so108
     (せんりゅうつれづれそう)


              
 第108号(22年12月)

柊 (ヒイラギ) の 

(科 目)モクセイ科    (花言葉) 先見の明、用心、
葉の縁の部分に鋭い刺状の鋸歯(きょし)があり、同じモクセイ科の金木犀に
似た芳香を放つ白い小花を咲かせる常緑小高木。花時期は10〜11月頃。


川柳連れ連れ草の9年目もこうして無事完遂できました。参加者の
皆さん、ご苦労様までした。小さな達成感でしょうが誇りに思ってください。
また読者の皆様、いかがでしたでしょうか。小さな積み重ねですが、
続けてまいります。今後ともよろしくお願い致します。
                    (★印は英人の推奨句)



課 題   「 手 紙 」

もみじの葉入れた手紙はあなた宛    ★ ぺ天使
届くなら君に書きたい手紙あり    ぺ天使妹
乱筆で来る手紙だが味がある    野のはな
まだつのる妻の遺品の恋手紙     柳立
親思う娘の手紙に涙ぐむ     美智優
物言わず気持ちを文字に託してる     酒仙
大切な想い 手紙で届く冬    ★さくら
たくさんの手紙に過去が息づいて     まつぼっくり
文通をしてたあの人今いずこ    悠澪
今日も書く明日の自分への手紙     靖坊
手紙にはいつも元気と書いておく    桃華
青春の残り火ありて手紙書く    英人



 「平凡な日々が好き」
              まつぼっくり


   六十歳まではまだまだ日々のこと
旅の空それを夢にはできぬまま
 気がかりが多くて今だ飛べません
ことのはが白いページにぽろり出て
   ★窓際で頬杖をつく冬初め



「師走仕事」     柳立

やり掛けて終わりは遠い大掃除
★独り身は何もせずとも年の暮れ
何かそのやり残してか瀬が詰まる
寒さ増す朝寝坊で背を伸ばし
風呂敷にパリパリ鳴いた指の割れ



「メリー・メリー・クリスマス」     さくら

楽しげに枯れ葉のダンス風に舞う
子と作るケーキいちごの国になる
日が暮れてツリーに燈る灯が嬉し
★空見上げ大人も何か期待する
キラキラの笑顔ちらばるクリスマス



 (随想)   「ドタバタ幼稚園選び」   さくら

 今年の1月に横浜に引越しして、早いもので1年が過ぎようとしています。そしてこの1年間の約半分、私の頭のなかは3歳になる息子の幼稚園選びの事で頭がいっぱいでした。と言うのも、引越ししてから知ったのですが、私の住んでいる横浜市神奈川区は全国でも最も幼稚園に入るのが困難な幼稚園激戦区だったのです。
 5月頃から園の見学に行き、7園ぐらいの幼稚園を幼稚園の行事や説明会がある度に参加して、毎日どこの幼稚園にしようか頭を悩ませました。そして、行きたい幼稚園が決まっても抽選だったりして、11月1日の願書提出の日まで緊張の連続でした。結局、願書提出の5日前から毎日幼稚園に並び、希望の幼稚園に入園させる事が出来ました。
 今は安心感でホッとしていますが、今思えば、子供はどこの幼稚園に入っても一生懸命色々な物を吸収してくるので、どこに入れても大差なかったのかなと思います。
 子育てはこれからが本番だと思うので、もう少し心に余裕を持って自分自身も成長できるように、楽しくして行きたいなと思います。



「 行く先 」    酒仙

職離れ妻の指図に甘んじる
猛暑過ぎゆず湯の風呂で癒される
行く先を訪ね歩いて天国か
★何食わぬ顔していても没してく
菅内閣政治のつけは国民に




  「 師 走 」    野のはな

楽なほうばかり選んで12月
いい話押し付けてくる電話口
★ 風見鶏くるくる回り過ぎだろう
冬なればこそ大根の熱っつっつ
はふはふと食べる家族がいればこそ



「 師 走 」      悠澪

もう師走時間に羽根が生えている
ふるさとのぬくもり乗せて宅急便  
夫婦して年に一度の感謝状
★ガラス拭き青空ぐんと近くなる
カーテンの洗濯をして春を待つ




「 夕 飯 」  靖坊.................

空腹を抱えて急ぐ冬の路地
家々は明るい声に彩られ
★古里の団欒想う 息白し
この生の最期に何を食べようか
コンビニの弁当食べて寝る師走



  


・・英人の20句抄・・ 「 病得て 」
      
      いたずらの覚えはないが咳が出る
       玉葱の苗植えて咳ひどくなる
          念のため病院へ行く旅行前
            無情にも肺炎告げるレントゲン
  どっさりと薬を抱いて旅に出る
 帰国後のレントゲン検査無情のまま
     真夜中に悪魔が騒ぐ肺の中
      外出の予定繰り延べテレビ見る
        静養という休みが辛いスニーカー
          意味のある体験にしたいこの辛さ
             ショウガ湯と愛を注がれのど楽に
      歳を知れ慰め顔で脅される
    一息を入れるサインと諭される
   振り返れば動き続けた前半生
  人生の分岐点と知る六十五歳
                会話では歳・歳・歳と言ったけど
                本音では歳のことなど早すぎる
           病得て昨日との違い認めます
         反省はするが活動続けます
        明日からは家族の監視強まろう



「 帰 る 」   ぺ天使.........

ケイタイは帰るコールだけの夫
宅配屋ハンコと引き換え帰って行く
帰り際「マタクルカラネ」と二歳半
★あれこれと持たせて帰る背に振る手
スト起こし帰るつもりで出てみたい



  「ひとり鍋」   美智優

おいしいが盛り上がらないひとり鍋
  熱々もひとり暮らしにゃ寒い鍋
    作りすぎ三日続いたひとり鍋
  寂しくてついつい酒に手が伸びる
★鍋つつきわびしく今日も独り言



「 落ち葉 」    桃華

落ち葉舞うとなりの家まで占領し
★やり残したことはないよとイチョウ散る
次に芽を出すため散っていく紅葉
輝いたときもあったと落ち葉舞い
美しい落ち葉を拾い孫にやり




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 今日も書く明日の自分への手紙(靖坊)    美智優
     どんなお手紙を書かれるのでしょう? 「明日はこんなことをしよう」とか「明日は
    絶対これを仕上げるぞ」とか? 自分で自分に手紙を書くと明日の目標のような
    ものができていいかもしれませんね。

 窓際で頬杖をつく冬初め(まつぼっくり)     美智優
     何か意味深な句ですね。どんな物思いをされてるのでしょう。案外、大掃除の
    ことやお正月準備のことだったりして。

 ・やり掛けて終わりは遠い大掃除(柳立)     美智優
     そうなんですよね。毎年のことですが、アルバムがでてきたり古い日記帳などが
    でてくると見入ってしまい、掃除はいつ終るのだろうという感じです。

 子と作るケーキいちごの国になる
  日が暮れてツリーに燈る灯が嬉し(さくら)      まつぼっくり

      長女が3歳のころをまざまざと思い出しました。食べ物が出てくる本しか借りて
     こない幼稚園年少の娘と生まれて初めてクッキー作りをしました。簡単なレシピ
     ではなくて粉からこねて冷蔵庫で寝かせたり・・・。その間に二人でお風呂に入り
     ました。お風呂から上がって洗い物をしているときふと振り返ると娘は鼻のてっ
     ぺんに粉をつけ舟をこいでいました。楽しくて疲れたのでしょう。本当にいとしい
     時間でした。さくらさん素敵な子育てがんばってくださいね♪

 美しい落ち葉を拾い孫にやり(桃華)     まつぼっくり 
      今たくさんの美しい落ち葉が落ちています。拾ってすかしてみるとどれも本当に
     美しくてうれしくなります。そんな落葉をあげる孫がいる。なんて幸福なひと時
     なのでしょう。心がじわ〜んと満たされてきます。桃華さんがうらやましいです。

 古里の団欒想う 息白し(靖坊)      悠澪
      子供の頃の古里でのあったかくて楽しい団欒、忘れられませんよね。寒い日
     にはふと思い出して、懐かしくなるのでしょう。「息白し」に厳しい寒さを感じられ
     ます。

 ケイタイは帰るコールだけの夫(ぺ天使)     悠澪
      我が夫も同じです。お昼休みに食事に帰るのですが、毎日「今、社を出た」だけ
     の電話です。食事の支度をしている時には、わかっているのだから「今日は帰れ
     ない」という時だけでいいのにと思います。

 落ち葉舞うとなりの家まで占領し(桃華)      悠澪
      この季節、落ち葉には悩まされます。掃いても掃いても後から落ちてきて道路や
     お隣さんの庭にまで・・・  ご近所に迷惑をかけながら生活しているのだなと
     考えさせられる季節です。

 ・熱々もひとり暮らしにゃ寒い鍋(美智優)     靖坊
      この「ひとり鍋」の一連の句は、毎食を一人で済ませている自分の心情に、まさ
     にドンピシャな作品でありました。酒や独り言にはあまり縁はないですが、何日も
     続く盛り上がらない料理は本当にその通りですね。舌が焼けるほどの熱々の鍋も、
     木枯らし吹き荒ぶ胸の中では冷たいまま・・・こりゃまたなんとも寂しい限り。

 ・「ひとり鍋」(美智優)      まつぼっくり
      確かに。意味深でもなんでもなくふと窓から外を見て「あ〜〜まだ掃除終わらん
     ・・・」「誰か代わりに晩ご飯作ってくれんかな・・・」とか物思いにふけっちょります。
      美智優さんの句は現実ですか!?もしどうしても一人がつまらないときは「掲示
     板」にお越しください。楽しくおしゃべりしましょう♪

 ・カーテンの洗濯をして春を待つ(悠澪)       靖坊
      自分の所へ春がやってくるどころか、その気配すらないのは何故かなあと常日頃
     感じていた疑問が、この句を読んで納得しました。このアパートに越してきてから
     一度もカーテンを洗濯していなかったのです。春を待つのにカーテンの洗濯は
     欠かせませんね。

 もみじの葉入れた手紙はあなた宛(ぺ天使)     桃華
      大事な伴侶にコトバより大きなごほうび、何げないことが大変嬉しいものです。
     子離れができると残るのは夫婦だけ。二人で大切な時間を作りたいですね。

 夫婦して年に一度の感謝状(悠澪)      桃華
      これも夫婦愛和の句、いいですねぇ・・・。何かホッとします。どうぞ来年もよい
     年でありますように、そして末長く仲良くありますように。

 窓際で頬杖をつく冬初め(まつぼっくり)     英人
      何を思案しているのだろう、あまり深刻なことでもなかろう。意外にゆったりした
     いい時間であったりして・・・・。これは窓際に置いた机から田畑や空を見渡す
     私の姿である。

 何食わぬ顔していても没してく(酒仙)    英人
      いろいろ不安を抱えながらも人に見せまいとして何食わぬ顔をしている。そして、
     数ヶ月もご無沙汰していると入院していたり、時には死亡通知に届く。これから
     私の回りでも多くなる気がする。

 風見鶏くるくる回り過ぎだろう(野のはな)     英人
      働くのも良いが、働き過ぎは困りもの。回りの人を振り回すのは更に困る。
     時折は我が身の行動を振り返ってみる必要があろう。

 旅の空それを夢にはできぬまま(まつぼっくり)      さくら
      今年、四十路を迎える私ですが、少し前までは「もうアラフォーか」とため息を
     ついていましたが、気を取り直し「まだまだ女盛り!」と気合を入れ直しました。
     まつぼっくりさんも、今年は素敵な旅の空を実現できる素晴らしい年になると
     良いですね。


     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2011年「課題」
      (1月)別れる (2月)辛い (3月)君 (4月)歌う
      (5月)冷たい (6月)心 (7月)好き (8月)一緒
      (9月)ほほえむ (10月)愛する (11月)涙 (12月)窓

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


             川柳投稿


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