so116
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第116号(23年8月)

百 日 草  の 

(科 目)キク科    (花言葉) 高貴な心、別れた友を思う、
メキシコ高原原産。 強い日照と高温多湿を好む。花もちがよい。初夏から
晩秋まで長い間咲くのでこの名前になった。 色は白、赤、黄、紫などいろいろ。


百日草はその名の通り花もちも長いが、至るところに増えていき生命力も強い。
この猛暑をものともしないし、色も様々、綺麗である。我が畑にいくらもあったが、
名前を知らずここへの出番も遅れた。身近なところをもっと知らねばなるまい。
                    (★印は英人の推奨句)



課 題   「 一 緒 」

偶然じゃないね一緒に過ごす日々   ★まつぼっくり
来年も一緒に見たい恋花火     さくら
一緒ならなお楽し子も孫も     ぺ天使
時々は一緒でないのが和の秘訣    ぺ天使兄
一緒にネ差しのべられた手の強さ    ★ぺ天使妹
二人して歩んだ道は無我夢中    美智優
風吹けばみんな一緒に鳴る風鈴     靖坊
脳トレのドリル夫と競い合い     悠澪
汗かいた記憶も一緒夏休み     野のはな
迎え火に今も一緒と思い込め     柳立
一緒だと愉しいものまで見えてくる     桃華
顔が似る一緒に過ごした歳月よ     英人



    「 休憩中 」  靖坊

   「よし休憩」休めぬ自分を休ませる
  さぼってる訳じゃないから堂々と
 禁煙の部屋で咥えている駄菓子
  ★何思うでもなくお茶を飲んでいる
     人生の休憩はいつ取ろうかな



     「  歌  」    ぺ天使


   鼻歌が出てくる今朝はごきげんね
  童謡の忘れた歌詞はハミングで
★デュエットの相手はあなたと決めている
     この歌はいつも涙を誘う唄
      歌声がそろってみんなの拍手浴び



「義母(はは)」    悠澪

寂しいな気丈な義母が施設入り
足弱る施設の義母に会いに行く
★長生きが幸と限らぬ義母が言う
笑顔の義母も別れに涙
ただ願う百まで生きよ我が義母よ



 (随想)   「 育 メ ン 」   悠 澪

夫に「Yの小学校のときの友達でにっちゃん、覚えてる?結婚したってよ。」と言うと「うん、Nさんやろ。6年のときに転校した。」と言った。
実は、私はにっちゃんの本名が出てきませんでした。
もう、14〜15年も前の娘の友達の名前をよく覚えていたものだ。
しかも、いつも愛称で呼び合っていて、滅多に本名など聞いたことがないのに。もしかして夫は育メン?

そういえば長女を産んで、初めての育児に思い悩んでいたとき
「お前一人ですべてを背負い込まんでいいんよ、半分は俺が背負うんやけ。」と言ってくれたことがある。
それでいったい何をしてくれたっけ???
三人の娘をお風呂に入れてくれた。授業参観も時間の都合がつけば行ってた。夜は絵本の読み聞かせをしていたなァ・・・
なんとなく通り過ぎてしまったけれど、夫は今で言う育メンだったのだ。
良き夫、良き父親だったのだと、ちょっと見直した。
そして、今はしっかり祖父リエをしている。



「労う(ねぎらう)」     ぺ天使妹

労いのことば一つで報われる
一言の労いありて和む席
労えば対する顔がゆるんでく
お互いに労いあえば丸くなる
★ことば持つ人間だけが労える



    「 夏便り 」    さくら

日差し浴び身体溶け出す昼下がり
  この猛暑利用出来れば発電に
    暑さゆえ気力無くして時が経つ
  盆休み混雑抜けて里近し
★故郷が有る大切さ思う夏




「 8 月 」     野のはな

  想像でものを言うても許されぬ
★ぽっかりと落ちた真昼の嘘本当
切り札を持っているのに使えない
文句言う前に工夫をしなければ
こうすれば良かったばかり言うている



   
   「 蝉時雨 」     美智優


  庭の木に空蝉増えて蝉時雨
     木陰行く耳をつんざく蝉時雨
        休日の朝は勘弁蝉時雨
    あゝ暑い夏を実感蝉時雨
  ★猛暑でも元気がいいな蝉時雨



・・英人の20句抄・・ 「 小病を得て 」

           楽しみと不安交互に寄せる夏
          好調に見えて不調を抱え込む
         ひと夏に何度も罹る躁鬱病
                  猛暑過ぎ体が狂うミステリー
                猛暑に慣れた体が弱い冷え
                一夜冷え素直な気質風邪を引く
                  風邪ひいて肺炎の辛さ思い出す
                 昨年の二の舞すれば見放され
              気取りなく出かけていこう町医者へ
              四病得て医者通いに慣れてきた
   血圧の薬を飲んで不安除け
 世の中が聞きづらくなって行く耳鼻科
  律儀にも催促状をよこす歯科
   画面見て話し続けるガン検査
    生涯の付き合い強いる皮膚科医師
                   本当の不安書けない日記帳
                  小病を得て大病を寄せつけぬ
                四百四病果たした時が終焉か
               終焉はどの辺りか飯を食う
              小吉や小康でいい余命の旅

        



    「 作 句 」      まつぼっくり

    これまでの努力があって花開く
  できること続けていたいコツコツと
やめるのはいつでもできる続けましょ
    ★ない知恵を絞るだけでも充実感
       大それた望みはなくて日々作句



    「 お 盆 」       柳立


      暑い中僧侶は走る門と門
    一日で色を移した墓の花
  墓参り消えたローソク頭下げ
       墓清めお水と花と線香と
  ★お盆には蕎麦かうどんが欲しくなる



「 猛 暑 」    桃華

★右見ても左を見ても汗が出る
猛暑日にやってきたのは郵便夫
受取人不明の手紙が手の中に
猛暑日は誰も出てこぬ野良仕事
熱中症探して走る救急車




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・顔が似る一緒に過ごした歳月よ(英人)     まつぼっくり
     不思議ですよね。赤の他人だった二人が結ばれて家族となってゆく。似るはずの
    なかった夫婦と言う二人の顔が似てくる。結婚してまだ2年もたたないころにお向かい
    さんがまじまじと私の顔を見て「あなた、彼に似てきたわネエ」と言ったことがあります。
    30年たった今鏡を見てもそう似ているとは思わないのですが、それって一緒に過ごした
    歳月のせいだったのですね。

 「 育 メ ン 」(悠澪)       まつぼっくり
     やはり子育てに母親一人と言うのは本当に無理があると思います。両親揃ってこそ
    子どもはちゃんと育っていくと思っています。悠澪さんのご主人も子育て参加型でよかった
    ですね!でも大小はともかく自分の子どもなのですから、父親も必ず子育てに携わって
    いると思います。私自身も夫のおかげでどんなに助けられたことでしょう。これはもうず〜
    〜と一緒にしがみついて今後も何かと助けてもらいたいものだと密かに思っています

 風吹けばみんな一緒に鳴る風鈴(靖坊)      美智優
     子供のころ夏になると、町に風鈴売りのおじさんが来ていました。リヤカーに乗せた木の
    枠につるされたたくさんの風鈴が一斉に鳴っていたのを思い出しました。あのころは町に
    季節感が溢れてましたね。

 ・労いのことば一つで報われる
 ・労えば対する顔がゆるんでく(ぺ天使妹)      美智優

     ほんとうですね。「疲れたやろ」「ありがとう」などの一声でしてあげてよかった、
    またしてあげようと思えるでしょうし、してあげた人も疲れが取れる思いがするのでは
    ないでしょうか。

 時々は一緒でないのが和の秘訣(ぺ天使兄)     悠澪
     どんなに仲の良いカップルでも、四六時中一緒にいては鼻につくようになるかもしれま
    せんね。時には別行動も新鮮で、長続きの秘訣かもしれません。

 文句言う前に工夫をしなければ(野のはな)      悠澪
     夫に買い物や用事を頼んでもその結果を見ると、「ありがとう」より先に文句が出て
    しまう私。もう少しわかりやすい買い物メモを書くとか、丁寧に説明するとか、工夫を
    しなければと反省させられました。

 二人して歩んだ道は無我夢中(美智優)      靖坊
     自転車も平地を漕いでいる時は楽なのですが、急な上り坂に差し掛かるともう無我
    夢中。尻を浮かせて懸命に漕ぎ、少し坂が緩くなった所で一服。自転車を降りて一緒に
    漕いできた相方と顔見合わせてにっこりすれば、疲れも少しは癒えるというもの、で
    しょうが、そんな相手が居ない私はずっと一人で漕ぎ続ける我が道なのでありました。

 ・長生きが幸と限らぬ義母が言う(悠澪)      桃華
     自分のことが自分ででき、我が家で暮らすことが一番の幸せとつくづく思います。
    母と義母の同時介護に疲れ、やむをえず施設に入居してもらいましたが、二人とも家が
    一番いいと言っていました。いくら立派な施設でも家族の愛には勝てません。どうぞ
    ちょくちょく会いに行ってあげてください。

 偶然じゃないね一緒に過ごす日々(まつぼっくり)      英人
     何十億という人間の中から夫婦となって一緒に過ごす、それも何十年も・・・こんな
    重要なことが偶然などいうそんな軽いことであるはずがない。未知のものに導かれ、
    選び選ばれ、大きな必然性があったのです。

      投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2011年「課題」
      (1月)別れる (2月)辛い (3月)君 (4月)歌う
      (5月)冷たい (6月)心 (7月)好き (8月)一緒
      (9月)ほほえむ (10月)愛する (11月)涙 (12月)窓

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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