so114
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第114号(23年6月)

金 宝 樹 (キンポウジュ) の 

(科 目)フトモモ科    (花言葉) はかない恋、恋の炎、
オーストラリア原産で、観賞用に栽培される。5〜6月頃に開花し、花弁は緑で小さくて
目立たないが、赤(ときに白)の長い花糸が目立つ。穂状花序をなし、
花序全体がブラシのように見える。別名、カリステモン、ハナマキ(花槙)、ブラシノキ。


名は体を表す、ブラシノキとはよく言ったものである。親はいろいろな願いを込めて子の名を
付ける。いい名前はいい体を作ると思うからであろう。自分の名をもう一度見つめ直しても
よかろう。親がまだあれば聞いてみるのもよかろう。思いがけないことを知るかも知れない。
                    (★印は英人の推奨句)



課 題   「 心 」

顔なんて気にしてないわ心意気     悠澪
傷付いた心にそっと傘さして      ★さくら
探してた私の心胸にある    ぺ天使
この歳でころころ転がるこの心     ★ぺ天使兄
形なき心に左右され続け    ぺ天使妹
泣き濡れる雨に心を打たれつつ     靖坊
すぐ揺れる風鈴のようおぼつかぬ     まつぼっくり
心から言おう命にありがとう     野のはな
ガラになく一日一膳心がけ    美智優
寂しさが歳ごと増して花心     柳立
あきらめぬ心が笑顔作っている     桃華
酒を汲み心が晴れて白昼夢     英人



  「 新 孫 」      悠澪

    姉ちゃんぶる従姉はわずか九ヶ月
  従姉に狙われ目が放せない
★赤子にも個性があって意思表示
  生意気に横に寝てるよ新生児
     娘らのんきばあばはらはら孫二人



「 祈 り 」    野のはな

引力の成せる地球に生きている
★何万のドラマ生まれて消えてった
今はいいやがて猛々しい夏が
揉め事のなかにヒーローなどいない
思い続け祈り続けていくつもり


 

「紫陽花の頃」     柳立

あい傘の握り重ねて花の寺
雨に濡れ小さい花は君の様
手をつなぐ紫陽花寺は雨のなか
紫陽花と蛍の頃はもの悲し
★紫陽花の雨のしずくに君想う




 (随想)   「 今が本番 」   英 人

この随想欄の今月の当番は酒仙さんであった。しかし、突然の事故である。
生命の危機からは脱出され、少しづつながら回復に向かっているとのこと。
いつの日か川柳連れ連れ草への復帰があることを願っていよう。

一寸先が見えぬのがこの世の習い、人の命も同じである。
私の机の上には「今が本番、今日が本番、そのうちはもうない」の
文が貼ってある。酒仙さんからこの思いを一層強くするのである。

幸いに今の私の生活は公私とも充実している。
しかし、公の部分はもう数年で終わるであろう。

私の体がそこで終わればそれまでだが、後30年続くのか分からない。
先も見据えねばならない。ここが人間、厄介なところである。
先日、体年齢を計ったら実年齢より10歳以上若かった。



「  蛙  」    ぺ天使

雨蛙池の舞台で合唱祭
★蛙たち誰が指揮やら明日は雨
一匹はソロで堂々聞かせてる
足音を感じて黙り込む蛙
闇の中蛙の声は消えていく


  


「おばさんはチャリを漕ぐ」............
               まつぼっくり


ペダル漕ぐ二日後に来る筋肉痛
さわやかな五月の中を突っ走る
初夏の熱こんがり肌を焼いていく
若くないなのに不思議とシミがない
★少しだけ私の窓を開けてみる




   「 遅 す ぎ」     靖坊

遅すぎと気付いた時は遅かった
   ★手遅れと分かっているが手を尽くす
       努力するほどに事態は悪化して
  諦めの空気漂う日暮れ時
今はもう後の祭りだワッショイだ



・・英人の20句抄・・ 「 独・瑞・仏 」

         自由時間増えて旅行考える
          外国へ行きたい気持ち湧いてくる
         行きたい時に行くのがいい旅行
  許されて一人出かける意欲持つ
 ハワイから欧州にする無節操
  旅行とはいい思い出を買う期待
              暗雲を乗せ飛行機は雲の中
                城壁に囲まれ歴史残す街
              撮影のポイント探す旅の人
                眠る人乗せて草原走るバス
              これ以上ない好天で見るアルプス
                   絶景をカメラに目にも焼き付ける
                  モナリザやヴィーナスが作る人の山
                   人垣の中で小さな超名画
         小島には我忘れさす修道院
        修道士も労働者なりストライキ
                天候の良さに不満は忘却へ
              夏時間戸惑ったまま旅を終え
                行程のきつさ覚える帰国後に
              終えてみてますます募る異国の旅

        



   「たくましくな〜れ!!」 
                 さくら


  父の日に描いたパパの絵似過ぎてる
明け方に咳出てドキリ目が覚める
  園バスの一番乗りを競う朝
    善くなれと念じて園に送り出す
  ★病気してまた病気して強くなる



「家庭菜園」      美智優

野菜らに日照不足ひびいてる
★成長が悪いながらも花咲かせ
丈低く花を咲かせて実をつけた
枇杷の実が小さいままで色付いた
不作中ジャガイモだけがやや元気




「梅雨晴れ間」     桃華

梅雨晴れ間大切な人見つからぬ
梅雨晴れ間孫が跳び出す田んぼ道
梅雨晴れ間畑仕事に熱中し
梅雨晴れ間待ってる人がいる墓所へ
★梅雨晴れ間探しものが多くなり




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 姉ちゃんぶる従姉はわずか九ヶ月(悠澪)      まつぼっくり
     新しいお孫さんの誕生おめでとうございます。ますます賑やかで悠澪さん宅は幸せ
    いっぱい♪お姉ちゃんぶる女の子がとってもほほえましいです。みんなに愛されて
    すくすく大きくなりますように。

 父の日に描いたパパの絵似過ぎてる(さくら)     まつぼっくり
     真ん中の子が幼稚園のとき、園のみんなの絵が郵便局にはり出されました。わくわく
    しながら私はカメラまで携えて見に行きました。「どれだろう?」するとはじっこのほうに、
    一番やる気のない線だけの無造作にかきなぐられている絵があり、それが息子のだと
    わかったときは軽い失望でめまいがしたほどです。さくらさんのお子さんはきっとお上手
    だと思います!

 すぐ揺れる風鈴のようおぼつかぬ(まつぼっくり)     美智優
     あれこれ考えて、考え抜いて、やっと決心しても、誰かさんのちょっとした言葉や
    何かで決心が揺らぎ、ほんとにこれでいいのかなァと心が揺らぐことよくありますよね。

 ・諦めの空気漂う日暮れ時(靖坊)     美智優
     一生懸命してもうまくいかずに、それでも諦めずに頑張っていても、日暮れが近づいて
    あたりが薄暗くなると、なんとなく諦めムードになりますよね。人間やりなおす(出なお
    す)ためにも時には諦めも必要かもしれません。

 ・「紫陽花の頃」(柳立)      悠澪
     とてもロマンチックな句集ですね。ほのぼのとして、バックの紫陽花と雨とお寺も素敵
    です。まさに大人の恋ですね。このお二人がご夫婦ならなんて最高のカップルなんで
    しょう。

 形なき心に左右され続け(ぺ天使妹)      悠澪
     自分自身の心にも、ああがいいかな? こうがいいかな? と左右され続けますが、
    相手の心には見えないだけにほんとに悩まされます。いったい何を考えているん
    だろうとか、これは本心で言っているのだろうかとか・・・。

 丈低く花を咲かせて実をつけた(美智優)     靖坊
     たとえ丈が低くても花開き実を結んだのですから、それだけで立派なものですよね、
    と、花も実もつけずに人生を枯らせてしまいそうな私は思うのでした。

 傷付いた心にそっと傘さして(さくら)     桃華
     傷ついた心は人に見せたくない。悲しいけれど1人で我慢するしかない。そんな
    気持ちが傘をさしているのね、あの人もこの人も・・・。

 梅雨晴れ間探しものが多くなり(桃華)      英人
     梅雨時の晴れ間はありがたい。この時こそとあれも出し、これも干しと思うが、思う
    ものが見つからない。探しものが多くなったものだ。老化現象を知る梅雨である。

 心から言おう命にありがとう(野のはな)      英人
     平穏な日々も順調な時は当たり前に思い、時には不満にも思い、何かあるとありが
    たく思う。今回のように震災のニュースを見ると全くそんな気持ちになる。本当に命が
    あるだけでありがたいのだ。他のことはその後のこと、今日もありがとう。

      投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2011年「課題」
      (1月)別れる (2月)辛い (3月)君 (4月)歌う
      (5月)冷たい (6月)心 (7月)好き (8月)一緒
      (9月)ほほえむ (10月)愛する (11月)涙 (12月)窓

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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