so101
(せんりゅうつれづれそう)
第101号(22年5月)
浮釣木(ウキツリボク)の章
課 題 「 悲しい 」 腰痛が私を追ってついて来る 悠澪 悲しみを包んでくれる場所がある 野のはな 平静を装っているわれ悲し ぺ天使 楽しみを見つけ悲しさ閉じ込める ぺ天使兄 悲しみを悲しみとせず今生きる ★ぺ天使妹 多すぎる暗いニュースに胸痛み 美智優 悲しいとつぶやいた日もある記憶 ★まつぼっくり 目を閉じて心をとざしひきこもる 酒仙 悲しみの顔より笑顔で福が来る さくら 倒されて木目悲しい見越し松 柳立 星を見て悲しい夜を慰める 靖坊 悲しくて涙の落ちる音がする 桃華 孫といて悲しく思う夕暮れ時 英人 |
「カラオケ」 悠澪
★懐メロにふと青春がよみがえる
カラオケで憂さを流して汗だくに
懐かしい演歌に昭和思い出す
はじけますカラオケ好きの母娘
カラオケは自己満足ですべてよし
「五月晴れ」 野のはな
手作りのおやつ娘に伝授する
★ 山があり緑があって風光る
甘いもの脳が欲しがる夜八時
母の日の母はけっこう忙しい
枕変えてみよういい夢みたいから
「 願 い 」 まつぼっくり
あれやこれ棚を移している夫
現状打破男は面倒くさがらず
面倒な私「えらいね」と見てるだけ
★できるならいつも夕焼け見ていたい
若い頃ボロ窓いっぱい大夕焼け
(随想) 「 将来の夢 」 まつぼっくり
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「 五 月 」 美智優
どんよりと頭も重い春霞
★青空を旅する雲になりたいな
つつじ咲き蜂忙しく飛び回る
藤散って行ったり来たり春と初夏
カーネーションいつしかこなくなりました
「 二 人 」 ぺ天使
菖蒲湯へ順々に入る子供の日
★おのおのが好む魚を煮て焼いて
一人でも二人でも炊く米二合
二人居は誰が食べたかすぐ分かる
幸運の女神よ二人にほほえんで
「 薫 風 」 柳立
青丹よし天平人が今薫る
誘われて名園巡りに人の波
香を残し立った芍薬通り過ぎ
★抜ける空UVカットの日傘行く
藤だなに香りの波も清々し
「夜のお散歩」 靖坊
生ぬるい風に誘われ夜散歩
そろそろと心の闇を探るように
ピカピカと夜の自販機の自己主張
★我が前途照らす灯りは明滅し
立ち止まるないつか必ず陽は昇る
・・英人の20句抄・・ 「新芽と油断」
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「 意 識 」 酒仙
あれこれとやることがあり急ぎ出す
高齢者自分のことと妻のこと
いつのまに働く力失せていく
人が言うほど何もかも手がつかず
★綴る文字もじの重さに身が縮む
「晴れたらいいね♪」 さくら
マイホーム転勤族には夢の夢
連休の終わりに探す次の連休
週末の公園家族の笑顔咲く
こいのぼりパパ・ママ・自分と指をさす
★五月晴れ白紙の予定塗り替える
「母の日に」 桃華
この頃はどの風景も眩しすぎ
母の日に花束もらう母であり
母の日に私の影を踏む幼児
★ドア開ける母の温もり思い出し
歩くには遠い道でも母は来た
(鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ ・カラオケは自己満足ですべてよし(悠澪) 酒仙 音痴でカラオケがだいの苦手なわたくしを慰めてもらっているようです。でも宴会が 好きで会合には参加します。するとすぐカラオケが始まるので気分は憂鬱です。歌詞は 素晴らしいので唄いたいが曲に乗ることができず落ちこみます。またカラオケの機械が 店によって多少違ったりすると尚更落ち込みます。 この川柳で気分を一新してまたがんばります。 ・悲しくて涙の落ちる音がする(桃華) まつぼっくり 涙の落ちる音・・・どんな音がするのでしょうか?ボトッ。それとも心の奈落へとどこ までも落ちていく音なき音。そういうことに想いを馳せました。悲しいときに滝のように 流した涙。目が乾燥するほどに流したのに床には水たまりができてはいませんでした。 ・ 枕変えてみよういい夢みたいから(野のはな) まつぼっくり 久しぶりにかなり怖い夢を見ました。短編集みたいになっていて短いけれど一つ 一つが怖いんです。途中で見る勇気がなくなって起きてしまいました。映画でも昔は ミステリー派でしたが今は嫌ですね。眠っているときくらいお金持ちになって美味しい ものをいっぱい食べていたい。 ・カーネーションいつしかこなくなりました(美智優) まつぼっくり 私自身は色々なイベントにプレゼントを欲しがらないタイプです。めんどくさいというか ・・・ただ今年は娘から打診があり「結婚したのだからお互いのお母さんに何か送ること にした」とのことで欲しいものを聞かれました。せっかくなので名物のお菓子をお婿さん から贈っていただきました。やっぱりちょっと嬉しかったです。 ・甘いもの脳が欲しがる夜八時(野のはな) 悠澪 その日の仕事や家事を終えてほっと一息、少し疲れを感じているのでしょうか? わかるな〜。 ・面倒な私「えらいね」と見てるだけ(まつぼっくり) 悠澪 根っからのずぼら症の私にはよくある光景です。夫が休みの日に庭の手入れや家の 中の片付けをするのを、ほんのちょっと手伝う振りをして、あとは見ているだけです。 ・できるならいつも夕焼け見ていたい(まつぼっくり) 酒仙 私は朝出かけるときに朝日を真正面に見て運転し、帰りは夕日を真正面に見て 運転をして自宅へ帰ってきています。この時期が私にとって一番つらい季節です。 のんびり夕日の沈むのをながめる情景を考えることができるのは幸せです。 朝日が昇ったり、夕日が沈む情景を見てみたいのならフェリーで、日本海で北海道へ 旅したり、瀬戸内海を通り九州へ旅をすれば充分堪能するほど浸ることが出来ますよ。 ・ピカピカと夜の自販機の自己主張(靖坊) 美智優 ほんとうに夜の自販機は明るいですよね。自然の日の光とは違って、白びかりと いうか、自己主張という言葉がぴったりだと思います。 ・青空を旅する雲になりたいな(美智優) 靖坊 大空を風に吹かれるままに漂っている雲って、いかにも自由な感じで羨ましくなります よね。でも雲からしてみれば、大地にどっしりと根を下ろした大木の様に、この身を落ち 着かせてみたいと思っているのかも。明日をも知れぬ根無し草のような日々の今の 自分には、むしろそちらの気持ちの方が強いようです。 ・悲しみを悲しみとせず今生きる(ぺ天使妹) 桃華 強い人だなあと思います。10代、20代の私にはそんな時はあったと思いますが、 今の私は誰かに頼ってしまう情けない人間・・・大きな悲しみが来たら、乗り越えら れるか、心配です。 ・五月晴れ白紙の予定塗り替える(さくら) 桃華 晴天だと心はうきうき、身体も動きます。家事は早めに片付けてしまったので、 ちょっとピクニックでもしてみようかという気分、よく分かります。ママありがとう、と 幼な児がが微笑んでいます。 ・綴る文字もじの重さに身が縮む(酒仙) 英人 文字にして人前に出すというのは、考えるほどに重要な作業である。どのように理解 され、どのような反応になるのか、恐れていてはできない。考え、研鑽し、自己修練には もってこいの場である。老いている暇はない。 ・おのおのが好む魚を煮て焼いて(ぺ天使) 英人 こんな面倒なことも二人だけならできることである。夫婦だから許されることもある。 誰も邪魔する人はいない。老後を大いに楽しもう。 投稿をお待ちしています |
「川柳連れ連れ草」への投稿案内 次の要領で川柳及び感想文を募集します。 投稿をお待ちしています。 1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度 メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて ください。課題の題は2)の通りです。 2)2010年「課題」 (1月)山 (2月)淋しい (3月)一人 (4月)来る (5月)悲しい (6月)胸 (7月)痛い (8月)耐える (9月)昨日 (10月)捨てる (11月)古い (12月)手紙 3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文 (150字以内)も募集いたします。 4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行 います。感想文もその句のページに随時掲載します。 掲載方法は一任してください。 5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。 川柳投稿 |