉は本当である。今月も無事掲載できた。
                    (★印は英人の推奨句)




課 題   「 友 」

友達の横顔少し悩んでる     ★野のはな
懐メロで友との日々が蘇る     さくら
誰だろう友と聞かれて浮かばない    まつぼっくり
友を待つ苦労は要らぬひとり旅     靖坊
友の式祝辞を述べる娘に涙     悠澪
友達が増えて外食多くなる    ペ天使
友が逝く碁打つ約束果たさずに    ★ペ天使兄
コール音きっと友だと受話器とる    ペ天使妹
年賀状来なかった友無事だろか    美智優
振り返る道の両端友の数
     柳立
おしゃべりが尽きない友は独り者    桃華
友が来るヒゲでも剃っておこうかな    英人



  「ガラーン」    靖坊

立ち寄った店内ガラーン僕ひとり
気兼ねなく座るは四人掛けテーブル
空席を眺めるうちに冷めるお茶
★お別れの君の姿がよみがえる
胸の中今もガラーンとしたままで



      「七五三祝い」   さくら

    快晴の天気に気持ちも晴々と
  晴れ姿どうぞ見てよとポーズ決め
     祈祷する長蛇の列に気が遠く
   ★幸せを祈る横には菊の花
    帰り道露店の誘惑振り切って

 


「 逢 う 」     ペ天使

★夢で逢うあなたとわたし時を止め
雨降れば傘がなくても逢いに行く
呼ばれても逢いに行けない橋もない
あちこちに話題がとんでかしましい
孫達に逢えば財布の紐ゆるめ



(随想1)   「とうさんの歌」    ペ天使

母さんは夜鍋をして手袋編んでくれた・・・この歌を

「とうさんが側に居るから私は幸せよ
あなたの笑顔、やさしい言葉、それだけで嬉しいの
この幸せがいつまでも続くように祈ってるの


私作詞の替え歌をキッチンで口ずさんでいる。
台所に入らない夫は気づいているのかいないのか
尋ねてみようと思いつつ未だに・・・・・




       「予防接種」     美智優

      一週間ごとに小児科通いする
   ★診察室入れば急に泣き出す子
    副作用怖いが予防接種する
  三十年前より多い予防接種
      予防接種次回を予約して帰る



「 季 節 」    野のはな

娘から着なくなったと払い下げ
何かしたこれをやったと言えるのか
一昨日も昨日も何となく過ぎて
来年の手帳真新しいページ
★還暦へまだ三年かもう三年



 


・・英人の20句抄・・ 「 庭木と剪定 」

      造った庭のその後が気になる庭師
    十一月に律儀な庭師やってくる
 ゴツゴツの庭師の手は経歴書
               剪定と女の化粧見比べる
                 三十年経て庭木のなじむ庭
      真ん中でわが家見守るウバメガシ
      松と梅世話のかかる子供持つ
      花の咲く木の賑わいは自己主張
      木蓮の成長の早さ信を問う
      芝のある庭に他人の目気にかかる
               木枯らしが吹き紅葉の命果て
               バリカンで頭さすれば皆丸く
               僕のする手入れに不満覚える木
               片付けは僕の仕事気合入れ
  記念樹は金婚式に誓い立て
    剪定を終えすっきり青い空
      一仕事終え安堵する師走前
         趣きは春夏秋冬 句を作る
           満足げに庭を眺めるひなたぼっこ
              終えるもの終えて気持ちは新春へ

        


「 真珠婚 」    まつぼっくり

はじまりは会った瞬間一目惚れ
★見合いから3回目には決意あり
半年後あれよあれよとゴールイン
三人の子宝感謝心から
気がつけばあっという間の三十年



「 茶 会 」    柳立

何日もほとんど寝ずに初席主
自分よりお道具主役のくい違い
雨の中ようこそおいでた友の顔
★松風はほとんど聞こえぬ賑やかさ
チグハグも何でも許すか利休さま


  
      (随想2)    「そのうちはない」    英  人

 11月下旬ともなると喪中のハガキが舞い込む。そんなある日「エエッ!?」と驚く。何とペ天使さんからである。10月にご主人が亡くなったという。彼女とは川柳を通してもう30年来の付き合いである。この川柳連れ連れ草の投稿からそんな気配は覚えなかった。そんな気持ちで最近の句を読んでみても、ご主人に関する句は沢山あるが、ただ麗しい夫婦愛を感じるだけである。
 そして今月の随想「とうさんの歌」である。何とほほ笑ましいこととこちらもほほ笑んで読んだ「夫は気づいているのかいないのか尋ねてみようと思いつつ未だに・・・・・」とある。多分尋ねないままに亡くなったろう。尋ねなくてもペ天使さんの気持ちは十分に伝わっていたとは思うが。
 私の机の上には「今が本番、今日が本番、そのうちはもうない」と言う言葉が張ってある。この歳になると今日のままに明日がある確率はかなり減っている。思ったときが吉日、即実行が最善である。ご主人の冥福を祈ると共に、ペ天使さんが悲しみは悲しみとして受け止め新たな気持ちで次に進まれることを祈りたい。
                             (記:平成24年11月29日)


   「車内化粧」     悠澪

   目の前で化粧され目のやり場無く
     ★車内化粧彼に見られて平気かな
   目の前でみるみるきれいになってゆく
      人前で化粧するよりすっぴんで
   車内化粧揺れも気にせず眉を引く


              「  柿  」     桃華

           柿の木がある家 孫ら寄ってくる
         柿食べて相撲観戦負けないぞ
              ★カラス追う私が食べる柿なのだ
          柿配るおいしい声が返ってくる
              柿食べて柿食べて幸せな家




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 還暦へまだ三年かもう三年(野のはな)      まつぼっくり
     同じ歳なので思いは同じです〜〜。今57歳。60歳までに58歳と59歳。一番年齢を意識
    したのは20代ですが、30代40代は子どものことしか考えていませんでしたので風の
    ように過ぎ、いままた還暦を前にはたと自分と向かい合ってしまいますね。私的にはとり
    あえず元気な60歳を目指すのみです。

 ・「 茶 会 」(柳立)     まつぼっくり
     柳立さんはお茶のお師匠様なのですね。素晴らしいです。私は若い頃2年くらいしか
    習ったことがありませんが、初めてお茶をたてたとき、障子を開けて茶室を見ますと緊張
    のあまり畳がグワ〜〜〜ンと波打っていたのを思い出します。まるで自分の身体のよう
    ではなくお点前もどう終わったのか記憶が定かではありません。

  友を待つ苦労は要らぬひとり旅(靖坊)      悠澪
     気の合った友達とおしゃべりしながらの旅も楽しいでしょうが、足の向くまま気の向く
    ままの一人旅も素敵でしょうね。私は待たせることが嫌いで待たされることのほうが多い
    ので、何より待たされたり待たせたりがないのがいいですね。

 一昨日も昨日も何となく過ぎて
 何かしたこれをやったと言えるのか(野のはな)      悠澪
     あれをしてこれをしてと段取りを考えていても、雨で庭仕事ができなかったり、孫を押し
    付けられて何もできず、やっと孫から解放されると久々の自由だとばかりに遊んでばかり、
    何かしたと言えず何となく過ぎて、気が付けば師走がすぐそこまで来ていました。

 友が逝く碁打つ約束果たさずに(ペ天使兄)    美智優
     お友達は急逝されたのでしょうか?「約束果たさずに」にお友達を亡くした寂しさや
    ショックが表れていると思いました。きっといつまでもこの約束を忘れられずに心に残る
    のでしょうね。

 ・松風はほとんど聞こえぬ賑やかさ(柳立)     美智優
     お茶会は盛況だったのでしょうね。松風が聞こえないほどお客様方が和気藹々と和や
    かに談笑されたのでしょう。お疲れ様でした。

 目の前で化粧され目のやり場無く(悠澪)      靖坊
     そんな光景にはこれまで一度も遭遇していないので、是非とも見てみたいものです。
    女性の化粧シーンなんて滅多に見られない私としては、間違いなく凝視してしまうだろう
    なあと思います。

 呼ばれても逢いに行けない橋もない(ペ天使)     桃華
     訃報を聞いてから読むと「逢う」は実によく胸に沁みる。ペ天使さんのご主人さまへの
    強い思い、別れの悲しみがこの句を通してひしひしと私の胸を打つ。逢いたくてももう
    逢えない辛さ、苦しみ・・・。最愛の人は今どこにいるのでしょうか。

 コール音きっと友だと受話器とる(ペ天使妹)    英人
     電話が鳴ればほとんどの場合、自分の期待している人からと胸をときめかす。ところが
    セールスや電話アンケートである場合が多い。友達の電話はじっくり待ちましょう。先延
    ばしになるほど楽しみは大きい。それにしても妻のセールスの対応には感心する。
    ほとんどつけいる隙もなく穏やかに断っている。


      投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2012年「課題」
      (1月)私 (2月)みんな (3月)生きる (4月)歌う
      (5月)悲しい (6月)手 (7月)太陽 (8月)赤い
      (9月)流れる (10月)血 (11月)友 (12月)笑う

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


             川柳投稿


川柳&ウォーク