so119
     
(せんりゅうつれづれそう)

             
  第119号(23年11月)

真 弓 (マユミ) の 章

 (科 目)ニシキギ科    (花言葉)魅力を心に刻む、艶めき、
日本と中国の林に自生する落葉低木。秋に果実と種子、紅葉を楽しむ庭木として
親しまれ盆栽に仕立てられることもある。材質が強い上によくしなる為、古来より弓の
材料として知られ、名前の由来になった。現在では印鑑や櫛の材料になっている。

このところ週末は毎週雨。予定が狂う。自然のことに苦情は言えぬ。
自然に合わせて上手につきあうのが肝心。それには余裕も必要であろう。
雨の1日、皆さんの句をゆっくり味わった。来月号で丸10年になる。
                    (★印は英人の推奨句)




課 題   「 涙 」

粒になるほどの涙は流せない    ★靖坊
涙拭き人は立ち上がれるきっと     野のはな
甘え泣き声は大きく涙なし    悠澪
悲しみの涙ばかりはごめんです     まつぼっくり
出産に立会いパパの目に涙     美智優
お遊戯会子の輝きに涙ぐむ      さくら
私の嬉し涙はさくら色      ペ天使
一瞬の涙を運ぶアスリート     ペ天使兄
感動の涙でこころ澄んでくる     ペ天使妹

途中には嬉し涙や辛なみだ      柳立
大切な涙しばらくしまっておく   ★桃華
友の死を黙して聞いて涙する    英人


   「 風 邪 」     ペ天使

   ★花を買う心の風邪をひきそうで
  メールから移されたかも恋の風邪
裸体の絵見た日にひいた風邪女
  風邪ひいて咳をする度萩が散る
   コスモスの頃ひく風邪は気にしない



 

「また冬が」   野のはな

不景気とはいえ次はクリスマス
おめでとうではない言葉探してる
金縛りもいいさ笑って締めくくる
★普段着で香る女を目指してる
笑えないまままた冬になるんだね



「雨の一日」      桃華

★追いかけるものが薄れていく昨今
登り坂足に容赦のない雨が
背に寒さ感じる秋の長い雨
雨の一日わが家の紅葉眺めおり
待っててねもうすぐ見える青い空



 (随想)   「 六十路 」   桃 華

知らぬ間に六十路を迎えてはやウン年。
母、義母を見送り介護から解放。
年金も60歳からもらい少額ながら小遣いもできる。
娘2人はそれぞれ和やかに生活し、心配ナシ。

心配なのはこれからの我が身。
はや身体にガタが来て投薬の世話に。
まだ20年は生きるだろうから健康管理だけはしっかりと。
夫婦元気で生きることが何より大切!
がんばるぞー!!
   
 (ある日のつぶやき)



「 お猫様 」    靖坊

足止める人無くお猫様ぽつん
思い出のお猫様いつもえびす顔
犬猫は物と扱う道交法
お猫様今は無言で道の上
★我もまたひとりで逝かんお猫様


 
  「 霜 月 」     悠澪

木枯らしが吹いた霜月幻か
  来月は師走と思えば気もせいて
    さすが霜月夜はひんやりと
 霜月に我が家のもみじまだ緑
   ★立冬で急に湯船が恋しくて


 

「秋の音」      柳立

★かさこそと落ち葉を踏んで靴遊ぶ
桐ひと葉ふわり着水鯉が見て
夜も更けて月はヒュウヒュウ尚冴える
乾燥に何やら頭ポリポリと
夕焼けに寺の梵鐘かき消えて



 


・・英人の20句抄・・ 「 マラソンへ 」

      筋トレを始めてマラソン思い出す
      走ることそそのかされる油断あり
      試走して少し走れてその気になり
            ゆっくりでも短距離でも疲れてる
            相応に老いたこと知る速さです
            衰えを嘆いていても始まらぬ
            この歳で走れるだけでよしとする
            挑戦をする気持ちが貴重です
               五キロでマラソンとは言い難いが
               手始めに五キロマラソン申し込む
               無理しない約束をして許す妻
        登り坂下り坂僕が試される
        明日のこと考え今は忘却に
        鮮やかな紅葉に汗よく光る
        秋景色走る快感よみがえる
  完走し心地よさを身に覚え
  気分よく走れて次の意欲出る
  競い合う相手と夢を見つけ出す
  刺激して怠け心を追いだそう
  標的を定めて春へ走り出す

        


  「友からの電話」    まつぼっくり

  サプライズ旧友からのベルが鳴る
若き日へタイムスリップ電話口
  ★一枚の葉書き思い出つれてくる
     久々に会話が弾む江戸っ子と
    一段落つくのに女三十年?



「 離乳食 」     美智優

今どきはまとめて作り冷凍に
★アレルギー出なけりゃ次の食材に
一口からいつの間にやら今十()
口開けてスプン受け入れもぐもぐと
離乳食ママはせっせと裏ごしを




「燃えろ ドラゴンズ」   さくら

★ベテランと若手が競い強くなる
強くても監督代わる摩訶不思議
地味だけどチャンスで一気に華ひらく
虎ファンの夫の応援嬉しくて
今年こそ完全制覇の日本一





    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

  お遊戯会子の輝きに涙ぐむ(さくら)     まつぼっくり
     わかります!幼い子どもの一生懸命はなんてかわいく、そして美しいのでしょう。
   本当に見ていて心が洗われるようです。残念ながらそう長い時間ではありません。
   今のひとときを大切に過ごしたいですね。心にグッと刻みつけて・・・。
  
 感動の涙でこころ澄んでくる(ペ天使妹)     まつぼっくり
    
ぜんぜん泣く予定じゃなかったのに思わずテレビやほかの事で涙することがあり
    ますよね。そんなとき不思議ですが何だか気持ちの澱みみたいなものがスッと溶け
    て心が軽くなるような気がします。涙ってきっと浄化作用があるんですね。

  涙拭き人は立ち上がれるきっと(野のはな)     悠澪
     テレビのニュースで見た地震と津波の映像、信じられなくて恐くて忘れられません。
   かけがえのないお身内や全財産をなくされて、言葉では言い表せないような悲しみや
   ショックを受けたことでしょう。簡単ではないでしょうが、なんとか前向きに立ち
   上がってもらいたいものです。


 強くても監督代わる摩訶不思議(さくら)       悠澪
     「さくら」という雅号を時々見かけますが、さくらさんなのでしょうか? この句も、
    朝日新聞の「声」欄の川柳で見たように思います。さくらさんだったら嬉しいです。
    ちなみに娘はソフトバンクを応援してます。


 一枚の葉書き思い出つれてくる(まつぼっくり)     美智優
     旧友から何年ぶりかで手紙が来ると、感激するくらいに嬉しくて懐かしいですよね。
    そして、いっきに当事のことが脳裏に甦ります。そろそろ年賀状を書く時期ですね。
    今年はあの人にも書いてみようかな〜。

  お遊戯会子の輝きに涙ぐむ(さくら)     美智優
     このお気持ちよーくわかります。私も昔は娘たちの、今は孫たちの演技を見ていると
   つい涙ぐんでしまいます。きっと子供たちの成長と何度も練習をしたであろう頑張りに
   感動するんでしょうね。


 ・犬猫は物と扱う道交法(靖坊)      桃華
     犬や猫は家族の一員となっているこのご時世に、道交法では物扱い。ふざけるな!
    と叫ぶ声が聞こえる。確かに皆さん、すごいかわいがりよう。ほほえましくもあるが、
    苦手な私は避けて通るのみ。病気などで弱っていくと人間並み、いや、それ以上の
    介護をされている話を聞くと、ペットってすごいなと思う。人間にとって癒やし系なの
    ですね。

 ・かさこそと落ち葉を踏んで靴遊ぶ(柳立)      英人
     落ち葉を踏むことを靴が楽しんでいる、本当は作者が楽しんでいるのだが、
    「靴遊ぶ」とは何とも豊かな発想である。少し離れて事物を見る、これが川柳の
    発想であろう。

 背に寒さ感じる秋の長い雨(桃華)      靖坊
     怖い話を聞くと背中がぞくぞくしますが、秋の長雨も同じ効果がありそうですね。
    恐怖や寒さで血管が収縮して血の巡りが悪くなり、その結果寒さを感じるようです。
    そんな時はやはり腕立て伏せが一番ですね。上半身がポカポカしてきますよ。


      投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2011年「課題」
      (9月)ほほえむ (10月)愛する (11月)涙 (12月)窓

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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