so099
     (せんりゅうつれづれそう)

              
 第99号(22年3月)

紫花菜(むらさきはなな)の

(科 目)アブラナ科    (花言葉) 知恵の泉、仁愛、熱狂、
アブラナ科特有の十字形をした紫色の小さな4弁花を咲かせる耐寒性一年草。
こぼれ種から芽が出て半野生化したものが土手などで咲いている。紫大根とも言う。


紫花菜は貴重だった頃もあったようだが、今は群生化してるのをよく見かける。
可憐なだけに一面に咲いている風景はなかなかいいものだ。
花にも人にも変遷がある。人はこの変遷を賢くつかんで生きていかねばならない。
                       (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 一 人 」

落ち込む日ひとり青空見つめてる     ★悠澪
子を寝かせひとり寛ぐティータイム    さくら
一人だと思うと急にさみしい    酒仙
一人では夜道が怖い女だから    ぺ天使
一人欠け二人欠けした同窓会     ぺ天使兄
終い風呂一人ゆっくり深夜便     ★ぺ天使妹
一人立つ丘の空には星無数     靖坊
一人いて夕方までの夢飛ばす     まつぼっくり
日も落ちて犬とテレビと一人飯    柳立
新聞を読んでは今日もひとり言     美智優
一人とはなんと楽しい夜だこと     桃華
一人ずつ仲間が消えて夢消えて    英人


  
 
「ハプニング」     靖坊

  ハプニング息することも忘れてる
冷静さ装いつつも震える手
   波が引くようにいつもの日常へ
緊張が解けて笑いがこみあげる
      ★予想外だから楽しく生きられる



「 風 邪 」  まつぼっくり

まだ二月いつまで冬は続くやら
蓑虫のように着込んで丸くなる
悪寒して体も脳も萎縮する
★買い物に出れば冷気が心地よい
冬眠しただひたすらに春を待つ


「 時 間 」    酒仙

ないないと思っていたら時間空く
忙しく振舞うときがしあわせだ
同じ日に重なるときはいっときだ
あれこれとやることばかり忙しい
★わずかでも一人になると妻の顔


(随想)   「 狂っている 」   酒仙

 毎夕のテレビを見ていて憤慨することばかり、狂っているとしかいえない。
不妊治療をしてやっと授かった幼児を1歳になったからと保育所へ預け、
自分が働きに出ているときに幼児が死亡したと告訴したり、
60歳で定年を目前にした警察官が酒をのんで酔っ払った勢いで
女性を盗撮したとか考えられないことが山ほど起きている。

誰に相談したらよいのだろう・・・・政治家も不信感を抱いているので、
当てにならない。こんなことをいつまでも続けていると日本は
どんどん世界に取り残されていくのではないだろうかと悩んでしまう。
解決策は何だろうか、教えてほしい。



「春っていいな♪」    さくら

近づいた春にこころの花も咲く
春探し行き先迷う顔に笑み
近頃はお出掛け先も子が決める
これだよと歌い教えるチューリップ
★世界中希望あふれる春になれ



「パソコン」      悠澪

掲示板 昔駅前今パソコン 
またですかわがパソコンは天邪鬼
★パソコンとにら見合いして頭痛する
マニュアルはカタカナ多くわからない
気短な我パソコンはすぐむくれ


 


 
    「 我 」    美智優

   ペンダコも我が身の一部愛おしく 
★我が心立入り禁止の線がある
   我儘に気付いた時は誰も居ず
パートナー君でよかった我が人生
   披露宴呼ばれるばかり我娘 



・・英人の20句抄・・ 「春の反抗」
      
    気はせくが休日を待つ外仕事
  予定した畑仕事が雨にあい
 空ながめ雨やむときを予想する
   春めいて花も咲くけど草も伸び
                 吐息漏れ中古トラクター命つき
                 雑草が生えるから要るトラクター
                 新品のトラクター買う英断し
             お隣の畑が綺麗で身が細る
             除草剤気ままな天気に踏み切れぬ
             のんびりと草取りをして良い夫婦
      菜に花が咲いて終わった賞味期限
      旬過ぎた野菜ばかりが残されて
                 冬眠のカエル呼び出す鍬備中
               種をまき苗を育てて明日を待つ
              植えた苗三寒四温に疲弊する
             連作の野菜無言で反抗し
        無防備な野菜畑に黄砂降る
     耐えるだけ耐えた 春が動き出す
  孫がいて春を感じる土筆取り
 満開の梅の木に実を期待する



「 梅 」   ぺ天使

香の方へ誘惑されて梅の道
観梅にやっと来たけど花は無し
★一輪の梅が私の前で散る
狂ったのか梅より見事桜花
過ぎた日の母を見真似て梅漬ける




 
 「フラワードームにて」    柳立

蘭よりも数と熱気の老人力
  花花花この時ばかりは花ごころ
    ★春来たぞ思いっ切り咲いた花の声
       幸せは花より団子友と笑み
          お迎えはこんな花園そう聞いて



「 孫も春 」     桃華.............

どの孫もかわいい声で訴える
★春いっぱい吸ってお腹がすぐ空いて
春の歌いっぱい覚え披露する
ほめられるつもりで見せにくる絵画
いたずらがすぎてなくなるアクセサリー




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 落ち込む日ひとり青空見つめてる(悠澪)      まつぼっくり
      空はいいですね!見ていると本当に人間なんかちっぽけな存在だと思います。
    宇宙は太古からそして未来永劫へと続く。自分と言う存在は単なる通過点。だけど
    こうして命を授かり今ここにいる。夕焼けなどを見ていると本当に勇気をもらいます。

 ・随想「狂っている」(酒仙)        まつぼっくり
      まったく想定外の事件が毎日のように起こりもう何がなんだかわからなくなって
    きます。ため息も嘆きも底をつきそうです。また明日どんな嫌な事件がおきるかわか
    らないし、昭和のはじめのあの温かな人情が生きていた時代が本当になつかしいです。
    小さな幸せもあるでしょう。その幸せを死守して生きていかなければならないのかも
    しれません。

 ペンダコも我が身の一部愛おしく(美智優)     まつぼっくり
      久しぶりにペンダコと言う言葉を聞いて思わず自分の右手の中指を見ました。
    本当に久しぶりに自分の指をまじまじと見た気がします。若い頃は漫画家に憧れ日がな
    ペンを握っていました。もう何十年も経つのにやっぱりその頃の名残が指には残って
    いました。美智優さんも何か書かれているんですね?

 ほめられるつもりで見せにくる絵画(桃華)     悠澪
      孫はいつでも、絵画や作文を嬉しそうに、自慢そうに持って来るんですよね。そして、
    じいじもばあばも、何を見せられてもほめてしまう。まるで我が家の光景そのままの
    句です。

 子を寝かせひとり寛ぐティータイム(さくら)      悠澪
      お子さんが小さいときは、寝ているうちにあれをして、これも片付けてと思いがち
    ですが、それではママの身体を休めるときがありません。子どもさんが寝たら一緒に
    お昼寝をしたり、お茶をして寛いで、体力補給をしてください。少しくらい散らかって
    いても、お子さんもパパもママの笑顔が一番です。

 悪寒して体も脳も萎縮する(まつぼっくり)      桃華
      風邪を引くと日常が非日常になり、何も考えられず、ただぐったりしているのみ、
    厄介なものです。しかし「風邪は万病のもと」、大事にしなくてはなりません。ここ2、
    3年、私は風邪で寝込んだ覚えがありません。ありがたいことです。うがい、手洗い励行、
    頑張ります。

 ・蘭よりも数と熱気の老人力(柳立)      桃華
      フラワードームはしばらく行ってませんが、あの花の祭典には圧倒されます。見事な
    花、花、花。花のパワーより老人力の方が強いと柳立さんはおっしゃいます。確かに
    中高年の、特に女性のパワーは年々伸びていて、ドームを埋め尽くしていますね。
    60代、70代はまだ老人じゃないぞと叫んでいるようです。

 緊張が解けて笑いがこみあげる(靖坊)      美智優
      ハプニングが起きると、一瞬息が止まったり、慌てたりと、ちょっとパニック状態になり
    ます。しかし、その場が過ぎて落ち着きを取り戻したときに、自分の姿を思い浮かべると
    笑えるんですよね。誰にでも経験があるのではないでしょうか。

 お隣の畑が綺麗で身が細る(英人)      美智優
      草取りしなきゃと思いつつ、予定通りに事が進まず、我が畑は草ボウボウ。苗も
    買ってきていないのに、隣では綺麗に草は取られ、苗も植えられている、と〜っても
    気が焦りますよね。

 パートナー君でよかった我が人生(美智優)      靖坊
      名を成したり財を築いたりするなら、努力次第でなんとかなりそうですが、良き伴侶を
    得、自分もまた良き伴侶になるには、独力だけでは如何ともし難いものがありますね。
    こう言い切れる作者の人生は本当に幸福だと思います。私はもう諦めていますが、
    せめて「パートナーいないけどよかった我が人生」と言えるような人生にしたい思います。

 過ぎた日の母を見真似て梅漬ける(ぺ天使)      英人
       こうして母の味は伝えられていくのだろう。昨今の何でも買えばすむことではなく、
     少し手間暇がかかるが、こんなわが家の味を大切にして欲しいものだ。それが家族の
     絆になっていくのである。母の存在は大きい。

 終い風呂一人ゆっくり深夜便(ぺ天使妹)      英人
       もう後に入る人はいない、今日1日、家族を無事に守り抜きゆっくり湯に浸る。
     ラジオから流れる音楽がさらに幸せ感をもたらす。主婦の至福の時間であろう。
     ご苦労様でした。

 パートナー君でよかった我が人生(美智優)      酒仙
       すばらしい句を読んで青春時代を思いだしています。今日の自分の心を見事に
     捕らえられておりうれしかったです。妻と結婚して今はよかったと思っているので
     しみじみと幸せだと思っています。もう二度とこのような夫婦になることはないでしょう。

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             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2010年「課題」
      (1月)山  (2月)淋しい  (3月)一人  (4月)来る
      (5月)悲しい  (6月)胸  (7月)痛い  (8月)耐える
      (9月)昨日 (10月)捨てる (11月)古い (12月)手紙

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
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