so124
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第124号(24年4月)

蓮 華 草  の  

 (科 目)マメ科    (花言葉)心が和らぐ、私の愛情、感化、
 中国原産の二年草。春、紅紫色の蝶形花を輪状に付ける。東アジアに分布。「蓮(はす)」
の花に似た草というのが名の由来。蓮華草は生えたまま土とともに耕され肥料となる。

川柳連れ連れ草の参加者の今月の句からうかがえる生活は全く
様々である。春の花を見るようである。お互いを知らない間柄で
どんな想像がされるのだろうか。そこに楽しさや面白さもあるだろう。
                    (★印は英人の推奨句)




課 題   「 歌 う 」

まず校歌そして青春取り戻す    ★野のはな
晴れた朝無意識に歌口ずさむ     さくら
懐メロを歌えばあの頃思い出す     美智優
歌うほど涙出てくる卒業式     ペ天使
ふと立てば森に木の芽の歌う声    ペ天使兄
好きな歌唄って憂いを流す風呂    ★ペ天使妹
行く春を私の心風歌う      柳立
知った曲聞こえてくるとすぐつられ    悠澪
歌聞いて歌いたくなる歌がある     靖坊
大声で歌うストレス飛んでゆく    まつぼっくり
隣からつぶやくような歌聞こえ    桃華
夢歌う聞こえる街に足が向く    英人



「 春の嵐 」     悠澪

じゃじゃ馬が日本列島縦断し
今までもこんなに凶暴だったかな
家ゆれる飛ばされそうで動悸する
★物が飛ぶ外出はやめ掃除する
嵐去り桜満開ハイキング




  「 落 花 」    柳立

濡れてなおへばり付いても春惜しむ
  車からちらと見る花は散り始め
    ★一面の花びら踏んで時惜しむ
  面影を落花に重ね川面見る
花いかだどこに流れて想い行く



「帰宅途中」     靖坊

怒っても仕方あるまいにわか雨
軒の下すでに雀が雨宿り
★降り止まぬ雨はないよと言い聞かす
覚悟して駆け出していく雨の中
動じずに濡れる木になどなれないな




(随想) 「魔法少女まどか☆マギカ」  靖坊

 表題は昨年放送されたテレビアニメ作品で、第32回日本SF大賞候補作の5作品の中のひとつ。惜しくも大賞受賞は逃しましたが、今年になってイベントが開催されたり、なにかと話題が多い作品。そこで先日、全12話を一気に観てみたところ、感動のあまり大泣きしてしまいました。
 いかにも子供向けの絵柄のアニメを観て涙を流すとは、いい年をしてなんとも恥ずかしい限りですが、選考委員の一人で作家の宮部みゆきさんも「だだ泣きしました」とおっしゃっていましたので、やはりそれだけの力がある作品なのでしょう。
 人に優しくする事も優しくされる事もほとんどない私にとって、アニメに登場する彼女たちの破滅的なまでの優しさのひとつひとつは痛切に胸に響きました。今秋、総集編が劇場公開されるようなので、そちらも観てみたいと思います。 



「消えない思い」    美智優

   親憎みながらも親を愛してる
子の立場から見てドラマ涙する
  過干渉過保護嫌って子を育て
親恨む世間知らずの婆になり
   ★消えぬ思いで大人になれず




「年中さんの春の顔」   
            さくら

クラス分け友と離れて寂し顔
新学期新たな出会い期待して
お着替えを一人頑張る年中さん
逞しくなったと皆に褒められて
★帰宅して一気に戻る甘えんぼう




「スランプ」   まつぼっくり

才能はない大いなる勘違い
付け焼刃それだけじゃもう立ち行かぬ
正念場なのかもしれぬ自身への
好きだからのんびり続けるマイペース
★切り替えのスイッチ探す自分旅



 


・・英人の20句抄・・ 「 ハワイへ行く 」

      念願のハワイ三島夢を抱く
              歯のかぶせ旅の寸前はがれ落ち
              応急の処置を施し空港へ
              トラブルをプラス思考で問い直し
 体中触られ機上の人となり
 眠れない飛行八時間咳が出る
 初めての日付変更線楽に越え
       ワイキキの浜辺歩いてハワイです
       カメハメハ町を見下ろし見守りぬ
       金色の大王像に威厳知る
       真珠湾二度と過ち犯しません
       遠くから平和を願うミズリー号
             晴れた日にキラウエア火山見る幸運
             火口から煙が上がる生きている
             蘭園にあなたと競うライバルが
    サトウキビ乗せた車両が人を乗せ
    煙吐きトコトコ走る楽しくなる
              買い物に余った時間が観光で
              最後には間近な虹に感激し
              いい旅を終えて夫婦にアロハシャツ

        



  「 春・春 」    野のはな

カーテンの向こう側には春うらら 
   春キャベツさくさく春を噛み締める
     溜め込んだ過去少しづつさようなら
    ★軽い靴履こうよ楽に生きようよ
  お昼から少し贅沢してうふふ



「 若 い 」    ペ天使

若い娘のスカートの丈気にかかる
のほほんと過ごした若い頃愛し
若い頃ニキビ潰した傷のあと
★月光にロマン夢みた若い頃
若者が握手求めて上機嫌


 



「通学路」     桃華

善悪をいっぱい詰めるランドセル
おはようと言えば返ってくるおはよう
★自慢の孫そっぽを向いて通り過ぎ
もう桜散ってしまった通学路
白いページ自由に書いていいんだよ



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ふと立てば森に木の芽の歌う声(ペ天使兄)   悠澪
    
とても春にふさわしい句だと思いました。森の中に立って、水々しい新芽のはじける
    音を聞いている様を思い浮かべました。


 覚悟して駆け出していく雨の中(靖坊)     悠澪
     誰にでも1度や2度は経験があるのではないでしょうか。急なにわか雨に近くの軒下に
    駆け込み、しばらくして「やみそうにないな、走っていくか。」と1・2の3で駆け出して行った
    ことが私にもあります。

 ・花いかだどこに流れて想い行く(柳立)     まつぼっくり
     咲き誇る花よりも散った花の行方が気になる。流れていく先をじっと見つめているので
    しょうね。見つめていても仕方がないとわかっていても。人生を大切に丁寧に生きていらっ
    しゃる方だと思いました。

 軒の下すでに雀が雨宿り(靖坊)       まつぼっくり
     かわいい情景ですね。雀でなくても雨宿りの情景は見ていてちょっと興味深いものが
    あります。美しい少女にはつい見とれてしまいますし、もしかしたら何やらここから物語が
    始まるんじゃないかとか妄想も膨らんだりしてけっこうあきない時間です。

 好きだからのんびり続けるマイペース(まつぼっくり)  美智優
     好きなものや楽しいことにはつい力が入って、頑張りすぎてばててしまう。やはり、長く
    続けたいことはのんびりマイペースがいいと、自分の経験からも思います。

 自慢の孫そっぽを向いて通り過ぎ(桃華)     美智優
     照れくさかったのでしょうか? 私も子供のころ友達とわいわいがやがや歩きながら、
    前から歩いて来た祖母に気づかないふりをしたことがありますが、どうしてそんなことを
    したのか覚えていません。

 白いページ自由に書いていいんだよ(桃華)     靖坊
     子供の頃からいたずら書きが大好きで、学生だった時のノートは落書きだらけ。今でも
    手帳やメモ帳に豚の絵とか書いています。白いページを見るとワクワクしてしまいますね。

 物が飛ぶ外出はやめ掃除する(悠澪)      靖坊
     買い物に行こうと思っていた日に朝から悪天候だと、もうそれだけで気分は憂鬱になっ
    てしまいます。で、私の場合は掃除する気力も起きずに、また寝てしまいますね。一日
    寝て曜日です。実に腑抜けですなあ。

 好きだからのんびり続けるマイペース(まつぼっくり)  靖坊
     マラソンでは30キロで足が重くなり、山登りでは8合目で息が切れ始める、何をやるに
    しても壁というものにどこかでぶち当たるわけですが、分厚い壁なら一気に破壊しようと
    せず、少しずつ削っていくのが一番ですね。

 軒の下すでに雀が雨宿り(靖坊)      桃華
     急な雨で急いで軒下に避難。やれやれと一息つくと、おやおや雀が先に雨宿り?絵に
    なるような風景!雀としばしの同居、楽しかったですね。

 ・晴れた朝無意識に歌口ずさむ(さくら)     英人
     晴れた朝は気分がよいもの、無意識に鼻歌も出るでしょう。でも、晴れただけでは歌は
    出ません。夫婦円満、子供も順調に成長している。そうした中に晴れた朝が来て歌が
    出るのでしょう。そのことに感謝しましょう。


      投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2012年「課題」
      (1月)私 (2月)みんな (3月)生きる (4月)歌う
      (5月)悲しい (6月)手 (7月)太陽 (8月)赤い
      (9月)流れる (10月)血 (11月)友 (12月)笑う

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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