so109
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第109号(23年1月)

松   の   

(科 目)マツ科    (花言葉) 不老長寿、向上心、勇敢、
常緑の高木で、針葉樹ではもっとも種が多く分布域も広い。日本では
若さ・不老長寿を表す縁起のよい木とされ、正月の縁起物の一つとして
よく用いられる。松かさ(まつぼっくり)は、雌花が開花した後の実。


日本の庭に松は欠かせないものだった。私の家にも4本ばかりある。
手入れも大変だが、風格が他の木とは全然違い、庭の芯をなす。
何事にも芯は必要である。自分自身の芯も問わねばならない。
                    (★印は英人の推奨句)



課 題   「 別れる 」

再会をしても別れている心     靖坊
別れるといつも言ってるあの二人    ★野のはな
ままごとのように別れと戯れる    まつぼっくり
好きすきと一緒になってすぐ別れ     酒仙
早過ぎる別れに生きる価値を知る     さくら
誰にでもいつか別れが来るものだ    美智優
娘の巣立泣きの別れが昨日のよう    悠澪
また会おう約束をした別れ際     ぺ天使
バスを待つ施設の母と別れきて    ぺ天使兄
明日信じ夕日に別れ急ぎ足    ★ぺ天使妹
今日もまた割って別れる箸の音     柳立
すぐ傍に別れあるとは知らないで     桃華
別れても別れてもやってくる別れ    英人



「 七 草 」     ぺ天使妹

はや過ぎて七草粥の湯気ゆかし
この頃は野に摘む七草買う時代
競い合い春の七草覚えたね
★病みあがり七草粥で喝入れる
伝えたい七草粥の和の心


   「  冬  」      美智優

   ★指先に息吹きかけて落ち葉掃く
風の音寂しさ寒さ増長す
  日は短く闇から声が聞こえ来る
顔見えず影に挨拶冬の朝
   ランドセル白い息吐き駆け抜ける




「  手  」     ぺ天使

柏手の響きよろしく初詣で
手を借りて屠蘇器納める棚の上
手相見て納得いくやいかぬやら
豆撒けば手の鳴る方へと鬼が呼ぶ
★母の肩叩けば笑み見た日は遠く




「ステップ」    まつぼっくり

しばらくは眠っています風を聴く
新しい自分探しに模索する
もう少し違ったものに会えるかも
★整理して次のステップ ドア開ける
脳内で無限の若葉咲き始め



 (随想)   「年の始まり」   まつぼっくり

明けましておめでとうございます!
2011年が明けました。新しい年の始まりです。

その前に皆さんにとって昨年はどんな1年でしたか?
いい1年でしたか?それともやっと年が変わってホッとしている1年でしたか?
これから始まる12ヶ月。できれば1ヶ月ずつでも
無駄にしないように月目標を持って過ごしたいものです。
でないとまたズルズル〜〜っと過ぎて気づけばもう1年が終わり!?
ということになってしまいますから。 とはいえ大きな目標はなく、
生活の潤いとして川柳と関わっていければと思っています。

家族が皆健康に過ごせることも神様にぜひともお願いしたいことです。
2012年に世界は終了と言う話しも聞きますが本当の所どうなんでしょう。
でも人は死ぬまでは生きているわけですから
やっぱり自分なりに懸命に生きていたいものですね。




   「年の初めに・・・」    さくら

元旦の窓開け富士に初詣
   ★お重箱幸から福まで詰まってる
福袋駅伝見たさに出遅れる
   カレンダー去年のままの友の家
幸せに向けて今年も歩き出す




「 真 冬 」     野のはな

寒がっていては何にも捗らず
避けてきたことを今年はやってみる
★ 立ち読みで今日の運勢二重丸
きんきんに冷え切ってます寒の水
湯たんぽのあった暮らしをもう一度




「 正 月 」     酒仙

 ★年明けは思い出話に花が咲く
         出来・不出来今年の甘酒自慢する
       知己と会う歳の差埋める竹馬の友
         雪消えて後に萌え出す福寿草
       参道でほのかな匂いに酔いしれる



「 正 月 」     柳立

襟に雪 お腹に響く除夜の鐘
★餅も煮えコトンと落ちた年賀状
お屠蘇添えこれも頂けあれも食え
チャンネルは歌とお笑い時代劇
あの方に返事の書き初め年賀状


  


・・英人の句抄・・ 「 新しい年 」
         ・・・・2011年課題を詠み込む・・・・

       後半は別れの言葉吐き続け
    冬だから辛い話は止めにする
  経るほどにの存在確かなり
      おおらかに歌ってライバル通り過ぎ
          日記帳の冷たい言葉削除する
              風評を広いで受け流す
                好き好きと三度叫んで好きになり
        夫婦して一緒に歩む安堵感
     ほほえんで握手をして味方にし
  前半は愛する人を探す旅
     悔恨をの中に包み込む
          開けて春の訪れ待ちわびる



   「 招き猫 」  靖坊

   顔を拭くノラ猫招き猫に見え
 正月など関係ないよとノラの猫
招くのは幸福ばかりじゃないのかも
  ★招くより自ら向かおう幸福へ
     新年の道は希望に輝いて


 「 メール 」     悠澪

遠距離の愛を育むEメール
★返信の速さで愛を量ってる
珍しく彼のメールが温かい
姉からのメールは時を選ばない
耳遠い義母にやりかた教え込む



「  雪  」       桃華

積雪に辛い道のり待っている
私の庭にもあった銀世界
雪だるまあららっ悲しそうな顔
昔から雪の降る日は閉じこもり
★雪の日は何もしないで雪を見る




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 再会をしても別れている心(靖坊)     まつぼっくり
      あれほど惹かれあったのに長い年月は二人の心を引き離してしまったので
     しょうか。寂しいです。

 今日もまた割って別れる箸の音(柳立)      まつぼっくり
      粋ですね〜〜。なんかお洒落な物語が始まりそうな予感です。

 バスを待つ施設の母と別れきて(ぺ天使兄)      悠澪
      今 別れてきたばかりなのに、バスを待ちながらもうお母さまのことを考えておら
    れる、そういうご様子が目に浮かぶようです。母親は子供が幾つになっても心配で
    しょうが、子供も親のことが心配です。離れて暮らしていればなおさらでしょう。

 餅も煮えコトンと落ちた年賀状(柳立)      悠
      お雑煮のおいしそうな匂いがただようなか、郵便受けに束ねられた年賀状が
    落ちる音。まさに、お正月の風景ですね。娘たちは“明けメ”とかいって年賀の挨拶を
    メールでしていたようですが、結婚を機に年賀状を出すようになりました。大人に
    なったのでしょうか?

 しばらくは眠っています風を聴く(まつぼっくり)      靖坊
      窓外を吹く寒そうな北風の音を聴きながら布団の中でぬくぬくしているのは、
    まさに冬の朝の醍醐味でありまして、「しばらくは」でなく「いつまでも」こうしていたい
    と思うのですが、そんな事が許されるはずもありません。次のステップの為に、
    いつかは外に出て寒風に晒されるのですね。現実は厳しいです。

 雪の日は何もしないで雪を見る(桃華)     美智優
      暑くても何もする気になれませんが、寒さの苦手な私は寒いとますます動けま
    せん。炬燵に入って、窓の外の雪を眺めながら「明日は暖かくなりますように」と
    祈っています。

 ・再会をしても別れている心(靖坊)     美智優
      久しぶりに会っても心が通じないことってありますよね。単身赴任の夫がたまに
     帰宅しても無口で何を考えているのかわからず、お互いにしたいことをしています。
     そんな時、二人で居るより一人のほうがよほど寂しくないと感じます。

 招くより自ら向かおう幸福へ(靖坊)     ぺ天使妹
      全くその通りだと相槌を打ちました。そして目の前が“ふぁー”と明るくなった気が
     します。「タナボタ」はあり得ないし、、それでは深い喜びは味わえないのだ。
      新しい年は希望を持って歩きたいものです。

 誰にでもいつか別れが来るものだ(美智優)     靖坊
      人生に別れは付き物ですが、日常生活で一番辛い別れは、ご馳走を食べ切って
     しまう瞬間です。この一口でこのご馳走ともお別れ、嫌だ、別れたくない、でも食べ
     たい、しかし食べたらお別れだ、と煩悶した挙句、結局は食べてしまう訳です。
     まあ、別れが来るのを承知で食べているので仕方ないですね。

 ・この頃は野に摘む七草買う時代(ぺ天使妹)      靖坊
      七草を摘む事に意義があるのだろうなあとは思うものの、七草と雑草の見分けも
     つかない自分には到底無理でございます。と言って、スーパーで七草粥セットを
     買うのもちょっと悔しいので、残り物のキャベツとかネギとかパセリとかを粥に入れ、
     私流七草粥として食しております。

 お重箱幸から福まで詰まってる(さくら)      桃華
      まあ、何と幸せなお重箱でしょう!新年早々にいいことずくめですね。色も形も
     味もよく、みんなで食べるおせち料理。笑顔のいっぱいつまった家庭の味が
     幸せを運んでくれたのでしょう。今年もいい年でありますように!!

 返信の速さで愛を量ってる(悠澪)      英人
      昔の愛の交信は手紙であった。出して返事が戻ってくるまでにはいくら早くても
     数日は要した。今はEメールである。その気になれば分単位である。愛は性急だが、
     性急であってはならない。待つ時間があって愛はより確かなものになる。

 避けてきたことを今年はやってみる(野のはな)     英人
      避けてばかりでは進歩はない。挑戦も若い時は旺盛だが、歳をとるに従って
     萎えてくる。今が勝負時です。良い新年の誓いです。

     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2011年「課題」
      (1月)別れる (2月)辛い (3月)君 (4月)歌う
      (5月)冷たい (6月)心 (7月)好き (8月)一緒
      (9月)ほほえむ (10月)愛する (11月)涙 (12月)窓

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


             川柳投稿


川柳&ウォーク