so110
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第110号(23年2月)

蘇 鉄  の  

(科 目)ソテツ科    (花言葉) 雄々しい
原産地は日本・中国南部。庭木や鉢植えにして飾られる。性質強健で育てやすいが、
寒い地方では冬に防寒処置が必要。子株が出たら幹から切り離して育てることができる。 
木が衰えたときに幹に鉄くぎを打ち込むと蘇るといわれ、そこから名づけられた。 

左写真の蘇鉄は地植え、右写真は鉢植えのものである。手入れもあろうが、
鉢植えは貧弱である。箱入りは弱いと言うことなら人間も同じだ。野に放って
雄々しく育てる。鉄は熱いうちに打てと言う。ここの参加者はまだまだ熱い。
                    (★印は英人の推奨句)



課 題   「 辛 い 」

辛い時唱える呪文ケセラセラ    ぺ天使
辛い日を共に過ごした背広捨て    ★ぺ天使兄
辛苦こそ学びがあると励まされ    ぺ天使妹
辛くても前へ進もう明日がある     さくら
辛いこと消えて平凡の幸を知る    悠澪
映像で貧しい暮らし見る辛さ     酒仙
どっこいしょ辛さかばって自立する    柳立
押し切られ辛い仕事に泣いている     美智優
子の病代われるのなら代わりたい    まつぼっくり
激励の言葉が辛い時もある     靖坊
辛いこと分け合う家族いてくれる    野のはな
辛い話は午後にまわしてティータイム     ★桃華
肺炎の辛さ乗り越え春間近     英人



「衝動買い」      靖坊

欲しかった品が半額汗ばむ手
★闇雲に飛びつく前に一思案
本当に必要なのか欲しい物
無きゃ無いでよいこれまでもこれからも
衝動買いせずに我慢の高楊枝



   「シンガポールに旅して♪」    さくら

    空港に漂う香りトロピカル
マーライオン雄叫びあげる水しぶき
  憧れの白亜のホテル夢気分
     高層のビルがアジアを動かして
         ★異文化が交わり放つ懐かしさ



「 吹 雪 」      悠澪

雪が降るひとり炬燵に丸くなる
こんな日も夫は仕事感謝する
風の音ますます背中寒くなる
角取れて汚点も消える雪景色
  ★吹雪いてる地球が壊れていくように 



 (随想)   「 こ と ば 」   ぺ天使妹

冬至が近づくと思い出すことがある。

年も押し迫り、一抹の寂寥感と忙しさ、
本格化する寒さなど心が重くなることが多い。
そんなことを話し合っていた時、ある友人が
「私は冬至が来ると嬉しくなる。だって、
だんだん日が長くなるから」と言った。

目から鱗、何事もこうでなくっちゃ!
冬至が来ると、今は星になった彼女を想い、
「ありがとう」と呟く。



「祖母との思い出」     まつぼっくり

雨上がり松の匂いに深呼吸
おばあちゃん松ぼっくりがいっぱいだ
★穏やかな祖母と語らう散歩道
縁側でフランス刺繍祖母の指
おばあちゃんお茶を入れたよ飲んでみて



「三寒四温」     柳立

ぬるっとした雪の表面草が萌え
寒風の裸祭りに湯気が舞う
★受験生三寒四温の分かれ道
春の陽に少し寝坊が嬉しくて
ストーブの目盛り落として昼ご飯


「バレンタイン」     ぺ天使

遠距離の人にはチョコを宅配で
義理チョコと分かっていても嬉しそう
夫息子二歳の孫には本命よ
★思案して予備の義理チョコ二つ買い
無駄使い承知で贈るバレンタイン



 「  娘  」      美智優

味噌汁もできぬ娘がケーキ焼く 
踏み場ない娘の部屋に血がのぼる
羨まし何も気にせず遊べる娘
★父娘(おやこ)して私の時間奪い去る
彼の前猫かぶってる我が娘




・・英人の20句抄・・ 「 孫とウォーク 」

         畑仕事するには早い寒続く
         雑草が勢いづくまで閑があり
         閑あればウォークに行こう孫連れて
         ウォークに誘えば孫が笑みを見せ
 五歳児に楽しいコースが難しい
   電車から景色を眺め孫静か
      単調な地下鉄に飽き騒ぎ出す
               虫に草興味が沸いて止まる足
               二分咲きの梅に気持ちはすでに春
               長い冬鬱を募らせ外に出る
               里山を守る人いて歩きよい
         白鳥が住み着く池で休憩し
         焼き芋の甘さに疲れすぐ消える
                  社寺訪ね善人顔を許される
                  参拝の作法を覚え得意顔
    ほとんどを走っている孫のウォーク
      歩き終え機嫌のよいまま帰途につく
        報告は食べた物から始めてる
              ウォークは心身に良し智にも良し
              ウォークを楽しめる身に感謝する

        



「 気持ち 」    酒仙

当たり前のことが出来るのも自信
七十路からやりたいことに立ち向かう
後手後手と暮らす日々に飽きがくる
★生と死のバランス神の手のひらに
老いらくの恋抱き寄せた夢を見る




「 立 春 」    野のはな


全国にランドセルなど飛び交って
あたふたとたった1センチの雪に
★豆撒いたけれども鬼は逃げてない
足の裏くすぐる豆が残ってた
寒かったねと白い息吐きながら



「旅の途中」     桃華

庭掃除忘れて旅のどまん中
栞はさんで旅の途中と書く日記
雲が切れ素顔を見せた浅間山
ペンギンのように雪道歩く朝
★旅途中どんどん深くなる森へ




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 ・辛いこと分け合う家族いてくれる(野のはな)    まつぼっくり
     家族って本当にありがたい。日常の些細なことでもなんとなく話せば受けとめて
    くれる。やさしいなと思う。夫や子どもたちからも気軽に相談できる妻・母でありた
    いと願う。野のはなさんはその明るさで家族を照らしていらっしゃるでしょうね。

 七十路からやりたいことに立ち向かう(酒仙)     まつぼっくり
     五十代の私にとって果たして七十まで生きていられるだろうかという疑問は
    あるが、実家の両親は82でかなり元気な方である。特に母の意欲はいまだ
    貪欲で私は勝てそうにない。立ち向かうという強い意志はないが生きている間、
    句や歌を作れたらしあわせだと思う。

 激励の言葉が辛い時もある(靖坊)         悠澪      
     ほんとにそうですよね。相手は応援や励ましのつもりなんでしょうけど、言われる
    ほうは「頑張っているのに」って思ってしまうことありますよね。

 ・寒風の裸祭りに湯気が舞う(柳立)      悠澪
     実際に見たことはありませんが、テレビのニュースで見たことがあります。雪が
    ちらつく中を褌姿の男の人たちがもみ合って、水をかけられて、ほんとに湯気が
    出てました。すごい熱気ですね。

 七十路からやりたいことに立ち向かう(酒仙)     悠澪
     いいですね。幾つになっても目標を持って、前向きに明るく生きているご様子。
    私も頑張らなくちゃと思いました。

 辛い日を共に過ごした背広捨て(ぺ天使兄)     桃華
     サラリーマンの人には人に言えない辛酸がいっぱいあると思う。それが退職と
    共にパッと消え、第二の人生がスタート。背広も要らないリラックススタイルで
    過ごしていける日々、時間の束縛もない日々・・・自由な時間がいっぱいある!
     長い間ご苦労様でした。これからの人生を満喫してください。

 無きゃ無いでよいこれまでもこれからも(靖坊)     美智優
     あれば便利だろうなと思う物も、これまでそれがなくてもなんとかやってきて
    るんですよね。やはり楽するよりは工夫をするほうがボケなくていいですよね。

 老いらくの恋抱き寄せた夢を見る(酒仙)     美智優
     幾つになっても異性を意識して恋心を持ち続けるなんて、素敵ですね。若々しい
    方なんでしょうね。まだまだ、これからこれからですね。

 ・子の病代われるのなら代わりたい(まつぼっくり)     ぺ天使妹
     目の前に見ながら何もしてやれない辛さ、まつぼっくりさんのお気持ち、察するに
    あまりありです。ただ医師を信じ祈るだけです。祈りは多いほど通じるようです。
    私も・・・・。

 ・「シンガポールに旅して♪」(さくら)     ぺ天使妹
     一連の句からワクワク・ウキウキの心情が伝わります。そして、異文化を120%
    吸収した思いも。さくらさんと共に楽しんでいらっしゃるご家族の情景が浮かび、
    私までがソワソワ気分にさせて頂きました。

 雪が降るひとり炬燵に丸くなる(悠澪)      靖坊
    
子供の頃は雪の日には戸外ではしゃぎ回っていたものですが、今は雪でも降
    ろうものなら買物に行く気にすらならず、炬燵に足を突っ込んで雪景色を眺めな
    がらミカンなんぞを食べる事に喜びを感じるようになりました。つまりは年を取った
    ということでしょうか。

 ・羨まし何も気にせず遊べる娘(美智優)     靖坊
     まだ夫でも親でもなく一応息子の身分の私も例外ではなく、遊びだけでなく日常
    の生活全般、何の気兼ねもなく毎日を暮らしております。こんな歳にもなって、
    こんな状態ではいかんなあとは思うものの、この気楽さは捨てがたいですね。

 ・(随想)「 こ と ば 」(ぺ天使妹)     英人
     最低を嘆くより、最低になれば後は上向くばかりと言うことであろう。しかし、言う
    には言ってみるが、つい愚痴が出るのが大方であろう。いい友達を持つと自分の
    励みなるのはいい。いい思い出にもなる。

 義理チョコと分かっていても嬉しそう(ぺ天使)     英人
     義理チョコさえもらえなくなると、寂しくなるものです。そして、義理チョコと思っても
    もらってホッとし嬉しくなるものです。遠慮せず義理チョコはどんどん配ってください。

     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2011年「課題」
      (1月)別れる (2月)辛い (3月)君 (4月)歌う
      (5月)冷たい (6月)心 (7月)好き (8月)一緒
      (9月)ほほえむ (10月)愛する (11月)涙 (12月)窓

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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