so096
     (せんりゅうつれづれそう)

              
 第96号(21年12月)

風船唐綿

(科 目)ガガイモ科    (花言葉)隠された能力、いっぱいの夢、多忙、、
原産地は南アフリカ。熱帯の各地で野性化し、切花用に栽培されるが、
少し寒さに弱い。高さ1〜2mくらい。長さ10cmほどの細く長い葉は対生。
夏に白色の小さい花をつけ、秋にはピンポン玉大の風船のような果実をつける。


「ふうせんとうわた」と読む。とげとげのある、緑の風船のようにふくらんだ果実が面白い。
近くの畑で見つけて写真だけ撮ってきておいた。しかし、名前を作っている人に聞いても
分からない。ここで扱いたいと思っていたが、名前が分からなくては扱えない。
しかし、昨日偶然分かった。嬉しかった。「窮すれば知恵」という言葉がある。
焦ることなく絶えず追いかけることが肝要であろう。作句もまた同じであろう。
                      (★印は英人の推奨句)


  課 題   「 祝 う 」

娘主催の誕生会についほろり    美智優
前よりも少し大人になりました   まつぼっくり
歳ふれば祝いは憂い誕生日    柳立
新年を祝う支度に餅を買う    ★ ぺ天使
お祝いの卓に童は気取り顔    ぺ天使兄
祝宴に笑顔と涙混じり合う    ぺ天使妹
最悪の年が明けるよおめでとう     悠澪
誕生日唯一自分を祝える日     靖坊
みどり児を抱く時風も木も祝う    ★ 野のはな
気がついて他人の出世をいま祝う     酒仙
親友の明るい未来に祝い酒     さくら
祝い酒一緒に飲む人決まっている     桃華
平穏に過ぎた一日祝うテーブル     英人



   「 年の瀬 」     ぺ天使妹

    どんどんと加速して行く日の流れ
不景気のあおりは貴方だけじゃない
     登り降りしてこの一年過ぎていく
不景気もそこそこ寅を迎えそう
  ★開けぬ夜はないよとエールを送ります



「 子ども 」      まつぼっくり

★遠くの子心配ばかり 走馬灯
子を持てばいつも不安が付きまとう
できるだけ五体満足生き延びて
セレモニー無事終わるまで気が抜けぬ
一つずつ対処するのが精一杯




「 ずぼら 」    美智優

大掃除しなきゃしなきゃで日が過ぎる
大掃除しなくても来る正月は
孫が来る重い腰上げお節作り
★ずぼら病ひとり暮らしじゃ治らない
紅白を見ながら書いてる年賀状



       「善光寺にて」    柳立

     連れられて一茶も牛と善光寺
       蕎麦だけは食わねばならぬ善光寺
         ★あじ占めて今度もつかむ闇の鍵
       ビンズルさんつるりと膝を我が膝に
      ここの鳩全てポッチャリ幸せに



(随想)     「 サプライズ 」  英人

二人で川柳を作り続けてきた夫婦の金婚式に、
子供や孫らが句集を作ってプレゼントした新聞記事があった。
長年の労作がこのようなサプライズになって感無量であろう。

 私も夫婦で川柳を作り、子供がいて孫がいる。
後10年ほどで金婚式である。
どんなサプライズが待っているか、
それを楽しみにして頑張っていきたい。

そして、この川柳連れ連れ草に参加の皆さんも
続けていれば何かのサプライズが生まれると思う。
それは自分で自分を誉めることかも知れない。
それでもいい、人の評価より自分の評価の方が大切である。

川柳連れ連れ草も来月から9年目に入る。
そしてまもなく100号を迎える。
これからも皆さんと着実に歴史を作っていきたいものです。



「長い一日」    靖坊

超多忙長い一日始まりぬ
★迷いつつ経てきた道の短さよ
前途にはまだまだ長き冬野道
踏み締める同じ長さの毎日を
動き詰め長い一日もう終わる



「 十二月 」   野のはな

もう少しゆっくり過ぎてよ日曜日
一年の漢字の新に物申す
★兵役のないこの国の男達
一年の締めに大博打やめておく
冬生まれ小春日和がだーい好き



   「 野 草 」    ぺ天使

  ★ネコジャラシ昼寝男の顔を撫で
タンポポの綿毛を少女追いかける
   一面のレンゲもいずれ首飾り
摘んできたヨモギを母は草餅に
   野草らは煎じ薬に化けている



「ちいさな我が家のサンタ」   
 さくら


★子の言葉増えて楽しい事も増え
二歳過ぎケンカ成り立つ面白さ
アンパンマン子より詳しいパパとママ
子のズボンひと冬越えて7分丈
親も子も笑顔弾けるクリスマス




・・英人の20句抄・・ 「 大掃除 」
   
      仕残したことが気になる師走入り
      急激な寒さに知恵が回らない
      暖かい間はしない大掃除
                  一年の疲れが見える電気釜
                  古いもの大切にする冷蔵庫
                  煙突が見えない街のサンタさん
 躊躇なく予定を変える雪の朝
 庭そうじその前に雪降る誤算
 晴れ男雪のち晴で悔い残る
         窓ガラス磨いて悔いは残しません
         雑巾を絞る 悲鳴がたらたらと
         しがらみを集めた雑巾燃えにくい
              ゴミ入れが満杯になって日が暮れる
              燃やすもの燃やし気分はすっきりと
              蜘蛛の巣は大晦日まで生きのびる
              処分した本が欲しくなる一年後
      掃除終え年賀状を書き始め
      冷蔵庫隙間を作って友を待つ
      好物は残しておいて新年へ
      新年へ誓いは新たな掲示板



  「病気して(3)」     悠澪

この身体粗末にしてたツケがきた
 ★点滴を見てる雨だれ聞こえ来る
治らぬなら開き直って生きてやる
  飲み忘れしなくなったよその薬
あと一歩そこから先に進めない




「 心 」     酒仙

心意気年取ることで消えていく
★いつまでも元気であれよと心問う
年取ると待ちきれなくなる真心が
 新聞を広げてみたら字が読めず
 気を使う人がいないと愚痴となる



「 十二月 」    桃華

紙屑も枯葉も舞ってもう師走
寒い朝柿食う鳥も忙しげ
風強く大事なメモが消えていく
いろいろあって今日もご飯作っている
★うやむやに片づけられる年の瀬だ




    (鑑賞文・感想文) 気ままに一言・・・ 

 お祝いの卓に童は気取り顔(ぺ天使兄)      まつぼっくり
     かわいい子供さんの少し緊張した嬉しそうな得意顔がありありと浮かぶようです。
   子どもは自分のことを周りのたくさんの人たちが祝ってくれるのが何故だかよくわからない
   けど誇らしくてたまらないのです。大切な成長期の温かなひとコマですね。胸が熱くなります。

 ・どんどんと加速して行く日の流れ(ぺ天使妹)      悠澪
     一日の時間は年中同じはずなのに、師走ともなるとなぜか一日一日が早く過ぎる
   ような気がします。最近ではあまり大掃除の光景を見なくなりましたが、それでもそれ
   ぞれの家庭でお正月を迎える準備に忙しいことでしょう。師走も半ばを過ぎるとし残した
   ことが気になって一日が飛ぶように過ぎていきます。共感できる句ですね。

 暖かい間はしない大掃除(英人)      悠澪
     暖かくて出来る日に済ませておけばいいものを、あれもしなきゃ・あそこも片付けなきゃと
   考えているばかりで日が過ぎてしまい、押し迫ってしぶしぶ動き出すときには寒くなって
   いるんですよね。

 ・大掃除しなきゃしなきゃで日が過ぎる(美智優)      桃華
     暮れはとにかく忙しい。何も寒い冬に大掃除などしなくてもいいのにと思っても、つい日が
   過ぎ師走に入ってしまう。次回からは夏の大掃除をしようと決めている私ですが・・・・。

 子の言葉増えて楽しい事も増え(さくら)     桃華
     幼児はどんな表情をしていてもかわいいですね。大人は幼児からいっぱい幸せを
   もらっています。目一杯かわいがってやりましょう!こんな期間は短いですよ。

 飲み忘れしなくなったよその薬(悠澪)      酒仙
     私は毎年定期的に行なっている人間ドックで胃カメラ検査を受けていますが、今迄何も
   異常がありませんでした。しかし今年は胃に2箇所も陰が出来ていましたので、慌てました。
   再検査して薬が渡され毎食後服用するように言われて飲み続けました。そうして2カ月薬を
   服用して再度カメラをのみましたら陰がなくなりました。用心のため今も薬を飲み続けています。
   お互い気をつけましょうね・・・・・

 遠くの子心配ばかり 走馬灯(まつぼっくり)      英人
     「便りのないのはよい便り」と言いますが、それが親ですよね、見えない分心配ばかり
   している。そろそろ子供のことより、自分のことを心配しなければならないのに・・・・。

 迷いつつ経てきた道の短さよ(靖坊)     英人
     右に行こうか左に行こうか、このでこぼこ道をどうやって乗り越えようか、いろいろ迷って
   経た来た人生も、ふり返ってみると何と短い人生だったのか・・・・そんな思いでしょうか。
   でも迷っただけの価値はあると思います。苦のない人生などわさびのきいていない鮨みた
   いなものでしょう。

 処分した本が欲しくなる一年後(英人)      靖坊
     本好きな人間ならば間違いなく共感できる一句ですね。私は同じ本を三回購入した事が
   あります。何かの拍子にふっと以前読んだ本を読みたくなるのは、昔食べた名店の料理を
   ふっと食べたくなるのと似たような感覚でしょうか。久し振りに味わう読書も料理も、最初とは
   違う感動があって、なかなかに良いものですね。

 遠くの子心配ばかり 走馬灯(まつぼっくり)      美智優
     子どもに対する心配はどの子も同じなのですが、一緒に住んでいる子は毎日顔を見る
   ことができるせいかそれほど気になりません、遠くに住んでいる子のことはほんとに気に
   なりますよね。ちゃんと食事してるかしら・まじめにやっているかしら・悪い人に騙されやし
   ないかしら等々、いろんな心配が頭の中で駆け巡ります、それを走馬灯で表したのが
   素敵です。

 もう少しゆっくり過ぎてよ日曜日(野のはな)     美智優
     休日は日頃できない家事をして、身体も休めたいし、少しは遊びもしたい、なのに平日
   よりも早く時間が過ぎていくような気がします。ほんとにゆっくりと過ぎてほしいものです。

 ゴミ入れが満杯になって日が暮れる(英人)      まつぼっくり
     本当にお金は貯まらないのにゴミはよく貯まるといったものです。日頃散らかしっぱなしに
   していた場所を思い切って片付けると、まあゴミの出ること出ること。ゴミがいっぱい出た分
   しばらくの間はすっきりして気持ちがいいものです。しかし、瞬く間にまたゴミが・・・。

 紅白を見ながら書いてる年賀状(美智優)     まつぼっくり
     年賀状は無事書けましたか?本当に不義理で申し訳ないのですが、年賀状を書かなく
   なって20年近くになります。昔は自分でも感心するほどの筆まめだったのにだんだん面倒
   になって1年に1度の年賀状さえ書かなくなってしまいました。

 ずぼら病ひとり暮らしじゃ治らない(美智優)     まつぼっくり
     美智優さんもたくさんの家族とお暮らしでしょうから、主婦というもの仕事を持っていても
   おさんどんに明け暮れてしまいますよね。これからどんどん年をとって万が一、一人暮らし
   とかになったらやっぱずぼらになっちゃうんでしょうかねえ〜〜?今はまだ想像さえでき
   ない自分ですが・・・。

     投稿をお待ちしています




       「川柳連れ連れ草」への投稿案内
             次の要領で川柳及び感想文を募集します。
             投稿をお待ちしています。


  1)毎月15日までに自由句を7句程度、課題句を2句程度
    メール(下記)で送付してください。自由句には題をつけて
    ください。課題の題は2)の通りです。
 
 2)2010年「課題」
      (1月)山  (2月)淋しい  (3月)一人  (4月)来る
      (5月)悲しい  (6月)胸  (7月)痛い  (8月)耐える
      (9月)昨日 (10月)捨てる (11月)古い (12月)手紙

  3)「川柳連れ連れ草」を読んでいただいた人から感想文
    (150字以内)も募集いたします。
  
4)発表は「川柳連れ連れ草」として本ホームページ上で行
    います。感想文もその句のページに随時掲載します。
    掲載方法は一任してください。

  5)始めて投稿される方は「川柳観」をご一読下さい。


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