so100
     (せんりゅうつれづれそう)

              
 第100号(22年4月)

桃  の  章

(科 目)バラ科    (花言葉) チャーミング、天下無敵、あなたに夢中、
中国原産で、紀元前から栽培されていたといわれる。日本では縄文時代
末期からで、記録としては古事記や万葉集などにも登場している。本格的な
栽培は海外の品種が導入された明治時代になってからで、品種は多い。


キリのいい100号になった。漫然と過ぎていく中で、こうしたキリのいい
数字は一つの目標になる。まずは素直に喜ぼう、達成感を味わおう。
皆さんおめでとう。そして次のステップへ向けて歩を進めよう。
                       (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 来 る 」

舞い込んだちょっと幸せ花便り     ★まつぼっくり
まだ待つか来るはずのない幸せを     靖坊
フレッシュな風を運んで来る新人    さくら
風吹けば街を汚しに来る黄砂     美智優
アポ無しで来て青空を黄に染める     野のはな
今度こそ買ったクジ手に来る予感     柳立
待つことが楽しいはずがすぐそばへ     酒仙
孫が来る危険なものは片付けろ     ぺ天使
来る人が来て盛り上がる老人会     ぺ天使兄
皮だけのりんご目当てに来る尾長    ぺ天使妹
君来れば開けるワインはとっておき    ★悠澪
来るはずもないのに待っている手紙     桃華
手紙来る 封切る指がふるえ出す     英人



「  袋  」     ぺ天使

★天秤にかけた袋の幸不幸
幸せを入れた袋は中くらい
福袋求めて並ぶ命がけ
袋から溢れ出ている詰め放題
これ以上は堪忍袋がパンクする



   
 「 孫 」      美智優

  ★記憶力試した孫に試された 
    うろちょろと孫来りゃ走る家の中
      孫帰り我が家に平和戻り来た
   用もなく孫が電話を掛けてくる
  疲れてる時も孫見りゃ笑顔出る



「春を歩く」    柳立・・・・

★こんな日は外に出なさい風の声
タンポポとスミレにレンゲ道笑う
口ずさむちょっと西行花が散る
草青い塚を巡って手にも触れ
寝そべって雲の流れに夢を見る



(随想)   「 むらさきけまん草 」  ぺ天使妹

どういう訳か今年、庭に「むらさきけまん草」が根付いた。
葉がこんもりと冬でも緑で葉形が可愛い。
レンゲの花を細長くしたような可憐な花が咲いている。
見るとあちこちに点在し、植木鉢の陰にもあった。
なぜ我が家を選び、どこから来てくれたのか、
問うてみたい気がする。

因みに花言葉は「貴女の助けになる」「喜び」で、
毒を持っているらしい。


「とりあえず春」    まつぼっくり

試される時代とはいえ気が重い
子を持てばいつまでたっても親は親
大それたチャンスを生かす柄じゃない
願うのは子が有意義に生きること
★不景気な屋根にもみんな春は来る




「おうちピクニック」  靖坊

前日の天気が嘘のような雨
お握りもバナナもがっかりしているよ
お茶の間にシート敷きおうちピクニック
★水筒のお茶は野原の香りする
冷たさを楽しめるほどの春の雨




「  春  」    酒仙..........

 櫻の木花がひらいて気がしずむ
 草取りで一年が暮れ歳を取る
 ★花が咲き喜ぶ人と泣く人が
 政治家と呼べる人は誰だろう
 なみはずれ数字があらわす血圧値



「こころ春色」      さくら

春嵐負けずに桜しがみつく
寒暖の差におしゃれ着を悩む朝
三か月住めば都になっている
★世渡りが得意な気配する二歳
友が皆優しい母の顔になり



・・英人の20句抄・・ 「百号の道」
      
           百号という文字にある達成感
           川柳に係わっていつか三十年
 来る人があって去る人がある歴史
   仲間いて細い道が途切れない
      仲間増え楽しみ増えて支えられ
          甲乙を問わないことも続く道
                   鳥も木も素材に見えて句を作る
                   平凡にして平凡な句が得意
                   惰性でも続けることに意味見つけ
     時折は苦渋の中にある本音
     新年は句にも決意が表れる
     句に秘めた決意が揺らぐ夏の頃
            気がつけば百種の花撮ったカメラ
          花言葉知ると身近な花になる
         生いたちに似合う言葉を探してる
            作り出す喜びがあるホームページ
                ホームページつながり広め縁深め
   細々と紡いだ糸が太くなる
  句をまとめ自分史と気づく夕餉時
 百号の先に新たな道見つけ



「 自 由 」    野のはな・・

★エプロンをはずしてものを考える
道草をしよう四つ葉のクローバー
グリーンのシャドウ初々しいあなた
あくせくと時間は作るものらしい
迷い道したぶんあなた強くなる



「春のおとずれ」    悠澪


娘の指についにつながる赤い糸
結納は台本に沿い棒読みで
顔合わせ和気藹々と良い船出
★読み聞かせしてやった娘が明日嫁ぐ
三人子を嫁がせ肩の荷を下ろす



「草のひとりごと」    桃華

嫌われても嫌われても伸びる草
まだ伸びる草花刈ってしまう人
伸びようとしている時に押さえられ
ひしめき合った隣で生きるのは辛い
★居心地のいい家 ここに根付こうか



    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 君来れば開けるワインはとっておき(悠澪)      まつぼっくり
      これを読んで悠澪さんのお宅を訪問しワインをご馳走になりたくなりました。
    手土産は美味しいケーキがいいですか?それともイカ刺し?

 用もなく孫が電話を掛けてくる(美智優)      まつぼっくり
      小さなお孫さんにとって電話を掛けたいという行為もあるでしょうが、なによりも
    大好きなおばあちゃんの声が聞きたいんですよね!かわいくてほほえましいです。
    孫に好かれるおばあちゃんにならないといけませんね。(自戒。まだいませんが)

 お茶の間にシート敷きおうちピクニック(靖坊)      まつぼっくり
      う〜〜〜〜ん・・・なつかしいです。子どもは遊びと空想の天才で、どんなところでも
    どんなところにもしてしまいます。雨で外へ出られなくてもこうやって家族が美味しい
    お弁当を広げていろんな話をしながら笑い合えることが一番の喜びだと思います。

 ・袋から溢れ出ている詰め放題(ぺ天使)      悠澪
       スーパーの夕市などで、袋詰め放題があるとひとつでも多く、無理にでも押し込
     もうとします。その自分の姿を思い浮かべて、浅ましいと思ったり、たくましいと思ったり、
     主婦ってこっけいですね。

 まだ待つか来るはずのない幸せを(靖坊)      悠澪
      このような寂しい、悲しいことを言わずに、きっと来ると信じて待ち続けましょうよ。
    生意気なことを言ってすみません。私もよく厭世的気分に陥りますが、多くを望まず、
    毎日をつつがなく送れたら良しとしています。

 ・寝そべって雲の流れに夢を見る(柳立)       悠澪
      草原に寝そべって、雲を目で追いながら、遠く見知らぬ地に思いを寄せたり、未来の
    ことを考えたり、これからの季節にぴったりの光景ですね。私もそういうことするのが
    大好きです。

 ・迷い道したぶんあなた強くなる(野のはな)       桃華
      道に迷うとどうしようといろいろ頭を働かせますね。まず誰かに尋ねるでしょう。
    聞いたことをしっかりインプットして次の行動に移すでしょう。いつもと違うことをすると
    いうのは大変な努力が必要です。人生も同じで、迷いに迷っていろいろ経験を積んで
    人は強くなるのですね。

 ・子を持てばいつまでたっても親は親(まつぼっくり)     桃華
      一生涯子供は子供。手がかかるし、気にかかるし・・・。この句の通りです。
    反対に結婚して姑がいればいつまでたっても嫁は嫁。還暦になっても私はまだ嫁さん。
    おばあちゃんでもあるけれどね。

 ・草取りで一年が暮れ歳を取る(酒仙)      美智優
      雑草はほんとに取っても取ってもすぐに生えてきます。取ったばかりだと油断して
    いると草ボウボウ、そうなるとなかなか腰が上がりません。そうならない内にと、常に
    気を付けて、目に付いたら取るようにしていますが、この句のように「草取りで一年が
    暮れ歳を取る」ような気がします。

 ・友が皆優しい母の顔になり(さくら)      美智優
      お友達は、さくらさんの子どもさんを見ているのでしょうね。子どもは母性本能を
    目覚めさせ、心には優しさを、顔には笑顔を呼び起こしてくれます。世の中では恐い
    ニュースも聞きますが、これがほんとの姿ですよね。お子様の健やかなご成長を
    お祈りします。

 ・気がつけば百種の花撮ったカメラ(英人)      美智優
      川柳つれづれ草の楽しみのひとつは、この「花の写真」にあります。自分の好きな
    花が載ったり、名前を知らなかった花の名前がわかったり、花言葉や生産地がわ
    かったり。これからも頑張って、よろしくお願いします。

 ・子を持てばいつまでたっても親は親(まつぼっくり)     靖坊
      親の心子知らずと言いますが、今までもこれからも子を持たないであろう自分には、
    親心のこもった作品を心底理解するのは永遠に不可能な気がします。親は子を持つか
    持たないかを選べますが、子は親を持つか持たないかを選べないので、果たして自分
    の子はこの世に来る事を望んでいるのだろうか、と考えると二の足を踏んでしまいます
    ね。もっとも、その前に相手がいませんから、持ちたくても持てませんが。

 君来れば開けるワインはとっておき(悠澪)       靖坊
      この十年で来客があったのは一度だけ、学生時代の先輩です。もちろんとって
    おきのワインなどあるはずもなく、逆に彼が持参した食料を一緒にいただきました。
    ひどい接待振りです。かと言って今更ワインを準備しても、それを開ける機会は百年
    経ってもないでしょう。とっておきのワインを飲んでくれる誰かが居る、という事が、
    今の私にはもう夢まぼろしなのであります。

 三人子を嫁がせ肩の荷を下ろす(悠澪)     酒仙
      ご苦労さまでした。これで子育ては終りではないですよ・・・・自分がこれから自由に
    なり好きなことが出来ると思わないでほしい。一時の安堵でしあわせを感じてください。
      私は息子が遠方で世帯を持っています。もう結婚して10年を向かえますが、薄給の
    身を助けるためいまだに仕送りをしています。このようなことをするのは親馬鹿かもしれ
    ませんが、でもそうすることで息子夫婦が円満に暮らしていればいいと思っています。

 来る人が来て盛り上がる老人会(ぺ天使兄)     英人
      その人が良くても悪くても、来る人が来ないと会は盛り上がらない。それだけ存在
    感のある人がままある。もし自分がその存在感のある人と思った時は要注意である。
    単なるピエロ役や憎まれ役の時もままあるのだ。

     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2010年「課題」
      (1月)山  (2月)淋しい  (3月)一人  (4月)来る
      (5月)悲しい  (6月)胸  (7月)痛い  (8月)耐える
      (9月)昨日 (10月)捨てる (11月)古い (12月)手紙

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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