so129
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第129号(24年9月)

柳  蘭   の   

 (科目) アカバナ科    (花言葉)集中する、焦点、
高原のやや湿った草地に群生する多年草。高さは1〜1.5mになる。紅紫色の4弁の花を
穂状に多数咲かせる。葉がヤナギに似て、花がランの様に美しいことから名付けられた。

私が所属している小さな作文の会から文学賞を受賞される人が現れた。
会の性格はこの川柳連れ連れ草と全くと言っていいくらい同じである。
さあ、皆さんにも期待を持って続けてもらいましょう。(「随想2」参照)
                    (★印は英人の推奨句)




課 題   「 流れる 」

約束が流れる憎いにわか雨      野のはな
流す背の小さくなって母白寿     悠澪
飯を食う流れる汗はそのままに     靖坊
年月が流れ笑顔で会える夏    ★さくら
流し台磨けば見える我が笑顔     美智優
極まって流れる涙人の善さ      柳立
アポ流れ手持ち無沙汰な日が暮れる     まつぼっくり
雨降ればお流れになる運動会     ペ天使
懐かしさ車窓に流れ故郷に入る    ペ天使兄
踏ん張らず流れに添えば楽なのさ    ★ペ天使妹
流されるものかと気合い入れている    桃華
時流れ二十歳の誓い今いずこ
     英人



「妄想ダイエット」   まつぼっくり

二十キロやせれば人生変わるかな
あら不思議毎日減っていく体重
★ふと鏡みれば昔の自分いて
着たい服着て少しはお洒落する
二十年ぶりルージュもつけてみようかな




  「義母の言葉」    悠澪

よう来たなあとは涙で声に出ず
  あの家は俺が建てたよ父ちゃんと
    苦労したよう働いた十五から
  ★病ないそのうちコロッと逝くじゃろう
この指輪あんたにやるよ記念にな



 


(随想) 「 暑 い 夏 」  ペ天使兄

 今年の夏は格別暑い。9月に入っても変わらない。少し動いただけで、朝から下着が汗でぐっしょりとなる。重たくなったのを「洗濯物入れ」に放り込んで、シャワーを浴び、体の水気を丁寧に拭き取る。洗いたての白いシャツは手に軽く、肌に付けると爽やかで快適な気分。冷えたビールの一杯ほどではないが、この感触も捨てがたい。ささやかながら、これもまた幸せの一瞬といえる。
 一日何度か下着を放り込む時もあるが、その都度、洗濯され畳まれた替えが、そこにあるのは、とても有難いことである。

 



    「Tシャツ」     靖坊

    起きてても寝ててもTシャツ一枚で
  ★Tシャツの形に日焼けして残暑
 よれよれのTシャツ肌に心地よい
     Tシャツの背中がゾクリもう秋か
       Tシャツの重ね着をして風の中



「 秋 色 」   柳立

枯れ葉なお雨に打たれて黒くなり
★朝つゆが足下清める散歩道
草深く虫と鼻歌散歩道
公園のシニア元気な太極拳
関節の痛み抑えて秋そぞろ



   (随想2)   「 文 学 賞 」    英 人

 
 9人ばかりで2ヶ月に1度、適当に文を書いて出し合う「朗人」という会に入っている。皆特に文を書くのが好きとか得意というふうにも思えない。集まることもなく、批評し合うこともない、何となく文を書く一つの機会くらいに捉えている。考えてみるとこの川柳連れ連れ草と全く同じ感じである。前回で51号に達した。 
 ところがその1人が、今年の「小島信夫文学賞」を受賞されたのである。受賞された作品も我が会に投稿されたものである。単なる遊び仲間と思っていただけに驚いた。世の中何が起こるのか全く分からない。先日受賞を祝う会を開いた。
  
   (私の提出作品はほとんどこのホームページの随想欄に載せています)



「 信じる 」    ペ天使

美白という文字を信じて買ってきた
降らないと聞いて雨傘置いて出る
★目覚ましを夫に託して熟睡す
苦も楽もあなたを信じてついてきた
よく効くと信じ食後に飲む薬



「 日 々 」   野のはな

足元の贅ブランドのスニーカー
★休憩は緑茶カステラ文庫本
推理本煮物は鍋に任せつつ
読み終えてどっと疲れるものが好き
秋灯へホラースリラー目が冴える




・・英人の20句抄・・ 「 駅 」

       出会いと希望を胸に駅へ行く
       様々な人の動きに見とれる駅
  どの人も前屈みの急ぎ足
  背筋を伸ばした人につい見とれ
  重い荷を持つ老婆立つベンチ前
  老夫婦手をつないで転ばない
           携帯の音に振り向く好奇心
           スマートホン無骨な指に不満持つ
           少しずつ生気が戻る秋近く
                 定刻に電車来て予定狂う足
                 電車来る並んだ列がすぐ崩れ
                 整然と乗っていく人が持つ誇り
       降りる人乗る人の目が合うご縁
       他人のまま出会って別れるプラットホーム
       他人でも来る人来ない不安感
       出勤日同じ列にいる安心感
             混雑を避けて始発を待つ余裕
             発車ベル鳴り諦めぬ人の恋
             人と駅毎日ドラマ作ります
             我が駅は老いも若きも主役です

        


「高校野球」     美智優

負けて泣き勝って泣くのも甲子園
勝ち負けも忘れられない思い出に
大差つく応援団はあきらめず
★風に雨球児の判断悩ませる
接戦だ負けて悔いないでも涙



 

「新しい毎日」     さくら

新入りに興味深げな子供達
母も子もまずは笑顔でご挨拶
友達に声掛けられてホッとする
いまどきの子供の名前覚えれず
★転勤は心を強くするチャンス




  「 眠 い 」    桃華

  拭き掃除愚かな心拭い去り
★アイロンをかける明日はきっと晴れ
  戻る場所忘れぬように手紙書く
眠い日に限って電話鳴り続け
  泥靴を洗っているのに眠くなり



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 (随想2) 「 文 学 賞 」(英 人)      まつぼっくり
     お仲間の受賞おめでとうございます。本当に継続は力なりですね!皆さんでうれしい
    お祝いだったことと思います。これからも続けていく勇気をいただきましたね。私も大きな
    賞ではないかもしれませんが川柳俳句短歌で何度か賞をいただきました。やはり励みに
    なります。

 アイロンをかける明日はきっと晴れ(桃華)      まつぼっくり
    家事って不思議ですよね。掃除、料理、洗濯、アイロンかけなど、家族のために汗を流して
   いると気持ちが明るくなってなんだかきっといいことがあるような気がしてきます。めんどくさ
   いことも多々ありますが家事の奥の深さを感じます。

 よれよれのTシャツ肌に心地よい(靖坊)     悠澪
    同感です。帰宅してシャワーで汗を流した後に色あせたよれよれのTシャツを素肌に着る
   とさっぱりとした気分になってホッとしますね。

 新入りに興味深げな子供達(さくら)      悠澪
    本当に子供達は好奇心旺盛でそれを隠すことなく、興味のある人や物をしげしげと見た
   り触ったり寄ってきますよね。初めて孫を保育園に連れて行った日のことを思い出しました。

 推理本煮物は鍋に任せつつ(野のはな)      美智優
    わかります〜。推理小説を読みだすと先が気になってなかなか途中でやめられなくなり
   ますよね。私もお鍋を気にしながらついつい読み進んでしまいます。

 いまどきの子供の名前覚えれず(さくら)     美智優
    本当に最近の子供さんたちの名前は読み方も難しく変わった名前が多いですよね。
   親御さんは一生懸命に考えてよい名前をと思うのでしょうが、せめて読み方だけはわかり
   やすいものにしていただきたいですね。

 苦労したよう働いた十五から(悠澪)      靖坊
    こんな台詞が言える老人になりたいものですが、大して苦労もせず、ろくに働きもしない
   私にはとても無理みたいです。今の若者には老人になってから苦労と労働が待っているの
   かも。

  流す背の小さくなって母白寿(悠澪)    桃華
    お母さんへの思いがいっぱい詰まった句ですね。年と共に小さくなっていくお母さんの
   背な・・・。私の母は小さな身体で家族のために一生懸命働いた人でした。今も思い出す
   度に胸が熱くなります。お母さんは白寿とか、元気に生きていて下さって嬉しいことですね。

 二十キロやせれば人生変わるかな(まつぼっくり)    英人
    お会いしたことがないので分かりませんが、一般に20キロも太った人が標準体重近くに
   なれば人生は必ず変わるでしょう。良いことの五つや七つはすぐにあげられるでしょう。
   妄想ではなく努力されることを期待します。


      投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2012年「課題」
      (1月)私 (2月)みんな (3月)生きる (4月)歌う
      (5月)悲しい (6月)手 (7月)太陽 (8月)赤い
      (9月)流れる (10月)血 (11月)友 (12月)笑う

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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