so117
     (せんりゅうつれづれそう)


             
  第117号(23年9月)

初 雪 葛 (ハツユキカズラ) の 

           (科 目)キョウチクトウ科    (花言葉) 化粧、素敵になって、
ピンク色の新芽と白い斑入りの葉が綺麗な観葉植物。耐寒性があり、ー5度ぐらいまで耐える。
挿し木でも比較的簡単に増やす事ができ、庭植えの場合は蔓が地を這って自然に増えて行く。


数年前に数本植えた初雪葛が、今では庭にどんどん広がりを見せている。
名の通り初雪が降ったようにきれいであり、グラウンドカバーの役割もする。
何事もその持ち味があり、うまく活用する知恵を持ちたいものだ。川柳またしかり。
                    (★印は英人の推奨句)



課 題   「 ほほえむ 」

ほほえんだまま捨てられている人形     ★靖坊
泣いてても顔を覗くとほほえむ子     悠澪
何かあるそのほほえみの裏側に     野のはな
目が合えば照れてほほえむ時代過ぎ     美智優
芋おはぎ月はほほえむすすき風     柳立
あやしたらほほえみ返す孫可愛い     ぺ天使
古里の山微笑んで姪嫁ぐ     ぺ天使兄
ほほえみを交わした心同じかな     ぺ天使妹
一人でもうれしいときに出る微笑み     まつぼっくり
頑張った人に微笑む紅の花     さくら
ほほえみを忘れぬように鏡見る     ★桃華
その昔ほほえみという武器があった    英人



  「どうなっていく?」    まつぼっくり

   怖いもの蓋をしている身勝手に
  じっくりと考えるのはやめておく
   若者の怒りの行方見えぬまま
     問題の山積にただ耳ふさぐ
       ★平穏は今は半径1メートル


 


 
   「大和撫子」     野のはな
 
耐え難い春と夏とが過ぎました
人間にできることって少しだけ
★この道のまだこれからの登り坂
双六のなかなか上がれない仕組み
日本には撫子という日本語
   



「アゲイン」     さくら

再びの旅に記憶の扉開く
クルーズの風が運ぶ新発見
★笑みこぼれ美味しい記憶蘇る
道知らぬふりでタクシー遠回り
誰も皆悪人に見え早足に




 (随想)   「 シンガポール 」   さくら

夏休みにシンガポールに旅行しました。
羽田から7時間、熱帯の国は日本よりも気温が低く感じられました。
シンガポールは何故か日本食のお店が沢山あり、親しみを感じます。

しかし今回は少し恐い体験もしました。
一つはタクシーに明らかに大回りされ、お金をぼったくりされた事です。
地図を見せても知らない振りをして、メーターも気付いたら
回ってなく久々にやられた〜と思いました。
もう一つは国境を越えてマレーシアのジョホールバル動物園に行った時の事。
ワニの柵が低く、すき間が広くあいていて、もしワニが出て来て
襲われても、飼育員は近くにおらずどうなるんだろうと背筋が寒くなりました。

いろいろ有りましたが、旅は素晴らしいものですね。
また今すぐにでも、何処かに旅行したくなりました。




「 秋の風 」    柳立

低気圧抜けて一気に秋の風
テレビでは利休の生き様秋嵐
まだ聞けぬ虫にはきついこの残暑
澄む月と雲居の我に秋の風
★好し悪しも風は流れて秋の内


「 夜 」   ぺ天使

しっかりと夜の戸締まり夫は留守
恐がればわが靴音も夜の道
盆踊りゆかたの袖に夜風吹く
★人形も夜は眠たくなるらしい
瞬けば秋の夜空に流れ星



 「初誕生日」     悠澪

いとこらに囲まれご機嫌今日主役
一本のローソクママが消しました
つかまらずあんよも少しできますよ
手づかみで馳走ほうばるイキイキと
★赤ちゃんはどんな権力にも負けず




 「 さかな 」      靖坊

★特売品ここに魚がある理由
捌けない自分に気付く買った後
ネット上溢れるレシピに目が回る
そのまま焼くこれぞ男の料理なり
調理せず食べる猫らの気楽さよ

  



・・英人の20句抄・・ 「 台風恐し! 」

            台風が来る昼間からつけるテレビ
            テレビつけ台風の行方追っている
            伊勢湾台風の恐怖が今も生きている
            台風は旅緊張がまだ続く
       片付けるもの片付けて時を待つ
       捨てるもの捨てきれずにいる家庭
  台風のコースが強いる休肝日
  台風が迷走明日が定まらぬ
  台風がもてあそばれる日の魔物
                 電車が不通で欠勤迷わない
                被災地を映すテレビにある邪心
               対岸の洪水を見る無力感
      台風に明日の気力が吹き飛んだ
      台風が夏バテ連れてやって来た
      高まらぬ意欲にこれが夏バテか
                    畑土が雨に流れてやせ細る
                  つる棚が倒れ終末近くなる
                 茄子ピーマン背の低さが幸いし
        気配りして台風通過軽い肩
        台風が過ぎると空は青くなる

        



   「猛暑・厳暑・極暑」    ぺ天使妹

★もう少しもう少しだと言い聞かせ
雨の神シャワーでいいからお願いネ
ぶり返し続く暑さに閉口す
スーパーを出れば猛暑も心地良し
澄みわたり空真っ青なる九月中





   「たそがれ」     美智優


     黄昏てスタミナ持続しなくなり
  定年後の生き方夫は思案中
  見失うあなたの背中人ごみに
    ★終電車寿司折りひとつ網棚に
      新鮮だ見慣れた町の裏通り


   



「 夏風邪 」   桃華

風邪ひいてふらふらしてくる脳細胞
夏風邪や日常ごそり持っていく
かばわれるほうも辛いよ咳が出る
満月や激しい咳も吸い取って
★ハガキ来る長生きしてねと書いてある




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・「 シンガポール 」(さくら)      まつぼっくり
     楽しいご旅行でよかったですね。でも怖いこともいくつか・・・。お子さんもご一緒の旅。
    お子さんの反応はいかがでしたか?家族旅行では泊まる旅には行ったことがありませ
    ん。ハプニングをうまく切り抜けたようでよかったですが、本当に困ることも起きますの
    で神経を使いますね。何はともあれご無事なお帰り♪サテ、お次の旅は何処でしょう?

 ・「初誕生日」(悠澪)     まつぼっくり
     お孫さんの1歳のお誕生日おめでとうございます!やっと1歳。されど1歳で、初誕生を
    迎えたときの安堵感と喜びを思い出しました。かわいいお孫さんの表情の一つ一つが
    手に取るように浮かびます。私は孫に会う日はまだまだ未定ですが、悠澪さんの素敵な
    川柳でほっこりさせていただきました♪

 一人でもうれしいときに出る微笑み(まつぼっくり)     悠澪
     私は子供は三人で二歳半違いでと決めていました。次女をまさしく長女と二歳半違い
    で妊娠したとき、嬉しくてひとりでに笑いがこみ上げてきました。病院からの帰り道、
    人から変に思われるから笑うまいと思っても、笑みがこぼれて困ったことを思い出し
    ました。

 この道のまだこれからの登り坂(野のはな)     悠澪
     今年は何度も災害に襲われて、日本はいったいどうなるのだろうと不安になりました。
    復興は遅々としてはかどらないようで、ほんとにまだまだこれからの登り坂ですね。

 恐がればわが靴音も夜の道(ぺ天使)      美智優
     街灯も無く人通りもないような暗い道を歩いていると、靴の音だけが異様に大きく聞こ
    えて、自分の足音も誰かにつけられているような気がして恐くなります。勤めていた頃、
    冬に残業をしたときによく経験しました。

 スーパーを出れば猛暑も心地良し(ぺ天使妹)      美智優
     きっと冷房がガチガチに効いたスーパーなのでしょうね。今年は節約に頑張りまし
    たが、いつもは夫が冷房を入れると寒くなって部屋を出ると、暖かくてむしろほっと
    します。そのことを思い出しました。

 ほほえんだまま捨てられている人形(靖坊)      桃華
     不必要なものはさっさと捨て、いる時はまた買えばいいと気軽に考える現代人。私達
    の周りはゴミの山。昔の人はものを大切に生活をしていたのに、この様をきっと嘆いて
    いることでしょう。
     それにしてもほほえんだまま捨てられた人形、魂が宿っているようでドキッとしました。

 終電車寿司折りひとつ網棚に(美智優)      英人
     車内に置き忘れたであろう寿司1つ。奥さんへのみやげだったろうか、人をおとしい
    れる罠ではなかろうか?いつから残っているだろう?。何げない句であるが、いろいろな
    推理を呼んで、楽しい句である。上の靖坊さんの句も好きだが、こんな句も好きだ。

 夏風邪や日常ごそり持っていく(桃華)      靖坊
     体調が悪くなると日常生活もままならぬものですが、それを「病に持っていかれる」とは
    上手い表現だなあと思いました。「私の日常を返せ、ゴホゴホ」と叫びたくなるのを我慢
    して、大人しく寝ているのが一番ですね。



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       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2011年「課題」
      (9月)ほほえむ (10月)愛する (11月)涙 (12月)窓

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

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