so097
     (せんりゅうつれづれそう)

              
 第97号(22年1月)

紅要黐(ベニカナメモチ)の

(科 目)バラ科    (花言葉) ・・・・
    一般にはアカメガシと言われる樹木で、比較的暖かい地域に分布する。
    庭園樹、公園樹、とくに生垣として賞用されている。新葉は紅色を帯びる。
雌雄同株で、開花は5〜6月。萌芽力があり、強いせん定に耐える。


アカメガシを知っている人でも、この写真を見てアカメガシと分かる人は少ないのでは
なかろうか。世の中のこと、興味を持てば楽しいこと、面白いことは沢山あろう。
そんな気持ちを持ちながら日々を過ごし、川柳もうまく利用していこう。
                       (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 山 」

もう一度登れる山の夢を見る     ★酒仙
枯れないぞ芽吹く春待つ山の木々    ★悠澪
遠い山冬の匂いが漂って    さくら
今もまだ山の頂上見えぬまま     靖坊 
爺ちゃんの山には宝物がある    野のはな
山かけて合格をした運の良さ     ぺ天使
若き日に慚愧の涙捨てた山    ぺ天使兄
元日の富士悠然と茜空     ぺ天使妹
故郷の山が気弱を笑ってる     まつぼっくり
山の端を希望に染めて初日の出     美智優
おっかぁも死語になったか山の神    柳立
御嶽山見えた日いいことありそうで    桃華
いろいろな山に登って今がある     英人



「この山ありて」    ぺ天使兄

★この山ありてこそ我が故郷ぞ
秘密基地作った山は草ぼうぼう
故郷の山の眼下は瀬戸の海
茸狩り山は荒れはて進み得ず
月の夜は酒を交わした山なりき




    「新春雑感」    酒仙

  急く余り足が進まずこけまくる
  人事と思っていたら身に罹る
  下界ではまだ見ぬ雪を手で握る
  昨日見て今日も尋ねていない家
  ★今の世は昔の思い出家探し



「 夢 」    野のはな

一人ずつ自分の城へ立ち戻る
夢ばかり食べてすくすく背が伸びる
早春に似合う水仙すくと立ち
★天気晴朗五年日記も恙無し
曇り空だけど洗濯機は回す


(随想1)   「 お御籤 」  野のはな

  初詣に行きました。
昔、凶を一度引いてからお御籤を引いていませんでした。
今年久しぶりに引きますと小吉でした。まずまず・・・。

ここのお御籤にはお守りが入っていて、私のは布袋尊でした。
福々しい大きな耳とお腹の神様でどんな時でも笑顔で接すること
ができ、しかも内にはしっかりした意志を持ち世の中の清濁を
併せ呑む度量をもっておられます、とありました。
あやかりたいです。

ちなみに大学生の息子には弁財天で学問の神でした。
夫は福禄寿、 頭が長〜い神様で笑わせてもらいました。
一月は今年はこうしなくちゃって必死に考える月です。
まずは笑って・・・。



    「 耳 」    悠澪
 
    福耳と言われるけれど福来ない
 ★イヤリング君待ちわびて揺れている 
   言わないで陰口を聞く耳持たぬ
     おしゃべりな孫の話に耳憩う
  足音にこれは孫だと耳すます




「  夜  」    まつぼっくり

夜が来て弛緩していくスピリット
★夜が好き 好きな人だけそばにいる
縮んでた心大きな伸びをする
セレモニー終わって眠る夜が深い
これからの時間は私だけのもの


「横浜へお引っ越し」......... 
   さくら


引越しが決まり心が揺らぐ冬
想い出が瞼の奥に甦る
想い出を整理しながら夜が明ける
再会を誓い心が和む朝
★この街がくれた出会いに感謝する


            
     (随想2)    「アカメガシ」      英人

 今月のタイトルの裏話を紹介します。
 昨年末、千両やピラカンサのように赤い実をいっぱいつけた木を見かけた。美しい、何という木だろう。たまたま近くにいた植物について造詣の深い知人に尋ねた。少し首をひねった後「アカメガシだろう」と言われる。こんなに実が付いて葉が青くてアカメガシなのか。確かに葉の形状や樹勢はアカメガシである。植物には結構個体差があると言われる。
 その後、親切にも調べて連絡をもらった。次回の川柳連れ連れ草はこれでいこう。しかし、いくら調べても漢字名や花言葉が分からない。赤芽柏ならあるが、全く違う木のようだ。折角調べて教えてもらった木である。こんな経緯があって、今月のタイトルは、一般にはアカメガシで知られたものを正式名の紅要黐となったのです。



「おみくじ」  靖坊

時として神頼みも良しみくじ引く
小吉なりいつもと同じ一年か
幸せはいつも同じに過ごすこと
結ばずに握ったままでポケットへ
★ポケットの中で期待が満ちてくる



  「お年玉」   ぺ天使

一歳も札がいいかと小会議
  お年玉座り直して両の手で
    嬉しさを隠しきれないお年玉
  ★子等からのお年玉は使えない
お返しは感謝の心おせちにし





・・英人の句抄・・ 「新しい年」
             ・・・・2010年課題を詠み込む・・・・

          越えて幸先がよい光さす
       淋しさは除夜の鐘と共に消え
 一人身に慣れるつもりはありません
      来るものは拒わぬ僕の広い庭
         オブラートに悲しさ包み飲み下す
             胸一杯朝日を浴びる期待感
                やせ我慢続けて痛み消えている
              耐えるだけ耐えた水仙美しい
           昨日より良いこと多い日記帳
        命より先に捨てねばならぬ癖
                  古い夢きっぱり捨てて乗る電車
         吉報の匂いする手紙来る



「  梅  」     美智優

白梅が春は近いと囁いた 
寒い朝蝋梅の黄の暖かく
鈴なりの実を採る主のいない梅
言いなりに枝を曲げてる盆栽よ
★新春に何を嘆くかしだれ梅

 

「一宮タワーマラソン」   柳立

寒くても老若男女の別世界
走らないスタッフばかりは寒いまま
手を振ってパパは頑張るトランクス
★冬の陽を胸いっぱいに車椅子
ドン尻もちゃんと走ってご苦労さん



  「雪の舞い」   桃華

元旦に亡母舞う雪も舞っている
雪の朝四苦八苦の車往き
雪が降る子らの元気な雪合戦
左義長に集う仲間に雪の舞い
★雪が舞ういつしか鳥もいなくなり




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 随想1「お御籤」(野のはな)      酒仙
      おみくじで小吉であったとはおめでとうございます。普通大吉をひいて喜ぶひと
    が多い中で控えめな性格ですね。・・・・みくじには大吉、中吉、小吉、末吉、吉、
    凶があります。また今は神社によっていろいろのみくじが置いてあります。恋みくじ、
    天然石みくじ、などなどしかも何本かのうちには凶も入っていますよ。こんなことを
    言うとみくじを求める人が少なくなりますが、引いたその瞬間をさしています。また、
    大吉がでたかどうしたら良いか言う人がいますが、自分で持ち帰ってもよし、神社
    の境内に結んで帰ってもよいです。ただ生木の枝に結ぶことだけはやめてください。
    木がかわいそうです。  

 福耳と言われるけれど福来ない(悠澪)      まつぼっくり
      手が分厚い人はお金に困らないとか生命線が長ければ長生きするとか・・・。
    そういうことはこれまでの統計で一般論として言われているのでしょうが、勿論
    必ずしも100%ではありませんよね。近頃では占いにも全く関心がありません。
    「福」もそれぞれで基準が異なってくるでしょう。悠澪さんにどうぞ「福」が来ます
    ように。祈っています。

 今もまだ山の頂上見えぬまま(靖坊)      悠澪
      この山は人生を表しているのでしょうか?
      若かりし頃、それほど大きな理想を掲げていたわけではありませんが、いまだに
    頂上が見えないような気がします。別に現在の生活に不満があるわけではありま
    せんが、人生とはこれでよしということはなく、死ぬまで歩き(登り)続けなければ
    ならないものなのかなァと思いました。

 ・夜が好き 好きな人だけそばにいる(まつぼっくり)     悠澪
      私も夜が好きです。一日を終えた安堵感で、のんびりとパソ・テレビ・本などを
    開いて・・・でも、こんなふうに考えたことはありませんでした。確かに夜は気心の
    知れた身内だけで、遠慮も気兼ねもいらないんですよね。改めて夜が、というか、
    家族を好きになれそうです。

 雪の朝四苦八苦の車往き(桃華)      酒仙
      今年は皆さんの状況判断が甘い人が多いですね・・・・・
    私は通勤に長距離運転をします。しかも木曽川の堤防を通りますので、苦い経験
    を数年前に体験してからは、誰が何をいようが12月に入るとスタッドレスタイヤに
    交換していますので、安心して車を運転しています。今年は国府宮の裸まつりが
    2月26日です。裸まつりが終わるまではまだ雪が降りますので、お互い気をつけて
    安全運転をしましょう

 ・「この山ありて」(ぺ天使兄)      美智優
      ふるさとと故郷の山に対する愛情や懐かしさ、その愛する山が荒れてきた寂し
    さなどが、ほのぼのと、切なく伝わってきました。

 子等からのお年玉は使えない(ぺ天使)     美智優
      なんとなく解る気がします。子どもたちからのお小遣いは、いずれ返そうと
    思っているわけでもないのに、なぜか使えなくて子どもの名義で貯蓄してしま
    うんですよね。

 枯れないぞ芽吹く春待つ山の木々(悠澪)      靖坊
      もう一花咲かせてやろうという気概もなく、このまま朽ち果てるのを待っている
    ような毎日を送っている自分ですが、毎年、きちんと芽を出し花を咲かせる山の
    木々を見ると、僅かながら意欲と希望が湧いたりします。春が待ち遠しいですねえ。

 秘密基地作った山は草ぼうぼう(ぺ天使兄)     桃華
      子供の頃よく遊んだ所へ久しぶりに足を運んでも、辺りはすっかり変貌し、
    面影もない。がっかり!これも時の流れだろう。しかし、思い出だけは大切に
    心にしまい、忘れぬようにしたいものだ。

 ・この街がくれた出会いに感謝する(さくら)      英人
      いろいろな思い出を残して横浜へ引っ越しですか・・・・句から名古屋の生活も
    良かったことが読み取れます。嬉しいです。私との出会いもあったのですしね・・・・。
      また新しい出発です。希望を持って進んでください。報告を楽しみに待ちます。

 白梅が春は近いと囁いた(美智優)     英人
      まだまだ寒い中、白梅が咲いている。春が近いと感じる。春は花が開く、夢も
    希望も開く。そんなささやきが聞こえる人には、きっと楽しみがかなえられるだろう。
    もう少しの辛抱だ。
 
     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2010年「課題」
      (1月)山  (2月)淋しい  (3月)一人  (4月)来る
      (5月)悲しい  (6月)胸  (7月)痛い  (8月)耐える
      (9月)昨日 (10月)捨てる (11月)古い (12月)手紙

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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